著者
小澤 啓子 鈴木 亜紀子 髙泉 佳苗 岩部 万衣子 松木 宏美 赤松 利恵 岸田 恵津
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.205-216, 2016 (Released:2016-11-30)
参考文献数
29

目的:夜遅い食事と肥満との関連を把握すること.方法:PubMedおよびCINAHLデータベースを用いて,検索式には「食事」,「夜・時間」,「食行動」,「肥満・MetS」を示すキーワードを組み合わせ,2005年以降10年間に英語で報告された論文を検索した.596件の表題と抄録を精査し,本研究の採択基準(①原著,資料や短報など,②健常な幼児以上のヒト,③「夜遅い食事」か「夜食」を含む,④「肥満」か「MetS」を含む,⑤基礎研究でない)を満たさない535件を除外した.さらに本文を精読し,最終的に11件の論文を採択した.結果:採択論文は,縦断研究が2件,横断研究が7件,介入研究が2件であった.研究対象者は,成人のみ対象が10件,成人と子ども対象が1件であった.5件で夜遅い食事(夜食含む)を摂取する者は,肥満(body mass index: BMI 30 kg/m2以上)の割合が高い,BMI値が高い,もしくは体重増加量が有意に多い結果であった.その一方,残り6件のうち5件は,夜遅い食事(夜食含む)と肥満(体脂肪率などの体組成を含む)との関連はなく,他の1件は,夜遅い食事を摂取する者は,摂取しない者よりもMetSのリスクが有意に低かった.結論:夜遅い食事と肥満との間に正の関連,負の関連を示すもの,関連を示さないものが混在しており,一貫した結果がみられなかった.その理由として,交絡因子としてエネルギー摂取量調整の有無が関わっている可能性がある.
著者
新保 みさ 福岡 景奈 赤松 利恵
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.12-20, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1

目的:小学校の学級担任を対象に,学級担任が給食指導で参考にしていることを調べ,栄養教諭・学校栄養職員と相談している者の特徴を検討することを目的とした.方法:2014年7月,埼玉県A市の教育委員会を通して,市立小学校全32校の学級担任569名に横断的な質問紙調査を行った.調査項目は,給食指導を行う上で参考にしていること,給食指導で行っている取り組み,給食の喫食時間,学級全体の残菜量,属性であった.結果:解析対象者は456名で,男性143名(31.4%),平均教員経験年数(標準偏差)13.5(12.5)年だった.給食指導を行う上で参考にしていることのうち,選択した者が多かった上位3つの選択肢は「自分自身が家庭で受けた教育」(272名,59.6%),「自分自身が小学校のときに受けた給食指導」(208名,45.6%),「栄養教諭・学校栄養職員と相談」(172名,37.7%)だった.「栄養教諭・学校栄養職員と相談」を選択した者はしなかった者と比較して,女性,給食に関する校務分掌経験がある者,給食が自校式の者が多く,給食指導での取り組み個数が多かった.結論:学級担任は,自分自身が家庭や小学校で受けた教育を参考に給食指導をしている者が多かった.栄養教諭・学校栄養職員と相談している者は4割程度で,給食に関する校務分掌経験がある者や給食が自校式の者などの栄養教諭・学校栄養職員と関わる機会のある者が多かった.
著者
堀川 翔 赤松 利恵 堀口 逸子 丸井 英二
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.129-139, 2012 (Released:2012-04-24)
参考文献数
13
被引用文献数
1

