著者
河合 敬一
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.467-473, 2004-07-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
36
被引用文献数
1
著者
杉尾 孝 川添 大輔 清水 明彦 神野 寧 横山 昭一 嘉久 和孝 本田 公康 佐野 光宏 中川 英明 馬場 雅浩 久保 次雄 坂本 尚希
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.102-109, 2007-02-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
3

当社は, 現在, 「エコも, 使いやすさも」をコンセプトに商品を提供している.すなわち, 「環境・家計にやさしい」, かつユニバーサルデザイン (Universal Design: UD) として, 「使う人に優しい」商品の開発・販売に取り組んでいる.このような背景の中で, 筆者らは, フィルター掃除の自動化に取り組み, 世界初「フィルターお掃除ロボット」搭載エアコンを開発し, 市場から高い評価を得た.今回, UDの更なる進化として, 新開発の空気清浄ユニット, 除菌熱交換器, 脱臭フィルターを「フィルターお掃除ロボット」と組み合わせることで, 従来, 半年ごと (脱臭フィルター) や3年ごと (空気清浄ユニット) に必要としていたお手入れや, 熱交換器クリーニングなどのメンテナンスを不要とした「10年間手間なしで清潔・省エネ・パワフルなメンテナンスフリーエアコン」を開発した.
著者
神山 進 高木 修
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.488-496, 1990-10-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
7

人々の主観に基づく危険性の評価のことをリスク知覚と呼び, また主観に基づく利益・恩恵の評価のことをベネフィット知覚と呼ぶ.本研究では, 特に流行に敏感な商品の購入時に知覚されるベネフィットやリスク (すなわち‘知覚されたファッション・ベネフィット’や‘知覚されたファッション・リスク’) について, それらの内容や両者の関連性などが, 衣服の購入事態を通して検討された.得られた結果は, 次のごとくであった.1) 購入衣服に対して消費者が期待する利益・恩恵の中で, 特に顕著なものは, 値段が手頃・似合っている・他の服と組合せやすい・着こなしやすい, などであった.2) ‘知覚されたファッション・ベネフィット’は, 「品質・性能期待」, 「流行性・他者承認期待」, 「似合い・着こなし期待」, 「自己の顕示・解放期待」から構成された.3) ‘知覚されたファッション・リスク’は, 「品質・性能懸念」, 「服装規範からの逸脱懸念」, 「流行性懸念」, 「自己顕示懸念」, 「似合い・着こなし懸念」から構成された.4) ‘知覚されたファッション・ベネフィット’と‘知覚されたファッション・リスク’との間には, 正の関連性が認められた.しかしベネフィットとリスクのそれぞれの成分の間には, 相互に効果を打ち消し合うように作用するものもあった.特に, 「服装規範からの逸脱懸念」と「自己の顕示・解放期待」との間の負の関係は顕著であった.5) ‘知覚されたファッション・ベネフィット’と‘知覚されたファッション・リスク’との間の心理的取引の様式に基づいて, 被調査者が4群に分割された.すなわち「自己顕示型」, 「精力消費型」, 「機能尊重型」, 「規範固執型」, である.6) 以上4つの被調査者群のそれぞれを, 性別と社会心理学的特性によって特徴づけることが出来た.
著者
中村 邦子 田中 早苗 武本 歩未 大塚 美智子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.849-863, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
6

