著者
山口 莉奈 正田 悠 鈴木 紀子 阪田 真己子
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.913-914, 2016-03-10

山口・正田・鈴木・阪田(2015)は、平成20年3月に告示された新中学校学習指導要領保健体育における「ダンス」単元の必修化に伴って、現職教員が授業実施に対する不安を抱いており、その不安が大きく分けて5つの項目から構成されることを示した(例えば「生徒に対する不安」、「指導法に対する不安」など)。本研究では、この5項目をもとに、現職教員の不安を定量化するためのダンス指導不安評価尺度を作成するとともに、ダンス指導不安を抱えて研修会を受講した現職教員が持つ不安がいかなる特徴を持つのかを探究した。これにより、ダンス指導不安を引き起こす具体的な要因を特定し、それに対する有効な解決策の提案が可能となると考えられる。
著者
鈴木 紀子 竹内 勇剛 石井 和夫 岡田 美智男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.1328-1338, 2000-05-15
参考文献数
15
被引用文献数
8

人間は自分の発話や動作の一部を相手に真似されると,その相手の模倣的な振舞いの背後に自分に対して積極的に働きかける姿勢や感情を見いだしてしまう.その結果,相手に対する共感的な感情が生まれ,情緒的な関係の形成・維持が促進される可能性が高い.このことを検証するために本論文では,直前に発せられた発話を非分節音に変換し,音声の大きさ,リズム,イントネーションといったプロソディのレベルで模倣する機能を備えた仮想的なクリーチャをコンピュータ上に構築した.また,このクリーチャに対して発した音声を模倣されることによって引き起こされる心理的な影響について調べた.心理的評定実験では,直前に発した発話のプロソディを反響的に模倣する模倣的音声が占める割合と,一定のプロソディの音声を発する非模倣的音声が占める割合とが異なる3種類のクリーチャを用意し,各クリーチャとの相互作用に対する印象の評定を行った.その結果,被験者の発した音声に対する応答のうち,模倣的音声の占める割合の高いクリーチャほど,被験者のそのクリーチャの態度に対する好感度の評定値が高くなることを確認した.この結果は,自分の発話を反響的に模倣されることによって,非生物である仮想的なクリーチャに対しても共感的な感情をいだく可能性があることを示唆している.In this paper we describe results from an experiment of an interactionwith an artificial creature that mimics human voice echoicly usinginarticulate sound.We consider that humans are apt to find apartner's intention or emotion to themselves,when the partner mimics their utterance echoicly under prosodic level.As a result,we regardthat empathic interaction emerge among them.We test this hypothesisby having subjects interact with three artificial creatures that givedifferent rates of their respective response,mimicked prosody voice or constant prosody voice.Subjects' evaluations of the creature werecollected with a questionnaire according to impression of interactionwith the creature.The result suggests that the higher the mimicryrate is for the creature,the more positive the impression of the subject is.We consider that the result supported our hypothesis thatthe echoic mimicry is a key for the emergence of empathic interactionbetween humans and computers.
著者
大島 優 正田 悠 阪田 真己子 鈴木 紀子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.189, pp.41-45, 2014-08-15

数名での対話形式を取りながらも,第三者への情報伝達を目的・可能としたコミュニケーション構造は「オープンコミュニケーション」と呼ばれている.ラジオのように,聞き手であるリスナーに直接見られることなく,音声のみ伝わる場合でもオープンコミュニケーションは成立する.これは,ラジオが数名での対話形式を取りながら,リスナーである第三者へ情報伝達を行っているためである.本研究では,聞き手に視覚情報が呈示されないオープンコミュニケーションであるラジオの話者の振る舞いに着目し,聞き手に視覚情報が呈示される状況(公開録音)との比較からその特徴を明らかにする.またラジオパーソナリティの経験者ペアと初心者ペアの比較を行い,ラジオパーソナリティ独自の"スキル"という観点からも考察を行う.
著者
小窪 浩明 匂坂 芳典 鈴木 紀子 岡田 美智男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.93, pp.81-88, 1996-06-14
被引用文献数
1

自然な発話における多様な挙動をとらえるために,有機的な振る舞いに基づいたパージングアーキテクチャ,Situated Parserを提案Lた.このSituated Parserは,局所的な制約間での協調/競合作用の中から有機的に創発される秩序によって,次にとる動作が動的に決定されるという特徴をもつ.したがって,従来のパーザのように言語の多様性に合わせた手続き的な記述を必要とせず,より柔軟なパージングを行うことが可能となる.本稿では,このSituated Parserの動作メカニズムを説明するとともに,この特徴として,局所的な制約に基づく有機的な振る舞いと多重ゴールについて述べる.また,実験による動作例を検証し,局所的な制約による自律的な振る舞いによって,複数の仮説の中からいちばん尤もらしい仮説が優先的に生成され,手続き的な制御なしにパージングが行われることを示す.
著者
鈴木 紀子
出版者
錦正社
雑誌
軍事史学 (ISSN:03868877)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.111-126, 2010-09
著者
鈴木 紀子
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.277-280, 1978

The biological economy in the nymph of Locusta migratoria when it feeds on the leaves of the grass Bromus unioloides was studied with special reference to dry matter and phosphorus at a constant temperature of 25℃. The phosphorus contents of the food plant, nymphal body, feces and the exuviae were 0.35%, 0.93%, 0.22% and 0.03%, respectively. The conversion efficiency for dry matter from the plant to the insect body was 16%, while that for phosphorus was 52% ; the latter being thus about three times as much as the former.
著者
馬田 一郎 鈴木 紀子 鳥山 朋二
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

共同作業における作業ミス予測のため、視線検出装置・モーションキャプチャー装置などのセンサによるデータと発話データを用いてミスコミュニケーションが起こりやすい状態を推定することを目標とした。分析の結果、ミス予測については、各作業者が並列で作業を行う状態が続いている状態で共同注視の発生頻度が低い場合、ミスコミュニケーションの発生頻度が高くなる可能性が示唆されたが、共同注視が起こらない場合には必ずミス発生につながるという訳ではないことが観察された。この結果から、現状ではミスを起こしやすい作業チームを共同注視推測データから分類する可能性は有望であるものの、このデータを作業現場でのリアルタイムのミス予防にそのまま応用することは困難であることが示された。