著者
金子 宜正
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1-10, 2004-03-31

バウハウスを退職した後、ヨハネス・イッテンは、独自の造形美術学校イッテン・シューレ(1926-1934)をベルリンに創設した。同校の教師陣には、日本人画家・水越松南、竹久夢二がおり、小原図芳は水越の授業を見学した。また、自由学園からの二人の留学生(山室光子・笹川[当時旧姓今井]和子)が同校で学んだ。本稿で筆者は、ベルリンにおけるイッテンと日本人との交流の詳細、日本人画家がイッテンの芸術論に与えた影響、イッテンと日本人画家を結びつけた長井亜歴山の活躍、日本に伝えられだイッテン教育にみられる日本画の影響を明らかにした。更に、山室・笹川が日本でイッテン教育を広め、イッテンと教育的交流を持ち続けたこと、二人の友人でイッテンの教え子エヴァ・プラウトが大智浩にイッテン教育を教え、彼が後にイッテンの色彩論を邦訳するに至ったことを明らかにし、イッテンと日本のデザイン教育との接点について論じた。
著者
三上 訓顯 上北 恭史 合原 勝之 田中 一成
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.96-97, 1998-10-30

Last year our group produced some works by the kinetic typograpy throuh Japanese experimentally in the class of degsin college in Japan. Watching the works of the students , various expressions were seen in their structures of scenes and stories and in the ways to express their emotions. These various expressions can make the communicating method abudance. By the result of our experiments , we've recognized that the kinetic typograpy through Japanese is an effective way in the design education in the future.
著者
藤田 良治 山口 由衣 椎名 健
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1-8, 2007-09-30
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究では撮影技法によって作られる映像の動きに着目し,映像素材におけるカメラムーブメントの違いが視聴者に与える心理的影響を明らかにする実験を行った.6種類のカメラムーブメント(ズームアップとズームバック,左パンと右パン,ティルトアップとティルトダウン)と4種類の情景カテゴリー(図形,自然,人工,人間)を組み合わせて24映像を製作した(6カメラムーブメント×4カテゴリー).この映像を,48名の被験者に呈示し印象評価を求めた.各項目の回答から5因子解(「好感度」「規則度」「活動度」「親和度」「インパクト度」)を得た.各因子の標準因子得点を用い.カメラムーブメント(6)×カテゴリー(4)の2要因分散分析を行った.その結果,それぞれのカメラムーブメントは視聴者に異なる心理的影響を与えることが明らかになり,視聴者に好感度やインパクトのある映像を製作するためには,撮影技法としてのカメラムーブメントを適切に選択することの重要性を示した.
著者
大北 志帆 久保 雅義
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.54, pp.264-265, 2007-06-20

Kyoumachiya which is "space for with historic property and a person to live" is demolished, and it is rebuilt to a parking lot and an apartment, an office, a modern house in a development project. Why must Kyoumachiya be demolished? In addition, about whether it is not regenerated to Kyoumachiya, I investigate consciousness investigation and a listening comprehension of a person living in actual survey investigation of Kyoumachiya, Kyoumachiya and consider an answer of the doubt. And will show a solution concretely in future whether Kyomachiya retains it as Kyoumachiya if there is any kind of action for Kyoumachiya of this study is aimed.
著者
木村 光 林田 直澄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.366-367, 2009-06-20

It is not correct with the neighboring environment of the city to have the long history more than harf a century, and various problems produce the Toyohashi railroad Azumada main line. I studied an ideal method of LRT in conformity to the current city enviroment and society and I could enter the field of vision and studied the improvement of the public institution in the future city. In this study, I suggested a home of 2 stories to a vehicle of 2 stories. The getting on and off of the passenger is hereby possible smoothly between a short time. I can use the user with a pedestrian bridge with an elevator in succession.
著者
金子 慶太 伊藤 孝紀 堀越 哲美
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.11-20, 2011-11-30
参考文献数
11

本研究では、市民主体イベントの特徴と、市民主体イベント後の継続活動の継続要因とまちづくりとの関わりを把握することを目的とする。市民団体である大ナゴヤ大学が企画、実施した38の市民主体イベントとしての授業を調査対象とし、授業の企画者、参加者双方の視点からの調査と、授業後の継続活動に対して追跡調査をおこなった。38サンプルの授業に対して、多変量解析手法の数量化III類を用い、企画による3分類軸を抽出した。さらにこれらの3分類軸に基づくクラスター分析による類型化では3タイプの類型が得られ、各類型の特徴を把握した。そのなかのひとつでは授業後の継続活動を確認することができた。授業後の継続活動としての長者町ゼミを対象として追跡調査をおこなった結果、継続活動を4段階に分類して考察することができた。各段階の継続要因とまちづくりとの関わりを把握した結果、市民主体イベントを起点とした継続活動がまちづくり活動へと展開することを確認できた。
著者
畑山 美香 宮崎 紀郎 玉垣 庸一 村越 愛策
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.31-38, 1996-07-31
参考文献数
17

