著者
高寺 政行 大谷 毅 森川 英明 乾 滋 南澤 孝太 佐藤 哲也 鋤柄 佐千子 大塚 美智子 金 キョンオク 宮武 恵子 松村 嘉之 鈴木 明 韓 載香 柳田 佳子 古川 貴雄 石川 智治 西松 豊典 矢野 海児 松本 陽一 徃住 彰文 濱田 州博 上條 正義 金井 博幸 坂口 明男 森川 陽 池田 和子 鈴木 美和子 北折 貴子 鄭 永娥 藤本 隆宏 正田 康博 山村 貴敬 高橋 正人 中嶋 正之 太田 健一 堀場 洋輔
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

我が国ファッション事業の国際化に寄与する研究を目指し,国際ファッション市場に対応する繊維工学的課題の解決,国際ファッション市場に通用するTPS/テキスタイル提案システムの構築を行った.国際市場に実績ある事業者を対象とし,現場の調査,衣服製作実験,商品の評価を行い我が国との比較を行った.欧州・中国と日本における衣服・テキスタイル設計,評価および事業の違いを明らかにし,事業と技術の課題を明らかにした.デザイナーのテキスタイル選択要件を調査し,テキスタイルの分類法,感性評価値を組み込みTPSを構築した.日欧で評価実験を行い有効性を確認した.また,衣服・テキスタイル設計評価支援の技術的知見を得た.
著者
小林 美月 新宅 純二郎 朴 英元 藤本 隆宏
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.235-246, 2014-06-25 (Released:2015-06-25)
参考文献数
3

Chinese manufacturing companies are facing challenges under severe global competition and wage rising in domestic market. They have to transform their organizations from low cost operation to higher quality and the more advanced technologies. Through the interview at Geely Automobile in Hang Zhou, China, we could identify a series of efforts for their transformation. The company executed strategic change in 2007 and quality management improvement in 2010. It has formulated a new corporate vision and strategy to provide the higher value to the customer, without participating into the cost competition in the market. In order to realize the strategy, the company has begun technical improvement instead of mimicking other companies' products. It started to focus on in-house R&D, learning from world-top class company. M&A with Volvo is considered to be a typical learning example. As for quality management, the company aggressively brought competitors' management essence into it, such as Toyota Production System. To facilitate such transformation, Mr. Li, the founder of Geely, played an essential leadership with foresight and logicality after all. Geely's transformation is not yet popular for all Chinese manufacturing companies, but some companies have already begun such a commitment to strategic change or quality improvement. However, our research is exploratory and we are not sure how much the spirit of quality management and improvement is penetrated in the actual workers.
著者
大谷 毅 高寺 政行 森川 英明 乾 滋 徃住 彰文 柳田 佳子 宮武 恵子 矢野 海児 濱田 州博 池田 和子 鈴木 美和子 鈴木 明 正田 康博 上條 正義 松村 嘉之 菅原 正博 藤本 隆宏 肖 文陵 高橋 正人 韓 載香 金 キョンオク 李 宏偉 佐野 希美子 NAKANISHI-DERAT Emi 雑賀 静
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

日本のファッション衣料の国際プレゼンスが低い原因は、国境を超えた着用者への製品の提案力の欠如にあった。日本のmodelismeは良好だがstylisme(ことに一次設計)は脆弱だ。スタイルの代替案想起・期待・選択作業は、設計者に対し、グローバルな着用者の行動空間に関する知見を求める。これはまた事業者の決定の価値前提の問題に関係する。大規模なファッション事業者の官僚組織が生み出す「逆機能」とも密接に係る。単にブランドの問題だけではなく、事業規模・裁量・ルーチン・経営資源配分に関わることが判明した。製品展示を半年以上前倒しするテキスタイル設計過程は、衣服デザイナーの決定前提の一部を説明していた。
著者
具 承桓 藤本 隆宏
出版者
日本経済国際共同センター
巻号頁・発行日
2000-06

本研究の目的は、自動車部品産業を中心に情報技術の導入、特に3次元CADなどのデジタル技術の導入が製品開発プロセス、特に設計、試作、コミュニケーションなどにどのような影響を与えるのか、部品(製品)のタイプによってどのような違いがあるのか、等々を分析し、サプライヤーにとって、より効率的な製品開発を進めるために要求されるマネジメント能力は何かについて考察することにある。本研究で扱うデータは、1999年3月に、日本自動車部品工業会に登録されている1次自動車部品メーカーに対してアンケート調査を行い、回答を得た153社からのものである。それと並行してインタビュー調査も行った。まず、日本の自動車部品産業への3次元CADシステムの導入傾向を見ると、85-90年に36.91%、91-95年に58.37%、そして96-99年に85.91%と導入率が増加していた。このような傾向は、カー・メーカーの導入時期より5年くらいのタイムラグをおいて導入された。つまり、カー・メーカーの導入以降、90年代に入ってからサプライヤーの本格的な導入があったと言える。また、部品別に見ると構造的に部品間の干渉問題が多い車体部品などを中心に先に導入された。3次元CADの導入が製品開発にどのようなインパクトを与えるのかについては、3次元CADの利用、システム間の互換性、オンライン率と開発活動(コミュニケーションの頻度、試作レビューの回数)、リードタイムとの間の関係を分析してみた。その結果は以下の通りである。(1)サプライヤーの製品開発への3次元CADの利用は、カー・メーカーのシステムの互換性とオンライン化の増加と連動している。(2)3次元CADの利用の増加は必ずしもコミュニケーションの頻度の減少をもたらさない、むしろ増加させる傾向が見られる。(3)製品開発における3次元CADは設計試作や量産試作の減少、リードタイムの短縮に影響を与える。しかし、その効果は製品(部品)によって異なる。例えば、最近の変化を見ると、電装部品は開発への3次元CADの利用、オンライン率と互換性の増加によって、試作レビューがより確実になり、開発期間の短縮につながる、という効果が車体部品の場合よりも顕著だと考えられる。それは車体部品より、相対的に機能的・構造的な調整が容易であるという電装品の製品特性ゆえに、CADの利用は試作の回数の削減、ひいては開発期間の短縮に繋がっていると考えられる。一方、3次元CADの使用と関連して自動車部品メーカーが直面している問題は、3次元CAD自体の技術的な問題とマネジメント上の問題がある。まず技術的な問題としては、(1)ハードウェアや通信回線の負荷が大きすぎること、(2)ユーザーインターフェースや細かな機能に改善の余地が多くあること、(3)2次元図面に慣れた技術者がソリッドモデラーを扱うには障壁があることなどが挙げられる。マネジメント上の問題は(1)取引先(カー・メーカー)によって異なるシステムの採用による参入障壁、(2)エンジニアに対する体系的な教育の不足による技術的な不具合い、(3)エンジニアの無駄な作業の増加に対する管理が挙げられる。要するに、製品開発への3次元CADの利用はデザイン試作や量産試作の回数を減らし、開発リードタイムを短縮などの様々なインパクトを与えるが、部品の特性によってその効果は異なり、異なるマネジメントが必要とされるだろう。また、自動車部品産業では3次元CADの導入によって組織間のコミュニケーションの頻度を必ずしも減少させるとは限らない。むしろ、日本の開発パターンの特徴である、対面的なコミュニケーションは依然として重要である。部品と車全体とをマッチさせるという問題を本当に解決するには、製品開発プロセスと技術の統合的な管理が必要なのである。