著者
藤田 真浩 長尾 貴正 石川 翔吾 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.2L1R121, 2012 (Released:2018-07-30)

人間の思考を説明する際には、意識、感情、意図といった抽象的なスーツケースワードを用いることが多い。しかし、それらが何であるかを表現することは困難であり、学生にとってはなおさらである。そこで、筆者らはEmotion Machineの内容を図として可視化することによって、抽象的な言葉の理解と共有を図った。本発表では、筆者らが可視化させるまでのプロセスを紹介すると共に、その効果の検討を行う。
著者
竹林 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.1417-1428, 1994-08-25
被引用文献数
84

ユーザ中心の音声自由対話システムTOSBURG II(Task-Oriented dialogue System Based onspeech Understanding and Response Generation)についてメディア技術とマルチモーダルインタフェースの観点から論じる.筆者らは,「ユーザに対して何ら制約を設けない」というコンセプトのもとで,雑音免疫ワードスポッティング,キーワードに基づく自由発話理解,ユーザ主導型対話制御,マルチモーダル応答生成,音声応答キャンセル等の要素技術を開発し,それらを統合して不特定ユーザ向きの実時間音声対話システムを開発した.また,実システム上に構築した音声対話データ収集・評価システムは,実音声データと,キーワード検出,音声理解,対話処理等の対話システムの中間処理結果とを記録でき,システム性能評価のほかに音声対話コーパスの構築やヒューマンファクタの評価改良に活用できる.不特定ユーザによる実システムの試用と評価実験の結果,ユーザからの割込み機能,マルチモーダル応答,キーワードに基づく自由発話理解が対話の自然性とロバスト性の向上に有効であることを確認した.
著者
竹林 洋一 本田 美和子 Yves Gineste
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2M3NFC04a1, 2015 (Released:2018-07-30)

『ユマニチュード』は、「人と何か、ケアする人とは何か」という哲学をベースに開発された認知症ケア技法であり、「見る」「話す」「触れる」「立つ」「歩く」を基本とする具体的テクニックから構成されている。ユマニチュードは既存のケア技法との共通点も多いが、「人間尊重」を徹底して、マルチモーダルな介入(インタラクション)を行うことが特徴であり、心と脳に刺激を与え、認知症の人の心身の回復が促進することが実証されている。本報告では、MinskyとDamasioの感情・思考・身体に関わる研究の観点から、ユマニチュードの有効性と可能性について論じる。
著者
小林 美亜 石川 翔吾 上野 秀樹 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.248-253, 2019-07-25 (Released:2019-07-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年,人工知能(AI)やロボット技術の発展に伴い,ヘルスケア領域の研究が盛んにおこなわれている.そして,高齢者の身体機能・認知機能を維持・改善するためのアプローチにも,AIが搭載されたコミュニケーションロボットなどが活用されるようになった.しかし,「意味」を理解したり,「状況」を考慮したり,「人間のように」思考することのモデル化を目指したAI研究は,依然として発展途上である.そこで,人工知能学に基づき,認知機能が低下した方々に対する「見立て知」のモデルを構造化し,介護者等がその知を習得し,活用できる環境を整えることによって,適切な治療やケアにつなげたいと考える.
著者
藤田 真浩 長尾 貴正 石川 翔吾 竹林 洋一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

人間の思考を説明する際には、意識、感情、意図といった抽象的なスーツケースワードを用いることが多い。しかし、それらが何であるかを表現することは困難であり、学生にとってはなおさらである。そこで、筆者らはEmotion Machineの内容を図として可視化することによって、抽象的な言葉の理解と共有を図った。本発表では、筆者らが可視化させるまでのプロセスを紹介すると共に、その効果の検討を行う。
著者
星合 厚 鈴木 敦志 坂根 裕 秡川 友宏 竹林 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3772-3783, 2007-12-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

視覚障碍者向けのタンデム自転車における速度感をギター曲のトレモロ奏法を応用して演出する手法を提案する.晴眼者が景色の流れで速度感を常時得られるのに対し,タンデム自転車の後部座席に乗った視覚障碍者は連続的な速度感を自然に感じることは難しい.速度感をBGM(Back Ground Music)のテンポに結び付ける方法は奏功しなかったが,撥弦楽器のトレモロ奏法に着眼し結び付けることで,景色の流れのような速度感の可聴化を実現できた.自転車のスポークがレーザ光を遮ることで生成されるBGM は,車速を感じるために聞き入ることもできれば,サイクリングをより楽しむためのBGM として聞くことも,あるいは気にすらとめずに聞き流すこともできる.実験を通じ,トレモロの速さによって速度感を得ることが可能であること,機構の直感性が担保されていることが確かめられた.This paper proposes the technique that produces the speed cenesthesia for visually impaired cyclists by tremolo playing method used in guitar music. While a sighted cyclist constantly obtains a speed impression from the scenery, a visually impaired cyclist sat on the backseat of a tandem bicycle has difficulty in perceiving continuous speed impression. Though the first and straightforward way that associates the bicycle speed to a tempo is unsuccessful, the second way that associates the bicycle speed to tremolo speed succeeds in producing speed cenesthesia like scenery. The impaired cyclist can listen to the generated music to know the exact speed, or can simply hear the music as a BGM to enjoy the cycling itself, or can pay totally no attention to the music. Experimental results show that the tremolo is useful to perceive the speed, and also shows that the proposal offers instinct mechanism to hear the speed.
著者
白木 顕介 坂根 裕 杉山 岳弘 竹林 洋一
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.94(2003-HI-105), pp.33-38, 2003-09-26