本研究は,最近出された,印刷媒体における比較広告をいくつかの型に分類し,それをもとに比較広告が人々にどの様に受け止められているのかをアンケート調査したものである。その結果をもとに,日本における比較広告の現状について検討した。比較広告は,アメリカではさかんに行われている。日本では,最近いくつかの比較広告が若者に関心を呼んでいるようだが,日本人はあからさまな比較を嫌うせいか,あまり多くは見られない。果たして,比較広告は,日本人には受け入れられないものなのだろうか。そこで,我々は,15歳から65歳までの男女189名に比較広告に関するアンケートを依頼し,143名の有効回答を得た。調査の結果,以下の点が判明した。(1)比較広告は,全ての年代の人々に受け入れられている。(2)広告の中で比較の相手の名前を出さない無指名型よりも,名前を出す指名型の方が効果的である。
著者
酒巻 隆治 染矢 聡
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.87-92, 2010
参考文献数
12

前報では,Webデザインがユーザに与える印象と記憶される情報量との関係性について報告した.この分析過程において,SD法に基づくWebアンケート調査を524名に対して実施し,「利便性」「文字の可読性」「エンターテイメント性」というWeb評価因子が抽出された結果についても明記した.本報告では,前報で用いたSD法による印象評価構造の分析を拡張する多次元尺度構成法による分析を検討する.通常SD法において各ユーザの印象は多くの項目,設問,すなわち多変量として収集される.このユーザの印象を2次元に情報圧縮した際の評価形容詞群と抽出された因子との関係性,評価形容詞群とWebサイトとの関係性,についての可視化を試みた.分析の結果,提案手法が従来法に加え,さらなる印象把握に向け有効なアプローチの1つであることが示された.
著者
伊藤 英明 高梨 令 粂田 起男 森 典彦
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.49, pp.98-99, 2002-11-05

The purpose of this research is to make the route map which visualizes arrival time. It targets the route in the Corporation subway and the under metropolitan management subway in Tokyo. Arrival time and transfer time between each station were used as a measure. The data of arrival time between each station includes transfer time. A two dimensional graph was made by using the data and Quantification Method 4. Partial warp of the coordinate in the obtained graph was corrected by using coodinate transfer, and a route map was drawn based on the corrected coordinates.
著者
橋本 英治 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.48, pp.226-227, 2001-10-15

In this paper, by studying various sensory elements of industrial products and causal relationships due to the occurrence of affections toward products, the primary factors for the occurrence of affections and the tendencies toward the products were investigated with the model indicating users' tendencies to the products and the corresponding relationship was found. A questionnaire had been carried out and as a result from the survey, four groups of tendencies were obtained. For each group, SEM(Structural Equation Modeling) was used to construct the model for causal relationships of the occurrence of affection. Subsequently, the differences for causal relationships due to various tendencies toward products were clarified.
著者
佐々 牧雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.9-18, 2012-07-31

本研究は,筆者らの先行研究である「サービス申込フォームにおけるデザイン・ガイドラインの構築」と「予測手法によるデザイン評価の研究」を応用,発展させたものであり,ユーザビリティ評価法における課題である「実施コスト」「実施期間」「評価者スキルの定量的把握」「ユーザビリティ問題の解決の優先度把握」などの解決を目指したものである。実験では,「群衆の叡智」で既に得られている知見を応用し,情報デザイナーやユーザビリティ・コンサルタントからなるエキスパート集団に,一般的なユーザーを対象に行ったユーザビリティ評価法のパフォーマンス測定の結果を予測してもらった。実験の結果良好な結果が得られたので,エキスパート集団の予測結果を用いることで,大規模なパフォーマンス測定をしなくとも,ほぼ同等な結果が得られることがわかった。それとともに,ユーザビリティ評価者を「どれだけユーザーの行動を予測できるか」という視点により,そのスキルを定量的に測ることができた。
著者
木下 堯博
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.67, pp.45-50, 1988-08-30

