1 0 0 0 OA モンゴルの酒

著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.878-884, 1998-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7

モンゴルの酒といえば独特の馬乳酒が思い浮かべられる。最近モンゴルへ行かれて, 馬乳酒やそのほかのお酒についての製造状況を見てこられた筆者に, 自家醸造や工場生産の様子, 製晶の成分や香味, 製造や流通の社会状況など, モンゴルのお酒事情について幅広く紹介していただいた。
著者
渡部 潤
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.342-349, 2019 (Released:2023-10-27)
参考文献数
35

醸造微生物のゲノム解析は,既視感もあるが,まだまだこれからの分野である。一般にゲノム解析は,専門的な内容になりやすく,門外漢には読みにくい面があるが,本報告は,世界的に見ても極めて高度な内容を,従来の形態的な報告と併せて,事例を丁寧にそして非常にわかりやすく解説していただいていた。醤油の研究開発のみならず,醸造微生物に関わっている関係者の皆様には是非ご一読をお勧めする。
著者
松永 恒司 古川 恵司 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.529-534, 2002-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
4 4

1) 樽酒から簡便に杉樽由来成分を抽出する方法を設定した。2) GGMS分析の結果, 樽酒中で15種類のセスキテルペン類を同定した。3) 樽酒に含まれるセスキテルペン類は主にセスキテルペンアルコールであった。4) 樽材から抽出されるセスキテルペン類の量は, 貯蔵期間が長く, また貯蔵温度が高くなるほど多くなった。5) 樽材の木粉からエタノール水溶液で樽材成分を抽出したところ, エタノール濃度が高くなるほどセスキテルペンとセスキテルペンアルコールを合わせた総量は多くなった。総量に占める割合は前者が高くなった。6) 市販樽酒中のセスキテルペン類含量とアセトアルデヒド含量や着色度との間には相関は認められなかった。

1 0 0 0 OA 香りと脳

著者
高島 靖弘
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.2-8, 1989-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
22
著者
根本 重之
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.466-471, 1997-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4

周知のように1990年前後から酒類の小売機構に大きな変化が生じている。酒類メーカーとしては, その状況を的確に促えて適切な流通チャネル政策をとることが必要である。今回は, 酒類をはじめとする消費財の流通およびメーカーのチャネル戦略について, 専門的に研究を進めている著者に酒類小売機構の変化を見る基本的な視点や考え方をまとめていただいた。
著者
瀬川 修一 高瀬 貴仁 高澄 耕次 小杉 隆之 中村 剛
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.2, pp.107-116, 2016 (Released:2018-05-28)
参考文献数
15

1)マウスの肝臓を用いたALDH酵素活性評価において,清酒由来の成分に阻害活性が認められた。2)清酒からALDH阻害活性を有する物質を疎水性吸着樹脂,陽イオン交換樹脂,ODSカラム,NH2カラムにより分離・精製後,LC/TOF-MSによる精密分子量測定を行った結果,α-GGが同定された。3)マルトースとグリセロールからα-グルコシダーゼを用いて合成したα-GGはALDH阻害活性を示した。4)市販の清酒に含まれるα-GGを測定した結果,約4~19 mg/mlの濃度であり,醸造アルコールを添加した清酒では低値の傾向が認められた。
著者
伊藤 清 飯村 穰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.9, pp.610-617, 2004-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11

新しい21世紀の幕開けを契機に, 醸造研究-この100年と今後をあれこれ考えを巡らしてみるのも有意義なことである。この特集では「原料から製品に至るまで」6回にわたり, 各分野に造詣の深い先生方に最新の手法で伝統的な酒造りの本質を科学し, さらにこれからの酒造りを概観していただくことにする。本報はその序章である。なお, これは平成16年3月31日に広島大学で開催された, 日本農芸化学会大会において筆者らが企画したシンポジウムをベースとしている。
著者
桑原 秀明 馬場 茂
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.82-86, 1995-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

紅麹菌のアルコール発酵能と赤色色素を利用するというユニークな発想で, 紅色低アルコール酒が開発された。紅麹にはコレステロール合成阻害物質や血圧降下作用が見いだされており, 機能性の点でも興味がもたれている。開発に至った経過や製造法, 酒の特徴等について解説していただいた。
著者
清澤 功
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.620-627, 1999-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
40

