著者
佐藤 意生 隈上 秀伯
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.466-469, 1975-06-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
5

A patient with idiopathic neuralgia of the superior laryngeal nerve was cured by alcohol injection of the nerve. In this case, a biopsied segment of the nerve showed normal findings by the electro-microscopic examination.The results of examinations lead to the conclusion that idiopathic neuralgia may be caused by some difficulty of receptors of the sensory nerve in the mucous membrane of the larynx. In addition, authors reported that the vocal cords of the dog kept normal color and form after the internal branch of the superior laryngeal nerve was resected.
著者
三好 彰 草刈 潤 武山 実
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.973-975, 1986-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
4

A case in which vestibular dysfunction as well as hearing loss was caused by acoustic trauma was reported. The patient was a 22 year old woman that developed hearing loss and dysequilibrium at a rock concert after 20 minutes exposure. She was a college student and in order to prepare the term examination, she did not sleep or take any food for 24 hours prior to the onset of these symptoms. This extreme fatigue condition seemed to be closely related to the appearance of the vestibular symptoms in addition to the hearing loss. The generation mechanism of the acoustic trauma was discussed in the light of the available literature and the importance of good physical condition was stressed.
著者
齋藤 雄一 江島 正義 田中 俊一郎 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.118-126, 2017-07-20 (Released:2018-08-01)
参考文献数
16

鼻腔(右鼻中隔)原発の Glomangiopericytoma の症例を経験した。症例は 80 歳、男性で、鼻閉感を主訴に前医より紹介受診となった。右鼻腔下鼻甲介前端よりやや後方から、後鼻孔を占拠する表面平滑で、血管豊富な腫瘍を認めた。画像検査および病理組織診の結果、鼻腔原発の Glomangiopericytoma と診断した。生検時易出血性であったものの、腫瘍は鼻腔に限局しており、周囲への浸潤も無かったため、経鼻的内視鏡下腫瘍切除術を施行した。術後合併症および、術後局所再発は認めていない。Glomangiopericytoma は近年まで Hemangiopericytoma と認識されていたものである。良性腫瘍であるが、報告により差はあるものの術後局所再発率が高く、外科的治療に際しては完全切除が求められる。本症例のように鼻腔に限局している場合、経鼻内視鏡下手術は有効であると思われた。
著者
藤本 俊明 隈上 秀伯
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.131-133, 1971 (Released:2013-05-10)
参考文献数
7

The authors reported a case of facial paralysis associated with hypertension. The patient was 12 years old female who presented with a right facial nerve paralysis and complained disturbance of vision. Her blood pressure was 216/138 mmHg. A pediatrist diagnosed her as hypertension associated with nephritis. Ophthalmologic diagnosis was neuroretinopathia angiospastica. The findings were spasm of the retinal artery, papilloedema and bleeding in the retina. She was admitted to our clinic for investigation of facial nerve paralysis. According to our investigation the facial nerve of this patient was affected at the level of the infrachordal part of the facial canal. We assumed that the pressure induced by bleeding in the facial canal pressed the nerve and the paralysis occurred. The bleeding was suspected as a similar phenomenon to bleeding in the retina.
著者
山崎 武次郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.307-310, 1958-10-10 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9

The author reports a rare case of left recurrent nerve paralysis in an infant aged 1 year and 10 months and male. He refers to cardiac diseases as its chief causes. The main cause is the compression of the nerve by the aorta and left pulmonary artery. Concerning other etiologic cardiac diseases he further states that in the stenosis of the mitral valves or their insufficiency, the dilatation of the 2nd cardiac arch is remarkable in X-ray findings.
著者
佐橋 紀男 渡辺 幹男 三好 彰 程 雷 殷 敏
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6Supplement2, pp.630-634, 1999-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
10

中国 (天目山) と日本 (屋久島・伊豆大島) で採集したスギの針葉を、酵素多型による解析から以下の結果を得た。14種類の酵素を使用して18遺伝子座を確認したが、LAPだけが天目山集団で対立遺伝子aのみを持ち、屋久島集団と伊豆大島集団は対立遺伝子a, b, cを持っていた。このことから、もともとは同じ起源を持つ集団が日本海によって隔離されたことが、ごく僅かな遺伝的変異を生じさせたに過ぎない。従って酵素多型による解析からは中国のスギと日本のスギは品種程度の分化しかなく、別種に分類する必要性は示唆されなかった。一方、外部形態的な特徴も中国のスギは日本のスギと大変良く似ている。しかし、中国産のスギは長く下垂した針葉を持つ反面、日本産はあまり下垂しない短めな針葉が一般的であるが、これだけでは、酵素多型による解析結果を否定する要因にはならない。
著者
澤津橋 基広
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.190-195, 2019-11-20 (Released:2020-11-20)
参考文献数
33

