著者
髙橋 誠 高山 慎太郎 須賀 秀行 門村 将太 小島 雅和 岩尾 一生 武田 清孝 佐藤 秀紀 小林 道也 齊藤 浩司
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.1, pp.81-90, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3

We previously reported the association of the estimated glomerular filtration rate (eGFRcreat) calculated from the serum creatinine level (S-Cr) measured using the Jaffe method with the GFR (eGFRcys) estimated from the serum cystatin C level (CysC). However, few studies have compared the eGFRcreat using the enzymatic method with the eGFRcys. It is unclear whether there are differences in the results of renal function assessment. The purpose of this study was to compare the eGFRcreat calculated from the S-Cr with the eGFRcys calculated from the CysC in patients in whom the S-Cr and CysC were simultaneously measured using the enzymatic method, examine the correlations of respective parameters, and clarify physiological factors involved in differences among the parameters. The subjects were 1334 patients treated in 5 institutions. The mean values and correlation coefficient were statistically analyzed using Student's t-test and Pearson's test, respectively. Influential factors between formulae were analyzed using multiple regression analysis. The mean eGFRcreat was 67.0 mL/min/1.73 m2, being significantly higher than the mean eGFRcys (63.2). Multiple regression analysis showed that factors influencing differences in the S-Cr and CysC included the sex, age, serum albumin, and blood urea nitrogen BUN/S-Cr. Furthermore, factors involved in the overestimation of the eGFRcreat in comparison with the eGFRcys included the serum albumin and BUN/S-Cr. The differences between the eGFRcreat calculated from the S-Cr and eGFRcys were less marked than when adopting the Jaffe method in our previous study. However, the eGFRcreat were higher than the eGFRcys in patients with malnutrition or dehydration.
著者
小林 道彦 森 靖夫 瀧井 一博 西田 敏宏 奈良岡 聰智 松本 浩延
出版者
北九州市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、山県有朋および山県系官僚閥に関する内外史料の収集と整理・分析を通じて、新版『山県有朋意見書』を編集・公刊し、「日本の近代」の再検討を行おうとするものである。底本には大山梓編『山県有朋意見書』(原書房、1966年刊行、以下「大山本」と略称)を用いる。大山本は日本近代史研究などの学問分野における最も基本的な「データベース」として、長年多くの研究者に利用され、多大なる学問的恩恵をもたらしてきた。本研究は爾後半世紀あまりにわたって関係諸機関によって、収集・公開されてきた史料を中心に、新たな史料の探索にも注力しつつ、それらを整理・統合した新版『山県有朋意見書』を公刊することを目的とするものである。2年度目にあたる本年度は、研究実施計画に沿って着実に研究実績を積み重ねることができた。その概要は以下の通りである。①大山本に掲載されている意見書の典拠確認・史料原本の複写作業はほぼ完了した。ただし、10点あまりは典拠不明である。②『公爵山県有朋伝』『明治天皇紀』『明治天皇御伝記史料・明治軍事史』『陸軍省沿革史』等の刊本からの、関連箇所の複写とデータ入力作業は完了した。上記作業に関しては、松本浩延(同志社大学法学研究科博士後期課程)、徳重伸(同博士前期課程)、井本莞司(同博士前期課程)を研究協力者として作業を行った。③前年度に引き続き、大山本に収録されていない意見書の探索を、国立国会図書館憲政資料室、防衛省防衛研究所図書館、国立公文書館、奥州市立後藤新平記念館、憲政記念館、山口県文書館などで進めており、43点あまりの未刊行の新出意見書を見つけ出すことができた。また、海外での史料調査も適宜実施した。④以上の史料リストを全部統合した「統合リスト」を作成し、それを元に出版社(千倉書房)との出版交渉を行った。
著者
金高 有里 小林 道 土肥 聡 荻原 重俊
出版者
一般社団法人 日本DOHaD学会
雑誌
DOHaD研究 (ISSN:21872562)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.69-75, 2021 (Released:2021-12-02)

