著者
木村 浩 松田 紀之
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.244-245, 1999-10-15

The purpose of the present work is to suggest practical principles in designing web pages of moderate to high complexity in structure. The examined case was the formal web-pages of the University of Tsukuba recently renewed with a special emphasis on the web accessibility and universal design. We obtrained interesting findings about the use of the Japanese language by eye-examinations and those by a speech browser for the visually-impaired. They have been reflected in the refinement of the pages by the authors.
著者
鈴木 偵之 石塚 昭彦 中本 和宏 小野 健太 渡邉 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.4_77-4_86, 2013-11-30 (Released:2014-01-25)
参考文献数
20

本研究では子供向けデジタルサイネージのGUIデザインの指標を明らかにした。デジタルサイネージが持つ特徴のうち、大画面を有し、タッチ等によるインタラクションがある点、設置して利用される点を中心に調査を行った。子供の行動把握にはエスノグラフィ(行動観察調査)法を使い、子供特有の特徴を抽出するため、PCリテラシのある年齢(大人)についての比較調査を行った。結果の分析には、行動比較マップを用いた。これは子供と大人の行動を比較するために、子供と大人がとった行動の頻度をそれぞれ集計し、その結果をプロットしたマップである。このマップをもとに子供と大人の行動の共通部分と子供特有の部分について考察を行った。これらの結果、子供特有のデジタルサイネージの利用に関する特徴として、「目標設定」「ボタン等の操作部」「操作に対する満足」に関係する3つの観点にまとめられることが分かった。
著者
益岡 了 材野 博司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.1-10, 1997-11-30
被引用文献数
7

人間の移動における継起的体験と空間構造との関係に基づいたシークエンスの研究において, どのような行動変化を手がかりに, 実際の空間や景観の変化に伴った行動として認識するのかが問題となる。そこで本報告は, シークエンスにおける短時間の行動や視覚の認知の連続をより正確に把握するために, 心理学などの研究で用いられている特定の装置を改良し, 景観行動の実態を解明することを目的とする。調査の結果, 特定の空間の変化と行動, および生体反応とが対応した関係にあることが明らかになった。また全く同一の空間の歩行であっも, 往路と復路という歩行方向によって行動・反応に違いがあることが分かった。これらのことから, 実際に空間や景観を体験する歩行者の行動や認識を予想することにおいて, 空間を歩行方向に向けて断面図的に解析し, 継起的な歩行者の体験に基づく景観の分析を行う手法の有効性が確認できた。
著者
深澤 琴絵 植田 憲 朴 燦一 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.49, pp.170-171, 2002-11-05

This paper describes The Furoshiki (Japanese wrapping cloths) and is development. The Emakimono (Japanese picture scrolls) and some remains are regarded on the designs including functions, forms, and ways of utilizations as living tools. It is obtained : (1) The Furoshiki was initiated in the late 6th century, the Asuka period. Two kinds of design are found in the remains of the prince Shotoku. (2) The Emakimono in Nara until Muromachi era, contains varieties of designs which were tightly connected to social backgrounds and temporal rules. Beyond the difference of sexes, generations, and social positions, it has been used widely to represent feelings of prey, respect with utilities of package, transportation and ceremonies.
著者
川上 比奈子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.67-76, 2004-03-31

アイリーン・グレイは、菅原精造から日本漆芸を学び、漆塗り屏風を制作した。建築家に移行した後、住宅「E.1027」において、ジグザグに折れ曲がる窓をデザインし「屏風窓」と名付けた。本稿では、グレイが屏風を建築に展開する契機を探る。彼女の最初の屏風は、伝統的な形式を踏襲した絵画的調度品であったが、やがて漆塗りと屏風の特質によって、立体が浮かび上がって見える幾何学線形の描かれたものが制作される。同時期、屏風に描かれるべき図柄を、多数の小型漆パネルに分解して再構成した屏風が生みだされた。映りこんで見えていただけの立体が、実体として表現されると共に、分解・回転によってできた空隙が屏風の構成要素に加わり、視線も風も遮らないものとなる。空隙は、屏風の既成概念を取り払う切掛けとなり、グレイは、屏風を窓や壁のデザインに展開し、また、新素材の美しさを活用し、住空間に多様性を与えることになった。グレイの屏風は、空間の光や空気を調節するとともに、空間の機能と形も変える変換装置といえる。
著者
伊藤 久美子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.31-38, 2008-11-30
被引用文献数
3 2