JIS 衣料サイズの改正から20 年以上が経過し,日本人成人の人体寸法データベース2014−2016 に基づく改正について検討されている.JIS 衣料サイズは新しく制定されたISO 8559-3 に対応する必要がある.本研究では,日本人の人体寸法の推定を行い,ISO 8559-3 に対応するサイズ別人体寸法表を作成することを目的とする.日本人の人体寸法データベース2014−2016 の女性1633 名の人体計測結果を利用して,1633 名全体とDROP による体型分類別3 グループ,年齢層を25 歳未満, 25 歳~40 歳,40 歳~55 歳,55 歳以上の4 グループ,計8 グループについて分析した.身長,乳頭位胸囲,胴囲,腰囲,体重の計測項目から,重回帰分析に用いる変数の組み合わせを検討し,上半身にフィットする説明変数は,身長と乳頭位胸囲の2 変数が適当であることを確認した.重回帰分析により回帰係数の推計を行い,算出した定数と係数からDROP による体型分類別と年齢層別のサイズ別人体寸法表を作成した.さらに,胴囲,腰囲,体重を加えた5 変数のサイズ別人体寸法表を作成した.数値モデルにより,現代日本人の体型を幅広く推定することが可能である.また,人体寸法の推定により算出した,項目間のインターバルはパターンメーキング,グレーディング,フィット性の評価などに活用できると考える.
著者
岩瀬 雅紀 北口 紗織 佐藤 哲也 Li-Chen OU Ronnier LUO
出版者
The Japan Research Association for Textile End-Uses
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.501-514, 2010-06-20 (Released:2016-09-28)
参考文献数
33

本研究は,スポーツを観る側の視点から,バレーボールユニフォームの色に対して,どのような印象を受けるのかについて知ることを目的とした.はじめに,観る側のユニフォームの注目度とその印象を形容詞で回答するアンケート調査を行った.そして,静止画像を用いて1つのユニフォームを見た場合と2つのユニフォームを同時に見た場合の色の印象をSD法によって評価した.その結果,黒は‘地味’,‘くすんだ’,‘重い’,‘暗い’,‘かっこいい’,赤は‘あつい’といった印象を与え,因子分析によって,「価値」と「色彩」の因子が抽出された.また,2つのユニフォームを同時に見た場合の印象は,1つのユニフォームを見た場合の印象から予測できることがわかった.さらに,実験結果の一部を4つの色彩感情モデルから予測した結果と比較することで,本研究の結果がいくつかの色彩感情モデルによって予測される色の印象に適応していることが認められた.
著者
三吉 満智子 永富 彰子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.288-301, 2004-04-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
24

本研究は, 成人女子について, 上半身を密着被覆する個体への適合原型を求めて, その原型各部計測値から統計的に胸度式原型作図法, およびグレーディングに必要とするデータを求めたものである.適合原型は, 適合チェックリストを定め, その条件を満たすように厳密にチェックした.適合原型から胸度式原型作図に必要とする各部寸法を計測し, 回帰分析によって理論値としての各部算出式を求めた.またそのバストにかかる回帰係数をグレード係数としてバストサイズピッチに応じてグレード量を算出した.本報では, 衿ぐり, アームホール周辺の算出式およびグレード量について報告する.結果, 本実験の回帰係数からのグレード量と, 一般に多用されている胸度式原型からのグレード量, アパレルにおけるグレード量を比較すると, 本実験値が小さい値となっている.アパレル業界によって供給される衣服の不適合に関する消費者の苦情の一部は, これらの部位に関するものであり, 本研究で採用した理論的方法論は有効であると考えられる.
著者
安永 明智
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.297-303, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
15

本研究の目的は,20 歳から79 歳までの10,800 人の大規模サンプルを用いて,外出着の着装基準を類型化し,その性,年代別の特徴を検討することであった.クラスター分析の結果,外出着の着装基準は「全基準重視型」「機能・規範重視型」「個人的嗜好・流行重視型」「無頓着型」の4 つに分類された.χ2 検定の結果,対象者の4 つの着装基準の分類と性,年代の間に統計学的に有意な関係が認められた.着装基準の性別の特徴を見ると,男性では「機能・規範重視型」,女性では「全基準重視型」が最も高い割合を示した.また年代別の特徴では,男性においては,20 代は「全基準重視型」,30 代は「個人的嗜好・流行重視型」,40~70 代は「機能・規範重視型」の割合が,女性においては,全ての年代で「全基準重視型」の割合が,それぞれ最も高かった.