著者
小林 伸聖
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.21-24, 2018

<p>光が透ける磁石があれば,専門家でなくてもさまざまな新しい用途に期待が膨らむだろう.ことさら磁性材料研究者にとって透明な強磁性体の開発は,その応用のみならず物性面において,魅力ある研究テーマの1つであろうと想像する.本稿では,我々が開発した透明かつ強磁性を示すナノグラニュラー材料について紹介する.ナノグラニュラー材料は,フッ化物などの絶縁体から成るマトリクスにナノメータサイズのFeCo合金などの磁性金属から成るグラニュールがほぼ均一に分散した微細構造を有し,フッ化物マトリクスに起因する良好な光透過性と同時に,FeCo合金グラニュールに起因する強磁性を併せもつ.</p>
著者
井上 英一 小門 宏 伊沢 晃
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.54-55, 1974

A new type of electrochromism was found on titanium oxide prepared from the hydroly-sis of titanium tetrachroride with dilute hydro-chloric acid. To prepare the electrochromic panel, the titanium oxide powder with or without resin binder was sandwitched between two NESA glass electrodes. By applying a DC voltage (10_??_200V) to the electrodes, the color of the layer near the cathode changed rapidly from white to dark blue or black, and the dark color disappeared quickly to the original white by cutting off the voltage. The optical density of the dark color was 0.5_??_0.6 and the half life time of the colored state was about 2 seconds at room temperature.
著者
内田 裕之
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.366-370, 2021-06-05 (Released:2021-06-05)
参考文献数
9

燃料電池は,外部から供給する燃料がもつ化学エネルギーを電気化学反応により電気エネルギーに直接変換するクリーンで高効率な発電装置です.本稿では,各種燃料電池の作動原理,構成材料,応用例とともに,変換効率の計算法について概説します.また,燃料電池自動車(FCV)や家庭用燃料電池として市販され始めている固体高分子形燃料電池(PEFC)の電極触媒開発のトピックスも紹介します.最近では,固体高分子形水電解や固体酸化物形電解セルに再生可能電力を供給して高効率に製造・貯蔵した水素を工業的に利用したり,燃料電池で高効率に電力に変換する社会の実現を目指す研究が続けられています.
著者
高井 裕司 伊藤 糾次
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.723-726, 1984-08-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
9

透過電子顕微鏡法による断面構造の観察は,薄膜積層構造のみでなく,エピタキシャル成長層やイオン注入層の結晶構造の観察にも有力な手段である.本稿では,断面観察に必要な断面試料の作製手順,ならびに観察例として,多結晶Si/SiO2構造,Siイオンを注入したSi結晶に発生した欠陥の分布等を示した.
著者
竹内 延夫 馬場 浩司 桜井 捷海 上野 敏行
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1630-1636, 1987
被引用文献数
2

擬似ランダム変調CWライダー (RM-CWライダー) はcwレ-ザー光を擬似ランダムコードで変調することによって散乱体の空間分布を得る新方式のライダーである.半導体レーザーはピーク出力は大きくないが平均パワーは比較的大きく, RM-CWライダーの光源として適している. RM-CWライダーの原理と半導体レーザーを光源とした装置,特徴,大気汚染・気象計測への応用,とくに視程や粉塵拡散の測定例を紹介する.
著者
高辻 正基
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.909-913, 1999-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
8
被引用文献数
1

異常気象,土地浸食などの環境問題や人口増大の影響で, 21世紀前半以降の人類の食糧問題が懸念されている.従来の土地利用型農業だけでは,特に日本の食糧を支えきれない可能性がある.そこで,植物工場のような超集約的食糧生産技術の実用化が期待される.応用物理的技術の応用として,発光ダイオードやレーザーダイオードを植物栽培用の光源として利用する可能性について論じる.
著者
戸田 盛和
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.640-651, 1985-07-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
14

非線形の波動現象はソリトンと呼ばれる安定運動の集まりと考えられる場合,大変見通しのよいものになる.ここでは最も早く発見されたソリトンを中心にして,ソリトンの特長を解説する.
著者
遠藤 忠
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.712-724, 1990

1990年1月1日を期して,ジョセフソン効果に基づいた電圧標準に加えて,量子ホール効果に基づいた抵抗標準が,世界中で統一して用いられている.これにより,量子現象の持つ普遍性と恒常性という優れた特長に支えられて,世界的に全く統一のとれた電磁気量の実用標準体系が実現した.この結果は,両標準の技術的側面の研究もさることながら,むしろ,地道な努力を重ねて永年行われてきた種々の基礎物理定数の測定のこれまでの総決算により生まれたものといえる.本稿では,基礎物理定数との関わりを中心に,両標準の実現に至った背景について解説する.
著者
李 瑞
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.449-450, 1998-04-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
橘 篤志
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.627-633, 1972-06-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
18
著者
洪 鋒雷
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.546-549, 2010-06-10
参考文献数
35
被引用文献数
2

