著者
原 尚志 熊谷 りさ 佐々木 絢奈 法井 美空 鈴木 太朗
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.6-11, 2018-03-09 (Released:2018-04-03)
参考文献数
10

福島第一原子力発電所事故による放射能汚染は,既に予想よりも大分小さいことが明らかになっているが,事故から6年半経過した現在でも十分に知られてはいない。福島高校スーパーサイエンス部は,2014年に福島県内外で高校生個人線量調査を実施し,福島県内高校生の個人線量は自然放射線量とほぼ同等であることを報告した。今回は2016年の調査結果と,外れ値の分析について報告する。
著者
楠橋 直 安藤 友一 谷 健一郎 松原 尚志 栗田 裕司 奈良 正和 山路 敦
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.128, no.1, pp.411-426, 2022-12-29 (Released:2022-12-29)
参考文献数
71
被引用文献数
3

四国北西部に分布するひわだ峠層は,三波川変成岩類上に載る最古の地層として知られ,しばしば三波川変成岩類の地表への露出年代を制約するために使われる.しかしながら,同層に関する先行研究は少なく,同層と三波川変成岩類との関係すらも明確には記載されてこなかった.そこで本研究では,同層の全貌を明らかにすることを目的とし,地質調査と砕屑性ジルコンのU-Pb年代測定をおこなった.ひわだ峠層は,層厚100 m以上の浅海成層で,石灰質および非石灰質な礫岩・砂岩により構成される.産出する海棲生物化石と砕屑性ジルコンのU-Pb年代から,その堆積年代は中期始新世のLutetian期前期であると推定される.また,同層は基盤の三波川変成岩類を無整合に覆い,また上位の久万層群によって傾斜不整合で覆われている.したがって,少なくとも四国地方の三波川変成岩類は,中期始新世初めまでには地表に露出していたと考えて良い.
著者
原 尚志 鈴木 幸太 木谷 美思 小野寺 悠 鈴木 諒 斎藤 美緑
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.87-91, 2015-06-03 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
1

福島第一原子力発電所事故により,福島県内は放射性物質による汚染が心配されている。福島高校スーパーサイエンス部では,高校生の外部被ばくに注目し,昨年6月福島県内外で個人線量調査を実施した。この結果から,福島県内の高校生の個人線量が特異的に高いわけではないことがわかった。
著者
原 尚志 鈴木 幸太 木谷 美思 小野寺 悠 鈴木 諒 斎藤 美緑
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.87-91, 2015

福島第一原子力発電所事故により,福島県内は放射性物質による汚染が心配されている。福島高校スーパーサイエンス部では,高校生の外部被ばくに注目し,昨年6月福島県内外で個人線量調査を実施した。この結果から,福島県内の高校生の個人線量が特異的に高いわけではないことがわかった。
著者
高原 尚志
出版者
国際地域研究学会
雑誌
国際地域研究論集 = JISRD : Journal of International Studies and Regional Development (ISSN:21855889)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-19, 2019-03

日本で広く知られたメッセージ交換用アプリにLINEがある。LINEは無料でユーザ間のメッセージ交換サービスを提供している。一般的に、LINEはスタンプ販売やキャラクタのライセンスなどのコンテンツビジネスにより収益を得ているとされている。近年ではLINEの通信機能とAI機能(Clova)を統合したスマートスピーカーの販売も行われている。しかし、これだけのために、無料でメッセージ交換用アプリを提供し、日々ユーザの利便性向上のために工夫をしているのだろうか。本稿では、そのような疑問に答えるため、LINEの現在の収益モデルを分析するとともに、多くのユーザを獲得し、メッセージ交換分野でのプラットフォームとなることによって、将来、どのような展開(ビジネス)を考えているのかについて、プラットフォームビジネスを展開している既存の企業などの例を示しながら、著者独自の視点から考察を加える。更に、LINE Payなどの電子決済システムにも触れ、商品の販売から決済までを統合したプラットフォームのような、更に大きな市場を見据えたLINEのビジネス展開についても考察する。
著者
鈴木 茂之 松原 尚志 松浦 浩久 檀原 徹 岩野 英樹
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.115, no.Supplement, pp.S139-S151, 2009 (Released:2012-01-26)
参考文献数
35
被引用文献数
1 4