【目的】我が国では、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦は、通常の食品から摂取する葉酸以外に、サプリメントや食品中に添加される葉酸(狭義の葉酸)を400 ㎍/日摂取することが望ましいとされている。受胎期に重要な葉酸サプリメントの摂取が普及する一方で、海外において母親の葉酸過剰摂取による児の喘息発症のリスクが報告されている。そこで本研究では日本における妊娠期の葉酸サプリメントの摂取と児の喘息発症リスクとの関連を検討した。 【方法】2014年7月から8月に、北海道札幌市、石狩市の計17か所の保育所に通う児童の保護者589人を対象に、児の性別と月齢、児の喘息の有無と発作頻度、児のRSウイルス罹患状況、両親の喘息の有無と発作頻度、両親の喫煙歴、妊娠前および妊娠20週まで(妊娠前半期)と 21 週以降(妊娠後半期)のサプリメントによる葉酸摂取状況について自記式質問紙調査を行った。解析対象は、児の性別、児の月齢、喘息の有無、妊娠期の葉酸サプリメント摂取の有無について欠損が無かった305人(51.8%)とした。 【結果】多重ロジスティック回帰分析の結果、葉酸サプリメント非摂取群と比較した摂取群の喘息有症の調整オッズ比は、4.54(95%CI: 1.20-17.30)であった。 【考察】本研究では、妊娠期の葉酸サプリメント摂取と喘息の罹患に正の関連が見られた。妊娠期に葉酸サプリメント摂取が無かった群と比較して、葉酸サプリメントを摂取していた群で喘息の有症率が高かった。葉酸摂取を否定するものではないが、本研究の結果から、葉酸サプリメントの摂取は、児の喘息発症のリスクであることが示された。
著者
長谷川 幹子 小林 道太郎
出版者
人体科学会
雑誌
人体科学 (ISSN:09182489)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.10-21, 2019-07-15 (Released:2019-12-25)
参考文献数
58
被引用文献数
1

看護師は、苦悩を抱える患者にかかわらなくてはならないが、その関わり方を考えるにあたって必要となる、「患者の苦悩」の概念の明確化は十分行われていない。本研究の目的は、「患者の苦悩」の概念について、概念分析の手法によって先行要件、属性、帰結を明らかにし、定義を明確化することである。Walker & Avantの手法を参考に、データベースから抽出された文献および関連書籍の36件を対象として分析を行った。その結果、7つの定義属性、7つの先行要件、5つの帰結が見出された。「患者の苦悩」は「全人的で自己の存在そのものに関わるものとして主観的に経験される、不快な感情や情動を伴うコントロール不可能で複雑な耐え難い体験」と定義された。また類似概念の苦痛と比較を行った。本研究の結果は、今後、苦悩する患者に対する看護師の関わり方を考えるため、またそのために必要な調査研究を計画し実行するための基礎となる。
著者
小林 道夫
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-13, 1996-11-15 (Released:2009-05-29)

I treat in this article Duhem's philosophy of science to clarify the exact sense and the reach of it, by confronting it with some dominant tendencies in the contemporary philosophy of science.
著者
玉木 恕乎 長内 敏雄 黒須 顕二 村山 雄二郎 小林 道幸 一色 尚次
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
日本舶用機関学会誌 (ISSN:03883051)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.74-83, 1975-01-01 (Released:2010-05-31)
参考文献数
6

ボイラを小形, 軽量にするには, 水と蒸気の流動を確保するため系統を貫流形式とし, さらに, ボイラでの伝熱を増進させて伝熱面積を減少させるため燃焼ガスを加圧する方法とを結びつけた, 貫流式過給ボイラが最も良い方法と考えられる。船舶技術研究所では, 独自で開発した本方式ボイラの研究を長年実施しているが, このたび実用規模に近い蒸発量15t/h, 過給圧力2.8ataの貫流式過給ボイラの試作に成功し, ボイラの運転によってその特性を調べた.本ボイラは, ボイラから排出される排気ガスで駆動する過給機の自立運転により, 給気を加圧してボイラへ供給する方式の貫流ボイラであって, 一種のボイラと過給機とが組合わさった複合機関であるから, その特性は在来のボイラと比べ, 静的にも動的にもかなり異なる.これらの特性がは握されていなければ安定なボイラの運転をうることは難しく, また, ボイラ制御系の設計ができない.加えて, ボイラを完全自動化するには, 特性を包括した電算機による制御が必要とされる.本報告は, 各種の実験によってえられた本ボイラの特性と新しく開発した制御方式について述べ, さらに, これらの結果から, 今後, 本方式ボイラを設計していく際に必要となるいくつかの項目と問題点について, 考察を加えている.
著者
小林 道彦
出版者
北九州市立大学法学会
雑誌
北九州市立大学法政論集 (ISSN:13472631)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.364-343, 2007-03
著者
小林 道 志渡 晃一
出版者
北海道医療大学看護福祉学部学会
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部学会誌 (ISSN:13498967)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.9-14, 2014-03-31

