著者
野村 誠治 加藤 健次 前野 幸彦
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.866-873, 2003-11-20
被引用文献数
1

Chlorine content of bituminous coal was determined and its behavior during carbonization was investigated. The chlorine content in the metallurgical coals used in this experiment was between 100 and 1,500 ppm. Most chlorine in coal and coke was removed by washing with water. CaO addition to coal increased the chlorine residue ratio in coke. The residue ratio of chlorine in coke increased with increasing Ca content in coal. This is considered because chlorine in coal is released as HCl, which is trapped in coke again in the form of CaCl_2 The chlorine residue ratio of coke produced in actual coke oven was higher than that of coke produced in laboratory scale tube furnace. This is considered because released gas from coal has more chances to contact with calcium in the actual coke oven than in the tube furnace. Furthermore the removal of chlorine from NaCl was promoted by co-carbonization of NaCl with coal. This implies that H_2O derived from coal decomposition may help chlorine to be released.
著者
高田 謙二 石田 耕一 中村 里之 草鹿 泰 岩本 剛志 野村 慶一 鮫島 幸一 西田 直樹 宮武 茂博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.169-175, 1995-02-20
被引用文献数
23 5

CCD固体撮像素子にとって, ダイナミックレンジの拡大は残された大きな課題である.これを解決するために, 我々はMOSFETのサブスレッショルド特性を利用した対数変換回路を各画素に内蔵した, 対数変換CCDラインセンサを開発した.画素数2240×3画素, 受光部面積12μm口, 対数変換部のFETのL/W=12/10μmで, 5桁を越える光量変化に対してその対数に比例した出力が得られることを確認した.対数変換CCDラインセンサは, (1)ダイナミックレンジが広いので, 高輝度・低輝度被写体を同時に取れる, (2)濃度に比例した出力が得られるので, ディジタル化しても階調豊かな画像を得ることができ, また, シェーディング補正が加減算でできる, という特長を持つ.これらの特長により, 対数変換CCDはディジタルコピヤカメラ型スキャナフィルムスキャナ等への応用が期待される.
著者
松塚 貴英 野村 佳秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.104, pp.9-16, 2000-11-16
被引用文献数
3

ビジネスアプリケーションをWebアプリケーションとして開発する際に、JSP/Servlet環境を使用する場面が多くなっているが、膨大な画面や処理を効率的に開発・保守できる手法が求められている。JSP/Servletによるアプリケーション構成法としてJ2EE Blueprintsが提案されているが、検討の結果、ページやロジック、データ間の連携が密になり保守性を損ねるという問題があることが分かった。そこで、我々がこれまで開発してきたJava Applet向けのプレゼンテーションフレームワークの技術をもとに、JSP向けのアプリケーションフレームワークを開発した。このフレームワークでは、JSPで表されるビュー部と、ビューが表示/入力の対象とするデータオブジェクト、データオブジェクトを操作するロジックをマッピング定義を介し疎に連携することにより、開発とメンテナンスの効率化を実現している。これまで、このフレームワークを利用してアプリケーションを開発することで、性能に影響を与えずに総コード量で10%、ロジックとしてメンテナンスする部分は85%以上の削減が可能であった。Servlet and JSP become to be widely used for developing business applications in the web environment. In this situation, some methods are required for making a development and a maintenance easy since the number of screens or processes tends to be large. We recognized some problems in a web application develpment method in the J2EE Blueprints which is becoming a standard for using Servlet/JSP. So we made an application framework on them using our technology which is used for the development of Java applets. The framework separates JSPs and data and logics, and links them using some mapping definitions. In our evaluation, the framework decreased 10% of total code and 85% of presentation logic through the development of the application without decreasing a performance.
著者
成橋 和正 野村 政明 亀井 浩行 小野 俊介 松下 良 清水 栄 横川 弘一 山田 清文 鈴木 永雄 宮本 謙一 木村 和子
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.123, no.11, pp.973-980, 2003-11-01
被引用文献数
13 16

