著者
西川 向一 平澤 由美
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.177-184, 1999-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

床暖房環境が学習に与える影響を計測するため, 被験者実験を実施して検討を行った. 学習の定義は様々であるが, 学習を集中力, 注意力, 記憶力に基づく精神作業と定義し, 環境がそれぞれの作業に与える影響の計測を行うこととした. 実験では, 床暖房方式の頭寒足熱型とその逆の環境である頭部が暑く足下が寒い頭熱足寒型の環境を設定し, それぞれの環境で学習を計測して比較を行った. その結果, 集中力を計測するために行った連続加算テストでは, 床暖房環境では作業量の降下が見られず集中力が持続していることが確認できた. ブルドン抹消テストによる注意力の計測では, 床暖房環境下で高い注意力が現れていることを確認した. また, 記憶力のテストでは, 短期記憶の再生, 及び記憶の再認する2つのテストにおいて床暖房環境はともに良い結果であった. これらの結果は, 床暖房環境が学習を行うのに適した環境であること示唆している.
著者
長沢 有恒
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.57-63, 1968-01-30 (Released:2010-03-11)
参考文献数
6
著者
小松原 明哲
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.50, no.Supplement, pp.S108-S109, 2014-06-05 (Released:2014-09-05)
被引用文献数
1
著者
依田 光正 塩田 泰仁
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.9-15, 1999-02-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
17
被引用文献数
4 2

本研究では, 人間同士のすれ違い行動における回避軌跡に基づいた回避領域を実験的に求めた. すれ違い行動軌跡の一般的な特性を知るために, 路上におけるすれ違い行動の実験を実施した. 実験はVTRで記録し, 動作軌跡を大きく3つの行動タイプに分類した. 最も出現頻度が高く回避領域抽出に適した行動タイプは, 被験者が実験者まで接近してから相手を避けて被験者の初期軌道に復帰する行動であった. この行動タイプの回避領域を求めるために実験室内におけるすれ違い行動の実験を実施して, 静止, 歩行および小走りしている実験者に対して歩行している被験者がすれ違う回避軌跡を分析した. 回避動作の特性として, 回避軌跡は懸垂線に最適に近似し, 歩行速度はほぼ一定であることを見いだした. さらに, 懸垂線の軌跡から回避領域を算出した. 実験結果から, 被験者が静止および歩行している実験者とすれ違う回避領域はほぼ等しいことを確認した.
著者
山下 利之 守山 綾華 簑下 成子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.243-248, 2010-06-15 (Released:2011-04-28)
参考文献数
15

本研究では,能面の表情認知における動的変化の効果を調べるために,傾きや陰影が動的に変化する能面画像を用いて,その能面が表す感情認知に関する実験を行った.中間感情を表すとされる小面の9つの静止画像および24の動的画像の各々について,特定の感情をどの程度表していると思うかに関する評定を,43名の被験者に行わせた.因子分析の結果,“ポジティブ感情”,“ネガティブ感情”の2因子が抽出された.また,能面の陰影や傾きを動的に変化させた場合,静止画像よりも認知される感情強度が強くなる傾向が示された.特に,ポジティブ感情の表情からネガティブ感情の表情へ変化させた場合と,逆にネガティブ感情の表情からポジティブ感情の表情へ変化させた場合の方が,ポジティブ感情どうし,ネガティブ感情どうしの変化よりも感情強度が強くなることが示された.
著者
斎藤 綾乃 鈴木 浩明 藤浪 浩平 村越 暁子 松岡 茂樹 平井 俊江 斉藤 和彦 西垣 昌司
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.231-240, 2008-08-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
21
被引用文献数
2 3

列車の振動環境下における適切な縦手すりと吊り手の径を検討した. 79名の被験者を, 59歳以下 (非高齢群) と60歳以上 (高齢群) に分けた. 縦手すりの径5水準, 滑り止め加工3種類, 吊り手の径6水準を評価した. 縦手すりの使いやすい径はステンレス (SUS) では28~38mm程度であり, 滑り止め加工の場合は40mmも使いやすいと評価された. 使いやすい径は, 年齢による大きな違いはみられず, 手のサイズ (握り内径) による違いがみられた. 吊り手の使いやすい径は18~29mm程度で25mmが最良であり, 縦手すりより細かった.
著者
藤本 浩一 佐野 裕司 渡邊 英一
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.285-294, 2012-12-15 (Released:2013-03-02)
参考文献数
24
被引用文献数
1 2

本研究は,脈波伝播速度(PWV)の計測に小型の近赤外線反射型センサーによって得られる加速度脈波を応用したものである.特に疾患の無い51名の研究対象者(21〜90歳)が実験に参加し,研究対象者を若年群(n=14),壮年群(n=21)および高齢群(n=17)の3群に分けた.脈波伝播時間(PTT)は頭部,指尖部および足底部の加速度脈波と心電図より求め,計測区間距離は体表面よりテープメジャーによって同定した.PWVは計測区間距離をPTTで除することにより求めた.なお,51名のうち12名の研究対象者は,加速度脈波と心電図により求めたPWVの精度を検討するため,従来法によるPWVの計測も行った.両方法によって計測されたPWVより求めたPTTは有意な相関関係(ピアソンの相関,P<0.001)にあることを確認した.腹部大動脈系を計測区間に含むPWV(心臓−前額間PWV,心臓−手指尖間PWVおよび心臓−足底間PWV)は男女ともに加齢にともなって有意な(分散分析,P<0.001;単回帰分析,P<0.001)上昇が認められたものの,腹部大動脈系を計測区間に含んでいないPWV(前額−指尖間PWV,前額−足底間PWVおよび指尖−足底間PWV)は加齢の影響を受けなかった.また,これらの傾向は性別,身長,BMI,心拍数,血圧で補正しても同様であった(重回帰分析,P<0.001).以上の結果は先行研究および弾性動脈と筋性動脈の特性と一致するものであり,本研究で用いたPWVの計測法は従来法と比較して迅速かつ簡便なものであるが,従来法と遜色なくPWVを評価できることが示された.
著者
三宅 晋司
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.391-398, 2015-12-20 (Released:2016-09-28)
参考文献数
19
被引用文献数
13