著者
関谷 由美子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.42-53, 2004-06-10

『門』は、<テクストの閉域>を遍在させている小説である。例えば(1)何故安井は御米を妹と偽って宗助に紹介したのか、(2)キイ・パーソン佐伯安之助は何故隠蔽されているかの如く姿を見せないのかなど。これら不在のテクストがもつ意味生産性に照準し、安井から宗助へと交替してゆく一つの欲望の形式を浮上させるとともに、この小説が従来考えられてきた、社会からの追放ではなく、社会への追放の物語という構造をもつことを論証する。
著者
水谷 由美子[研究代表] 淺田 陽子 松原 直子 武永 佳奈 水津 初美[共同研究者]
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:18826393)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.11-35, 2013-03-31

This thesis is focused on the activities of the second year of `aurinko tokuji talo', a project for the activation of Intermediate and Mountainous Areas in Tokuji, Yamaguchi City. As a consequence of the first year's achievements in creatingclothing design and the planning of arts managements, our research team continued developing the cooperative projects withlocal representatives in Tokuji. By inviting Tokuji people to the previous year's fashion show at Yamaguchi Prefectural University, we were requested toorganize a local fashion show at Tokuji's summer festival. It has been well-known for its dynamic fi reworks; however, this year locals decided to deliver an alternative event by adding a traditional dance festival of the area. In order to celebrate it, ourresearch team planned an outdoor fashion show utilizing the local resources of handmade Japanese paper and used Kimonomaterials. Here we describe the process of creation such as a hat, corsage, shawl, obi belt and knitting dress and pants madewith Tokuji handmade paper as well as kimono costumes for the dance festival. In addition to the fashion show, we analyze the Christmas Exhibition, which was carried out as an extention of the 'aurinko Tokuji talo' Project, at Christmas Village in Rovaniemi, Finland. We examine the entire procedures of the project.
著者
岩佐 翼 高宮 朋子 大谷 由美子 小田切 優子 菊池 宏幸 福島 教照 岡 浩一朗 北畠 義典 下光 輝一 井上 茂
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.145-154, 2015-02-01 (Released:2015-01-25)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

The purpose of this cross-sectional study is to investigate the difference in physical activity among elderly living in different areas in Japan (“Bunkyo Ward in Tokyo” (Bunkyo) and “Fuchu City in Tokyo” (Fuchu) as urban areas, and “Oyama Town in Shizuoka” (Oyama) as a non-urban area). Participants were 1859 community-dwelling residents aged 65-74 years, randomly selected from the residential registry (response rate: 68.9%). A mail survey using self-administered questionnaires was conducted. Multivariate logistic regression analyses were used to calculate the adjusted odds ratios (ORs) and 95% confidence intervals (95% CI) of various types of physical activity (eg, walking (Walking), going out (Going-out), bicycling (Bicycling), exercise habits (Exercise)), according to residential areas (reference category: Fuchu), stratified by gender, adjusting for socio-demographic variables. There was a significant difference in Going-out (ORs = 0.61 (95% CI: 0.44-0.86) for men, 0.48 (0.33-0.69) for women)), and Bicycling (0.04 (0.03-0.07) for men, 0.04 (0.02-0.07) for women) in Oyama compared to Fuchu. Furthermore, for women, there was a significant difference in Walking (0.56 (0.38-0.81)) and Exercise (0.59 (0.41-0.85)) in Oyama compared to Fuchu. There was a significant difference in Bicycling and Going-out for men in Bunkyo compared to Fuchu, but there was not a significant difference in other items. Low physical activity levels were observed in the elderly in the non-urban area compared to urban areas. The association was stronger in women. Regional difference might need to be taken into account for an effective physical activity intervention.
著者
谷 由美子 宮地 成子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.69-77, 1986-03-01

