著者
山口 栄一 西岡 孝
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.712-714, 1993-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
8

重水素化パラジウム(Pd-D)の一表面にAuを蒸着し,もう片面に酸化膜MnO2を蒸着した試料を真空中に置いて,通電加熱することにより,4Heの生成をリアルタイムで観測した.測定は,高分解能(4amuにおいて0.001amu)四重極質量分析装置を用いて行った.4Heの質量(4.0026amu)に等しいピークは,重水素分子の質量(4.0282amu)に等しいピークと明確に分離し得,その出現は,通電加熱を始めて数時間後に突然起きる試料温度の急激な上昇と時間的な相関を有していた.一方,軽水素化パラジウム(Pd-H)を用いた同様の実験では,4Heの質量に等しいピークの出現は観測されなかった.以上の実験結果は,固体中で新しいメ力ニズムによる核反応が生じていることを示唆する.
著者
清水 明
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.881-888, 1993

現代の物理では,光も電子も量子化された場としてとらえられている.これを積極的に利用すれば,古典デバイスはもちろん,通常の量子工学をも越えた応用-量子場工学-が可能になる.その考え方を説明し,その代表例として光子や電子のサプボアソン状態の物理と応用を解説する.
著者
松尾 正之 江刺 正喜
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.586-593, 1980-06-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
23
被引用文献数
1

The Ion Sensitive Field-Effect Transistor (ISFET) is a new device for sensing cation activity in the electrolyte. This device is similar to the conventional MOSFET except that the gate insulator is exposed to solution. The gate insulator plays the role of an ion selective electrode and its potential can be detected by its FET action. ISFET's have potential advan-tages over conventional ion selective electrode in their rapid response, small size and low output impedance, and are extremely attractive for biomedical applications. The chemical responses of ISFET's depend on its surface materials. A nearly ideal pH response, excellent stability and selectivity to other cations are obtained using Al203 or Ta2O5. On the other hand, SiO2 shows a poor response and it is proved that the oxygen content in Si3N4 surface degrades its properties as a pH sensor. Sodium-alumino-silicate glass (NAS glass), which is generally known as a material for pNa, pK selective glass electrodes, is utilized as a surface material for the pNa and pK ISFET. The selectivities of these devices are comparable to that of the conventional pNa pK glass electrodes. Some applications of ISFET are also described, that is, micro ion sensor, multi-ion sensor (pH and pNa), combined pH sensor, and pCO2 sensor.
著者
今城 尚久
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.824-829, 1994-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
10

電気は,明かり,熱,動力そして情報,通信など私たちの暮らしになくてはならないエネルギーとなっており,今後もその使用量は着実に増えていくものと考えられている.このために,電力の発生,輸送および使用の各分野で効率の向上が求められている.これまで需要の増大に対応することを目的に種々の損失低減技術が開発されてきた.まず始めに,先人の開発した三相交流送電方式が,帰路導体を省略したことで資源とその抵抗損の節約という基本的な損失低減であることに気づく.そして送電損失の低減は抵抗損の低減という目的のために超高圧および超々高圧送電が開発されてきたこと,また都市部で必要な高電圧ケーブルでは誘電体損の低減も重要なことを示す.
著者
土井 康弘
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.85-92, 1956-03-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
小林 伸彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.1178-1181, 2001-10-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
17

走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて個々の原子を操作することにより,人工ナノ構造の作成が可能となっている.また,そのナノ構造の電気伝導特性を利用し,ナノテクノロジーへの応用も期待されている.本稿では,第一原理電子状態計算による原子操作や原子細線の電気伝導の研究を紹介し, STMによるSi原予引き抜きにおいて,探針による近接効果やバイアス電圧による効果がどのように働き原子が引き抜かれるか,また,個々の原子が連なったAl原子細線がどのような伝導特性をもつかを解説する.
著者
荒川 泰彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.800-804, 1992-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
12

半導体微細加工技術の進歩に伴い,最近量子細線,量子箱構造が広く注目を集めている.展望では,有機金属気相選択成長法(MocVD選択成長法)によるGaAs量子細線の作製技術について,著者らの最近の研究成果を中心に議論する.われわれが作製したGaAs量子細線は,SiO2パターン上の選択成長により形成され,一辺20nm以下の三角形状の断面を有している.キャリアの二次元的量子閉じ込め効果は,フォトルミネッセンスや磁気フォトルミネッセンスなどの測定によりその存在が確認された.また,キャリア寿命や時間分解スペクトルなどの観測も行い,キャリアの低次元性に起因すると思われる結果を得た.ざらに岡様な手法を用いてGaAs量子ドット構造の作製も試みている.
著者
福井 孝志 安藤 精後
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.141-144, 1992-02-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
13

有機金属気相成長法による選択成長を用いた新しい量子細線・量子ドット構造として,ファセット量子細線,ラテラル量子細線および四面体量子ドット構造を作製した.他の方法と比較した利点は,lOnm以下の半導体極微構造が,加工ひずみなしに得られることにある.
著者
和田 一実
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.653-659, 1995-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
31

半導体量子微細構造制御には,克服すべきいくつかの基本的な限界がある. (1) 表面・界面のステツプ, (2) 加工により誘起される損傷, (3) 表面でのフェルミ準位ピニング, (4) 表面張力による歪み,および (5) 電子励起による原子移動などがおもなものである.本稿では,化合物半導体,おもにGaAsを舞台に,基本的限界として(1)表面ステップおよび (2) 加工損傷にっいて解説するとともにブレークスルーへのアプローチとその最近の進展に触れる.
著者
菅原 充 向井 剛輝 中田 義昭
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.1305-1309, 2000-11-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
11

