著者
藤岡 健人 森本 元 三上 かつら 三上 修
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.153-159, 2021-10-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
25

都市緑地においてカラス類が営巣している場合,利用者がカラス類に襲われないようにするために,自治体によってその巣が撤去される場合がある.しかし,都市緑地からカラス類の巣を撤去すると,撤去されたペア,あるいは本来そこにあったなわばりの防衛効果がなくなり,周囲の電柱への営巣を助長し,停電のリスクを上昇させ,電力会社による撤去コストを増やしてしまう可能性が考えられる.この可能性を検証するために,北海道電力函館支店の2017年から2018年における巣の撤去記録を用い,カラス類が営巣した電柱と緑地分布の関係を解析した.その結果,カラス類の巣があった電柱は緑地から遠いことが示された.このことから,都市緑地にあるカラス類の巣の撤去は,周辺の電柱への営巣を助長する可能性があるので,撤去をすべきかどうか慎重になるべきと考えられる.また,撤去する場合は,ヒトへの攻撃性の高いハシブトガラスCorvus macrorhynchosの巣を優先的に撤去したり,撤去により周辺電柱への営巣可能性が高まることを電力会社と共有したりすることが有効である.
著者
和嶋 浩一 井川 雅子 矢崎 篤 三田 雅彦 住井 裕 木津 真庭 小飼 英紀 鈴木 彰 藤岡 健 野本 種邦
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.764-772, 1988-07-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
10

The purpose of this study was to clinicaly evaluate the efficacy of an antianxiety Etizolam (Depas®) on temporomandibular joint disorders. The subjects were 33 patients (10 males and 23 females, average 34 years 5 months) with myogeneous complaints. Etizolam was administered in a daily dose of 1.5 mg (0.5 mg × 3 times), and all subjects didn't take any other treatment for 2 weeks.1. The efficacy rate of all subjects was 76%.2. As a result of analysing efficacy according to chief complaints, the efficacy rate was a high 100% for a group suffering from stiff neck and shoulder, 92% and for a group with opening pain at the TMJ.3. As a result of analysing improvements of each sign and symptom, the efficacy rate was a high 92 % for headache, a high 88%, 81%, and 80% respectively, for tenderness of the temporal muscle, masseter muscle, and sternocleidomastoid muscle, and a high 84% for mouth opening pain.Statistically significant differences (p<0.01) were found in the above signs and symptom between before and after treatment.4. The efficacy rates of joint sound and trismus were a low 43% and 40%, because some cases of joint sound and trismus were caused by the internal derangement of the TMJ, and generally, internal derangement of the TMJ doesn't respond to drug treatment.5. Side effects were observed in 3 cases, such as slight sleepiness.6. It is suggested that Etizolam is a usefull drug for treatment of temporomandibular joint disorders, except in cases of chronic internal derangement of the TMJ
著者
永島 広紀 藤岡 健太郎 久米 朋宣 六反田 あゆみ
出版者
九州大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

本研究は、「演習林」を通じて学問領域を横断的に、かつ大学・部局をも横断的に、しかも最終的には、各「帝国大学」と「内/外地演習林」との関係史を考究することによって、大学と演習林」の史的な連環を繙く作業である。演習林は大学組織としては<準部局>的に存在し、また広大な敷地と研究・実習用標本、そして植林/伐採にまつわる現業部門をも有した重畳的な組織である。本研究は演習林のこうした組織的特性から、狭義の「大学史」では取り扱いづらい「大学史料アーカイヴ」「技術史/技術官僚論」「水環境と地域史」「山林生態学」「災害/災害予防学」という文理両系に跨る各領域を統合した、新たな研究の地平を開こうとするものである。
著者
山本 真規 藤岡 健彦
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.911-916, 2015 (Released:2018-01-25)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本研究の目的は,各車両パラメータ,およびパラメータ間の相互関係がロール・平面連成運動に及ぼす影響を明らかにすることである.ロールと平面運動が連成する3 自由度モデルと近似モデル(平面モデル,断面モデル,単純ロールモデル)の特性根を対比して解析することにより,各車両パラメータが連成運動に及ぼす影響を示し,単純ロールモデルと平面モデルの固有振動数比が連成運動に支配的な影響を及ぼす指標であることを導いた.加えて,慣性主軸傾角とロール軸傾角の操舵応答特性に及ぼす影響の相違点と類似点,およびその由来を明らかにした.
著者
藤岡 健彦 井口 雅一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.51, no.466, pp.1255-1263, 1985-06-25