近年、北部九州において、スギ・ヒノキ花粉の飛散時期に、PM2.5 および黄砂の飛来が重なる日が観測されている。PM2.5 および黄砂は、気道の症状を悪化させることが報告されており、黄砂飛来により、喘息患者の入院リスクが上昇することや、PM2.5 の上昇により、小児の喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の症状が悪化することが報告されている。このスギ・ヒノキ花粉と PM2.5 と黄砂によるトリプルパンチをどう乗り切るのか? まず、確実に言えることは、スギ・ヒノキ花粉および PM2.5 と黄砂の接触を防ぐことである。そのためには、患者自身が花粉飛散や PM2.5 の濃度の情報を収集し、原因物質からの接触回避することが重要である。その上で、医療機関における薬物治療等を行うことが、このトリプルパンチを乗り切る要点になる。この論文では、PM2.5 および黄砂飛来時の花粉症に対する治療について薬物療法を中心に述べる。
著者
田中 久夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.203-207, 2012 (Released:2013-09-01)
参考文献数
9

メニエール病および臨床症状からメニエール病を疑う例に対するめまい発作予防の有用性を明らかにする目的で、ベタヒスチンメシル酸塩 (メリスロン®) 群とベタヒスチン+イソソルビドゼリー (メニレットゼリー® ) 併用群の後ろ向き比較試験を行った。イソソルビドゼリー併用群はベタヒスチン群に比べ、めまい発作時に服用するトラベルミン配合錠の錠数、外来での点滴回数および発作による入院の回数が有意に少なく、めまい発作の軽減効果が優れていた。海外に比べて承認投与量が少ない本邦のベタヒスチンメシル酸塩に、イソソルビドゼリーを患者の症状や服薬コンプライアンスを鑑みながら適宜減量して長期併用投与することは、安全性にも問題がなく、実地臨床におけるめまい発作予防を目的とした治療として有用であることが示された。
著者
片山 直美 足土 由里佳 一野 晃代 長坂 恵樹子 加藤 江理 伊藤 えり 太田 陽子 梶川 典子 蟹谷 未香 下林 真知子 恒川 小百合 早川 ちひろ 楪葉 真由 藤本 保志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Suppl.2, pp.S125-S132, 2010 (Released:2011-12-01)
参考文献数
6

日本人の食の満足に及ぼす影響が大きい主食である「飯」に注目し、おいしく簡単に炊き上げるための工夫として、一般家庭で用いる炊飯器によって炊飯した飯の 3 種類の水(純水、ミネラル水、水道水)による違いを検討した。さらに選択した水を用いて、嚥下食・介護食に用いることが可能な離水しにくい粥を作製するために 5 種類の増粘剤(トロミパーフェクト、ソフティア、つるりんこ、とろみ名人、スルーキング)を用いて違いを検討した。方法として被験者である健康成人女性 92 名により各飯の「味」、「香り」、「見た目」、「総合」における官能試験を 5 点満点で評価し、物性を硬さ・粘り計(サタケ製)にて「弾力性」、「硬さ」、「粘り」、「バランス」について評価した。結果、無洗米の炊飯の際に用いる水は純水が最も高い評価であり、熱湯で炊飯することで、加水する時間なしで十分に評価の高い飯が炊き上がることが分かった。また離水しにくい粥も同様に熱湯を用いて加水する時間なしで炊き上げ可能であった。増粘剤を用いることで時間が経っても離水せず、軟らかい粥ができるため、嚥下食・介護食に適していることが分かった。
著者
室野 重之 吉崎 智一
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.S39-S43, 2010

上咽頭癌組織中に EB ウイルス DNA や EB ウイルスに由来する蛋白、RNA が検出され、EB ウイルスと上咽頭癌の密接な関連が示唆されるとともに、上咽頭癌組織中の EB ウイルスは単クローン性であることが示され、上咽頭癌は EB ウイルスにより発癌することが確定的となった。この密接な関連は上咽頭癌の診断に応用され、EB ウイルス抗体価および EBERs に対する in situ hybridization が普及している。血清中の EB ウイルス DNA の定量は、一般レベルまでには普及していないが、治療後の病勢も反映することから利用価値は高いと思われる。一方、EB ウイルスに着目した上咽頭癌治療は、臨床への応用は散見される程度であるが、EB ウイルスの感染状態の複製サイクルへの誘導や抗ウイルス薬の利用などが期待される。
著者
小泉 優 岩崎 宏 山田 梢 末田 尚之 菅村 真由美 上野 哲子 宮城 司道 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.175-182, 2013-07-20 (Released:2014-08-01)
参考文献数
19