量子ドット結晶の自己形成法発見というプレークスルーによって,量子ドットレーザーの研究は急速に発展した.われわれは,独自の自已形成方法により,世界初の波長1.3μm室温連続発振と数mAの低しきい値電流発振を達成した.結晶成長技術とレーザー特性の現状を紹介するとともに,単一量子ドットの光学利得の均一幅とその発振スペクトルへの影響,温度と電流に依存した発振準位のジャンプとキャリア緩和時閤,応用と高性能化に向けた課題について述べる.
著者
金子 正彦 中沖 有克
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.445-450, 1995-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
13
被引用文献数
1

磁気超解像(Magnetically induced Super-Reselution MSR)光磁気ディスクは1991年にfront aperture detection (FAD), rear aperture detection (RAD)の2つの検出方法が提案されて以来,光磁気ディスクの高密度化の有力な季法の一つとして,種々の改良が加えられ,研究開発が盛んに行われている.本稿では磁気超解像の基本原理の説明とともに,最近発表された各方式の比較検討を行い,大容量光磁気ディスク実用化への展望も試みる.
著者
高橋 研
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1289-1306, 1987-10-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
49
被引用文献数
2

高密度磁気記録に対応する磁気ヘッド材料として,最近注目をあびているFe基合金系軟磁性材料としてのFe-Al-Si (センダスト)会金について,その真姓的な磁性としての結晶磁気異方性定数, K1, および磁歪定数λ100, λ111をバルクおよび薄膜の両者について測定し,その温度並びに組成に対する依存性を明らかにした.また,上記物理量と軟磁気特性との関連を,薄膜およびバルク各々の場合について,著者らの結果を中心にして議論した.
著者
北野 正雄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.576-583, 1992-06-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
27

近年,レーザー光や自然放出光とは性質の異なった非古典光が発生できるようになり,光の量子性に関連した研究が盛んに行われている.このような基礎的な研究は光学のみならず,他の分野にも重要で本質的な影響を及ぼすものと考えられる.ここでは,パラメトリック週程を利用して作られる光子の対を例に,その奇妙な量子的振る舞いを紹介する.
著者
小林 駿介
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.561-566, 1999-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
52

液晶の面白さはその物性が液体と固体の両方の性質を兼ね備えていて他に類例を見ないユニークさであろう.そして液晶表示 (LCD) が与えつつある大きな社会的インパクトは液晶表示を用いた電卓,デジタル時計から始まりノートブックパソコンからデスクトップコンピューターにいたる情報機器が世界中の多くの人々に使われていることである.本稿においてはLCD動作原理と方式をまとめてみる.それらのうち偏光効粟を用いたLCDにつき最も基本的な説明を行い,あわせて最近の進歩についてもふれる.
著者
山崎 邦彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.762-769, 1994-08-10 (Released:2009-02-05)

地球的規模で対応が必要なエネルギー・環境問題に対し,技術的ブレークスルーによる解決を目指すため,通産省工業技術院はこれまで実施してきたエネルギー分野に関するサンシャイン計画とムーンライト計画,および地球環境に関する技術開発制度を統合し,平成5年度より新たに「ニューサンシヤイン計画」(エネルギー・環境領域総合技術開発推進計画)を発足さ:せ,持続的成長とエネルギー・環境問題の同時解決を目指した革新的技術開発を重点的に推進することとした. ニューサンシャイン計画において,実用化段階に近づきつつある技術開発を加速的に推進することに.よりエネルギー供給ポテンシャルの増大を図るとともに,各種技術開発成果を糾合した革新的複合システム技術の開発を推進することなどにより,来たる21世紀のエネルギー・環境問題の解決に対し之大きく寄与することが期待される.

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著者
鈴木 純一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.279-281, 1936-06-01 (Released:2009-02-09)
著者
永見 初太郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.10-15, 1956

A study is made on the illumination of viewing screen for radiography by the theory of vision. It is concluded that.<br> 1) The min. discriminating difference of uniform objects which can be appreciated in radiograph decreases with increasing film density, film constant and illumination of the view-ing screen.<br> 2) The subjective sharpness depends on the illumination and the film density or distribu-tion of densities, is almost always better than physical sharpness, and rises with decreasing illumination of the viewing screen.<br> 3) The max. value of subjective contrast is influenced by the phenomenon of irradiation, and depends on the illumination and the film density, rises with decreasing illumination of the viewing screen.<br> 4) The subjective contrast rises, if the shortwave-length light of the viewing screen is cut off by filter up to approximately 500m&mu;.<br> 5) It is to be desired that the intensity of illumination of the viewing screen for radio-graphy be widely adjustable.
著者
宮澤 信太郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.493-503, 2000-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
63

誘電体酸化物光学結晶は多岐にわたる光との相互作用をもっており,光機能結晶としての開発の歴史が長い.おもに線形・非線形電気光学結晶について過去の結晶開発をふり返り,従来の特性限界を打破する新結晶の出現にふれて,機能性結晶開発は「温故知新」でもあることを紹介する.そこでは新しい知識に加えて新しい認識が「新」機能結晶を生んでいる.可視~近赤外域から紫外域,遠赤外域への光周波数の拡大をもたらす,光非線形性やフォトリフラクティブ機能の「新」機能結晶がこれからの光情報技術 (IT) を担うことを予感させる.