目的:本研究は新規採用の陸上自衛官を対象として,朝食習慣とその関連要因について明らかにすることを目的とした.方法:2012年4月に北海道内で新規採用された陸上自衛官256名を対象として,2012年12月〜1月に自記式質問紙法による調査を行った.解析対象は男性234名とした.結果:朝食を欠食する習慣を持つ者の割合は39.6%であった.朝食を欠食する習慣を持つ者の特徴として,喫煙習慣がある,適正な睡眠時間の確保ができていない,過食をする,家族の支援が少ない,仕事と仕事以外の両立ができていない,CES-D得点が高い,SOC得点が低いことが示唆された.結論;新規採用の陸上自衛官の朝食習慣には,生活習慣や精神的健康が関連していることが明らかとなった.朝食習慣は他の生活習慣と比較して健康保持における重要な要因と考えられる.加えて,朝食習慣がある者は家族関係が良好であることが可能性として示唆された.
著者
石橋 悟 小林 道生 小林 正和 佐々木 功 高橋 邦治 高橋 洋子 市川 宏文 古田 昭彦 石井 正 久志本 成樹
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.737-742, 2014-12-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
2

東日本大震災後,緊急被ばく医療の体制強化が重要な課題となった。原子力発電所所在地域を支える災害拠点病院である当院の緊急被ばく医療に対する取り組みを報告する。2002年4月に「緊急被ばく医療マニュアル」を作成し,同時に緊急被ばく医療チームを結成した。院内研修会,緊急被ばく傷病者受け入れ訓練を継続的に実施し,実際の管理区域内労働災害傷病者もほぼ毎年受入れた。原子力安全研究協会主催の緊急被ばく医療研修は2012年度までにのべ280名の職員が受講した。2002年度から,地域を越える広域対応のために宮城地区被ばく医療ネットワーク会議に参加するとともに,2008年度には,当院独自のネットワークを基本として石巻地区被ばく医療ネットワーク会議を立ち上げ,地域の緊急被ばく医療体制を構築した。実効性のある緊急被ばく医療を提供するには,職員の放射線に対する知識習得に加えて,緊急被ばく医療を災害医療の重要な一領域と捉え,最悪の事態は必ず起こるという現実的危機をもった広域の体制作りが肝要と思われる。
著者
前田 直大 伊佐治 麻里子 直江 可奈子 四藤 理佳 尾崎 裕之 橋本 哲郎 入山 美知 松原 浩司 下沢 みづえ 小田 貴実子 作田 典夫 新岡 正法 小林 道也
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.179-183, 2013-02-28 (Released:2013-03-06)
参考文献数
11

Objective: Doping is strongly prohibited in sports.  Sports pharmacist was born in 2010 in Japan, and the anti-doping activity is expected.  On the other hand, doping by arising from a lack of knowledge about prohibited substances in athletes, so-called “unwilling doping” is developing into a social issue.  In this study, we investigated the percentage of prohibited substances in all drugs and prescriptions in a general hospital, to collect information to prevent an unwilling doping.Methods: We constructed system to extract the drugs corresponding to prohibited substances in the prescription order entry system in Otaru Municipal Hospital, and we analyzed 3,306 prescriptions of 10 to 59 years old patients, from July to September 2010.Results: Thirteen point five percent of our hospital drugs met definition of the prohibited substance.  The number of prescriptions including prohibited substance(s) was 350 (10.6%), and its category was different from each age-group and clinical department.Consideration: Because prohibited substances are included in approximately 10% of prescriptions, athletes are exposed to danger of becoming an unwilling doping.  Pharmacist should be well informed about prohibited substances to prevent athletes from unwilling doping.  And they should provide information promptly and adequately for athletes.
著者
小林 道頼
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.385-394, 1992-10-29 (Released:2009-06-12)
参考文献数
44

