著者
Brill Henry Jaffe Jerome H.
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.445-460, 1978
被引用文献数
1

米国での医薬品の乱用 (探索的および娯楽的使用) は1960年代に急激な増加を示し, 1970年代の初期にはすでにかなりの高レベルに達した.それ以来そのレベルは高いままにとどまっている.このことは調査結果から明らかであるが, 1972年以前にはこのような薬物の有害な影響を系統的に調査する体制は確立されていなかったのでそれ以前に関して確かなことはいえない.<BR>若年成人男子を中心とする数百数千の人達は, 過去に種々の医薬品を乱用した経験があり, あるいは現在乱用中である.最も広く用いられている医薬品はbarbiturates, amphetamine類およびbenzodiazepine系の抗不安薬である.この他にも合成鎮痛薬や全身麻酔薬などいろいろな医薬品が使われている.これらの薬物はalcoholやタバコと交互にあるいは同時に使われ, また医薬品以外のcocaineやheroin, 大麻, LSDおよびphencyclidineなどとも一緒に使われている.薬物摂取の初期体験は12ないし13歳という早い時期に始まり, 年齢を経るにしたがって使用頻度は増加する.その過程において最初害の少ない薬物から次第に害の大きな薬物に移行していく傾向がある.たとえば大麻の使用からamphetamine類やbarbituratesあるいは幻覚発現薬などの使用に移行している.Cocaineとheroinの乱用は最も常軌を逸したものとされている.またこれらの薬物を乱用している人たちは大抵amphetamine類, barbituratesあるいはもう少し程度のよい薬物などを一緒に用いている.<BR>米国社会では医薬品の乱用問題はalcoholや大麻問題の背後に隠れ, あまり注目されていないが, 要処法薬の乱用が薬物乱用問題に関する一般大衆の受けとめ方を悪化させていることは事実である.このように薬物乱用は広まっているにもかかわらず, 治療を必要とするような問題を起こす者は若年者の中ごく限られた少数であるという事実は注目に値する.いずれにしても最近はこのような治療を必要とする人々のための治療施設が全国的に設置されるに至った.治療を必要とする人達はしばしば薬物を大量かつ種々用い, また薬物乱用, alcohol乱用, 精神疾患, および社会的問題などが種々雑多にからみ合った複雑な状態にあるので施設はこれらの問題に対処しなければならない.<BR>薬物乱用問題が全国的な広がりを示した結果, 一般大衆のほとんどが大麻などを試みに使用することについてある程度許容するようになってきた.しかしこれらの人々も大麻を常用することを認めているわけではなく, またheroinその他の静脈内摂取薬物の乱用には強く反対している.<BR>成人の間の医薬品による依存に関しては, 伝統的な医療体系のもとに治療が行われている.政府は医薬品乱用の対策の一つとして短時間持続性のbarbituratesを医薬品市場から完全に一掃し, またamphetamineの医療適用を厳重に制限することを検討中である.これらの薬物が医師を通じて入手されているかどうか明らかではないが, 医薬品乱用全体のうちで短時間持続性のbarbituratesやamphetamine類の乱用が際立って多いことは認めざるを得ない.<BR>本席では, 公衆衛生上の配慮の妥当性という観点からこのような厳しい規制が立案されるもととなっている各種の問題点や根拠を紹介し, ますます厳しくなる政府の規制に対する反対意見の論旨を概括し, さらにまた, 米国における薬物乱用問題の対処の仕方がいかに米国社会特有の伝統的および政治的な体質に根ざしているかを明らかにしたい.
著者
成川 衛
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.101-104, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
4

1 0 0 0 OA 1. はじめに

著者
植松 俊彦
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.481-482, 1999-03-31 (Released:2011-02-25)
著者
中野 重行
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.63-66, 2003-03-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
3
著者
深沢 英雄 本田 雅子 市下 浩子 清水 宏俊
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.251-265, 1978
被引用文献数
3

Blood level profiles of flunitrazepam and its N-desmethyl-metabolite were in vestigated after single and multiple administrations of flunitrazepam to groups of 5 healthy male adult volunteers. Urinary excretion of some major metabolites of flunitrazepam was also examined following oral doses of a single 4 mg.<BR>Following the oral administration, the absorption of flunitrazepam was fairly rapid: the peak times were attained within 1-2 hr with peak levels of 9.6-16.0 ng/ml for 2 mg dose and 20.6-30.3 ng/ml for 4 mg dose. The drug then disappear ed from the blood biphasically. The rate of disappearance was independent of the doses, while the AUC for the unaltered drug was dose-related. Blood levels of N-desmethyl flunitrazepam were always lower than those of the unal tered drug. 7-Amino-flunitrazepam and 3-hydroxy-flunitrazepam were major urinary metabolites, comprising about 9% and 5% of the dose, respectively, in the initial 72-hr urine. During repeated administration of the drug at a daily oral dose of 2 mg, the blood level profiles showed gradual elevation during the first few days, and then the steady-state was attained within 3-5 days.<BR>After i. v. injection of 2 mg, flunitrazepam was eliminated from the blood triphasically. The mean AUC for the unaltered drug obtained after the i. v. injection was about twice as much as that obtained after the oral administration of the identical dose.