著者
納谷 太 高橋 悟史 宮前 雅一 寺田 努 野間 春生 鳥山 朋二 小暮 潔 西尾 章治郎 今井 倫太
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.55-66, 2009
被引用文献数
1

We have developed a new battery-operated sensor node based on ZigBee wireless network in order to track people's location even with a poor electrical infrastructure. For a sensor network consisting of such kind of sensor nodes, we have designed a flexible sleep control protocol which fulfills low-battery consumption as well as high-accuracy time synchronization between these nodes. We have deployed a sensor network system composed of more than 40 sensor nodes in a hospital floor for tracking more than fifteen nurses simultaneously. Experimental results show that the system can operate around 27 days using four AA size NiMH batteries and can achieve 90% accuracy in the location estimation.
著者
實廣 貴敏 鳥山 朋二 小暮 潔
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.10, pp.2519-2528, 2008-10-01

実環境下での音声認識では,認識対象音声だけでなく,複数種類の周囲雑音,及び,それらが重なり合ったものが入力に含まれる.雑音抑圧の従来法では一般に一つの雑音源と仮定することが多く,複数種類の雑音が存在する場合には対応が困難であった.このような雑音に対応するため,我々は以前に複数種類の雑音モデル及びその合成モデルを用いた雑音抑圧手法を提案した.しかし,学習データから推定された雑音モデルをベースにしているため,雑音の変動や学習データに含まれない未知の雑音分布への対応が不十分であった.そこで,パーティクルフィルタを取り入れた手法を提案する.具体的には,複数雑音合成モデルにより,ある雑音が検出されると,その雑音モデルを事前分布としてパーティクルをサンプリングする.その雑音が継続して検出されるフレームでは,前フレームのパーティクルから推定されたパーティクルを用いる.これにより,突発的な雑音,変動する雑音や未知の雑音も近似的に推定することができる.病院内での看護師による実作業中の音声メモであるE-Nightingaleタスクにおいて,従来法に対し,確実な精度向上を確認できた.
著者
鳥山 朋二 小倉 武
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.35-36, 1992-09-28

ユーザーから設計者に要求を伝えるために設計仕様(設計要項)が作成される。設計仕様を受けとった設計者は内容を理解し、要求された条件を満たすシステムを作成しようとする。ユーザから受けとった設計仕様の内容を理解する段階で、設計者は何らかの形でユーザが要求しているシステムのモデル化を行う。このモデル化によりユーザ要求に内在する矛盾点やあいまいな点、不完全な点の指摘や、構成方法に関する提案等を行なうことが可能となり、これらをユーザに問い合わせ、その内容を設計仕様に反映することを繰り返して設計仕様は改版され、最終仕様へと完成度を高めてゆく。しかし、ここで作成するモデルはユーザの要求を設計者の立場から理解したものとなるため、ユーザーの要求がすべて反映されているという保証はない。従って、このモデルがユーザの要求する機能を満たしているか否かは、ユーザと設計が何らかの方法で確認する必要がある。この確認を十分に行なわないままシステムを作成し、作成後にユーザ要求との不一致が検出されたのでは手戻りが非常に大きくなるため、これらの問題はできるだけ設計の初期段階で解決するべきである。本稿では上記問題を解決するための手段として静的な検証を重視したユーザ要求のモデル化手法について検討し、既設計のLSIに適用した結果について述べる。
著者
浦島 智 鳥山 朋二 中村 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.31, pp.93-98, 2012-05-10

我々は,在宅患者が日常生活で利用する車椅子,ベッド,トイレ手すりに荷重センサなどを複数設置し,それらを用いてプライバシ侵害感の少ない見守りシステムを実現しようとしている.しかし,見守り実現のためには,取得した複数のセンサ情報を集約し,患者の行動と結びつける必要がある.本稿では,構築したセンサシステムと予備実験結果について述べる.
著者
馬田 一郎 鈴木 紀子 鳥山 朋二
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

