- 著者
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小林 道
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
- 雑誌
- 栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.3, pp.126-133, 2021-06-01 (Released:2021-07-09)
- 参考文献数
- 21
- 被引用文献数
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1
【目的】地域住民を対象として,中食の利用頻度と食品群別摂取量及び栄養素等摂取量の関連を明らかにすることを目的とした。【方法】2018年7月~8月に,北海道江別市に在住する20~74歳の成人を対象として,自記式質問紙調査を行った。食品群別摂取量及び栄養素等摂取量は,簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)により評価した。最終的な解析対象者は1,469名(男性:625名,女性:844名)であった。中食の利用頻度と食品群別摂取量及び栄養素等摂取量との関連は,共分散分析を用いて検討した。【結果】男性では,中食の利用頻度が週1回未満の群と比較して,週2回以上の群で,緑黄色野菜類,その他の野菜類,食物繊維,カリウム,カルシウム,マグネシウム,葉酸,ビタミンCの摂取量が有意に低く,女性では,これらの食品群と栄養素等に加えて,豆類,卵類,動物性たんぱく質,動物性脂質,鉄,亜鉛,銅,ビタミンA,ビタミンB1,ビタミンB2,ナイアシン,ビタミンB6 の摂取量が有意に低かった。男女ともに中食の利用頻度が週2回以上の群では,ナトリウム・カリウム比(Na/K比)が有意に高かった。【結論】中食の利用頻度が週2回以上の群では,野菜類摂取量が低く,それに伴って食物繊維及び複数のビタミンなどの摂取量が低値を示し,Na/K比が高まる可能性を認めた。中食の利用頻度が高い場合には,Na/K比を低くするために野菜類摂取量の増加に留意する必要性が考えられた。