色彩好悪と色彩象徴などに関する調査を女子学生対象に'04'05に実施し、筆者の約10年前、同様に実施した結果と比較し、経年変化を検討した。即ち、色彩好悪色、自分に最も似合う(似合わない)と思う服色、色名からの連想語、14個の象徴語(怒り、嫉妬、罪、永遠、幸福、孤独、平静、郷愁、家庭、愛、純潔、夢、不安、恐怖)から連想した色名について調べた。その結果、色彩好悪については、ピンク、青、橙、水色、黄色が最も好かれる色上位5色であり、一方、最も嫌いな色上位5色は、灰色、黄土色、紫、ピンク、赤の順となった。本研究の結果は、色彩好悪はゆるやかに経年変化するが、色彩イメージと色彩象徴はあまり変化しないことを示唆している。
著者
梁 根榮 桐谷 佳惠 玉垣 庸一 赤瀬 達三
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.79-86, 2010-09-30

本研究では,日本に在住している外国人にどのような方法で行政機関から災害の情報提供がなされているのか調査を行った。まず,日本全国都道府県と政令指定都市に対し,質問紙調査を行った。次に,提供されている情報媒体を対象とし,分類,検討を加えた。その結果,災害情報の提供方法としては,大部分の地域で印刷物やホームページを利用して提供していることがわかった。そして,それらは,主に,英語,中国語,韓国語,スペイン語,ポルトカル語に翻訳して情報を提供していた。提供媒体の分類については,最も多く利用されていた印刷物・ホームページを中心に分析を行った。まず,各自治体において印刷物・ホームページによって提供されている災害情報に関する内容の分類およびデザインの分類を行った。分類の結果,帰宅対策はあまり提供されていなかった,避難所については印刷媒体に比べてホームページを利用して情報が提供されていた,デザイン面の分類については,印刷媒体は多言語と文字・イラストでほとんど提供しているが,ホームページでは,言語は1ヵ国語で,テキストのみ提供していることがわかった。
著者
森 優子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.64-65, 1999-10-15

The purpose of this research is to reconsider the fundamental aspects of Japanese typesetting. The results showed as follows. 1.The actual usage of typographical signs in periodicals and books in literature of from 1887 to 1896 during the Meiji poriod were grasped. 2. Books written in classical Chinese and its usage of punctuation had a major influence over the way of using them in Japan. 3. There are some effective and attractive, although they are in the primitive form, of typographical signs in the Meiji period's prints.
著者
西川 潔 森 優子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.212-213, 1998-10-30

The object of this research is to consider appropriate Japanese standards on printing and copy editing styles. For that, we search under typographical signs on the printing : novels and newspapers in the Meiji period. The results of the search are following : We collected 26 kinds of punctuational patterns first. And, we collected about 100 kinds of typographical signs except punctuational marks. we also collected rrLany kinds of various ways to use them. As the result, we recognized that there are some effective or attractive examples of typographical signs on the printings in the Meiji period .
著者
森 優子 西川 潔
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.210-211, 1998-10-30

The purpose of this research is to confirm a history of Japanese typographical signs and to comprehend its total image since the Meiji period. In this paper the authors survey the texts in the editorial handbooks, literatures and encyclopedias, and to classify the usage of punctuational marks, symbols, arranging and tabulating them in chronological order. These procedures may show that the influence of the Western punctuations and their usage appear variously changed the Japanese way of using them in the printing books.
著者
生田目 美紀 北島 宗雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.105-112, 2011-07-31