【目的】小学校高学年向けの食の安全教育に用いるカードゲーム教材「食のカルテット」のルールや内容,受け入れやすさについて利用可能性を検討すること。【方法】2011年9月から11月に,A県1市1町の小学校計6校の5年生,6年生,教職員を対象に,「食のカルテット」の施行及び自己記入式質問紙調査を実施した。「食のカルテット」は,食の安全の内容を中心とした,食に関する全般的な知識を習得することを目標としたカードゲーム教材である。ゲームの実施前及び実施後に「食のカルテット」の内容を10問質問し,ゲーム実施前後の回答を,各問題の正答率はMcNemar検定,合計得点はWilcoxonの符号付き順位検定によって比較した。また,児童及び教職員にゲームの内容やルールについての評価を質問した。【結果】児童294人,教職員28人が質問紙に回答した。「食のカルテット」の内容の問題は,実施前より実施後で正答率が上がったものと下がったものがみられたが,10問の合計得点は実施後が有意に高かった(Z=-3.657,p<0.001)。91.8%の児童がゲームを「とても楽しかった」と回答しており,自由記述(84.0%が回答)でも「楽しみながら・遊びながら学べた」という記述が回答者の34.0%にみられた。教職員の自由記述(63.3%が回答)でも「食に関する知識が身につく」,「楽しみながら学べる」などの意見が得られた。【結論】児童の回答から,「食のカルテット」のルールは児童に受け入れられ,楽しく学べる教材であることが示された。今後は,教材としての効果を検討する必要がある。
著者
岩部 万衣子 小澤 啓子 松木 宏美 髙泉 佳苗 鈴木 亜紀子 赤松 利恵 岸田 恵津
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.151-167, 2017-08-31 (Released:2017-09-07)
参考文献数
32

目的:夜遅い食事及び夜食と肥満との関連を成人と子どもに分けて把握すること.方法:医学中央雑誌及びCiNiiを用いて,2005年以降の10年間に報告された論文を検索した.検索式には「夜遅い食事・夜食」と「肥満・MetS」を示す検索語を用いた.本研究の除外基準に基づき314件の表題と抄録を精査し234件を除外し,次に採択基準に基づき本文を精査して21件の論文を採択した.結果:21件中,縦断研究1件,横断研究18件,両方を含めたもの1件,介入研究1件であった.研究対象者は成人が15件,子どもが6件であった.成人では夜遅い食事を12件が調査し,7件で夜遅い食事の摂取者に肥満が多い等の正の関連があり,2件で性別等により肥満との関連の有無が異なり,3件で関連がなかった.夜食は10件で調査され,4件で夜食の摂取者に肥満が多く,3件で性別等により肥満との関連の有無が異なり,3件で関連がなかった.一方,子どもでは夜遅い食事の調査は1件と限られ,肥満との関連はなかった.夜食は6件で調査され,3件で関連なし,2件でBMIの高い者で夜食の割合が低く,1件で夜食の摂取者に肥満が多かった.結論:成人では夜遅い食事が肥満と正の関連を示し,子どもでは夜食が肥満と関連しないか負の関連を示した報告が多かった.しかし,多くは横断研究であり,交絡因子を調整した報告も少なかった.
著者
安部 景奈 赤松 利恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.75-81, 2011 (Released:2011-07-02)
参考文献数
24
被引用文献数
7

【目的】学校給食の食べ残しに関連する要因を検討すること。【方法】2009年5~6月,都内の小学校に通う5~6年生112名を対象に,自己記入式質問紙調査を行い,その日の給食についてたずねた。調査は2日間,給食の後に行った。調査当日の給食の食べ残しの状況を従属変数とし,食前の空腹感,食後の満腹感,献立の嗜好,喫食時間の過不足,食具,性別,BMIを独立変数として,ロジスティック回帰分析を行い,食べ残しの要因を検討した。同一の対象者に2回ずつ調査を実施したため,一般化推定方程式(generalized estimating equation: GEE)を用いて延べ224名として解析を行った。【結果】有効回答数は延べ222人であった(回収率99%)。多変量ロジスティック回帰分析の結果,喫食時間(オッズ比[OR]=45.31,95%信頼区間[95%CI]=13.46~152.53),嗜好(OR=2.71,95%CI=1.04~7.09),BMI(OR=0.80,95%CI=0.65~0.99)が食べ残しと関連していた。【結論】本研究により,給食の食べ残しに関連する要因には,喫食時間,嗜好,BMIがあることが示唆された。今後は,児童の食べ残しを減らすための栄養教育を行うとともに,学校全体として食べ残しの問題に取り組む対策を考えていく必要がある。
著者
小島 唯 赤松 利恵
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.213-220, 2015

