著者
安田 良子 栗原 俊之 篠原 靖司 伊坂 忠夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.345-352, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
34

〔目的〕本研究は大学野球選手のポジションにおける足部静的アライメントと動的バランス指標の特徴を明らかにし,これらの関連性を検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は大学野球選手106名(投手31名,野手75名)とした.足部静的アライメント指標は両足立位時の内側縦アーチ高率,第1趾・第5趾側角,開張角,足幅/足長比とし,動的バランス指標は重心安定化時間とした.〔結果〕投手と野手で両足の重心安定化時間に有意な差は認められなかったが,投手にのみステップ足の足幅および足幅/足長比と重心安定化時間に有意な正の相関関係を認めた.〔結語〕投手はステップ足接地後に前足部横アーチを剛体化することで,ステップ足にかかる荷重負荷を軽減し,安定させている可能性が示唆された.
著者
加藤 直樹 徳岡 昌文 篠原 靖智 小山 泰二 長田 裕之
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.197-206, 2014-07-31 (Released:2014-10-15)
参考文献数
36
被引用文献数
1

麹菌Aspergillus oryzaeは我が国の伝統的な発酵食品の生産には欠かせない微生物であり,長い年月をかけた育種により,その安全性が確立されている.本菌はアフラトキシン生産菌A. flavusから派生した家畜種と考えられており,その進化的な近縁関係は両種のゲノム解読によっても裏付けられている.我々人類にとって対極とも言える両種の決定的な相違点として,二次代謝産物生産能を挙げることが出来る.両種のゲノム中には共通して多数の二次代謝系遺伝子が存在しているにも関わらず,A. oryzaeは一切,アフラトキシンを生産せず,報告のある二次代謝産物もごく少数である.生合成に関わる遺伝子の変異や欠損,転写抑制といった遺伝的要因の蓄積によるマイコトキシン生産能の喪失は,A. oryzaeがA. flavusから家畜化して生じた種であるという概念によく合致している.そういったA. oryzaeにおけるマイコトキシン生産を回避するための遺伝的要因「セーフガード」に焦点を当て,我々が最近明らかにしたシクロピアゾン酸(CPA)生産に対するセーフガードを中心に解説する.小胞体Ca2+-ATPaseに対する強力な阻害物質であるCPAはA. oryzaeの一部の菌株における生産が報告されている.その生合成遺伝子クラスターには,A. flavusでは欠失している遺伝子が含まれている.一見すると従来の家畜化の概念とは相反する現象ではあるが,種々の解析の結果,その遺伝子はCPAを2-オキソCPAに変換することで毒性を和らげる役割を担っていることが明らかとなった.麹菌ゲノム中には,その安全性を担保するための様々な遺伝要因が蓄積していることが改めて示唆された.
著者
安田 良子 篠原 靖司 伊坂 忠夫 熊井 司 小柳 好生
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.61-66, 2018-10-31 (Released:2019-01-26)
参考文献数
16

大学生野球選手110名を対象に,足趾形態および足底の胼胝箇所を調査し,肩・肘関節障害歴の有無に対する比較から投球障害への関連性を検討した.障害歴のある選手の軸足・ステップ足は,前足部外側に胼胝を認めた選手が有意に多く存在した.足趾の変形については,両群に有意な差は認められなかったが,軸足においては第4趾から内反し,ステップ足については,第3趾から内反する選手が多い傾向を示した.この結果は,肩・肘関節に障害歴がある選手は,投球時において,前足部外側に荷重が偏位した不安定な状態で足部を使用している可能性が推察され,足部形態と肩・肘関節障害歴とは,何らかの関連性があることが示唆された.
著者
木幡 義彰 宮原 健夫 清水 直樹 渡辺 浩一 内山 和郎 井川 守仁 篠原 靖 白鳥 泰正 窪田 良彦 竹下 俊隆 宮岡 正明 斉藤 利彦 古畑 総一郎 木下 剛 福武 勝秀
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.211-214, 1993-12-01 (Released:2015-07-15)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例1は51歳男性。腹痛を主訴に入院した。腹部X線検査にて横行結腸と思われる部位に針様陰影を認め,停滞したため大腸内視鏡検査を施行し,生検鉗子を用いて横行結腸より縫い針を摘出した。症例2は61歳女性。義歯誤飲にて受診した。腹部X線検査にて上行結腸に異物を認め,大腸内視鏡検査を施行し,生検鉗子およびポリペクトミー用スネアを用いて義歯を摘出した。症例3は59歳男性。自慰行為にて肛門から挿入したバイブレーターが抜去困難となり受診した。大腸内視鏡検査を施行し,スネアを用いて摘出した。3例とも摘出による合併症の出現はなかった。異物は時に消化管穿孔や出血などをひき起こし,外科的処置が必要となる場合がある。内視鏡的異物摘出は上部消化管においては普及しているが,下部消化管ではまれである。大腸異物の内視鏡的摘出は安全かつ有用な手技であると考えられた。
著者
植田 健治 望月 眞 篠原 靖 杉本 勝俊 阿部 公紀 田畑 美帆 片上 利生 宮岡 正明 寿美 哲生 葦沢 龍人
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.1526-1532, 2005

