著者
仲谷 和彦 柏倉 紀子 黒木 悟 遠藤 正志 杉田 暁大
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.789-797, 2016-01-30 (Released:2016-03-16)
参考文献数
4
被引用文献数
1

尿検査は, 概ね患者に苦痛を与えることなく検体採取が可能であり, 分析機器の発達により簡便かつ短時間で多くの情報を得ることができる検査である。 しかし, 保存状況で尿成分は変化しやすく, 採尿後速やかな検査実施が原則であるが, 入院患者の場合採取から検査実施まで数時間経過している場合がある。その背景には, 採尿時間が不規則なため, 速やかに検査室に提出されない現状に起因する。 そこで, 特定条件下で実際に患者尿を用い, 経時的変化・規則性について検討した。 さらに, 尿中に高頻度に検出される腸内細菌 (大腸菌・プロテウス菌) が尿糖に及ぼす影響と亜硝酸塩反応の変化についても検討したので報告する。 結果, 尿検査に影響するような生理的・病的成分を含有する尿ほど経時的変化は著明であった。保存が必要な時は, 蓋付容器で冷蔵保存が望ましい。また, 尿中の大腸菌とプロテウス菌では, 解糖作用・亜硝酸還元反応の経時的変化に大きな差が認められた。
著者
阿久津 泰典 遠藤 正人 星野 敏彦 久保嶋 麻里 加賀谷 曉子 角田 洋三 落合 武徳
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.1514-1519, 2003-11-01
被引用文献数
12

症例は55歳の男性.タール便,全身倦怠感を主訴に来院した.胃内視鏡検査および上部消化管造影X線検査にて胃体部小彎中心に3型進行胃癌を認めた.術前の白血球数が18,610/mm^3, G-CSF 76pg/ml と高値であった.多発肝転移を認めたため,根治切除は困難と診断され化学療法を施行した.腫瘍より出血を認め止血困難のため2002年11月6日胃全摘術を施行した.進行度はT3N3P0H3, stage IV であった.病理組織学的診断はtub2, se, pm(-), dm(-), ly3, v3, n3, stage IV であった.術後,肝転移巣は増大し.G-CSF値も250pg/mlまで上昇し,術後91病日に肝不全で死亡した.本邦でのG-CSF産生胃癌は自験例が21例目であり,まれであった.また通常型胃癌とは特徴が異なり,本邦報告例の文献的考察を加え報告する.
著者
弘末 雅士 鈴木 信昭 唐沢 達之 貴堂 嘉之 高橋 秀樹 荷見 守義 石川 禎浩 清水 和裕 土田 映子 大石 高志 疇谷 憲洋 佐々木 洋子 遠藤 正之 久礼 克季
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

地中海世界・イスラーム世界・欧米・中南米・南アジア・東南アジア・東アジアにおける奴隷の歴史を比較検討することができ、地域相互間の奴隷取引や奴隷をめぐる観念の展開を広域的に解明できた。また移住者の広域ネットワークの形成に果たす役割とともに、移住先の社会の秩序構築に積極的に関わったことが明らかとなった。そうした移住者を迎えた現地人妻妾のアジアにおける事例が比較検討され、彼女らやその子孫が、前近代において商業活動や港市の社会統合に重要な役割を担ったことが解明された。さらに近現代社会における新たな仲介者や媒体の存在に注目する必要性を認識した。
著者
遠藤 正浩 高田 佳木 高月 清宣 吉村 雅裕 坪田 紀明 指方 輝正
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.191-195, 1999-04-20
被引用文献数
1

極めてまれな縦隔原発の平滑筋肉腫を経験したので,画像所見を中心に報告する.症例は69歳の女性で,労作時呼吸困難と胸部異常陰影を主訴に来院した.胸部X線写真で縦隔影の拡大と右胸水が指摘された.CTとMRIでは,中から後縦隔に中央部がくびれた雪だるま状の圧排性進展の腫瘍を認め,腫瘍内部は不規則に造影され,間葉系の悪性腫瘍,特に悪性神経鞘腫や平滑筋肉腫などを疑った.画像上圧排性発育が主体で,全摘除の可能性が高いこと,さらに呼吸困難が急速に進行しているなどの理由から手術を施行した.腫瘍はほぼ完全に摘出でき,術後は患者の呼吸器症状は完全に消失した.病理学的には,免疫組織化学や電顕的観察の結果より平滑筋肉腫と診断した.
著者
遠藤 正之
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

