著者
宇井 美代子 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 八城 薫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.215-223, 2008 (Released:2011-06-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

The present study analyzed demographic and psychological factors that affect adult men's decisions to solicit a prostitute. We administered a questionnaire to 1 400 randomly sampled men aged 20 to 59, who live in the Tokyo metropolitan area (obtaining 664 valid responses). The results revealed that 14.6 percent of respondents have had the experience of being a client in prostitution at some point over the past four to five years. Men in their 50s, who spent their adolescence before the enforcement of anti-prostitution laws, had high prostitution acceptability. Those in their 20s and 30s, who spent their adolescence in the 1990s when “Enjyo-Kousai” (Japanese amateur prostitution)gained topicality, also showed high rates. These findings are considered to be birth cohort effects. In addition, those men who reported grater sexual drive and desire for intimate contact with others, as well as those who reported fewer attitudes of gender egalitarianism, had higher rates of prostitution solicitation. Finally, those men who reported less emotional family bonds also showed higher rates.
著者
櫻庭 隆浩 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 宇井 美代子 菊島 充子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.167-174, 2001-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
20
被引用文献数
5 4

本研究は,『援助交際』を現代女子青年の性的逸脱行動として捉え,その背景要因を明らかにするものである。『援助交際』は,「金品と引き換えに, 一連の性的行動を行うこと」と定義された。首都圏の女子高校生600人を無作為抽出し, 質問紙調査を行った。『援助交際』への態度 (経験・抵抗感) に基づいて, 回答者を3群 (経験群・弱抵抗群・強抵抗群) に分類した。各群の特徴の比較し,『援助交際』に対する態度を規定している要因について検討したところ, 次のような結果が得られた。1) 友人の『援助交際』経験を聞いたことのある回答者は,『援助交際』に対して, 寛容的な態度を取っていた。2)『援助交際』と非行には強い関連があった。3)『援助交際』経験者は, 他者からほめられたり, 他者より目立ちたいと思う傾向が強かった。本研究の結果より,『援助交際』を経験する者や,『援助交際』に対する抵抗感が弱い者の背景に, 従来, 性非行や性行動経験の早い者の背景として指摘されていた要因が, 共通して存在することが明らかとなった。さらに, 現代青年に特徴的とされる心性が,『援助交際』の態度に大きく関与し, 影響を与えていることが明らかとなった。
著者
櫻庭 隆浩 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 宇井 美代子 菊島 充子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.167-174, 2001-06

本研究は, 『援助交際』を現代女子青年の性的逸脱行動として捉え, その背景要因を明らかにするものである。『援助交際』は, 「金品と引き換えに, 一連の性的行動を行うこと」と定義された。首都圏の女子高校生600人を無作為抽出し, 質問紙調査を行った。『援助交際』への態度(経験・抵抗感)に基づいて, 回答者を3群(経験群・弱抵抗群・強抵抗群)に分類した。各群の特徴の比較し, 『援助交際』に対する態度を規定している要因について検討したところ, 次のような結果が得られた。1)友人の『援助交際』経験を聞いたことのある回答者は, 『援助交際』に対して, 寛容的な態度を取っていた。2)『援助交際』と非行には強い関連があった。3)『援助交際』経験者は, 他者からほめられたり, 他者より目立ちたいと思う傾向が強かった。本研究の結果より, 『援助交際』を経験する者や, 『援助交際』に対する抵抗感が弱い者の背景に, 従来, 性非行や性行動経験の早い者の背景として指摘されていた要因が, 共通して存在することが明らかとなった。さらに, 現代青年に特徴的とされる心性が, 『援助交際』の態度に大きく関与し, 影響を与えていることが明らかとなった。
著者
豊田 秀樹 福富 護 西田 智男
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-8, 1993-01-22 (Released:2016-12-01)

The purpose of this study is to show the existence of sexual unidimension of female expressions in comics and gravures in the magazines. 1221 comics and 6861 gravures in 332 magazines published in June, 1989 were collected. The numbers of figures which can be categolized with sex and certain conditions of expression were counted. The frequency tables were analyzed by Quantification type III. The major findings were: (1) most of the expression of female figures in magazines can be explained by an unidimensional scale, named Degree of Exposure. (2) The degree of female expression tends to be more unidimensional in gravures than in comics.
著者
上野 行良 上瀬 由美子 松井 豊 福富 護
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.21-28, 1994-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
10
被引用文献数
7 5