著者は協同研究により1986年10月24日東京と大阪に設置してあるトータルスキャナとコミニケーション,モデムなどを用いてNTT公衆電話回線を通じて東京と大阪間の高精密カラー画像伝送を行い成功した。このシステムを用いて約2000枚の35mmカラーリバーサルフイルムから3点を選択し,デザインアイデアに基づき一枚の画像(作品)としてまとめた。受信地の大阪では,東京から送られてきたデザイン構想によりカラーディスプレイ上でデザインを行った。四枚の作画がなされたのちこれらの画像は東京に伝送された。東京では大阪から伝送されて来た四枚の画像をカラーデスプレー上で確認して,オフセット機械校正により,印刷画像として出力した。これらの結果,高精密力ラーデザイン画像をNTT公衆電話回線を通して,画質を低下させることなく,目的とする場所に伝送することが可能となりデザイン評価を迅速に行うことが出来た。
著者
森下 眞行 上田 篤嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.55, pp.314-315, 2008-06-20

This paper describes our study of the Design Development for UD (Universal Design) Learning Support Games. The purpose of the activities is to make a game that children and adults can learn UD happily. Another intention is to contribute to the business for the diffusion of UD in Okayama. We had two monitor-investigations of this game to school children. The game of the final form was displayed in Manabipia Okayama 2007. It got much popularity. From now on, it will be applied for the community, in terms of disaster protection, environmental problems.
著者
山本 佐恵
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.54, pp.44-45, 2007-06-20

In the New York World's Fair, 1939, the Japanese Commission exhibited at both the Japanese pavilion and the Japanese section of the Hall of Nations. The theme of the former was "Ancient Japan", while that of the latter was "Modern Japan". Architect Yamawaki Iwao was given the task of designing the "Modern Japan" exhibition. The purpose of this presentation is to provide a detailed account of my research to date on Yamawaki's exhibition design and particularly his photo-murals.
著者
柴 嘉一 五十嵐 浩也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.54, pp.252-253, 2007-06-20

Various digital media have intimate relationship with every field of communication that produces certain message while accepting information and make conversation. Also, technical characteristics of new media change the individual way of communication. In this research, we believe that we can make communication affluent by introducing classified items like movement of icon representing emotion, gesture, situation, and so on. This can be done by comparative analysis between context and visual stimulation of icon. In other words, it becomes possible to find out the way to be a integrated communication tool that can deal with emotional change among people.
著者
宮尾 和樹 原田 利宣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.81-90, 2008-05-31

近年,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下,SNS)のユーザ数は急速に増加している。しかし多くのSNSサイトは汎用性を重視しており,すべてのユーザにとって必ずしも便利なものにはなっていない。そこで,本研究では,SNSサイトユーザ(以下,ユーザ)の価値観と利用機能等の関係を明らかにし,ユーザの価値観に対して最適なSNSサイトのプロトタイプの構築を目的とした。まず国内で運用中のSNSサイト,44サイトを数量化理論第III類とクラスター分析によって4つのクラスターに分類した。次に被験者101名に対し実験計画法を用いて作成した9つのサンプルに対する評価,SNSサイトの利用目的とSNSに対する印象に関するアンケートを行った。さらに利用目的で被験者を分類し,利用目的と各被験者クラスターが欲する機能との関係を明らかにした。以上の結果からSNSプロトタイプを作成し,検証実験を行った結果,機能の最適化により被験者クラスターの選好を制御できる可能性が示された。
著者
白石 光昭 杉山 和雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.117-124, 2002-05-31

情報技術の進歩により,ワークスタイルが徐々に変化し,それに応じてオフィス形態も変化し始めている。しかし,業務を遂行していくためにはワーカー同士のコミュニケーションは基本である。本研究では,これまで設計者の経験あるいはユーザーの一方的な要求で設定されてきた,コミュニケーションを行う場所である会議室数の算定に待ち行列理論を応用した算定法を提案しようとするものである。まず応用するための基本事項を整理し,それをもとに実際のオフィスにおいて使用状況(会議開始時間,会議時間,会議への参加人数)を調べ,待ち行列の理論式を応用できることを確認した。次に算定の目安として,「会議室が塞がっている確率」を提案している。また,ワーカーの会議室数への不満を調べ,「会議室が塞がっている確率」との関係を調べた。以上から,現在の会議室の使用状況をもとに「会議室が塞がっている確率」を求めることで,ユーザーに提案するための会議室数の目安を得ることが可能となった。