著者
高野 恵美子 Takano Emiko
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
學苑 = GAKUEN (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.846, pp.28-39, 2011-04-01

Abstract As B.L.Whorf(1956)pointed out, each language has "fashions of speaking," Japanese speakers tend to like subjective construal, while English speakers tend to like objective construal. This paper explores how differences between English and Japanese construal affect the usage of motion verbs COME and GO in both languages. Analyzing English and Japanese COME and GO, we learned that Japanese speakers usually take the speaker's viewpoint. Thus, in Japanese, when the motion is directed towards the speaker as the goal, the verb COME(kuru)is used, and when the motion is directed away from the speaker's location, the verb GO(iku)is used. In English, however, a speaker often shifts his/her viewpoint to the hearer and takes the hearer's viewpoint perhaps because of empathy and respect for the hearer. We concluded that Japanese is a speaker-centered monologue-type language, while English is a hearer-centered dialogue-type language.
著者
"高野 恵亮" "タカノ ケイスケ" Keisuke" "Takano
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.61-73, 2007-10-31

本稿は野党期自民党の議員立法を分析対象としている。自民党は1955年の結党以来、1993年から1994年の一時期を乃増手政権の座にあり、「野党期」といわれる時期は極めて短い。それにもかかわらず敢えてこの時期の議員立法を研究対象とするのは、官僚機構の協力を得られにくくなる野党の立場としての、いうなれば「素のままの」自民党の政策形成能力を測りたいがためである。政策形成に関する議論においては戦後から長期の間、官僚主導論が占めていたが、1980年代後半からは逆に、政官関係でいうところの「政」の側、特に自民党の政策形成能力の再評価、すなわち自民党の長期一党支配の中で「族議員」と呼ばれる特定の政策分野に精通した議員が出現し、従来官僚主導と言われた政策形成の場面において、それらをしのぐ能力を発揮しているという議論が出てきている。しかしながら、野党期自民党の議員立法、そして自民党を離党した「族議員」の野党所属期における議員立法を検討すると、自民党がそうした能力を持ち合わせているかということに対しては疑問が生じる。そこには常々「責任政党」を標榜してやまない自民党の「素のままの」政策形成能力が現われていると言っても過言ではない。
著者
高野 恵亮
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.61-73, 2007-10-31

本稿は野党期自民党の議員立法を分析対象としている。自民党は1955年の結党以来、1993年から1994年の一時期を乃増手政権の座にあり、「野党期」といわれる時期は極めて短い。それにもかかわらず敢えてこの時期の議員立法を研究対象とするのは、官僚機構の協力を得られにくくなる野党の立場としての、いうなれば「素のままの」自民党の政策形成能力を測りたいがためである。政策形成に関する議論においては戦後から長期の間、官僚主導論が占めていたが、1980年代後半からは逆に、政官関係でいうところの「政」の側、特に自民党の政策形成能力の再評価、すなわち自民党の長期一党支配の中で「族議員」と呼ばれる特定の政策分野に精通した議員が出現し、従来官僚主導と言われた政策形成の場面において、それらをしのぐ能力を発揮しているという議論が出てきている。しかしながら、野党期自民党の議員立法、そして自民党を離党した「族議員」の野党所属期における議員立法を検討すると、自民党がそうした能力を持ち合わせているかということに対しては疑問が生じる。そこには常々「責任政党」を標榜してやまない自民党の「素のままの」政策形成能力が現われていると言っても過言ではない。
著者
土山 希美枝 南島 和久 高野 恵亮
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は、2015年5月に85歳で逝去した政治学者・松下圭一の政治理論が社会科学と社会に与えた影響を可視化し、包括的に把握することを目的とする。松下の政治理論は社会科学にも社会にも大きな影響を与えた。地方自治、行政学、政治学の分野での活動は、革新自治体、2000年地方分権改革の理論的支柱となった。松下は、丸山眞男と並び「その理論が社会を動かした」研究者だが、影響が広範なために分野ごと時代ごとで分断され、体系的・包括的な把握や評価がなされていない。本研究で、関係者のヒアリングや資料を用い、松下圭一の「社会科学と社会に与えた影響」を、高度成長期以降の現代史的視角とともに進め、明らかにしていく。
著者
高野 恵 佐藤 啓造 藤城 雅也 新免 奈津子 梅澤 宏亘 李 暁鵬 加藤 芳樹 堤 肇 伊澤 光 小室 歳信 勝又 義直
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.387-394, 2009-10-28 (Released:2011-05-20)
参考文献数
24

死後変化が進んだ死体において時に歯が長期にわたりピンク色に着染する現象が知られており,ピンク歯と呼ばれ,溺死や絞死でよく見られる.ピンク歯発現の成因として歯髄腔内での溶血により,ヘモグロビン(Hb)が象牙細管内に浸潤していくことが推測されているが,生成機序も退色機序も十分明らかになっていない.先行研究において実験的に作製したピンク歯では一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)や還元ヘモグロビン(HHb)によるピンク歯は6か月以上,色調が安定であったのに対し,酸素ヘモグロビン(O2Hb)によるピンク歯は2週間で褐色調を呈し,3週間で退色することを既に報告している.ピンク歯の生成・退色機序を解明するうえで,O2Hbによるピンク歯が早期に退色する現象を詳細に検討することは意義のあることと考えられる.う歯がなく,象牙細管がよく保たれた歯の多数入手が不可能であるため,本研究では象牙細管のモデルとして内径1mmのキャピラリーを用い,O2Hbによるピンク歯の退色について詳細に検討した.実際の歯とキャピラリーを用いてO2HbとCOHbの退色を比較したところ,キャピラリーはピンク歯のよいモデルとなることが分かった.キャピラリーを用いた詳細な実験で,O2Hbは酸素が十分存在し,赤血球膜も十分存在するという限られた条件において早期に退色することが明らかになった.このことはO2Hbに含まれる酸素が赤血球膜脂質と反応してHbの変性を来し,Hbの退色をもたらすことを示唆している.この退色は温度の影響をほとんど受けず,防腐剤の有無にも影響を受けなかった.死体では死後に組織で酸素が消費され,新たに供給されないので,極めて嫌気的な環境にあり,死後産生されたCOHbを少量含む主としてHHbによる長期的なピンク歯を生じやすいといえる.溺死体のような湿潤な環境で象牙細管へのHHbやCOHbの侵入と滞留があれば,ピンク歯はむしろ生じやすい現象といえるであろう.
著者
二宮 千登志 高野 恵子 笹岡 伸仁
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.417-423, 2007-07-15

周年生産されているグロリオサの塊茎肥大と休眠の様相を把握するため,12月2日,4月3日,7月3日にそれぞれ'ミサトレッド','トロピカルレッド'および'ローズクイーン'を定植し,新塊茎の肥大と休眠の推移を調査した.その結果,新塊茎は7月に定植して栽培した場合に最も短期間で肥大し,12月に定植して栽培した場合には肥大が緩慢であった.しかし,4月や7月に定植した場合には二次肥大塊茎が生じ,特に'トロピカルレッド'や'ローズクイーン'で多かった.新塊茎の休眠は,12月に定植した場合には品種にかかわらず,定植後徐々に休眠が深まり,開花期前後に最も深くなった後,再び浅くなった.しかし,4月や7月に定植した場合には,'トロピカルレッド'では開花期頃に深くなった休眠が時間の経過とともにさらに深くなり,'ローズクイーン'では開花期頃に深くなった休眠がその後の立毛中により深くなったり,浅くなったりと一定の傾向を示さなかった.