DJと観客の音楽コミュニケーションを活性化させる新しいクラブ環境とこの環境をコントロールするインターフェイスについて述べる.これまでの研究では,DJ/VJの表現と観客の関係を中心にクラブ環境全体をデザインする検討はなされていない.本稿ではスピーカアレイを利用し,音が聞こえる方向を動的にコントロールしながらDJが演奏できる音響環境とインターフェイスを作成し,その効果や操作性について一般の観客とDJにアンケート調査を行った.その結果,新しいクラブ環境を使用したDJの表現とその効果に関する知見や,DJのパフォーマンスを発揮させるために必要なインターフェイスの仕様についての知見が得られ,このクラブ環境においてDJと観客の間の音楽を介したコミュニケーションを活性化できるという見通しが得られた。
著者
西尾 典洋 内山 吉彦 深沢 佑樹 杉山 岳弘 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1A32, 2009

<p>本稿では、インターネット番組制作における少人数型のスタジオにおいて、 スイッチャーが1人でスイッチング業務を行いながら、 複数台のカメラを操作して番組収録を行えるマルチカメラ撮影支援システムを提案する。 本システムではプロのカメラマンが持つ安定した画角の知識や、 複数台のカメラによる協調撮影のノウハウをシステム化することで、 経験が浅いユーザでも本格的な撮影業務をおこなうことができる。</p>
著者
山本 剛 坂根 裕 竹林 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI, ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.13-20, 2003-09-26
参考文献数
17
被引用文献数
5

カメラ,マイク,モーションセンサを搭載したマルチモーダルヘッドセットを装着することで,話者が会話中に行う非意図的な「うなずき」動作を検出し,会話中の重要箇所をマルチモーダルセンサデータから知識コンテンツとして抽出するシステムを実装した.本稿では,会話の重要箇所を把握する手段としてのうなずきの有効性を実験を通して述べ,状況や個人差を考慮したうなずきの検出方法とその応用について論じる.
著者
奥野 哲也 久嶋 菜摘 坂根 裕 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.3I1OS14a6, 2010

<p>テニスと格闘技のドメインから,物理世界(ゲーム世界)と思考世界をシミュレータで表現することで,新たなコモンセンス知抽出手法について提案する. </p>
著者
小俣 敦士 竹林 洋一 石川 翔吾 松井 佑樹 原 寿夫 宗形 初枝 中野目 あゆみ 坂根 裕 本田 美和子 桐山 伸也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4Rin116, 2019

<p>筆者らは,マルチモーダルケア技法のユマニチュード®️に着目し,認知症ケアスキルの情報学的評価と,Minskyの多重思考モデルを用いた認知症ケア知のモデル設計を進めてきた. 本稿では認知症ケア協調学習環境における指導行為に着目し,指導者の指導知識を多重思考モデルを用いて表出化した結果について述べる.</p>
著者
小俣 敦士 竹林 洋一 石川 翔吾 宗形 初枝 中野目 あゆみ 伊東 美緒 坂根 裕 本田 美和子 原 寿夫 桐山 伸也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3Pin146, 2018

<p>本稿では,認知症高齢者の個性やゴール(願い)といった個性情報に基づいたケアの実践と高度化のための協調学習環境を提案し,有効性について検討する. 本学習環境では,認知症の人本人の個性やゴールといった個性情報をもとに,認知症ケアの映像を用いて組織全体で学びを促進できる.認知症ケアの現場において,提案する学習環境の枠組みに則って協調学習を実施した. その結果,個性やゴールに基づき協調的に学ぶことが,ケアを受ける相手の理解を深めるとともに,ケアを行う際の目標やその意図をチーム全体で共有でき,多様な個性を持った認知症の人に合わせたケア実践につながることが示唆された.</p>
著者
小林 美亜 竹林 洋一 柴田 健一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.568-577, 2018-11-15

