著者
気象学会地球環境問題委員会 IPCC WG1国内支援事務局 林田 佐智子
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.189-193, 2008-03-31
被引用文献数
2

IPCCへのノーベル平和賞受賞は,地球温暖化現象の理解を科学的に評価し,それが高い確率で起ることを証明できたことに対する貢献に対して与えられた.このような地球規模の現象の科学的評価は非常に困難で, IPCCでは20年にわたり多くの研究者の貢献を基礎に,その評価に大きな努力をしてきた.この意味では,その基礎にある膨大な研究成果を生み出す土壌を醸成してきた気象学会等の研究コミュニティーの貢献が大きい.ここでは,近年の温暖化研究の情勢をまとめる意味で, IPCC WG1国内支援事務局の近藤洋輝氏(第1節〜3節および第5節)と,東北大学の中澤高清氏(第4節)にIPCC第4次報告書に関わる日本コミュニティーの貢献についてまとめて頂いた.
著者
石川 裕彦 京都大学防災研究所
雑誌
天気 = Tenki (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.597, 2015-07-31
著者
渡部 雅浩
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.277-279, 2014
著者
加藤 輝之
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.917-918, 2010-12-31
著者
小西 雅子
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.133-138, 2000-02-29
著者
森 真理子 高谷 美正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.567-581, 2004-08-31
参考文献数
34
被引用文献数
9

1996年から2001年にかけて,関東地方で降ひょうやダウンバーストによる被害が発生した1996年7月15日,2000年5月24日および2001年5月11日の3事例について,空港気象ドップラーレーダーや気象レーダー,高層気象観測,地上の気象データおよび被害調査等から解析を行った結果,以下のことがわかった.(1)いずれの事例も単一セル構造で,システムの中層にメソサイクロンとBWER(bounded weak-echo region),その上層にヴォールトを有しており,孤立したスーパーセルの特徴を備えていた.各事例の時間・空間スケールや擾乱の激しさの度合いは,大気の不安定度,風の鉛直シア,大気下層の収束場と密接な関連があった.(2)これらのシステムには,共通するライフサイクルがあった.始めに暖湿なS風と冷たく乾いたN風の収束領域で,南西端のエコーが発達してひょう域が生じ,それが一旦急減した後,システムは次第に発達してひょうコア(エコー強度60dBZ以上の部分)やWERが出現した.やがてシステムはNE風の領域に入り,BWERが形成された(形成期).その後システムは鉛直方向に急成長して発達期を迎え,その直後に顕著なダウンバーストが発生した.続いて上空でひょう域が拡がり成熟期となって,降ひょう被害が継続し,やがて衰退期に入りダウンバーストが発生した.この変化とともに,約18〜24分周期でひょうコアの降下や上昇の繰り返しがあった.
著者
中村 尚
雑誌
天気 = Tenki (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.687-689, 2002-08-31
著者
石塚 昌範 児玉 安正 Masanori ISHIZUKA Yasu-Masa KODAMA 弘前大学大学院理工学研究科:(現)八戸市役所 弘前大学理工学部 Department of Earth Sciences Graduate School of Hirosaki University:(Present affrication)The government of Hachinohe city Department of Earth and Environmental Sciences Hirosaki University
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 = Tenki (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.673-687, 2001-09-30
参考文献数
12
被引用文献数
2