吉備層群(いわゆる「山砂利層」)は,ほとんど中~大礫サイズの亜円礫からなる,谷埋め成の地層である.時代決定に有効な化石は得られず,更新統とされていたが,稀に挟まれる凝灰岩層を対象とするフィッション・トラック年代測定によって,地層の定義や対比が行えるようになってきた.いくつかの堆積期があることが分かってきたが,岩相では区別しがたく,地層区分は高密度の踏査による地層の追跡が必要である.各層の基底は,地層を構成する礫を運んだ当時の河の谷地形を示す.この復元された古地形は,底からの比高が150m以上に達する深い谷地形である.これは一般的な沈降を続ける堆積盆に形成された地形より,むしろ後背地側の地形である.すなわち吉備層群には,一般的な沈降する堆積盆の地層に対する区分や定義の方法とは異なる,新しい取り組みが必要であり,堆積の要因についても考えなくてはならない.これらは案内者一同を悩ませ続けている課題であり,見学旅行を通じて議論をいただきたい.
著者
高原 尚志
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.10, pp.1-6, 2014-02-20

著者らは,VoIP 通信をセキュアに行うための方式として,信頼できる Web プロキシ (Trusted Web Proxy=TWP) を用いて SRTP のための共有鍵を安全に交換する TWP 方式を提案した.しかし現在の TWP 方式は,一つの TWP を設定することによって,信頼性を保証する方式であるため,インターネットのような大規模ネットワークでは,TWP に過度に負荷が掛かるなどの課題がある.そこで本稿では,TWP 方式を大規模ネットワークに適用するための課題を明らかにし,解決に向けた提案を行う.
著者
小笠原 尚志 大徳 和之 野村 亜南 川村 知紀 谷口 哲 福田 幾夫
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.345-350, 2019-09-15 (Released:2019-10-02)
参考文献数
6

大動脈食道瘻は手術死亡率が高く,予後不良な疾患である.症例は胸部下行大動脈嚢状動脈瘤による嚥下困難を認めた72歳男性.胸部ステントグラフト内挿術施行4カ月後にendoleakによる大動脈瘤の拡大をきたし,食道内視鏡検査で中部食道に突出する壁欠損を伴う腫瘤を認めた.腫瘤内部は血栓で充満していた.大動脈造影ではステントグラフトの小彎側からI型のendoleakを認め,腫瘤内への血流を認めたため大動脈食道瘻と診断した.発熱はなく,血液検査ではCRPの上昇を認めたが,白血球数は正常であった.人工血管に感染が及ぶことが必至と思われたため,開胸人工血管置換術および健常大動脈壁による瘻孔閉鎖を行った.人工血管は大網で被覆し,瘻孔部と隔離した.術後経過は順調で,術後4年のCT検査では食道穿孔部の治癒を確認,9年後の現在健在である.
著者
加藤 茂弘 佐藤 裕司 松原 尚志 兵頭 政幸 檀原 徹
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.411-417, 1999-10-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
23
被引用文献数
6 5

六甲山地西麓に分布する明美累層高塚山部層に挾在する高塚山火山灰層から0.41±0.12Maのフィッション・トラック年代を得た.高塚山火山灰層の岩石記載的特徴は,大阪層群のMa9層最下部に挾まれる港島II火山灰層のそれにほぼ一致し,両火山灰層の対比を支持する.さらに高塚山火山灰層は,岩石記載的特徴と降下年代の類似性から,約0.39Maに噴出したと推定される琵琶湖高島沖ボーリングコアのBT76火山灰層に対比される可能性が高い.高塚山火山灰層の年代と対比結果から,高塚山部層に挾在する海成層は大阪層群のMa9層に対比でき,酸素同位体比ステージ11に相当する時代に堆積したと考えられる.
著者
石原 尚志 柳瀬 義男 五十嵐 英夫
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.619-623, 1987
被引用文献数
1