従来の薬学教育における臨床教育の不足から,多くの薬学系大学院博士前期課程(修士課程)に薬剤師免許取得後の大学院生を対象とした臨床系の専攻やコースが設立されてきている.金沢大学でも,薬学研究科(現:自然科学研究科)に臨床薬学教育を主眼に置いた医療薬学専攻が平成8年に設立され,国立大学としては早期であった.本学医療薬学専攻では,薬剤師免許取得者を対象とし,臨床現場で指導的役割を果たす高度な薬剤師の養成および次世代の医療薬学教育研究に携わる人材の育成を教育理念としている.このため,医療薬学専攻の学生に対して医療現場の実習を通じて医療を担うものとしての自覚を深めさせるとともに,自然科学の素養を身に付けることを求めている.具体的な教育目標は,医療人としての倫理観の醸成,医療の専門家として健康と疾病に関する知識獲得,薬物治療に起因する問題の同定・評価・解決,ならびに,コミュニケーションに関する知識・技術の習得,さらには,関連分野における高い研究・開発能力を発展させることである.このため,発足当初は,入学初期の集中講義,1か月の市内保険薬局での薬局実習,6か月の本学医学部附属病院薬剤部での実務実習を行い,1年間を課題研究期間としていた.講義は学部教育に引き続き,基礎自然科学系科目が大半であり,臨床現場での実習との非関連性が学生からも指摘されていた.また,半年間の実習後に修士の学位論文の一部として病院実務実習篇の作成や口頭発表が要求されていたために,実質的な実務実習は,時間的に極めて限られていた.実務実習を終えたあとの課題研究は,医療薬学専攻ならびに生命薬学専攻に属する各研究室で行っていたことから,必ずしも臨床に近いものではなかった.さらに,学生が就職するのは実習終了後1年を経過した後であり,就職直前の学生から実務に対する不安がでたり,就職直後に修了生や雇用者から実習経験が薬剤師として十分に活かせていないとの声が聞かれた.このような問題点を踏まえて,平成13年度に医療薬学専攻のカリキュラムの改善を図った.医療薬学に対する幅広い知識を深めさせるため,臨床系講義科目を充実させた.この変更では,薬物治療の科学的基礎とともに,看護,倫理,心理,国際など,医療に関連する人文・社会系分野も開講し,受講する学生の講義科目数が増加した.また,実習に関しては,継続性や充実性を考慮し,実務実習期間を1年に延長した.最初の2か月間は薬剤師業務全般の集中的な導入実習として,6人ずつ4グループに分かれ,調剤部門(一般調剤・注射薬調剤,2週間),製剤部門(一般製剤・無菌調剤,1週間),薬剤管理指導部門(医薬品情報・医薬品管理・TDM,1週間:病棟業務,4週間)を行う.その後は学生1人に対し指導薬剤師1人というマンツーマン形式の個別指導とし,薬剤師職能の病棟の薬剤管理指導を中心の実習としている.これに対し,医療薬学専攻の各教官も3名程度の学生を担当し,面接などにより実習の進捗状況を把握するとともに,専門分野に応じた指導も担当している.しかしながら,実習(実務)の大部分は指導薬剤師により行われており,個別指導であるため学生全体としての質の評価や,問題点の抽出は行いにくい.そこで,この新カリキュラムによる講義の理解度や実習の達成度について,visual analog scale(VAS)を用いて,学生と指導薬剤師による評価を試みた.また,この評価結果から,新カリキュラムの問題点などについて考察することとした.
著者
野村 賢悟 小栗 裕二 安藤 孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.13, pp.47-52, 1999-02-18
被引用文献数
2