【目的】学校給食における赤黄緑の3色食品群の群別の食品の出現割合を調査し,3色食品群に掲載する食品の内容を検討すること。<br>【方法】2012年5~7月,東京都の公立小学校19校を対象に,2011年度の学校給食献立予定表を各校12日分ずつ収集した。主食と季節を分け,4区分の季節ごとに,献立の主食が米飯の日の献立,主食がパンの日の献立,主食が麺の日の献立各1日分を,各校の学校栄養職員・栄養教諭の任意で選択させた。献立表より,すべての食品を抽出し,文部科学省の3色食品群に沿って食品を3色または未分類に分類した。各群の食品の出現割合(%)を主食別に算出した(食品の出現回数/解析した主食別の献立の日数×100)。<br>【結果】計16校(回収率84.2%)から主食が米飯の日,パンの日,麺の日各64日分,計192日分の献立を回収した。対象の食品は,210食品,延べ4,813食品となった。赤群の出現割合は,いずれの主食でも牛乳(63回,98.4%)が最も高かった。米飯の日では,次いで,みそ,肉類,大豆製品,魚,わかめ等が上位であり,パンの日では,上位10品目の中に,肉類,乳製品が多く含まれた。麺の日では,肉類,みそ,わかめ,チーズ等が上位に含まれた。<br>【結論】赤黄緑の各群において,出現割合の高い食品が示された。また,出現割合上位の食品の中には,既存の食品群の教材に含まれない食品もみられた。
著者
赤松 利恵 永橋 久文
出版者
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.31-40, 2008
被引用文献数
3

目的: 行動変容段階モデルを用いて, 小学校における食に関する指導を行い, 介入のプロセス評価および影響評価から, モデルの利用可能性について検討する.<BR>方法: 都内の公立小学校1校において, 2005年6月から2006年12月にかけて食に関する指導を実施した.全教職員が指導にあたり, 関連する授業の他, 給食時間などを利用し, 家庭地域との連携も積極的に行なった.子どもたちを対象としたアンケートから「よく残す食べ物」の変化, またセルフモニタリングシートを続けた子どもから「給食を残さず食べる」行動の変化を影響評価として検討した.さらに, プロセス評価として, 保護者を対象としたアンケートから家庭への普及の程度を, また, 教員が作成した研究紀要から行動変容段階モデルの利用可能性を検討した.<BR>結果: 2005年6月と2006年5月の2回のアンケートに回答した子ども (197人) を対象に, 「よく残す食べ物」について検討した結果, 13個中10個の食べ物で「よく残す」と回答した子どもが減った.特に, 小魚, 果物は統計的有意に減少していた (p<0.05) .キノコを題材として指導を進めた3年生では, キノコを「よく残す食べ物」と回答する子どもが減っていった.また, 給食カードを続けた1年生の目標達成率は, 開始時に比べ半年後で高くなっていた.家庭への普及の程度は保護者を対象としたアンケートの結果からは, 充分普及されたとは言えなかったが, 熱心な家庭を中心に「食育プロジェクト」と呼ばれる自主的な活動が始まった.行動変容段階モデルを使った教員からは, 『行動変容段階モデルに沿って学習計画を立案することにより, 毎時の学習の位置づけと目標を明確にもって授業を進めることができるようになってきた』という意見があがった.<BR>考察: 本研究は, 実践的な研究であったことから, 研究デザインや評価方法など, 研究としての限界はあるが, 行動変容段階モデルの利用可能性を示したと考える.
著者
谷口 貴穂 赤松 利恵
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.24-33, 2009
被引用文献数
1

目的:「もったいない」と思う気持ち(食べ物を捨てるときに感じる気持ち)を食事摂取に関わる要因として加え,食べ残しの行動の予測要因を検討すること.<BR>方法:都内の公立小学校の5・6年生の児童2,070人を対象に,自記式の質問紙に基づく横断調査を実施した.食べ残しの行動の予測要因として,「もったいない」と思う気持ちと,食べ残しの多い野菜摂取に関わる要因(嗜好,結果期待,学校菜園活動,家庭のしつけ)や,野菜を食べる頻度と食べ残しの行動との関連を調べた.性別で野菜摂取に関わる要因が異なることから,男女別で食べ残しの行動の予測要因を検討した.<BR>結果:1,994人から回答を得た.女子よりも男子の方が食べ残しの行動をしないと回答した.食べ残しの行動の予測要因は男女で異なったが,食べ残しの行動に最も影響を与えていたのは,男女とも野菜の嗜好で,次が「もったいない」と思う気持ちであった.<BR>結論:「もったいない」と思う気持ちは,食べ残しの予測要因となり,2番目に強く食べ残しの行動に影響を与えていた.食べ残しの行動に最も影響を与えていたのは,野菜の嗜好であった,これらのことから,「もったいない」と思う気持ちを育てること,野菜の嗜好を変えることにより,食べ残しが減ると考えられた.
著者
栁川 由布子 赤松 利恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.57-64, 2018-06-01 (Released:2018-07-11)
参考文献数
24