TRMM(熱帯降雨観測衛星)の多重センサー(PR:降雨レーダー, VIRS:可視赤外観測装置, TMI:マイクロ波放射計, LIS:雷観測装置)観測データに, GMS(静止気象衛星ひまわり)の短時間間隔の赤外画像や他の気象データを併用して, 九州南方海上に発現したにんじん雲の三次元構造と周囲の循環について事例解析を行った.にんじん状雲の構造は, 西に尖った角状の先端部と, 雲域が連続的に大きく広がる東部で, 大きく異なっていた.先端部では, にんじん状雲の走向にほぼ直交する縞状の雲列がみられた.各雲列の北端には背の高い対流セルがあり, そこからセルの動きに相対的な上層の風によりアンビルが広がることで雲列が作られていた.西側のセルほど新しくアンビルの伸びが少ないため, 西に尖った形状が作られていた.東部では, 背の高い積乱雲が線状に並び, この線状降水帯の南北に上層風により広がったアンビル雲がみられた.降水帯の南北で降水構造に非対称性がみられた.南側では上層で多くの降水粒子が観測されたが, 地上での降水は弱い.一方, 北側では中層から下で層状性の降水が広い範囲で活発であった.A carrot-shaped(or tapering)cloud system developed to the south of Kyushu Island was studied using TRMM(Tropical Rainfall Measuring Mission)multi-sensor observations by PR(Precipitation Radar), VIRS(Visible and Infrared Scanner), TMI(TRMM Microwave Image), and LIS(Lightning Imaging Sensor). We also utilized GMS(Geostationary Meteorological Satellite)frequent IR observations and other meteorogical data. Structure of the cloud system was quite different between the tip portion sharpened in the west and the eastern portion where the upper-level cloud canopy extended continuously. In the tip portion, banded cloud streaks extended almost perpendicular to the axis of the carrot-shaped cloud system. Each cloud streak was an anvil extended from a deep convective cell located at the northern end of the streak. The anvils elongated along relative upper-level wind to the cell motion. Since the extension of anvils was smaller for the newer cells existed near the western tip, tapering shape of the cloud system was maintained. In the eastern part of the cloud system, a strong precipitation line composed of deep convective cells appeared and upper-level anvil clouds widely spread to the both sides of the line. In the southern side of the line, the anvil clouds contained much precipitation-size ice particles, and surface rain was scare due to evaporation of particles under the cloud base, except several sporadic convective rainfalls. In the northern side of the line, fairly strong stratiform rain was found over a wide area below the midtroposphere.
著者
藤部 文昭
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.643-653, 1998-08-31
参考文献数
19
被引用文献数
15

関東平野の内陸域で著しい高温(日最高気温≧36℃)の観測される日数が大幅に増えている実態を示し, それをもたらした要因を1961〜96年の気象官署資料等を使って検討した.猛暑日の一般風を西寄り(W型), 北寄り(N型), 弱風(C型)の3つに分け, それぞれについて日最高気温や850hPa気温の経年変化を観察した.その結果によると, 著しく高温な気団におおわれる晴天日(850hPa気温≧21℃で日照時間≧8時間)が1980年代以降に高い頻度で現れている.従って, 猛暑日数の増加, とりわけ38℃以上の極端な猛暑の頻発には総観的な要因がかかわっていると考えられる.一方, W型とC型については850hPa気温の変化を除いてもなお, 内陸域の日最高気温には明らかな経年上昇が認められ, これらの型の猛暑日数増加には都市化が影響していると推測される.
著者
三谷 一郎
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.156-159, 1961-05
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.466-468, 2007-05-31

平成18年の梅雨入りは九州南部と東北南部を除いて平年より遅く,梅雨明けは南西諸島を除いて遅かった.梅雨前線は,6月前半は南西諸島から日本の南海上に位置することが多く,活動が活発だったが,下旬には西日本に停滞することが多くなった.7月に入ると,梅雨前線は本州上に停滞することが多かった.特に,7月15日から24日にかけては活動が非常に活発となり,九州から本州にかけての広い範囲で豪雨となり,甚大な被害が発生した.気象庁は,7月15日から24日に発生した豪雨について,「平成18年7月豪雨」と命名した.梅雨時期の降水量は,東北北部を除いて平年よりも多かった.5月下旬から6月中旬にかけては,活動が活発な梅雨前線の影響を受けた南西諸島で降水量が多くなり,奄美地方では梅雨時期の降水量がかなり多くなった.また, 7月は本州付近で前線の活動が活発となったために,西日本から東日本,東北南部で降水量が平年よりかなり多くなった地域があり,平成18年7月豪雨が発生し,記録的な大雨となったところがあった.一方,東北北部では,6月から7月の降水量が平年の8割程度となった.
著者
記載なし
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.400-403, 2004-05-31

(1)今年の梅雨入りは平年よりやや遅く,九州南部では10日程度遅れた.梅雨明けは九州南部でやや遅くなった他はほぼ平年並みであった.6月中旬から下旬は,梅雨前線が本州の南岸付近に停滞する事が多かった.7月上旬以降は,梅雨前線が日本海から東北地方に停滞して,東北地方や東日本で降水量が多かった.(2)台風の発生数は平年並で,7月には台風第6号,第7号が関東,東海へ相次いで上陸した.10月には台風第21号が関東に上陸して北日本を縦断した.