著者
森東 淳 福元 伸也 大塚 作一 三部 靖夫 田中 宏征 武田 光平 野村 雄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.43-48, 2010-03-08

2次元コードが,広告におけるWebページとの連携を目的として広く利用されている.しかし,デザイン性を損なわないように,2次元コードを小さく表示するのが一般的である.このため情報取得が煩わしく,また取得時間がかかるという問題があった.また,デジタルサイネージにおいては,ディスプレイ解像度の問題も加わるため,デザイン性と機能性の両立がより困難になると予想される.そこで,動物体の接近を感知し,2次元コードを適応的に拡大表示する手法を提案する.また,提案手法の有効性を確認する実験を行なった.その結果,(1)提案手法では取得時間を5秒程度短縮できる可能性があること,(2)2次元コードの適切な拡大時間が250ms程度であること,が示唆された.
著者
小長井 一男 ヨハンソン ヨルゲン 田島 芳満 藤田 智弘 富安 由里子 野村 文彦 伊達 真生 片桐 俊彦
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.531-536, 2008

2008年6月14日, 岩手, 宮城県境(北緯39度01.7分, 東経140度52.8分)で発生したM7.2(気象庁暫定値)の地震では斜面災害が顕著であった.幸いにも死者を出す惨事にいたらなかった荒砥沢ダム湖北側斜面の崩壊は, その土量が7000万m<sup>3</sup>に達するとの推測もあるほど大規模なものでダム湖に津波を引き起こすなど, 当時の状況を推定しえる痕跡を随所に留めている.本報告は著者らが2008年6月15日~17日, 7月12~13日, 7月28日, 9月12日に行った現地調査の結果の一部を紹介するものである.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
野村 一高 岸田 昭雄
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.273-280, 1978-08-25

先枯病抵抗性の差異とフェノール性成分の季節的変化との関連を明らかにするため, 抵抗性と罹病性各4クローンの当年生枝中のフェノール性成分を1976年6月17日から10月16日までガスクロマトグラフィーで分析した。抵抗性の2クローンは6月から9月までtaxifolin-3'-O-glucosideを, また抵抗性の1クローンは8月から10月までafzelechinを含んでいたが, これらの成分は他のクローンでは見られなかった。抵抗性4クローンのcatechin含有量は6月から9月まで罹病性4クローンより多く, 抵抗性3クローンのtaxifolinは7月から9月にかけて増加し, 9月には罹病性4クローンの7倍以上の含有量となった。抵抗性2クローンの全フェノール含有量は常に罹病性の2倍以上で, また他の1クローンは6〜7月は罹病性と同程度であったが, その後急激に増加し, 9月には罹病性の2倍程度となった。また抵抗性クローンと同程度の濃度のcatechin と taxifolinは, 培地上で本菌の生育に対し抑制作用を示した。
著者
本田 純久 野村 亜由美 今村 芳博
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

スマトラ沖地震による津波に被災したスリランカ南部において行った調査により、家族や友人・知人の死亡、家族や本人の負傷、家屋や家財の被害、生計の喪失、年齢、性別、主観的健康感といった要因とGHQ-12項目得点、IES-R得点との間に関連がみられた。津波による被災体験や被災時の状況が、心的外傷後ストレス障害をはじめとする精神的健康状態に影響することが示唆された。
著者
野村 尚央 青山 聡 高取 正史 柴田 義孝 白鳥 則郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.745-746, 1997-09-24

筆者らは, 計算機資源及びネットワーク資源の静的/動的な状況変化に柔軟に対応し, 利用者に安定したマルチメディア情報を提供するためのシステムとして, やわらかいマルチメディアシステム(FMS)の研究を行なっている。マルチメディア情報サービスは, マルチメディア会議システム等に代表されるように, 蓄積型, リアルタイム型のメディアを同時に利用することが多い。そこで, 本研究では, FMS上において, 蓄積型, リアルタイム型のメディアを簡単かつ統一的な方法により利用を可能とするために, エージェント及びオブジェクト指向モデルを用い, マルチメディア情報の複雑な制御/操作を隠蔽し, 容易かつ安定した, やわらかさを可能とするマルチメディア情報サービスの実現を目的とする。
著者
松田 ひとみ 久野 譜也 檜澤 伸之 増田 元香 橋爪 祐美 奥野 純子 野村 明広
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は高齢者の睡眠の質を向上させる方法を明らかにするために、一日の生活活動と休息の状態を評価し、昼寝とナラティブ・ケアの有用性を導き出すことができた。また、その効果測定には、活動量計であるアクティウォッチによる睡眠効率と心拍変動パワースペクトル解析による日中の情動変動の評価が有効であると考えられた。
著者
齋藤 寛 前田 隆浩 青柳 潔 高村 昇 中里 未央 野村 亜由美
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