【目的】中学生の体格に関連する生活習慣を検討すること。【方法】2015年6月福島県教育委員会が県内公立中学校16校の中学2年生1,980人を対象に実施した「食生活に関するアンケ-ト」のデータを用いた。体格の判定は,肥満度≦-10%を低体重,-10%<かつ<10%を標準,≧10%を過体重とした。男女別に生活習慣を独立変数,従属変数を体格とし,χ2 検定と多項ロジスティック回帰分析を用いて検討した。【結果】1,904人(有効回答率96.1%)を対象とした結果,男子では食べる速さが速い者に低体重が少なく[オッズ比=0.57(95%信頼区間=0.33~0.97)],おやつの頻度が週4日以上の者に低体重が多かった[1.68(1.12~2.52)]。運動を体育以外しない者[2.48(1.47~4.18)],食べる速さが速い者に過体重は多く[1.59(1.02~2.47)],おやつの頻度が週4日以上の者に過体重が少なかった[0.42(0.26~0.67)]。女子ではおやつの頻度が高い者に低体重,テレビ等の時間が2時間以上の者に過体重が多かった。【結論】中学生の男子では食べる速さが普通・遅い,おやつの頻度が高いことは低体重,食べる速さが速い,おやつの頻度が低い,運動習慣がないことは過体重に関連していた。女子ではおやつの頻度が高いことと低体重,テレビ等の時間が長いことと過体重が関連していた。
著者
長谷川 爽 栁川 由布子 關 奏 赤松 利恵
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.123-132, 2018-05-31 (Released:2018-05-31)
参考文献数
22

目的:男女及び発達段階別に小学生の過体重に関連する生活習慣を特定すること.方法:2015年6月に福島県教育委員会が実施した「食生活に関するアンケート」のデータを用いて,横断的自己記入式質問紙調査を行った.対象者は福島県内の公立小学校19校に通う3・5年生2,369人であった.χ2検定を用いて,体格,生活習慣を男女及び学年別(中学年・高学年)に比較した.その後,過体重に関連する生活習慣のオッズ比と95%信頼区間を求めるために,従属変数を体格,独立変数を生活習慣とし,地域を調整したロジスティック回帰分析を行った.結果:3年生1,011人,5年生1,157人,計2,168人(有効回答率91.5%)を解析対象とした.過体重の割合は,3年生に比べ5年生に多く(各々22.3%,26.7%,p=0.016),5年生では,女子に比べ男子に多かった(各々23.8%,29.4%,p=0.032).過体重と正の関連が認められた生活習慣は,男女別にみると,男子では食べる速さが速いこと,女子では朝食の頻度が低いことだった.学年別にみると,3年生では朝食の頻度が低いこと,5年生では食べる速さが速いこと,体育以外の運動の頻度が低いことだった.加えて5年生の女子では,夕食から就寝までの時間が長いことだった.結論:小学生の過体重に関連する生活習慣は男女及び発達段階で異なっていた.男子では食べる速さ,女子では朝食の頻度,3年生では朝食の頻度,5年生では食べる速さ,体育以外の運動の頻度が過体重に関連していた.
著者
會退 友美 赤松 利恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.174-181, 2016

【目的】保育士と管理栄養士が連携し,スプーン・フォークと箸の正しい持ち方,食事中の正しい姿勢を身につけることをねらいとしたプログラムを実施し,その結果と課題を検討すること。<br>【方法】2014年4~9月,都内A保育所(0~5歳児:59人)にて,3~5歳児(32人)を対象に,食事のマナーに関するプログラムを実施した。プログラムでは,5歳クラスのみ,自分自身で振り返りを行うセルフモニタリングを行った。プログラムの評価方法として,対象児の保護者アンケート,保育士による観察記録,保育士へのインタビュー中のコメントからプログラムの課題を整理した。<br>【結果】プログラムに参加した子どもは,3歳クラス11人,4歳クラス11人,5歳クラス10人で,合計32人(参加率100%)であった。プログラムを実施した結果,食事中の姿勢,スプーン・フォークや箸の持ち方について,保育士から「まったくできない」と評価される子どもの数が少なくなった。また,保護者も子どもの前向きな変化を感じていた。保育士対象のインタビューにおいて,「子どもが楽しんで参加する様子がみられた」という肯定的な回答がみられた一方で,「子どもが飽きずに参加できるように教室の内容に変化をつける必要がある」など,いくつかの改善点があげられた。<br>【結論】プログラムに対する肯定的な意見が得られた一方で,プログラム内容でいくつかの改善点がまとめられた。
著者
伊東 奈那 赤松 利恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.150-158, 2015 (Released:2015-12-26)
参考文献数
16

