著者
稲水 伸行
出版者
The Academic Association for Organizational Science
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.4-14, 2013

近年,オープン化と自由席化をしたオフィスの導入が進んでいるが,組織パフォーマンスへの効果やプライバシー,縄張り意識などの観点で議論されてきた.本稿で取り上げる日本マイクロソフト社の品川オフィスでは,⑴多様な空間づくり,⑵柔軟な制度運用,⑶コミュニケーション手段の統合,の3つの特徴によりコミュニケーションの活性化が図られており,この種のオフィスの導入と運用への示唆を与えてくれる.
著者
稲水 伸行
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.4-14, 2013-09-20 (Released:2014-02-06)
参考文献数
20
被引用文献数
1

近年,オープン化と自由席化をしたオフィスの導入が進んでいるが,組織パフォーマンスへの効果やプライバシー,縄張り意識などの観点で議論されてきた.本稿で取り上げる日本マイクロソフト社の品川オフィスでは,⑴多様な空間づくり,⑵柔軟な制度運用,⑶コミュニケーション手段の統合,の3つの特徴によりコミュニケーションの活性化が図られており,この種のオフィスの導入と運用への示唆を与えてくれる.
著者
小阪 玄次郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.78-91, 2014-09-20 (Released:2015-02-17)
参考文献数
28

本稿は,専業メーカーと総合メーカーの技術開発体制の比較を行い,その相違が開発成果にもたらす影響を探索したものである.蛍光表示管業界を対象とした事例分析の結果,総合メーカーは特定の専門領域を持つ人員の異動により,要素技術の構成を適時変化させているのに対し,専業メーカーでは領域横断的な共同開発のネットワークがあり,中心人物の世代交代によって開発の焦点が緩やかに変化する,というパターンの違いが示される.
著者
沈 政郁
出版者
The Academic Association for Organizational Science
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.38-51, 2014

本稿では能力が劣るにも拘わらず血縁関係で新規経営者になるという意味での血縁主義がどのような結果をもたらすかについて,日本の同族企業の長期データを用いて実証分析した.学歴を能力の代理変数として利用し,新規経営者をエリートと非エリートに区分して,非エリート親族承継をその他の事業承継タイプと比較した.単純なDID(Difference-in-Differences)分析,幾つかの要因を制御したDID分析,新規経営者になるまでの経験の違いを制御した回帰分析,事業承継イベントをランダム化するための操作変数推定の結果,非エリート親族承継は婿・婿養子承継及び非同族企業の専門経営者承継に比べて経営者交代前後で業績の悪化を示した.
著者
北村 智 中原 淳 荒木 淳子
出版者
白桃書房
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.92-103, 2009
被引用文献数
1 2
著者
宮本 琢也 前川 佳一 安田 昌司
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.5-16, 2014-03-20 (Released:2014-06-30)
参考文献数
27

本稿は,社内ベンチャープロジェクトにおける,技術と市場の統合について扱う.技術と市場の統合の重要性は多くの議論がなされてきたが,その一方で,技術と市場を橋渡しする組織的主体に関する研究があまりなされてこなかった. 本稿では,三洋電機のワンセグ携帯電話の事例をもとに,カンパニー内に設置される事業本部研究所が,社内ベンチャープロジェクトにおいて果たす役割と,そのプロセス管理について分析した.
著者
宮田 憲一 渡邉 大介
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.32-48, 2013-03-20 (Released:2013-10-17)
参考文献数
32

本稿の目的は,PC 製品における製品アーキテクチャの変化を検討し,その背後にある企業の組織能力について明らかにすることである.本稿は,1970年代から90年代の米国デスクトップPCを対象にして,アップル(アップル系PC)とマイクロソフト(インテル系PC)のアーキテクチャの違いを観察することにより,従来強調されてきたような組み合わせ能力の巧みさだけではなく,擦り合わせ能力も適切に活用することがPC産業における競争力につながることを明らかにする.
著者
中川 功一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.71-81, 2012-09-20 (Released:2013-10-01)
参考文献数
30

本稿は,セラミック・コンデンサ産業の競争を分析し,日米逆転の理由を探索するものである.分析からは,半世紀弱の産業競争の中で,戦略を変更した企業は一社として存在しなかったことが明らかになる.1980年代の日米逆転を導く基本的条件は既に1945年時点で準備されており,逆転を果たした日本企業も,逆転を許した米系企業も,その後は根本的な戦略変更を一度も行っていなかった.ここから本稿は,同産業において戦略硬直化をもたらすスパイラルが作用したのではないかとの試論を行う.