症例は54歳,女性.右下腹部痛と血便を主訴に当科を受診した.大腸内視鏡検査で回腸終末部に10mm大の粘膜下腫瘍様隆起が認められ,生検でカルチノイド腫瘍と診断された.腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行したところ,深達度はsmで筋層浸潤はなく,腫瘍径は小さかったが,回結腸動脈根部のリンパ節に転移が認められた.本症例は大腸内視鏡検査時に回腸終末部への挿入を実施したために発見された病変であり,可能な限り回腸終末部への観察が重要と考えられる.
著者
千田 恭子 篠原 靖志 坂内広蔵
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.7, pp.21-26, 1996-01-19
被引用文献数
2

検索の初期入力を支援するため、汎用シソーラスを利用して検索対象の文章中に含まれる語を意味別に分類して提示する索引メニューシステムについて報告する。検索に役立てるために、対象領域用のシソーラスを作成し、文書中の用語をそのシソーラスの分類にそって意味別に提示するシステムがある。しかし、検索対象ごとにシソーラスをつくるのはコストがかかる。そこで我々は、「分類語彙表」という汎用的なシソーラスを利用し、ある企業の規定文書を対象に、低コストで簡便な索引メニューシステムを試作した。しかし分類語彙表の体系は索引提示に利用するために作成されていないため、そのまま利用するには、最上位のメニュー提示に適した階層がないなどの問題点があった。そこで、索引項目を二つに分け、分類の視点がより明確である項目を先に提示するなどの修正処置を行なった。本論ではそのような修正を含めた索引メニューの構築方法と、その考察を述べる。We report a nex method for making an index menu of full text database. This index menu and its presentation system supports finding keyword for the users unfamiliar to the target text database. Although, some existing full text database systems have special thesaurus developed to match their contents, it is expensive to develop different thesaurus for each databases by the experts. Hence we developed an index menu by modifying a general thesaurus "Bunrui-Goi-Hyou" to make an index of text databases in general. We discuss on the general thesaurus, modification process, and an index menu presentation system.
著者
千田 恭子 篠原 靖志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.86, pp.91-96, 2001-09-10

技術成果に関するPR資料やプレゼンテーションでは、専門家だけでなく一般の人にもアピールする表題をつける必要がある。そこで本研究では、専門的な技術性かを、専門知識のない一般の人にもアピールできる表題のつけ方を明らかにすることを目的とする。そのため、論文・報告書の表題(4325題)と、それと同種の研究成果を報じた新聞記事の見出し(1411題)との比較分析を行った。そして、新聞の見出しでは、専門知識のない人にもその技術の価値が伝わるように、「開発技術の具体的な動作内容でなく、開発目的を示すことで、その技術の要旨を表す」「開発技術の実現方法でなく長所を示すことで、その技術の新規性を表す」という方策をとっていることを明らかにした。In order to publish reports or pamphlets on newly developed technologies for the general public, the authors have to compose titles appealing to the common reader. In order to clarify the method of composing the titles, this research compared between paper titles and newspaper headlines. On comparison, it became clear that the following tactics is used in the newspapers headlines to get the value of the technology across to the reader who lacks expert knowledge. ・It is expressed that what sort of technology it is by the phrase expressing what purpose the technology is for, instead of by the phrase expressing what the technology does. ・It is express that what the novelty of the technology is by the phrase expressing its strong point, instead of by the phrase expressing the method of realizing it.