オオミジンコの血リンパ中のHb濃度と生息水の溶存O2量には逆相関の関係が見られる。低O2下でのHb合成は未成熟個体で高い。Hbの多い個体は少ない個体が遊泳できない程の低い酸素下でも長距離を遊泳できる。オオミジンコは02調節形の呼吸を示し,Hbの多い個体は少ない個体よりも低い臨界O2濃度を持っている。Hbの多い個体と少ない個体の生体内Hbが50%O2化するO2圧はそれぞれ15と35torrである。Hbの多い個体の精製HbのO2親和性は少ない個体のものよりも高い。等電点電気泳動法によりオオミジンコHbは少なくとも6種以上の成分に分離される。Hbの多い個体と少ない個体ではHb成分の量比が異なり,Hbの多い個体では,等電点の高い成分が増加している。オオミジンコはO2親和性の異なる多成分系Hbをもつことにより,広範なO2環境に適応することができるものと思われる。
著者
榊原 哲也 西村 ユミ 守田 美奈子 山本 則子 村上 靖彦 野間 俊一 孫 大輔 和田 渡 福田 俊子 西村 高宏 近田 真美子 小林 道太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、これまで主として看護研究や看護実践の領域において注目されてきた、看護の営みについての現象学的研究(「ケアの現象学」)の、その考察対象を、医師による治療も含めた「医療」活動にまで拡げることによって、「ケアの現象学」を「医療現象学」として新たに構築することを目的とするものであった。医療に関わる看護師、ソーシャルワーカー、患者、家族の経験とともに、とりわけ地域医療に従事する医師の経験の成り立ちのいくつかの側面を現象学的に明らかにすることができ、地域医療に関わる各々の当事者の視点を、できる限り患者と家族の生活世界的視点に向けて繋ぎ合せ総合する素地が形成された。

1 0 0 0 OA 書評

著者
小林 道夫他
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.97-104, 2005-07-25 (Released:2009-05-29)

1 0 0 0 OA 書評

著者
小林 道夫他
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.129-136, 1986-11-20 (Released:2009-05-29)
著者
木村 宣哉 小林 道 杉村 留美子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.158-168, 2022-06-01 (Released:2022-07-06)
参考文献数
32
被引用文献数
1

【目的】本研究の目的は,地域住民におけるヘルスリテラシーと食品群別摂取量及び栄養素等摂取量の関連を明らかにすることである。【方法】研究の参加者は,2018年7~8月に北海道江別市在住の20~74歳の成人である。ヘルスリテラシーは相互作用的・批判的ヘルスリテラシー尺度を用いた。食品群別摂取量及び栄養素等摂取量は,妥当性が確認された簡易型食事歴質問票(BDHQ)を用いて評価した。研究の対象として合計1,607名(男性708名,女性899名)が選ばれた。参加者はヘルスリテラシースコアに基づいて四分位群に分類した。ヘルスリテラシーと食品群別摂取量及び栄養素等摂取量との関連は,共分散分析(ANCOVA)によって確認した。【結果】ヘルスリテラシーの高い参加者は,低い参加者に比べて,その他の野菜類摂取量が高く,Na/K比が低い傾向がみられた。加えて,男性では,ヘルスリテラシーが高い者は低い者に比べて総エネルギーと銅の摂取量が高かった。女性では,ヘルスリテラシーが高い者は低い者に比べて緑黄色野菜類,嗜好飲料類,カリウム,カルシウム,マグネシウム,鉄,亜鉛,ビタミンB1,ビタミンB2,ナイアシン,ビタミンB6,葉酸,ビタミンCの摂取量が高かった。【結論】ヘルスリテラシーの高さは,野菜類や複数の栄養素等摂取量と関連があることが示された。地域住民のヘルスリテラシーを向上させることは,野菜類摂取量の増加につながる可能性が示された。
著者
小林道雄著
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
2000