【目的】栄養教育における教材選択の資料とするため,食生活の指針を参考にしている者とそうでない者の属性や食習慣を検討すること。【方法】2009年11月~12月,内閣府が全国満20歳以上の者5,000人を対象に行った「食育の現状と意識に関する調査」のデータを使用した。「食生活の指針を参考にしているか」という質問に対して,「食事バランスガイド」「食生活指針」「日本人の食事摂取基準」「6つの基礎食品」「3色分類」の5つの食生活の指針のうちいずれか1つでも参考にしている者を参考群,参考にしていない者を非参考群とし,属性,食習慣を比較した。また,参考群の中で参考にしている食生活の指針と食習慣の関連も検討した。解析にはχ2 検定と単変量ロジスティック回帰分析を用いた。【結果】本調査の回答者2,936人のうち,解析対象者は2,699人(91.9%),参考群1,338人(49.6%),非参考群1,361人(50.4%)であった。最も参考とされていたのは「食事バランスガイド」であった[158人(11.8%)]。非参考群と比較し,参考群には女性が多く(p<0.001),60歳代の者が多かった(p=0.001)。また,参考群は朝食欠食がない者が多く[オッズ比(95%信頼区間)=1.35(1.04~1.77)],バランスの良い食事の頻度が高かった[1.48(1.22~1.80)]。【結論】食生活の指針を参考にしている者としていない者では属性に違いがみられ,参考にしている者では,欠食が少なく,バランスの良い食事の頻度と副菜の頻度が高かった。
著者
新保 みさ 赤松 利恵 しんぽ みさ あかまつ りえ
出版者
お茶の水女子大学附属図書館(E-bookサービス)
巻号頁・発行日
2016-02-12

本教材は,成人の体重管理を目指す者を対象に,つい食べ過ぎてしまう場面において,食べ過ぎないためにどうしたらいいか,食べ過ぎてしまったらどうしたらいいかという対策を学ぶための教材です。フリップチャートは指導者がそれぞれの食べ過ぎてしまう場面,対策について説明する時に使います。ワークシートや対策シートは,学習者が自分に合った対策を考えるために使用し,誘惑日記は学習者が誘惑場面や対策についてモニタリングを行うために使います。それぞれの教材の詳しい使い方は,手引きをご参照ください。印刷方法は、次のURLをご参照ください。http://www.lib.ocha.ac.jp/e-book/list_0007a.html
著者
新保 みさ 赤松 利恵 山本 久美子 玉浦 有紀 武見 ゆかり
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.244-252, 2012
被引用文献数
2

【目的】成人を対象とした体重管理の誘惑場面における対策について,ゲームを通して学習できるカード教材「ベストアドバイザーFORダイエット」を開発した。本稿では,カード教材の解説を行うとともに,保健医療従事者によるカード教材の評価を報告する。<br>【方法】2011年7月~10月に開催された市町村の保健医療従事者向けの研修会に参加した66名を対象にカード教材のゲーム式の使い方を実施した。ゲーム終了後に,質問紙を用いてゲームの感想や遊び方,体重管理の教材としての評価,属性をたずねた。また,質問紙の最後に意見や感想を自由記述で記載する欄を設けた。<br>【結果】解析対象者は62名(女性:57名,91.9%)だった。「ゲームは楽しかったですか」,「体重管理の教材として役立つと思いますか」という問いに対してそれぞれ57名(91.9%),49名(79.0%)が「とてもそう思う/そう思う」と回答した。自由記述では,指導者向け</TS><TS NAME="抄録">の教材として利用したいという意見があがった。一方で,教材や遊び方について,ルールや内容が難しいなどの改善すべき点もあがった。<br>【結論】体重管理の誘惑場面における対策に関する学習教材として,肯定的な意見が得られた。あげられた改善点をもとに,教材の見直しを行い,今後は一般成人を対象に実行可能性および教育効果について,検討をする必要がある。
著者
赤松 利恵
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