The world first trial that the High Definition Camcorder was taken aboard on the Space Shuttle was achieved to make success with recording the interior and exterior shuttle images in November 1998. The high definition earth images allow us to feel alluring atmoshpere, which also has more scientific value than ever documented by TV camcorder due to its high resolution. The safety verification and the measurement was required by NASA in order to approve as an on-board equipment. And we had the opportunity to present the astronauts about the camcorder operation. During the mission, the camcorder worked normally in the orbiter. Meanwhile the space radiation might cause the CCD defects tha produces the pixel noise in teh recorded image, but we introduced the pixel noise corrector at the post video processing and immediately restored as a normal image without any defects.
著者
深井 俊夫 黒田 潤 小西 正隆 野村 太郎 宇野 潤 赤尾 三太郎 来栖 恵二
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.40, pp.461-466, 1998-08-31

Bacillus polymyxa L-1129 produced a new peptide antibiotic complex, named LI-Fs, composed of more than ten components. In this reports we will describes the isolation, structure elucidation and biological activity of each components, LI-F03a, LI-F03b, LI-F04a, Li-F04b, LI-F05a, LI-F05b, LI-F06a, LI-F06b, LI-F07a, LIF07b, LIF08a and LIF08b. These antibiotics were active against gram positive bacteria, mycobacteria and wide range of fungi and yeast, but not for gram negative bacteria. The antibiotic complex LI-Fs (400mg) was isolated from 10 liters fermentation broth using several kind of column chromatography. HPLC analysis showed that the complex was composed of at least 12 components. The components were isolated by HPLC, and the structures of each components were determined by 1D and 2D NMR and MS spectra coupled with amino acid analyses to be hexadepsipeptide containing 15-guanidino-3-hydroxypentadecanoic acid as side chain. The structure of LI-F05a was identified to be a cyclohexadepsipeptide [L-thr(1)-D-val(2)-L-Ile(3)-D-allo Thr(4)-D-Asn(5)-D-Ala(6)] and LI-F05b was identified as an isomer of LI-F05a that was replaced the Asn residue in LI-F05b with Gln, similar pairs were also found in other components, (LI-F06a-LI-F06b, LI-F07a-LI-F07b, LI-F08a-LI-F08b) (Fig. 4). Four amino acids; L-Thr(1); D-Ala(6); D-Asn(5) or D-Gln(5); D-allo Thr(4) and one side chain were commonly found in the LI-Fs antibiotics. Thus, these moieties seems to be fundamental for biological activity of LI-Fs antibiotics.
著者
野村 隆裕 八塚 陽太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信
巻号頁・発行日
vol.93, no.336, pp.39-46, 1993-11-19

本報告では、64kbps〜384kbpsのディジタル専用線を対象とした、高通話品質を確保しつつ、高声情報及びFAX情報を効率的に多重化伝送する、小容量高能率ディジタル回路多重化装置(本稿では、この装置を「SS-DCME(S__-mall-S__-caleD__-igital C__-ircuit M__-ultiplication E__-quipment)」と略す)の試作結果及び基本特性の評価結果について報告する。本装置は、音声通信には実時間伝送が必要であるのに対して、FAX通信には必ずしも必要でないという点に着目し、ある通話の無音情報の代わりに、別の通話の有音情報を伝送したり、一旦蓄積されたFAX情報をMMR符号化変換して伝送することにより、多重化効率を改善している。また、音声パケットのバッファ遅延機能及び破棄, 補間機能により過負荷時の通話品質の劣化を防いでいる。更に、配達通知機能により蓄積型FAX伝送の欠点を補っている。基本特性を評価した結果、128kbpsのディジタル専用線への置の接続を想定した場合、音声呼をフルローディング状態で負荷し更にFAX伝送を行っていても、最大17chの高品質な音声回線を確保できることが確認された。
著者
植田 喜久子 滝口 成美 宮武 広美 吉野 純子 飯村 富子 野村 美香 近藤 真紀 中信 利恵子 藤田 佳子 永井 真由美 五嶋 育子 成田 伸 ウエダ キクコ タキグチ ナルミ ミヤタケ ヒロミ ヨシノ ジュンコ イイムラ トミコ ノムラ ミカ コンドウ マキ ナカノブ リエコ フジタ ヨシコ ナガイ マユミ ゴトウ イクコ ナリタ シン
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
日本赤十字広島看護大学紀要 (ISSN:13465945)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.55-63, 2002