車輪踏面形状は円弧と直線とを組合わせて設計されることが多いが,このような踏面形状に欠点が少なくない.歯車のインボリュート曲線のようになんらかの理論的な根拠をもった曲線を使って踏面形状を構成することにより,これらの欠点を是正することを試みた.トレッド部には輪軸が左右に移動してもHertz圧が変化しない曲線を,フランジ部には輪軸がヨ-イングしても2点接触をおこさない曲線を使用することを提案した.
著者
藤岡 健太郎 新谷 恭明 折田 悦郎 永島 広紀 陳 昊 井上 美香子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

帝国大学農科大学・農学部がどのように形成され、それぞれがどのように教育・研究活動を展開していたのかを解明することが本研究の目的であった。具体的な成果は以下の3点である。①学科・講座・附属施設の設置状況を中心とした帝国大学農学部の形成と展開の過程の解明。②4帝国大学農学部教官履歴データベースの作成と、それを用いた農学部教官人事の特徴の解明。③農学府附属演習林財政と帝国大学財政全体の関係性の解明。
著者
折田 悦郎 新谷 恭明 藤岡 健太郎 梶嶋 政司 永島 広紀 陳 昊 井上 美香子 横山 尊 市原 猛志 田中 千晴
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

戦前期の帝国大学(以下、帝大)のうち、法文学部が設置されたのは九州帝大と東北帝大だけであった。東京、京都の両帝大には、法学部、文学部、経済学の3学部が置かれ、一方、九州・東北帝大以降の北海道、大阪、名古屋の各帝大には、法文系学部は設置されなかった。このことは法文学部の存在そのものが、帝大史研究の中では一つの意味を持つことを示唆している。本研究は、このような法文学部について、九州帝大の事例を中心に考察したものである。
著者
荻野 哲男 藤岡 健史 柳瀬 大輔
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2011-CE-111, no.5, pp.1-6, 2011-10-07

高等学校では,情報と情報技術の科学的理解とその活用を目的として,モデル化とシミュレーションを題材とした教育が行われている.そのプログラミング環境としては,初心者でも扱いやすい Squeak eToys 等のビジュアルベースのものが多く導入され,一定の教育効果が報告されている.しかしながら,次に C 言語や Excel VBA 等のテキストベースのプログラミング環境へと移行する際,学習者にとってこれらの環境間のギャップが大きく,有機的な学習につながりにくいことが明らかになってきている.そこで本研究では,このギャップを埋めるため,ブラウザベースのオープンソースプログラミング実行環境 「ますめ」 を新たに設計,試作した.本稿では,「ますめ」 の設計と実装および学習のための利用モデルケースについて説明する.
著者
佐藤 亨 林 智定 永井 良史 藤岡 健吾 野田 良輔
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.547-548, 1997-09-24

プッシュボタン(PB)信号を送出可能な電話機を入力端末とした、電話番号検索方式の研究を進めている。[1][2] 本方式は、以下の要素技術から成る。(1)PB電話機の12個の限られたキーを用いて、情報を入力するための日本語入力技術 (2)情報検索に必要な情報を聞出す対話誘導技術 (3)入力情報から膨大な電話番号DBを検索する検索技術 本稿では、これら要素技術を概説し、これら技術を統合したPB電話機による電話番号検索システムを紹介する。
著者
奥 雅博 藤岡 健吾 浅野 久子 高木 伸一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.74-75, 1997-09-24

我々はプッシュボタン(PB)信号送出可能な電話機を入力端末とし利用できるPB入力型電話番号検索実験システムの開発を進めている[2][4]。このシステムは、家庭やオフィスに普及しているPB信号送出可能な電話機を用いて住所や名前の入力を可能とする日本語入力方式(以下、PB入力方式)を採用している。PB入力方式は、図1に示すようにlつのPBボタンに複数のかな文字を対応させ、1押下で1かな文字を入力する方式である。従って、1押下ごとを見るとかな文字レベルで複数の候補が存在することになる(例えば、"1"の押下は"あ"~"お"の5つの文字のいずれかを入力したことになる)。この曖味さを解消する過程において姓名の漢字までを特定しなけれぱならない場面が生じる。PB入力型電話番号検索実験システムでは、同音異字の姓名候補が得られた場合に、この姓名候補に対する漢字説明文を利用者に音声で流すことによって、利用者の求める漢字を持つ姓名を特定する。このとき、利用者への情報伝達は音声のみで行われるので、漢字説明文には「耳で聞いて容易に理解できる」ことが要求される。そこで、2節で述べる方法で生成した漢字説明文に対して、聞いて理解できるか否かという観点から評価実験を行った。