長崎大学では、平成16年度から医学部医学科5年-6年次学生を対象として「離島医療・保健実習」を開始した。これは、病院実習の一環として、1学年100名を7-8名ずつのグループに分け、それぞれ1週間ずつ長崎県五島市において地域医療、地域保健を学ぶものであり、地域に根ざした包括的医療についての実習を行うプログラムとして全国的にも注目されている。その一方、これまでこのような形での地域密着型医学教育プログラムを実施するという試みは日本でほとんど行われていないため、実施するにあたっての教育ソフトに乏しいのが現状である。そこで本申請では、今後の離島・へき地医療実習、さらには地域医療実習に応用可能な教育ソフトの開発を行う目的とした。研究代表者らは、各分野における教育ソフトの作成を行い、その成果は7月に全国の医学生を対象として行われた「家庭医療セミナー」において公開した。「家庭医療セミナー」は、全国の医学生を対象に、長崎県五島において家庭医療についてのセミナーを集中的に行うもので、研究代表者、研究分担者に加えて欧米の家庭医療の専門家を招聘しての特別講義・実習を行い、その成果はマスコミ等で大きく取り上げられた。さらに研究代表者らはこの成果を世界に発信すべく、長崎大学と学術交流協定を締結している旧ソ連邦のベラルーシ共和国の医科大学(ベラルーシ医科大学、ゴメリ医科大学)を訪問して、インターネット等を用いた遠隔教育(e-learning)システムの整備を行った。これに対して研究代表者がゴメリ医科大学の名誉教授号をうけるなど、ベラルーシ国内でも高い評価を得た。
著者
永瀬 和彦 近藤 和宏 野村 俊明
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.63, no.606, pp.620-627, 1997-02-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

Many trains were derailed and damaged by the earthquake in Kobe on January 17, 1995. At the same time, many railway girder bridges and viaducts were seriously damaged by the quake. It was postulated that serious accidents could occur as a result of trains running at high speeds into these girder bridges or viaducts. Fortunately, no fatal accidents occurred. On investigating such accidents, the authors found that they rarely occur, because a train derailed by the violent shock of a quake is so radically decelerated by the huge running resistance caused by the derailment that it stops just after the quake. On the other hand, it takes some time until the bridges or viaducts collapse after the quake.
著者
金子 尚史 植田 哲郎 野村 眞吾 杉山 敬三 竹内 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.153-158, 2006-11-22
被引用文献数
7

大規模災害発生時の問題の一つとして,通信インフラ障害による被災地との通信の断絶がある.被災者の安否確認や救援作業を迅速・的確に行うために,通信インフラを早急に確立することは重要である.通信インフラを早急に確立する有力な手段として,コグニティブ無線を用いた可搬型の基地局による自律的なネットワーク構築が検討されている[1][2].コグニティブ無線では,周辺の無線環境を認識し最適な無線メディア(無線リソース)を選択することから,無線環境を正しく認識することが重要であり,現在の無線環境のみならず無線環境を予測することが出来れば,さらなる周波数利用効率の向上やスループット向上等が期待できる.本稿では,コグニティブ無線基地局の無線メディアの有力な候補のひとつであるIEEE802.11(無線LAN)における無線環境認識・予測について検討を行った.無線環境情報が送信される周期が比較的長い場合を想定し,実環境での無線LANキャプチャデータから実測値と予測値との比較を行った.その結果,回帰直線による予測値は,良くても平均値を用いた場合と同程度であった.
著者
野村 徹 齋藤 敦史
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

SAWデバイスを利用したマルチチャネルセンサの構成とそのガスセンシングへの応用について示す。化学特にガスセンサでは、複数のセンサの応答よりガスの識別を行う。本研究では、同一基板に複数のSAW遅延線を並べ、入力には一個のドッグレッグIDTを用いたセンサアレイによるガスセンシングについて提案した。このセンサアレイと増幅器による自励発振器を構成したセンサシステムでは、自動的に温度補償が行え、チャネル間のクロストークも小さいことが分かった。また、ガスセンサに重要な感応膜の塗布に、簡易LB膜法を用いることにより、センサアレイの各チャネルの微小な部分に正確に再現性よく塗布することができた。応用では、このセンサを有機ガスの識別に適用し、いくつかのサンプルガスに対し、ユニークな応答パターンを得た。
著者
川谷 充郎 小林 義和 野村 泰稔
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.橋梁交通振動のアクティブ制御による制振効果の確認研究代表者らが開発してきた模型桁,模型車両およびアクティブ制振装置を用いて実験的にアクティブ制御の制御効果を示すとともに模型実験で用いられた制御理論を用いて理論解析を行い,実験結果との比較を行った。解析で用いる制御理論は出力フィードバック制御とロバスト安定性が高いと思われるH∞最適制御理論とした.そして実橋に対するアクティブ制御の制振効果を理論的に確認するために,阪神高速道路梅田入路橋の応答データに基づき,曲げ振動だけではなく曲げとねじり連成振動に対しても制御を行い,出力フィードバック制御とH∞最適制御理論との制振効果の比較を行った.結果として,H∞最適制御理論による橋梁交通振動の動的応答解析結果から,曲げ振動および曲げとねじり連成振動共に制振効果が高いことが分かった.2.歩道橋群集歩行振動のアクティブ制御による制振効果の確認大阪ドーム前歩道橋のうち最も揺れやすいと報告されている,支間長30.19m,幅員3.4mの区間を対象として現地歩行振動実験を行い,振動応答結果に基づき歩行外力モデルを検討するとともに,歩行者の振動感覚アンケート調査を行った.さらに,単独共振歩行および群集歩行に起因する振動の低減化対策について解析的に検討した.結果としてTMDは単独共振歩行に対しては効果的であるが,群集歩行時には共振成分以外の振動はあまり低減されず,振動を感じることがわかった.アクティブ制御においては,最適レギュレータ理論,H∞制御およびファジィ制御を適用したが,全ての制御理論において制振効果が高く,歩道橋に対しても,その有用性が確認された.各制御理論の比較から,H∞制御が最も制振効率が良く,単独・群集歩行時の共振成分以外の様々な振動成分を低減できることが明らかとなった.