1 制吐薬オンダンセトロンとメトクトプラミドのモルモット乳頭筋活動電位に及ぼす影響近年心筋活動電位第三相を形成する遅延整流カリウム電流の抑制がリエントリー型の不整脈に対して抗不整脈作用を発揮するのであるが、逆にその作用により致死的不整脈が誘発されることが明らかとなり注目されている。5-HT3受容体遮断薬であるオンダンセトロンとドパミン受容体遮断薬であるメトクトプラミドはいずれも術後の制吐剤として使用されるが、オンダンセトロンはイヌの心室筋細胞で遅延整流カリウム電流を抑制することが示されている。そこでモルモット乳頭筋の活動電位に対する両薬物の作用を検討した。その結果オンダンセトロン3uMおよび10uMは刺激頻度0.2,0.5,1.0,2.0Hzのいずれにおいても90%再分極における活動電位持続時間APD90を、濃度依存性に延長した。一方メトクトプラミド3uM、10uMは同様の刺激頻度において、APD50,APD90に対し明らかな延長作用は示さなかった。2 炭酸水素ナトリウムのモルモット乳頭筋活動電位に及ぼす影響心肺蘇生時にはしばしば大量の炭酸水素ナトリウムが、代謝性アシドーシスの補正のために投与されるが、本科学研究費に基づく研究で、炭酸水素ナトリウムがモルモット乳頭筋のAPDの延長と静止膜電位の過分極を生じることが明らかになった。種々の薬物を用いた検討から、APDの延長にはナトリウムイオンの増加が、過分極には炭酸水素イオンの増加が関与していることが明らかになってきている。3 冠動脈血流量に対する二酸化炭素分圧の影響冠動脈攣縮等による心筋虚血も麻酔中の致死的不整脈を誘発しうる。本研究ではモルモットLangendorff心を用いて、定圧潅流を行い冠潅流量を測定した。潅流液中の二酸化炭素分圧を40mmHgから80mmHgに上昇させると、血管内皮依存性に一酸化窒素の作用を介して潅流量が増加した。一方二酸化炭素分圧を20mmHgに低下させると、潅流量は約10%減少したが、一酸化窒素合成酵素阻害薬を前処置しておくと、その減少は増強された。
著者
遠藤 正明 伴野 松次郎
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, 1974-09-15

標題についてつぎの問題点を指摘した。1)クイ基礎の工法による分類 : 既製グイ, 場所打ちグイともに施工法が多様化した。2)クイ基礎の選択 : 耐力とその持続性, 経済性, 施工性, 相隣関係を考慮する。3)クイ基礎の設計 : 載荷試験については貫入速度制御法の採用についても研究したい。メイヤーホフの式は開端グイ, 掘削グイについては先端支持力の低減が必要である。周辺摩擦力は実験値と比較するとメイヤーホフ式は最少値を与える。また粘土についてはバラツキが多いのでN値からの推定は避けたい。模形実験の結果から粘土層中の群グイの効率について触れた。クイ打ち公式は支持力を推定するためよりも施工管理に用いるのが有効である。クイ材の許容応力度, 継手および細長比について行政指導上の基準を示した。ネガチブフリクションの実測結果から中立点, 単グイおよび群グイに対する検討法を示した。4)クイ基礎の施工 : 最近の主流となっている無音無振動工法について先端地盤のゆるみ, 泥水の管理と沈積スライム処理法の要点に触れた。
著者
村松 喬 斎藤 政樹 高崎 誠一 平林 義雄 堀田 恭子 山科 郁男 成松 久 鈴木 明身 永井 克孝 牧田 章 遠藤 正彦 長谷 純宏 鈴木 旺 川嵜 敏祐 松本 勲武 山下 克子 小川 智也 稲垣 冬彦 入村 達郎
巻号頁・発行日
1994-03 (Released:2010-03-26)

科学研究費補助金 研究種目:総合研究(A) 課題番号:03304050 研究代表者:村松 喬 研究期間:1991-1993年度