生理中にタンポンを使用していた16歳女性が, 高熱, 咽頭痛を訴え, さらに典型的なToxic shocksyndromeの症状を呈した. 迅速な治療により患者は徐々に改善し, 第12病日までには急性期の症状は消失した. 体幹の枇糖様落屑と四肢末端部の膜様落屑が回復期に認められた.使用したタンポンと膣分泌物より黄色ブドウ球菌が分離された. この分離株はtoxic shock syndrome toxin-one産生性で, コアグラーゼVII型であった. 本症例は生理中のタンポンと膣分泌物から毒素産生性黄色ブドウ球菌が証明された本邦第1例と思われた.
著者
近藤 康生 延原 尊美 松原 尚志 佐々木 猛智 栗原 行人 中尾 賢一 菊池 直樹
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日本沿岸海域に分布する軟体動物の現生種(トリガイ, タマキガイ, ダンベイキサゴ, キサゴ)およびそれらの祖先種4系統のペアについて比較した結果,子孫である現生種の化石記録は,(1)更新世ジェラシアンからカラブリアンにかけての寒冷化期に,(2)分布域北縁付近に現れる;(3)子孫種は温帯性であるのに対して,祖先種は亜熱帯性であり,(4)祖先種に比べて大型である;(5)子孫種は祖先種に比べて沿岸寄りに分布する,という傾向が明らかとなった。これらは,現在,日本列島南岸に分布する貝類の一部がこの気候寒冷化期に分布域北縁付近の沿岸域で種分化したことを示唆する。
著者
高原 尚志 高辻 春菜 井上 春菜
出版者
新潟人間生活学会
雑誌
人間生活学研究 (ISSN:18848591)
巻号頁・発行日
no.9, pp.81-87, 2018

近年、海外からの旅行者の需要、いわゆるインバウンドを取り込むための試みが盛んに行われるようになってきた。最近では、東京から大阪に掛けてのいわゆるゴールデンルートだけではなく、地方へと海外からの旅行者の目も向き始めている。各地の観光協会や旅行者はこのインバンドを取り組むため、様々な取り組みを行っている。この際、日本人に定番の観光資源だけではなく、日本人には分からないが海外からの旅行者には大変魅力的な観光資源を見出すことが重要である。渋谷のスクランブル交差点などはこれに関しての有名な例のひとつであるが、地方を訪れる海外からの旅行者が魅力を感じるものとして、日本の伝統的な街並みなども上げることができる。著者らは、金沢を例として、日本人と海外からの旅行者の興味(評価)の違いに注目して、海外からの旅行者の視点から金沢の観光資源を見出す取り組みを行ってきた。そこで本稿では、今までの取り組みを整理した後、考察として概観し、今後の方向性について検討する。この取り組みは、金沢だけではなく、新潟県が佐渡金銀山の世界遺産登録を目指す上でも参考になるものと考える。
著者
高原 尚志 櫻井 幸一
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.3, pp.457-464, 2015-10-14

近年,インターネット上のコンピュータがマルウエアによる攻撃を受け問題となっている.通常のウイルス対策ソフトはシグネチャ型と呼ばれる個別のウイルスの特徴に注目して検知する方式を採用しているため,新種のマルウエアに対応できない場合がある.そこで本研究では,KDD CUP 99 Dataset を用いて機械学習の各手法によりマルウエアの侵入検知を試みる.その際,再現率 (Recall) を評価基準として,手法だけでなく,学習データ及び検知されるマルウエアといった 3 者の様々な組み合わせを試行する.これにより,過去のマルウエアのデータを学習データとして,新種のマルウエアの侵入を検知することができる汎用的な手法を考察する.
著者
山本 裕雄 栗田 裕司 松原 尚志
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.379-382, 2000-05-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
27
被引用文献数
13 14

Geologic age of the "Miocene" Iwaya Formation in Awajishima Island is examined by means of calcareous nannofossils and dinoflagellate cysts. Calcareous nannofossil flora indicates biozone NP 17 to NP 20 or CP 14 b to CP 15 b and a late Middle Eocene to Late Eocene age. The dinoflagellate cyst assemblages also show approximately the same age. These results reveal that the Iwaya Formation is the constituent of the Eocene-Oligocene Kobe Group.Molluscan assemblages resembling those from the Iwaya Formation have been known from the "Setouchi Miocene Series" in the coastal area of the eastern Seto Inland Sea. Molluscan fauna and stratigraphic correlation of the "Miocene" in this area should also be re-examined on the basis of precise geochronologic data.