本研究は,行動科学の観点を取入れた子どもの食育の確立と普及を目指し,発達段階に応じた子どもの食行動の検討と食育の教育内容および教材の開発を目的に研究を進めてきた。特に,本研究の主目的である行動科学を取り入れた食育プログラムについては,幼児を対象とした偏食の改善プログラムと小学生を対象とした給食の食べ残しに関するプログラムを教材と共に開発し,研修会等を通じ,教材およびプログラムの普及啓発も行った。
著者
鈴木 亜紀子 吹越 悠子 赤松 利恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.282-289, 2013 (Released:2013-11-08)
参考文献数
28
被引用文献数
1

【目的】非肥満者の生活習慣病予防のために,長期的な体重増加があると回答した非肥満者の食習慣を検討する。【方法】2009年度,特定健康診査を実施し,自記式の標準的な質問票に回答したA健康保険組合員の被保険者または被扶養者3,342人(男性1,614人,女性1,728人)の横断的データを用いた。性別,年齢の他,標準的な質問票に含まれている食習慣(6項目),長期的な体重増加(1項目)を用いた。Body mass index(BMI)25 kg/m2 を基準に肥満群と非肥満群の2群に分け,肥満群と非肥満群のそれぞれで,体重増加の有無を従属変数とした単変量と多変量解析によるロジスティック回帰分析を行い,食習慣との関連を検討した。【結果】全体の肥満群は694人(20.8%),非肥満群は2,648人(79.2%)であり,20歳時からの体重増加がある者は,2,228人(66.7%),ない者は1,114人(33.3%)であった。体重増加がある者の48.9%が非肥満であった。体重増加に関連する食習慣は,非肥満群の男性では,夜食(オッズ比(OR)=2.18,95%信頼区間(95%CI)=1.37~3.46)であり,女性では遅い夕食(OR=1.69,95%CI=1.12~2.58)であった。肥満群は男女とも,遅い夕食(男性:OR=2.24,95%CI=1.24~4.08;女性:OR=3.26,95%CI=1.51~7.05)であった。【結論】現在,非肥満者であっても,長期的な体重増加があると回答した者は,現在の食習慣が望ましくない者であった。具体的には,非肥満者の男性では夜食,女性では遅い夕食が,長期的な体重増加に関連していた。
著者
小島 唯 阿部 彩音 安部 景奈 赤松 利恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.86-93, 2013 (Released:2013-05-23)
参考文献数
13
被引用文献数
2

【目的】学校給食の食べ残しと児童の栄養摂取状況との関連を検討すること。【方法】2009年5~6月,東京都公立小学校に通う5・6年生の児童112名を対象に,給食の食べ残しに関する自記式質問紙調査と残菜調査を実施した。残菜調査は,対象者一人につき2回ずつ行い,延べ人数のデータを用いた。残菜調査の結果から,食べ残しの有無により,残菜率0%の児童を完食群,それ以外の児童を残菜群とした。この2群の栄養摂取量の中央値の差について,一般化推定方程式(generalized estimating equation: GEE)を用いて検討した。解析対象の栄養素等は,エネルギー,たんぱく質,脂質,炭水化物,ミネラル5種,ビタミン4種,食物繊維とした。【結果】延べ人数で,218名分の残菜データを得た。そのうち,男子104名(47.7%),女子114名(52.3%)であった。全体で,残菜群が80名(36.7%),完食群が138名(63.3%)であった。残菜率は0.2%~84.3%の間に分布していた。残菜群と完食群のエネルギーの中央値(25,75パーセンタイル値)は,各々 562(435,658)kcal,715(699,715)kcalであった(p<0.001)。また,ビタミンCの中央値(25,75パーセンタイル値)は,残菜群で 26(16,35)mg,完食群で 41(41,47)mgであった。同様に,その他すべての栄養素等で差がみられた(すべてp<0.001)。【結論】残菜群のビタミンCを除く栄養摂取量は,完食群に比べて2~3割少なかった。残菜群のビタミンC摂取量は,完食群に対して4割程度少なかった。