著者
西尾 達也 梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.590, pp.41-48, 2000-01-27
被引用文献数
2

本稿では, 我々が提案した周波数領域適応Volterraフィルタの実機における検証を行う.これまで我々は, スピーカーシステムをVolterra級数展開でモデリングする方法として, 適応Volterraフィルタによる同定方法について研究を行ってきた.しかし, これはシステム長が大きい場合に演算量が膨大になるという問題点がある.そこで, 演算量の削減を可能にするOverlap-save法を利用した周波数領域適応Volterraフィルタについて述べる.更に, Volterra標本化定理を導入した同定法について述べ, その演算量について述べる.次に, 実際のスピーカシステムにおける周波数領域適応Volterraフィルタの同定精度の検証を行う.最後に, 同定したVolterra核を用いて2次非線形歪みの除去をオフラインで行い, その除去結果を検証する.
著者
江上 修平 永井 秀利 中村 貞吾 野村 浩郷
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.108, pp.83-88, 2004-11-05
被引用文献数
1

本研究では新聞社説記事を対象に自動要約を行う.従来の文単位で抽出を行う自動要約システムでは文内に残る冗長性が高圧縮率での情報量の低下を生み出していた.そこで,少ない文章中で情報量の増加を目指し文より小さい単位として区を抽出し要約文章を生成する.また,要約文章の論述展開の流れを考慮するために直接関係や段落間の類似度から文章構造解析を行い要約文章の生成処理を行う.その結果,従来の文抽出によるシステムより評価値の向上が見られた.This paper describes a system that makes a summary of an editorial. The system that makes a summary by extracting some sentences cannot eliminate redundant components of the sentence. Thus such a system cannot produce a highly condensed good quality summary. In order to remove such inconvenience, we propose a method which finds important phrases and then constructs the summary from them. Our system analyzes the text structure so that it can recognize a logical stream and connective relationship of adjacent sentences. And furthermore, it analyzes the similarity between adjacent paragraphs. Based on the result of these analyses, the system construct a summary. According to our examination, our system could generate a better summary than that of the traditional one.
著者
野村 雅昭
出版者
岩波書店
雑誌
世界 (ISSN:05824532)
巻号頁・発行日
no.558, pp.p211-215, 1991-09
著者
岩根 美枝 矢嶋 摂子 野村 英作 谷口 久次 木村 恵一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.527-531, 2005 (Released:2005-08-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

還元剤として没食子酸エステル部位を有するカリクス[4]アレーン誘導体を用い,エタノール中で銀イオンを還元することにより生じた銀コロイドの表面プラズモン吸収を紫外可視分光光度法により観察した.その結果,銀コロイドに基づく吸収が観察され,その吸光度は時間依存性を示した.これは,生成した銀コロイドが不安定であることを示している.試料溶液を調製後,一定時間経過してから,安定剤としてポリビニルピロリドンを添加したところ,吸光度の時間変化を抑制でき,銀コロイドを安定化することができた.また,銀イオン濃度依存性について検討したところ,銀イオン濃度が1 × 10-5 M以下では,銀イオン濃度の増加に応じて吸光度が増加し,銀イオン定量の可能性が示唆された.
著者
大元 聡 林 暁紅 永井 秀利 中村 貞吾 野村 浩郷
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.53, pp.47-52, 2006-05-19
被引用文献数
1

パソコン技術サポートを行うメールコールセンターの自動化に関して、本研究では、既存の質問応答メールデータをカテゴリ化することによる質問応答データベースを構築し、さらにカテゴリごとにカテゴリ回答文を作成し、未知の問い合わせメールが文書ベクトルを用いて類似度を計算する質問カテゴリ判定システムによって属するカテゴリに判定され、そのカテゴリのカテゴリ回答文を用いて回答を作成し、作成した回答を最終査読者に提示する手法とシステムを提案する。提案手法の有効性を確認するため、実際のシステムを作成して実験を行った結果、145個の質問カテゴリを用いて、86%の割合で正解の質問カテゴリを上位3位以内に推定した。このシステムは、メールコールセンターで実務に供用できる状態にある。キーワード メールコールセンター 質問応答データベース 文書 ベクトル 類似度判定The present paper discusses a support system at a mail call center.The mail call center receives inquiries from computer user by e-mails.Then the mail call center replies to them within 24hours.In order to cope with such a hard task,we propose system that can perform almost all automatic processing except the final check by a human befbre sending off the reply to the user.First,we develop a Q&A database by using the reviewed Q&A mails,We categorize these Q&A data depending on their contents.Every category has its own angwer respectively.Second,we apply the document vector method so that the system calculates the similarity between the new inquiry and the question categories in the Q&A database.From the answers attached to the found question categories,it generates the candidate new answers that might be adequate to the question,Finally, they are transferred to the reviewer in order to select the most adequate one.According to our examination,by using145 question categories,we obtamed86% precision about determning the right question category.The system is ready to use at a mail call center Keyword mail-call center,Q&A database,document vector.similarity evaluation
著者
野村 雅昭
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.21-54, 1999-05-31

現代日本語研究および日本語教育研究に資する基礎資料として, 「現代漢語データベース」を作成している.このデータベースには, 現代日本語で使用される約22,000語の漢語が収録され, その一々に品詞性, 語構成, 出現頻度, 意味コードなどの情報が付されている.このうち, 基本度の高い語を選び, 語誌情報を付ける作業を優先することにした.選定の条件としては, 出現頻度の情報を用いた.国立国語研究所が行った, 新聞・雑誌・中学教科書・高校教科書の4種の語彙調査の共出現率をもとに, 3,000語が抽出された.選定にあたっては, 同研究所が作成した「日本語教育のための基本語彙(6,000語)」をも参照した.この基本三千漢語(二字漢語)を, 基本度の観点から, 上記の「日本語教育のための基本語彙(6,000語)」のほか, 国立国語研究所の『分類語彙表』, 早稲田大学日本語研究教育センターの教科書『分野別用語集』と比較し, 分析を試みた.品詞性の面からは, 基本三千漢語にはサ変動詞の語幹になるような動作性の語彙が多いことがわかった.また, 意味分野の面からは, <抽象的関係>を表す語彙が多く含まれ, <生産物><自然>など, 具体物を表す語彙が少ないことが指摘された.このような傾向は, 特に外国人のための教科書に収録された語彙との比較から, 顕著である.以上の選定方法の説明, 収録語の分析のほか, 末尾には『分類語彙表』の分野別項目順に配列した「基本三千漢語一覧」を掲げた.