本研究の目的は、日本人の壮年期にある女性の健康的なライフスタイルを査定する質問紙を開発し、その信頼性と妥当性を検討することである。 最初に4段階のリッカートスケールをもつ47項目からなる質問紙を開発した。質問紙は、ブレスローやペンダーの理論や日本人の壮年期にある女性に関する研究を基礎として作成した。予備調査の後、2001年5月から6月に本調査を行い、572名の女性から回答を得た。信頼性や妥当性をクロンバックのα係数、主成分分析、ライフスタイル総得点の分布、ライフスタイル得点と森本のHPI得点との相関係数により検討した。その結果、クロンバックのα係数は、0.88であり、7つの下位尺度と29項目が得られた。これらの下位尺度と因子分析前の下位尺度には、「食事」、「運動・休養」、「健康への関心」では一致がみられ、構成概念妥当性はある程度確保されていると考えられた。このライフスタイル指標は、ある程度の信頼性や妥当性を得ており、日本人の壮年期女性のライフスタイル指標として、心理的、社会的な側面や価値観を考慮した尺度であると考えた。今後の課題として、日本人の壮年期女性の体験をふまえながら、洗練したライフスタイル指標を作成していく必要がある。
著者
野村 正實 ノムラ マサミ NOMURA Masami
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
公共研究 (ISSN:18814859)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.25-46, 2006-12

千葉大学公共研究センター21世紀COEプログラム「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」
著者
清水 友裕 野村 浩郷
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.7, pp.87-92, 2007-01-26
参考文献数
11

自然言語対話において,音声認識や文章解析での誤りによって適切な応答が困難になるという問題がある.本稿では,そのような誤りを訂正する対話を対話全体の一部として自然な形で埋めこみ,誤り訂正をしながら対話を適切に進行させる対話処理について述べる.対話のドメインとしては,便宜的に,パソコン技術サポートを行うコールセンターでの質問応答を取上げ,既存の大量な質問応答データから取得したドメイン知識などを適用して,誤り訂正を行う対話処理について考察する.In a natural language dialog, there is a problem that a suitable response becomes difficult by the mistake in speech recognition and/or the error in text analysis. In this paper, the dialog which corrects such errors is incorporated in a form natural as a part of whole dialog, and the dialog processing which advances a dialog appropriately carrying out an error correction is discussed. As a domain of the dialog, the question-answering at the call-center which performs personal computer technical support is taken up, for our convenience. The domain knowledge is acquired from large amount of question-answering data, and is applied to the dialog processing which performs an error correction.
著者
野村 曜子 山崎 克人 河野 通雄
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.239-245, 1998-03-31

^<99m>Tcガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸 (^<99m>Tc-GSA) は, 肝実質細胞のアシアロ糖蛋白受容体結合性肝シンチグラフィ製剤である。この^<99m>Tc-GSAの新しい体内動態解析法を考案した。本法では^<99m>Tc-GSAは血中と肝の間で双方向の移動のみ存在するとし, 全血液と肝の二つのコンパートメントとそれぞれの速度定数k1 (血液→肝), k2 (肝→血液) の二つのパラメータからなる2コンパートメント2パラメータモデルを設定し, 各コンパートメントの微分方程式を解いた。更に心, 肝の時間放射能曲線を解析し, k1, k2を算出した。その結果k1/k2は肝に対する^<99m>Tc-GSAの結合能を表す指標となった。また理論的最大肝摂取量としてVLmg (mg/3mgGSA) を定義した。次に肝障害が疑われた6例を対象として従来の指標 (HH15, LHL15, LHL/HH, LU15) と2コンパートメント2パラメータモデルに基づくk1, k2, k1/k2, VLmgを算出した。そして各指標と肝機能検査値との相関, 各指標間の相関を検討した。その結果, k1/k2とVLmgはLU15以外の従来の指標と良好な相関を示し, 肝機能検査値では血清アルブミン値, LAPと良好な相関を示した。2コンパートメント2パラメータモデル法はこれまで報告された動態解析法の中でも最も簡便かつ非侵襲的であり, 得られるk1/k2及びVLmgは肝機能指標として臨床応用の可能性が示唆された。
著者
野村 正次郎
出版者
日本西蔵学会
雑誌
日本西蔵学会々報
巻号頁・発行日
no.52, pp.13-27, 2006-05-31
著者
野村 恭彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.121-130, 2004-01-15
被引用文献数
8