共同作業における作業ミス予測のため、視線検出装置・モーションキャプチャー装置などのセンサによるデータと発話データを用いてミスコミュニケーションが起こりやすい状態を推定することを目標とした。分析の結果、ミス予測については、各作業者が並列で作業を行う状態が続いている状態で共同注視の発生頻度が低い場合、ミスコミュニケーションの発生頻度が高くなる可能性が示唆されたが、共同注視が起こらない場合には必ずミス発生につながるという訳ではないことが観察された。この結果から、現状ではミスを起こしやすい作業チームを共同注視推測データから分類する可能性は有望であるものの、このデータを作業現場でのリアルタイムのミス予防にそのまま応用することは困難であることが示された。
著者
岡田 昌也 鳥山 朋二 角 康之 間瀬 健二 小暮 潔 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.534, pp.77-82, 2006-01-13

目に見えない発見にあふれる現実世界での体験学習は, 人々を社会的な不思議に気付かせるための重要な教育領域である.人間の注意は限られているが, 学習者が体験時に重要性を認識できずに見落とした体験の中にも, 気付きのきっかけになるものは潜在的に多くある.現実世界における知的活動を通した気付き, 特に, 無意識的な気付きは抽象度が高く計算機では扱いにくかった.本研究は, 実世界学習における無意識的な気付きの顕在化を目的として, 発見の土台となり得る体験をウェアラブル体験記録装置によって網羅的に記録し, その中から気付きの可能性のある体験を時空間的に可視化する手法を提案する.
著者
高橋 悟史 黄耀華 宮前 雅一 寺田 努 野間 春生 鳥山 朋二 小暮 潔 西尾章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.118, pp.99-104, 2007-11-30
被引用文献数
4

我々は様々な現場で働く人々を支援するために,人の通過を検出するセンサネットワークを開発した.センサネットワークを構成する各センサノードを既存の建物など電源環境が整っていない場所に設置する場合,AC 電源を供給することが難しいことがあり,電池で長時間駆動することが求められる.そこで無線通信に ZigBee を採用し電池駆動でも長時間稼動する低消費電力なセンサノードの開発を行った.このセンサノードでは,独自のスリープ制御プロトコルを実装することで頻繁にスリープを行い消費電力を低減しながらも高い時刻同期精度を実現した.実際の病院環境で取得した通過データと開発した試作機の消費電力による評価結果より,2400[mAh] の二次電池 4 本を用いることで,一般的な病室であればセンサノードは 30 日間以上連続稼動することがわかった.We have developed a sensor network system for tracking people in order to support their daily activities. If a sensor node that makes up the sensor network should be located an environment with poor electrical infrastructure, it becomes necessary for it to work under extended time periods using batteries. To solve this problem, we designed a new battery-operated sensor network based on ZigBee. Among the improvements are a flexible sleep control protocol and a high-accuracy time synchronization mechanism between sensor nodes. From the simulation based on the actual data collected at a hospital, we have confirmed that the system can last usually over 30 days using four AA size Ni-H batteries at a hospital room in the hospital.
著者
坂本 龍哉 多田 昌裕 大村 廉 納谷 太 野間 春生 鳥山 朋二 小暮 潔 佐野 睦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.45, pp.43-48, 2008-05-15

従来の人物位置推定手法の大半は,(1)観測対象領域内に遮蔽物や仕切りがほとんど存在しない環境,(2)壁などの遮蔽物によって観測対象領域が空間的に完全に分離されている環境,のいずれかを観測対象領域としていた.しかしながら(1),(2)のいずれにも該当しない環境,例えば大型ショッピングモールのように,商品棚や背の低いパーティションといった仕切りは存在するものの,空間的には完全に分離されていない環境(半開放型環境)も少なからず存在する.そこで本研究では,従来考慮されていなかった半開放型環境においても,高い精度で人物位置推定可能な手法を提案する.提案手法は,複数のパーティクルフィルタを取捨選択的に用いることによって,半開放型環境において頻発する人物検知センサの誤反応・検知漏れを逐次検出・修正し,従来手法よりも10%以上高い人物位置推定精度を実現した.