診療報酬による「身体拘束最小化」への誘導 高齢化の進展と共に認知症高齢者の入院が増加している。急性期病院(看護配置7対1及び10対1)では、認知症をもつ患者の入院割合は約2割を占め、そのうち、半数以上がBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:行動・心理症状)を有しており*1、身体合併症の治療だけでなく、認知症高齢者の中核症状およびBPSDへの対応能力を高め、身体拘束を防止し、認知症高齢者の尊厳を保障することが急務の課題となっている。 診療報酬でも、医療機関は身体拘束を減らす方向に誘導がなされている。2016年の診療報酬改定では「認知症ケア加算」が新設され、身体的拘束を実施した日は、当該点数が40%減額となるペナルティが課せられるようになった。また、2018年の診療報酬改定では、看護補助加算や夜間看護加算の算定において、「入院患者に対し、日頃より身体的拘束を必要としない状態となるよう環境を整えること」「また身体的拘束を実施するかどうかは、職員個々の判断ではなく、当該患者に関わる医師、看護師等、当該患者に関わる複数の職員で検討すること」といった身体拘束などの行動制限を最小化する取り組みを行うことが要件となっている。
著者
宗形 初枝 原 寿夫 石川 翔吾 菊池 拓也 エーニン プインアウン 本田 美和子 盛 真知子 伊東 美緒 Gineste Yves 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2M4NFC04b4, 2015 (Released:2018-07-30)

本発表では,全国に先駆けて認知症ケア技法ユマニチュードを全病棟に導入した経験を下に,認知症の人とのコミュニケーションが改善した結果について述べる.多段階でコミュニケーションを表現できるマルチモーダル行動観察ツールを活用し,介護・看護におけるユマニチュードの有効性について考察する.
著者
桐山 伸也 大谷 尚史 Ruuska Heikki 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.380, 2008 (Released:2009-07-31)

コモンセンス知識とそれを用いた常識推論の長期的基礎研究を進めている。音声を機軸に人間の内面的思考に踏み込んで行動を記述する音声行動コーパスを構築し、Minskyの階層的思考モデルに基づく常識推論システムのフレームワークを検討した。
著者
竹林 洋一 石川 翔吾 桐山 伸也 堀内 裕晃 北澤 茂良
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

1.認知症ケア技法ユマニチュードに着目し,BPSDに対するケア行為に意味付けし,意図感情知識表現モデルを設計した.本モデルによって,ケア行為と認知症の人との関係を評価できることを示した.2.WebベースのBPSDビューアを活用し,ケースカンファレンスを専門家と継続的に実施した.実践したアプローチによって知識や分析結果を蓄積し,継続的に評価,修正できることが示された.3.コーパス構造を活用し,ケア支援知識コンテンツとして,認知症の見立てに関する知識コンテンツ,及び認知症ケアスキルに関する知識コンテンツを開発し,認知症ケアの改善に有効であることが示された.
著者
竹林 洋一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.554-554, 2016-05-15
著者
橋本 岳 土屋 智 竹林 洋一
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

土砂災害は身近かつ大変危険な災害であり,土砂災害の予兆検知に関する技術の確立は緊急かつ不可欠である。しかし現状では計測精度・計測範囲・計測装置の複雑さ等から妥当な方法が存在しない。本研究期間中には,橋本が有する高精度計測技術を活用して,屋外遠距離にて,広範囲かつ高精度な計測方法を実現した。具体的には,カメラ基線長約1m,計測距離約90mで最大誤差10mm以下という画期的な計測システムの試作に成功し,それを高速道路の法面計測へ適用した。また,本計測方法の様々な応用へも積極的に取り組み,一例として建物や橋梁の振動計測実験を行った。これらは,建物の耐震判定やインフラ構造物の点検にも有効と考えられる。
著者
芝崎 靖代 福井 美佳 竹林 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.17-18, 1995-09-20
被引用文献数
1

電子メール、Net-News、電子掲示板(chat)など、ネットワークを介した言語情報によるコミュニケーションが活発になってきた。言語情報には情報の蓄積、加工、編集などの利点があるが、電話やface-to-faceの対話と異なり実時間やインタラクティヴ性に乏しく、音声のイントネーションや表情などを通じて相手の感情を推察できないという問題がある。感情に関する研究は心理学や認知科学の分野で行われているが、実システムの構築例は少ない。従来の研究には、物語の記述から登場人物の感情を認識する試みや、計算機との音声対話における非言語音声からユーザの感情を抽出する試みがあるが、キーボードを介した自然言語情報による対話からのユーザ感情の抽出はなされていない。本稿では、まず、chatにおけるキーボード対話の例を収集し感情表現を解析した結果について述べる。次に、解析結果から特定した感情を用いて構築したシステムについて述べる。