症例は 50 歳、男性。慢性咳嗽とリンパ節腫脹が出現したため、内服加療を受けていた。 改善を認めなかったため、1 カ月後に紹介となった。血清 sIL-2R が 864 U/mℓ と高値であったため、悪性リンパ腫を疑って、リンパ節生検を施行した。病理診断はリンパ節炎であった。以後、外来で抗生剤投与を行ったが、改善を認めなかった。血液検査を追加、施行したところ IgG4 が 1,100 mg/dℓ と亢進していた。IgG4 関連疾患を疑い、再度全身麻酔下に顎下腺摘出術とリンパ節摘出術を施行した。免疫染色を行い IgG4 陽性形質細胞の組織への浸潤を認め、確定診断に至った。プレドニン30mg/day より開始し、2 週間で10 %の漸減療法を行った。顎下腺、リンパ節は縮小し、呼吸器症状も落ち着いた。IgG4 も 300 台まで低下を認めたが、完全寛解には至っておらず、プレドニン 20mg/day で維持している。
著者
岸本 麻子 浜野 巨志 南 豊彦 多田 直樹 中川 のぶ子 井野 千代徳 山下 敏夫
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.326-330, 2002

反復性の耳下腺腫脹を主訴とした症例の中でも、アレルギーによるものは少ない。その中で、著者らは花粉症に関連したアレルギー性耳下腺炎を経験した。症例は38歳の女性で、花粉症により鼻閉が出現した後にしばらくすると左耳下腺が腫脹するという症状を認めた。患側の耳下腺から流出した唾液中には好酸球が多数認められ、アレルゲン検査ではスギ、ヒノキ、ブタクサが陽性であった。また、耳下腺造影ではステノン管の著しい拡張を認めた。本症例に対し抗アレルギー剤などによる治療を行い、今日まで約4年間にわたり良好なコントロ-ルが得られている。以上の経過より、この疾患の発生機序として導管の拡張によるアレルゲンの逆流を考えた。すなわち、鼻閉が出現した後にしばらくして耳下腺が腫脹する事実から、口呼吸により吸い込んだアレルゲンが口腔内に貯留して拡張した導管から逆流することにより耳下腺炎を生ずると考察した。
著者
西郡 聡
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.712-727, 1990

スタックス製SR-A Professionalヘッドホンを使用して新しい高周波聴力検査システムを開発した. 正常者, 騒音下従事者, ストマイ使用者に対して高周波聴力検査を行い以下の結果を得た.<BR>1. 正常者の高周波音域の聴力閾値は周波数が高くなるにつれて, また加齢が進むにつれて上昇する. 同一周波数における加齢による聴力閾値の上昇の度合は, 周波数が高くなるほど大きかつた. また年齢と聴力との相関係数も低周波音域に比して, 高周波音域では, より高い値を示した.<BR>2. 騒音下従事者の高周波聴力閾値は正常人と較べて有意に上昇していた. またそれらのうち8kHzまではほぼ正常と考えられる者でも, 高周波聴力閾値は正常人と較べ有意に上昇していた.<BR>3. ストマイ使用症例34例において, ストマイ使用前後で高周波聴力閾値のみが高度に上昇したストマイ難聴の2症例を早期に検出することができた. 残る32例は聴力閾値に変動を認めなかつた.<BR>結論として, 高周波聴力検査は騒音や薬物による聴力障害の早期発見に有用であると考えられた.
著者
梅田 悦生 植松 美紀子 吉岡 博英
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.847-852, 1989

スキューバ・ダイビングの普及とともに, ダイビングによって生じた疾患で外来を訪れる症例が増えてきた. その代表的なものは鼓膜損傷と滲出性中耳炎であり, 直接的な原因として耳管の機能障害があげられる. ダイビングでは潜降中にバルサルバを絶えず行い (耳抜き), 中耳腔の気圧を水圧と同調させる必要があるが, この操作が耳管の機能障害により拙劣であると耳痛を生ずる. 加えて, 潜降中の耳抜きが十分にできていない場合には, 浮上に際して耳痛やめまいが誘発され (リバース・ブロック), 重大な事故に結びつく可能性がある. 著者らが行つた73人のダイバーの集団検診では, 実にダイバーの3人に1人が常に耳抜きが困難であるという検診結果が得られた. さらに, 耳抜きが困難である群では, 耳抜きに問題のない群に比べてアレルギー性鼻炎の有病率が高い傾向がみられた.
著者
冨山 道夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.73-80, 2017-05-20 (Released:2018-05-21)
参考文献数
18