<p>2005年ノーベル物理学賞の受賞理由の一つは,モード同期レーザーによる光コム技術の開発であった.超短パルスレーザーと精密分光の融合技術である光コムは高精度標準などの精密計測に欠かせない道具となった.本稿は,光コムの誕生を振り返りつつ,光コムの測定原理について述べる.また,光コムがもたらしてくれたもの,およびこれから発展する研究内容について紹介する.</p>
著者
島川 正憲 長野 幸隆
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.882-892, 1974

Laser science has now entered in new era in many countries and the demand for appling this technique to industry is rapidly growing up in these days. Several applications are now being used for production, such as drilling of diamond, watch stones, ceramics, plastics, stainless steels and tungsten carbides, cutting of metals and non-metals, welding of small components .in watch and electronics industry, resistor trimming and ceramics scribing. The present situation of laser material processing not only in Japan but also in foreign countries are described.
著者
水島 一郎 佐藤 力 綱島 祥隆
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.1187-1191, 2000

SON (Silicon on Nothing) 構造を実現する技術として,厚さは1μm以下でありながらミリメートルサイズの広さを有する平板状の臣大空洞 (ESS: EmPty Spacein Sillcon) を,シリコン基板内部に形成する技術を開発した.この構造は,サブミクロンサイズの闘孔径のトレンチをシリコン基板上に形成したのち,水素などの還元性雰囲気中にて熱処理し,シリコン原子を表面マイグレーションさせることで実現できる.さらにトレンチの初期配列を制御することで,平板状だけでなく,管状,球状などいろいろな形状のESSを形成できる.本技術は,埋め込み絶縁層の比誘電率として1という最小値を実現できる方法として,これまで期待されながら作製困難であったSON構造を従来のプロセス技術により実現できるきわめて有望な手法であり, SOI技術の代替技術となりうるとともに,微細加工技術のーつとして幅広い応尾が期待される.
著者
常木 澄人 久保田 均
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.101-105, 2020-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
19

機能性デバイスの物理的な性質を利用し,ニューラルネットワークをハードウェア実装することで低消費電力かつ高速な人工知能の実現を目指す研究が行われています.本稿では,ナノサイズの強磁性体から成る自励発振素子であるスピントルク発振素子を人工ニューロンとして用いた研究について紹介します.
著者
荒川 泰彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.78, no.8, pp.742-750, 2009-08-10
参考文献数
15

<p>1982年に筆者らが提案した量子ドットおよびそのレーザー応用に関する研究開発は,2002年から2007年まで推進された文部科学省世界最先端I T国家実現重点研究開発プロジェクト「光・電子デバイス技術の開発」,および経済産業省高度情報基盤プログラム「フォトニックネットワークデバイス技術開発プロジェクト」において強力に推進され,市場化の可能性が明確化された.さらに,2006年から始まった科学技術振興調整費先端融合領域イノベーション創出拠点プログラム「ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点」プロジェクトにおいては,量子ドットレーザーの研究開発が加速化されるとともに,量子情報デバイス,フレキシブルエレクトロニクス,エネルギー変換デバイスなどの研究開発が行われている.2006年には,上記プロジェクトの研究開発に基づき,株式会社QDレーザーが設立され,量子ドットはイノベーション創出に向けて本格的に貢献する体制が整った.本稿では,量子ドット光デバイスについて産学連携を基軸にして強力に研究開発を推し進めた国家プロジェクトの発足の経緯を中心に論じる.</p>

1 0 0 0 OA 色調和の理論

著者
東 堯
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10-11, pp.385-391, 1952-12-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
6
著者
長谷川 誠
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.803-808, 2008-07-10
参考文献数
15
被引用文献数
6

<p>千歳科学技術大学の学生プロジェクト「理科工房」は,地域の小中学校の総合学習を利用した理科実験授業,PTAや科学館と連携した実験・科学教室,さまざまな機会での実験デモンストレーションなどを行っている.この活動は,担当する大学教員が積極的に関与するものの,基本的には学生の自律性を重視したプロジェクト活動である.自ら考えて行動する独立した個人が,お互いに協力・協調しながら目標を達成し,結果を検証していく自律的な活動は,参加学生にとって,思考力,協調性・コミュニケーション能力,技術力・知識の自主的な向上の機会となっている.また,必要な実験器材の作製作業を通じて,学生のものづくり意欲の喚起にもつながっている.</p>