著者
高田 宏 村川 三郎 西名 大作 高橋 大輔
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.96, pp.85-94, 2005
参考文献数
7
被引用文献数
5

1年間にわたり測定した複合商業施設内飲食店舗における使用水量データをもとに,経時的な使用水量の変動傾向を解析し,各店舗の水使用実態を明らかにした。得られた結果をもとに水使用モデルを作成し,モンテカルロ・シミュレーション手法を用いて給水負荷の算定を行った。はじめに,1分間隔で測定した使用水量データの時系列的な取り扱いについて検討を行った。また,時間使用水量と来客者数の関係について,1日の来客状況調査を実施し,両者の関連について考察した。さらに,年間休日の時間平均使用水量の変動パターンを用い,店舗の水使用パターンの類型化を行った。最後に,各種店舗の厨房内における水使用モデルとして,吐水時間,吐水流量,水使用頻度からなる負荷算定モデルを作成し,全店舗を合計した時系列的給水負荷の算定を行った。
著者
高橋 大輔
出版者
筑波大学中国文学研究室
雑誌
筑波中国文化論叢 (ISSN:02869675)
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-15, 2004

曹植、字は子建(一九二~二三二)の現存の作品は、賦・詩・楽府・頌・賛・銘・章・表・令・書・諭・誅等、計二百三十篇以上に及ぶ(1)。そのうち賦が四十四篇、詩が二十八篇、楽府が四十九篇とあわせて総作品の半分以上を占めているものの、この三者が同様の評価を受けてきたかというとそうではない。詩や楽府に対して賦の評価は低いと言わざるを ...
著者
高橋 大輔
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.52, no.February, pp.85-88, 2012-02-10 (Released:2012-02-10)
参考文献数
11

要 旨:85歳以上高齢者腹部大動脈瘤手術の成績について2002年以降の21例を検討した。平均年齢87.1歳(85–92),緊急手術10例(47.6%),破裂7例(33.3%),平均最大径68.9 mmであった。手術死亡は5例(23.8%)で,全例破裂で術前ショック症例であった。待機手術の死亡はなかった。手術死亡を含む術後生存率は1年で71.1%,3年で64.0%であった。85歳以上高齢者腹部大動脈瘤手術においても待機手術の成績は良好であり許容されると思われた。
著者
白濱 圭也 高橋 大輔 村川 智
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、トポロジカル超流動体としての新展開が期待される超流動ヘリウム3に対して、ジョセフソン効果および準粒子トンネル分光、集団励起などの実験を行い、トポロジカル性を検証し新奇状態を探索するものである。AB両相でトポロジカル超流動の特徴的性質発現が期待される擬2次元薄膜を実現するため、シリコンウェハー貫通スリット構造とスラブ円盤空間の作製を進め、前者については幅2×100μmの貫通スリット、後者は1μm高さに対し平坦度乱れが4nmという極めて平坦な円盤空間の作製に成功した。また超流動流測定装置、超音波実験装置、ねじれ振動子装置の開発を行った。同時に製作した核断熱消磁冷凍機を用いて実験を行う。
著者
高橋 大輔
出版者
足利工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は「固体ヘリウム4に発現する低温物性異常が転位運動のみで理解できるか」の問題提起のもと,以下の手法で実施された。(1)転位運動による固体弾性変化がねじれ振子の共鳴周波数変化に与える影響の有限要素法を用いた定量的評価。(2)定常回転下における剪断・体積弾性率の直接測定。結果,(1)により固体弾性変化がねじれ振子の周波数変化を定量的に説明することが明らかになった。しかし,(2)より回転下の弾性率にねじれ振子実験で観測された回転数依存性を持つ固体ヘリウム4物性量の“量子化”は観測されなかった。本研究により,転位運動は固体ヘリウム物性異常のすべてを説明しないことが明らかになった。
著者
高橋 大輔
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究は、進化的時間スケールにおける形質進化と群集構造との関わりを明らかにしようというものである。本研究では食物網構造に注目し、計算機モデルを用いて捕食被食関係の進化的構築過程を解析する事で、進化的時間スケールにおいて個々の個体への選択圧が群集という大規模な構造に対して及ぼす影響を明らかにする。特に、これまでの解析で群集内の種多様性が急激に変化しうる事が観察されており、群集内での相互作用の進化に伴った多様性の増大及び減少過程がいかなるプロセスによってもたらされているかを明確にするというものであった。先年度までに、生産者及び植食者という栄養段階の低い種の動態が群衆全体の動態に強く影響している事が観察されていた。植食者の出現によって多様な群集の進化は開始し、植食者の絶滅が生産者間の競争を介して群集全体に伝搬する事で崩壊が開始する。本年度の研究ではさらにシミュレーションを増やし、より多くのパラメータにおいて同様な動態がみられる事を確認し、提案しているメカニズムの頑健な事を確認し、投稿論文とした。また、個体群動態の理論研究では複数の個体群が移動分散によって接続されたときに動態は異なる事が知られている。このため群集間の移動を考慮した場合も同様の結果をもたらすかどうかを拡張したモデルで検討した。結果、一方の群集にのみ天敵を持つ種が存在し、この種が他方の群集から移入することで群集は常に撹乱を受けるため、複雑な群集は群集間の移動が稀な場合に特に不安定化した。上記研究は、進化的時間スケールにおいては群集内の多様性はきわめて複雑な挙動をする事、またそのメカニズムを理解するためには進化生態学的観点からアプローチが不可欠である事を示した。本研究では個体ベースの進化モデルを用いる事で群集動態と進化動態を統一的に扱い、実際に観察される捕食被食関係の進化のさらなる理解に貢献できた。
著者
高橋 大輔
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