The purpose of this study was to investigate the relation between adolescents' views on friendship and personality characteristics. Six hundred twenty (620) randomly- sampled high-school students completed a questionnaire. Hayashi's Quantification Method of the Third Type showed two more-or-less ind ependent dimensions for the views: friends as a source of conformity and preferred psychological distance to them. The students, in accordance with the above two d imensions, were classified into four types: independent, individual, surface, and close friendship seekers. Analyses indicated that these types were related to such personality characteristics as inferiority, family-adjustment, public self-consciousness, frequen cy of problem-behavior thoughts, and purposes in life. Surface friendship, with high conformity but more psychological distance to each other, might characterize contemp orary youth relationship in Japan. The students who viewed friendship in th is way, in general, loved family more and were better socially adjusted, but the males of thi s category felt inferiority and thought about problem behaviors more frequently.
著者
福富護編
出版者
朝倉書店
巻号頁・発行日
2006
著者
櫻庭 隆浩 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 宇井 美代子 菊島 充子
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.167-174, 2001
被引用文献数
4

本研究は,『援助交際』を現代女子青年の性的逸脱行動として捉え,その背景要因を明らかにするものである。『援助交際』は,「金品と引き換えに, 一連の性的行動を行うこと」と定義された。首都圏の女子高校生600人を無作為抽出し, 質問紙調査を行った。『援助交際』への態度 (経験・抵抗感) に基づいて, 回答者を3群 (経験群・弱抵抗群・強抵抗群) に分類した。各群の特徴の比較し,『援助交際』に対する態度を規定している要因について検討したところ, 次のような結果が得られた。1) 友人の『援助交際』経験を聞いたことのある回答者は,『援助交際』に対して, 寛容的な態度を取っていた。2)『援助交際』と非行には強い関連があった。3)『援助交際』経験者は, 他者からほめられたり, 他者より目立ちたいと思う傾向が強かった。本研究の結果より,『援助交際』を経験する者や,『援助交際』に対する抵抗感が弱い者の背景に, 従来, 性非行や性行動経験の早い者の背景として指摘されていた要因が, 共通して存在することが明らかとなった。さらに, 現代青年に特徴的とされる心性が,『援助交際』の態度に大きく関与し, 影響を与えていることが明らかとなった。
著者
村松 泰子 大竹 美登利 直井 道子 福富 護 佐久間 亜紀 中澤 智恵 谷部 弘子 福元 真由美
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

ジェンダーの視点からの教員養成のあり方の検討に向け、現状と問題点の把握のため、教員養成系8大学の教員・学生両者を対象に実証的研究を行った。初年次に教員に対する質問紙調査(回答703名)、2年次に学生に対する質問紙調査(回答1209名)を実施、最終年次に両調査の結果を合わせ分析し報告書を作成した。調査内容は、教職観、大学教員の教育活動・学生観、学生の学習活動・大学教員観、教師-学生関係、ジェンダー観などである。結果の一部は、下記の通りである。1)大学教員の7割以上が小学校教師は、経済的に安定・大学院レベルの知識が必要としているが、女性教員の過半は女性向きとし、男性教員の過半はそう思っていない。2)多くの大学教員は、学生の学力・まじめさ・積極性・批判精神・将来性には性別による偏りはないと見ているが、批判精神と将来性は女性のほうが女子学生を高く評価している。3)学生は男女とも、男性教員に「専門的知識の深い人が多い」、女性教員に「まじめな人」「やさしい人が多い」というイメージをもつものが多い。4)一般的なジェンダー観に関して、大学教員では「能力や適性は男女で異なる」に男性の過半数は同意、女性の過半数は不同意など、性別による差が大きい。学生も性別により差が見られる。学生の多くが「男女の違いを認めあうことが大切」としているが、「義務教育でもっと男らしさや女らしさを大切に」教育することには多くが否定的である。5)義務教育段階での教師と児童生徒の関係について「毅然とした態度を取るべき」などの権威的な考え方は、女性より男性教員のほうがやや強く、ジェンダーバイアスが強い教員ほど強かった。学生でも、管理主義的な考え方が男子学生のほうにより強かった。以上の通り、大学教員では、ジェンダーに関わる態度や意識が性別により異なる面があり、学生では男女ともに、意識としては男女平等を志向しながらも、すでにジェンダーを内面化している傾向がうかがえた。