本論文では,新たなグループウェア設計の指針となる,ストラテジック・ナレッジ・パターン(SKP)を示す.SKPは,日米のナレッジ・マネジメント(KM)に成功している企業11社の半年にわたっての定性・定量調査を通じて構築された,企業の差別化戦略の3つのパターンである.これまでのグループウェア研究では,協業の目的を持ったグループの知識共有の支援には一定の成果をあげてきたが,KMの成功と失敗の分かれ目である,いかに組織の構成員に知識共有の動機付けを行うかという課題に関しては,十分な議論がなされてこなかった.本論文ではまず,KMに成功している企業は,部門を越えた知識共有が特別な取り組みではなく,「当たり前」の企業文化となっていること,その秘訣は,知識経営の「目的」,焦点を当てるべき重要な「知識」,各個人・組織の仕事の背景である「コンテクスト」の3つの可視化にあることを示す.続いて,本調査を通して発見された3つのSKP,ビジョン主導型KM,プロ型KM,創発型KMを示し,各SKPを実現するためのグループウェア設計指針について議論する.最後に,SKPに基づきグループウェア設計を行うことにより,グループウェアの提供価値を,ミクロなグループ活動支援から,経営戦略に基づく組織全体の知識創造活動支援へと,高めることが可能になることを示す.This paper describes Strategic Knowledge Pattern (SKP), which will be a new indicator for groupware design. SKP consists of three patterns of company's differential strategy which were formulated through 6-month study of 11 Japanese and U.S. companies with successful Knowledge Management (KM). Previously, groupware study has gained constant achievement for supporting knowledge sharing by groups with the purpose of collaboration. However, the issue of the method to motivate the members of an organization for knowledge sharing, which is the turning point of success and failure of KM, was not sufficiently discussed. This paper explains that first, in companies with successful KM, knowledge sharing beyond divisions is not an extraordinary engagement but ``Obvious'' corporate culture. Its secret lies in the visualization of three issues, which are ``Objective'' of KM, important ``Knowledge'' to be focused and ``Context'' which is the background of the work. Then, SKP, Vision-driven KM, KM for Professionals and KM for Emergence will be discussed. Finally, this paper indicates that by engaging in groupware design based on SKP, it is possible to enhance value provided by groupware from microscopic support of group activities to organization wide support for knowledge creating activities based on business strategy.
著者
梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.1-10, 1999-01-25
被引用文献数
5

本論文では非線形システムの線形ひずみ及び非線形ひずみを同時に除去する非線形逆システムのオンライン設計法を提案する. ここでは, 適応Volterraフィルタを用いて非線形逆システムをオンライン設計する方法を議論する. これまで, 我々は非線形逆システムをオフラインで設計する方法を提案してきたが, これらの 手法では対象としている非線形システムの特性が変化した場合, 非線形ひずみ除去効果が低減するという問題点を有していた. 本論文ではまず, 非線形システムの特性変化が非線形ひずみ除去効果にどのような影響を与えるかについて検討する. 続いて, 提案するオンライン設計システムを示し, その設計原理を3段階に分けて説明する. すなわち, オンライン設計の第1段階として未知非線形システムの線形項(1次Volterra核)を, 第2段階として線形逆フィルタを, 第3段階として未知非線形システムの2次非線形項(2次Volterra核)をそれぞれオンラインで同定及び設計する方法について説明する, 最後にコンピュータシミュレーションにより提案法の有効性を示す.