食餌性脂肪肝を形成したラットに対し,一般に肝障害治療に効果があるとされているタンパク食による回復効果と合わせて,脂質代謝と関係深い運動負荷の効果を検討した. 1.肝臓の体重比は,脂肪肝形成時(FL区)に比して1%コレステロール添加脂肪食投与運動区(F-E区)(p<0.05),タンパク食投与比運動区(P-NE区),タンパク食投与運動区(P-E区)(p<0.01)で有意に低下した. 2.肝TL,TG,T-CholにおいてP群はFL区,F群に比して有意に(p<0,01)低値を示し,肝TBA価もFL区に比してP群で有意に低下した. 3. FL区に比してP群においてGOT,GPT,血清TL,T-Cholは有意に低下し,血清TGも低下傾向がみられ,HDL-Chol/T-Chol は有意に上昇した. 4.F群は肝脂質いずれも運動区で低下し,P群は,肝TLが運動区で低下した. 5.F群,P群ともGOT,GPT,血清TLはいずれも運動区で低下傾向がみられた.
著者
松谷 由美子 小野 一惠 加藤 敬子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.741-745, 2013-01-31 (Released:2013-05-10)
参考文献数
3

当院は安芸高田市唯一の総合病院であり,地域の基幹病院としての役割を担い医療・福祉・保健の充実に努めている。また,山村部では超高齢化が進み医療にも様々な影響を及ぼし,患者やその家族のニーズが複雑・多様化している。そのため,医師の診療のみで患者の抱える問題やニーズに応じることは困難となり,患者が安心して療養できるためには看護の役割が重要となっている。 このような現状に対応するために,平成22年4月より治療と暮らしを共にサポートすることを目標として,緩和ケア認定看護師が担当する緩和ケア看護専門外来と,認知症看護認定看護師が担当するメモリー看護専門外来を創設した。その活動内容について事例を通じて報告する。 それぞれの事例から,医師の診療時間内だけでは知る事の出来ない患者の生活課題を知り対応する事や,患者の価値観を大切にしながら支援していく事の重要性を認識できた。また,患者のニーズに応じセルフケア能力を引き出す支援を行なうためには,外来と病棟との連携,更には地域との連携が必要であることが明確となった。 今後更に高齢化が進み患者のニーズが多様化する社会情勢の中,私たち看護専門外来の目標は,患者と家族が安心感と満足感を持ち病気と共存して生きていけるようサポートすることを中心に,生活の視点に立った親しみやすい看護の立場で専門性を発揮し,地域に貢献していくことである。
著者
水谷 由美子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学生活科学部研究報告 (ISSN:13444999)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.43-51, 2000-03-25

パンプローナ市で毎年7月6日から7月14日まで実施されるサン・フェルミン祭は,守護聖人を敬う地域的な祝祭儀礼である。現代では世界的に有名になり,伝統的なものばかりでなく,現代的なプログラムも増えている。こうした中で祭りの本質と言えるものが,エンシエロ(牛追い),祝日の行列そしてヒガンテスとその仲間のパフォーマンスであり,そこにはこの都市固有の伝統的な文化が表されている。特に,サン・フェルミン祭では老若男女が皆,全身白い服装をして首に赤いスカーフを巻くという戦後から定着してきた仮装に特徴がある。本論は1999年に筆者がフィールドワークした成果を報告する中で,この固有の仮装と伝統的な祝祭儀礼という文化的なパフォーマンスについて記述し,そこで生成されるパフォーマンス空間の意味と機能について検討したもの。
著者
熊谷 由美子 紙谷 恒 古川 宇一
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.127-132, 1999-02-10

本報告は,旭川市内の小学校特殊学級に在席する,自閉症児Aちゃんとの個別指導の取り組みについて述べたものである。これまで行ってきたひらがなの一文字一文字の読み指導と併行し,単語は文字の集合体として成り立ち,意味を持っていることを知らせるための取り組みを行った。文字カードを読んで絵カードを選ぶ課題では,単語を構成している一文字一文字のそれぞれに対応する絵カードを選んでしまっていたが,横書きから縦書きの形に変えることでそれが「気付き」となり,すぐに改善できた。また,絵本の書き写しや歌詞カード作りなど,Aちゃんの好きなことを取り入れた活動を行う中で,歌詞を指差しながら確認するなどの成果が見られるようになった。