ウェブは,アクセシビリティ要件を満たしていると同時に,ユーザビリティ要件を満たしている必要がある。しかしながら,これらの二つの要件を同時に満たすようなウェブのデザイン方法が確立されている訳ではない。そこで本研究では,これら2つの要件の両立の可能性について検討するため,「理解可能」「操作効率」をとりあげ,ハイパーリンクというデザイン要素に着目し,視線計測実験を行うことにより実験的に検証した。実験は,2種類のユーザー(テキスト情報処理に優れた被験者群・イメージ情報処理に優れた被験者群)を想定し,3種類のハイパーリンクの表現方法(テキストのみ・イメージのみ・テキスト付きイメージ)を提示して行った。その結果,「テキスト付きイメージ」はユーザー特性に関係なく理解可能であり,操作効率が良いことがわかった。デザイン方法の一例として,アクセシビリティ要件とユーザビリティ要件を両立させるハイパーリンクの情報表現について明らかにする事ができた。
著者
羅 彩雲 宮崎 清 楊 静 植田 憲
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.81-90, 2008-09-30
被引用文献数
2

本稿は、台湾における伝統的な寝台「紅眠床」の制作技術に関する諸特質を、中部地域の職人からの聴き取りを通して明らかにしたものである。また、本稿は、職人からの聴き取りと文献資料との比較・考察を行い、台湾における伝統家具「紅眠床」に関する史料作成を志向したものである。本稿では次のことを明らかにした。(1)「紅眠床」を構成する部材名称は、機能特質を表現しつつも、職人の居住地域によって異なっている。(2)「紅眠床」の用材は時代によって変化するが、とりわけタイワンヒノキが「紅眠床」の歴史と密接に関係していた。(3)「紅眠床」の製造工程は、職人の営業形態によって異なるプロセスになっていた。(4)「紅眠床」の寸法規格は独特な単位に基づいており、職人の居住地により、その演算方法が異なっていた。(5)伝統家具「紅眠床」の制作は、時代とともに分業化が図られ、個々に専門技術を有する職人の連携によってなされるようになった。
著者
梨原 宏 奥田 光子 伊東 隆子 雫石 勝蔵 吉田 旺弘
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.65-74, 1996-09-10
被引用文献数
4

本報告は工業化に導いた木製車いすにおける木質環境が人間の感覚に及ぼす効果について明らかにしている。車いすの心理的イメージ評価から、木製車いすは20代の学生による外観評価では上品で温かく地味で落ち着いたイメージ、施設で介護に携わる使用評価では温かく女性的で健康的イメージと受けとめられている。日常の温度環境のもとの車いすの温度分布計測から、木製フレームは周辺温度変化に緩慢に反応し、金属フレームに見られない保温性をもつことが知られた。強調フィルターを用いた車いすの形態の認知性調査から、木材フレームの素地色は黄色系で反射率が低く、高齢による視力低下でも形態を認知できると推測された。高齢者の色彩の認知調査では寒色系および低彩度の色彩は誤認知をまねき易いことが分かった。以上から木製車いすの素材と色彩選択の設計指針が明確にされた。
著者
頼 瓊〓 趙 英玉 田中 みなみ 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.98-99, 1999-10-15

台湾では、近年若者の服装の色として、黒がずっと流行色として定着している。本研究は、台湾における色彩文化研究の一環として、黒に対するイメージ調査を三回に分けて行った。初めのイメージ調査において、黒は「上質」「高級」「高価」のイメージが強いという結果を得た。次ぎの調査の結果、「重い」「強い」「硬い」「冷たい」「粗暴な」が黒の主なイメージ語として選ばれた。最後に黒の服装に対するイメージ語を書いてもらったところ、「セクシー」「クール」「ハンサム」などの連想語が55%〜60%であった。以上のようなイメージ調査を通して、人びとが黒を着装する理由として、黒の物理的性質によるのではなく、主にはその心理的なイメージによる実用性を重視した結果であることが明らかになった。