回転下において超流動Heの循環は量子化され、各々の渦が全て同一の循環を持つ安定な位相欠陥である量子渦として存在する。量子渦は液体自由表面において終端する際にエクボを形成するが、その終端点近傍の状態の詳細は実験の困難さより明らかにされていない。量子渦が形成するエクボは液体表面上に形成される2次元電子系に対し散乱体となり、その移動度に影響を及ぼすことが予想される。加えて、渦芯周りの流れは自由表面に励起された表面波の分散関係に影響を与える可能性がある。よって、回転下において2次元電子系の移動度測定および、表面波(重力波)測定を行なった。実験で制御した量子渦密度の上限は〜10^8/m^2である。回転超流動He上2次元電子系の移動度測定の結果について述べる。実験に用いた2次元電子密度は〜10^<12>/m^2である。超流動4He上での実験において、回転速度の増加に伴い移動度が減少する様子が観測された。一方、同様の回転速度依存性は常流動3He上でも確認された。このことは観測された回転速度依存性が量子渦に起因するものではないことを示唆する。移動度に量子渦の影響が反映されなかった原因は、4Heの渦一つ一つが自由表面において形成するエクボの大きさが小さい(深さ〜70Å、半径〜4μm)こと、および渦密度が2次元電子密度に対し非常に小さいことに起因すると考えられる。表面波の実験について述べる。本研究では波長が毛細管長より長い重力波について、共鳴周波数の回転速度依存性を調べた。測定は〜7mKで行なった。この温度では超流動中の粘性成分は完全に無視できる。共鳴周波数は回転角速度の自乗に比例し増加することが明らかになった。この変化は回転流体における慣性波の理論により説明される。一方、定量的には比例係数が古典理論に対しおよそ半分であり、量子渦による何らかの影響を反映していると考察される。
著者
高橋 大輔
出版者
長野大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

雄性ホルモンの免疫抑制効果とハンディキャップ原理を組み合わせた性的二形の進化モデルである免疫適格ハンディキャップ仮説を魚類において検証した。その結果、コイ科魚類オイカワでは、本仮説を構築する3つの仮定[1)雌は顕著な二次性徴形質を持つ雄を好む、2)雌の配偶者選択に関わる雄の二次性徴形質の発現は雄性ホルモンに制御される、3)雄性ホルモンは免疫機能を抑制する]が全て成立し、魚類の性的二形の進化モデルとして本仮説が有効であることが示唆された。
著者
高橋 大輔
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、土地利用型農業の再生のための農業政策を立案するための実証的分析、特に米政策と農地政策についての分析を行うことで、日本農業の発展について国民経済的視点から検討を行うことである。また、日本の土地利用型農業の存在意義となる食料安全保障政策についても分析を行う。今年度の研究成果は以下のとおりである。まず、米政策の影響を評価する独自の数理モデルを構築した上で、1986年から2010年までの米政策の経済効果を分析した。分析結果からは、政府が生産調整を中心としたポリシーミックスを採用してきたことがわかり、その背景にある政府の行動様式が示唆された。分析結果は国際ジャーナルに投稿され、レフリーのコメントを受けた改訂を終えたところである。また、現行の価格政策を中心とした農業政策から、環境支払いを中心とした農業政策へ転換するための理論的考察を行うとともに、オークション型環境支払いに関する実証研究を行った。農地政策については、昨年度に刊行されて日本農業経済学会学会誌賞を受けた研究論文を英文化し、数理モデルに改善を行った論文が同学会の英文誌に受理された。また、2010年農林業センサスの公表を受けて、近年において農地流動化や経営規模拡大などの構造変化が急速に進んだ要因を統計分析から明らかにした。さらに、食料安全保障政策との関連で、日系食品関連産業による海外進出と撤退の動向を整理した論文が学会論文集に受理された。また、食品関連産業の海外進出と食品輸入の関連性についての計量分析を行い、日本農業経済学会大会にて口頭報告を行った。分析結果からは、食品関連産業の海外進出と食:品輸入の関連性が弱まっていることがわかり、国内において一定の水準で土地利用型農業を維持する必要性が示唆された。