2011 年に提唱した急性上咽頭炎のスコアリングと、細菌感染症の重症度を示す指標である白血球数、c-reactive protein(CRP)との相関について後方視的に検討した。対象は 2015 − 2016 年に当院を受診した急性上咽頭炎症例 265 名である。上咽頭炎スコアと白血球数、CRP は正の相関を示した。上咽頭炎スコアが 0−3 点を軽症、4−8 点を中等症、 9−10 点を重症と判定し、重症度別に白血球数、CRP を算出した。軽症群、中等症群、重症群の 3 群間で白血球数、CRP は有意差を認めた。上咽頭炎スコアによる重症度分類は、急性上咽頭炎の重症度を適確に表していることが判明した。急性上咽頭炎の治療選択にあたり、上咽頭炎スコアは有用な指標となると考えられた。
著者
原 由起代 稲葉 順子 東野 哲也 鳥原 康治 森満 保
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.543-547, 1994-07-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
6

後天性外耳道閉鎖症は, 炎症性, 外傷性, 術後性の3つに分類できる. 炎症性外耳道閉鎖症とは感染後に外耳道に線維性閉鎖を来たすものである.今回われわれは, 外傷や手術の既往のない後天性外耳道閉鎖症3例5耳を経験した. 3耳に中耳炎, 2耳に慢性外耳道炎の既往があつた. 今回の症例では真珠腫の合併例は認めなかつたが, 文献的には真珠腫合併の報告例があり, この場合早期に手術的治療が必要であると考えられた.病理組織学的には, 4耳中3耳に線維脂肪組織, 1耳に慢性炎症細胞の浸潤を認め, 両者は異なつた病態であることが示唆された.
著者
木西 實 高雄 真人 李 佳奈
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.151-154, 2004-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
3

声門後部または披裂部粘膜の発赤に注目し、胃食道逆流症によると考えられる慢性咳症例20例に対し、ランソプラゾール30mg/day×8 weeksを投与した。咳嗽が消失したのは9例、咳嗽が軽快したのが7例で、4例は不変であった。胸やけを自覚していた15例では8例で咳噺が消失し、6例で咳嗽が軽快し、有効率は93%であった。一方、胸やけを自覚しなかった5例では咳嗽が消失および軽快したのはそれぞれ1例で、有効率は40%にすぎなかった。胸やけを自覚し、声門後部または披裂部粘膜の発赤を認めた慢性咳噺症例に対し、プロトンポンプインヒビターであるランソプラゾール30mg/day×8 weeksの治療は有用であった。
著者
稲木 匠子 丘村 煕 森 敏裕
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.82-85, 1990-01-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

私製の固形造影剤を用いbolusの違いによる嚥下動態の検討を試みた. 固形造影剤は潜在的および軽微な嚥下異常の検出に有効であると考えられた. 症例を提示しその有用性を報告した.
著者
Susumu Yasumasu
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.13, no.Supplement1, pp.143-151, 1967 (Released:2013-05-10)
参考文献数
32

The author have been studied the nucleic acids and vitamin Bi in the organ of Corti following the sound stimulation. The intense sound stimulation damaged the hair cells, especially the outer hair cells, and nucleic acids decreased remarkably. The distribution of vitamin B1 in the organ of Corti exists in stria vascularis, basilar membrane and hair cells. Vitamin Bt in the same places was decreased by the intense sound stimulation. By the administration of vitamin B1, the damages of hair cells, nucleic acids and Preyer reflex was a little.
著者
井野 千代徳 稲村 達哉 岸本 麻子 岸本 由里 久保 伸夫 山下 敏夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.840-843, 1997-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
11

食事に関連し耳下腺腫脹, 顔面紅潮, 喘鳴などを主訴とする症例を報告した. 患者は35歳女性で医師. CTでは異常所見なく, 耳下腺造影でも大きな異常は認めなかつたが造影後に著しい耳下腺腫脹と顔面紅潮, 呼吸困難が出現した. 初診時の耳下腺唾液は混濁などなく清明であり, その塗沫にて多数の好酸球をみとめた. アレルギー性耳下腺炎と診断したが, その原因としてヨードを疑つた. 報告されている類似疾患のなかでもヨードが疑われた例があり, ヨードと唾液腺との関係についても考察を加えた.