大豆種子とくに胚軸に含まれるイソフラボンは, 最近, 世界的に最も注目されている食品の成分の一つである。特に, がん, 骨粗霧症, 心臓疾患などの予防, 更年期障害の軽減に有効であることが明らかになってきた。長年, 味噌のイソフラボンの研究に携わって来られた著者に, 原料大豆から, 味噌醸造中の同成分の消長, 体内での作用機講等について, 詳細に解説していただいた。
著者
前橋 健二
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.2, pp.71-78, 2016 (Released:2018-05-28)
参考文献数
24
被引用文献数
1

高濃度食塩存在下で米麹を消化させた醸造調味料の一つである塩麹は,2010年頃より販売されたのを端緒にして,その美味しさから全国的なブームとなったことは記憶に新しいが,塩麹について技術的な見地から記述した文献は,味噌や醤油に比べればまだまだ少ない。今回は,塩麹の残存酵素活性に関する成果を中心にして,最近の塩麹の研究状況に関して解説していただいた。新しい調味料としてその活用が期待される内容であり,味噌や醤油醸造に関わっている研究者にも是非読んでいただきたい。
著者
花田 洋一 佐藤 潤一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.5, pp.329-332, 2003-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

醤油の鮮やかな色を引き出す裏には, 火入れオリを除去して如何に清澄な液体にするかにある。その中のフィチンオリは未解明の部分が多かった。筆者らは麹菌酵素のフィターゼ活性の面から究明している。大いに参考となるであろう。
著者
竹村 昭彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.2-5, 2000-01-15 (Released:2011-09-20)

日本酒業界が最悪といわれるほど低迷している中で, 本報ではこれまでの日本酒の方向性 (ベクトル) を「吟味酒」の方向と名付け, これからは「より地域密着, より伝統的, より個性的, より自然」といった方向, つまり「風土酒」の開発が, 日本酒の低迷状況を打破する道ではないだろうか。という筆者の一文である。
著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.116-123, 1992-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
13

寛政年間, 徳川幕府は関八州拝借株を貸与し,「御免関東上酒」の製造を命じ, 江戸で直接小売販売を行わせるなどして, 関東地方の酒造業の保護, 育成を行った。これは, 関西地方から流入する「下り酒」に, 江戸から流出する富の東西不均衡を是正する意味もあったが, 関東酒の水準向上の原動力となった。最近刊行された史料にもとづき, その詳細等をまとめて頂いた。
著者
小川 義明
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.96, no.11, pp.730-735, 2001-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

著者は酵母遺伝子の全ORFがスポットされたマイクロアレイを用いて, アルコール存在下で発現する遺伝子群を特定した結果, アルコールが酵母にとってストレスであることを明らかにした。微生物, 特に酵母のアルコールに対する耐性機構の解明は興味ぶかい研究テーマであり, ここに解説していただいた著者の研究はその端緒を拓くものである。
著者
野口 正義
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.966-969, 1993-12-15 (Released:2011-09-20)

いわゆる伝統的食品と呼ばれる食品の中でも, もっとも日本的なものの筆頭に味噌が挙げられよう。その消費が, 米飯とともに衰退の傾向を見せ始めてから, すでに久しい。その原因は何なのか, どうやったらサバイバルの戦略が立てられるのか「みそ健康づくり委員会」の考えを述べていただいた。
著者
山口 直彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.721-725, 1992-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
24
被引用文献数
5 2

味噌の食品機能が注目されるようになったが, 幾つかの機能の中で, 抗酸化機能は特に重要である。酸化されやすいビタミンAも味噌の中では極めて安定している。最近, 味噌を摂取した場合に, 肝臓内での酸化防止効果が認められた。味噌の抗酸化機能を支えるものとして, 褐変色素のメラノイジン及びペプチドの果す役割について解説していただいた。
著者
宮尾 茂雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.6, pp.386-396, 2017 (Released:2023-03-22)
参考文献数
27

漬物は,少なくとも1400年以上の歴史を有する日本人の食生活にとって切っても切れない食物である。その発酵漬物の製造工程においては,乳酸菌が主要な微生物として働き,漬物の旨さを形成している。数多くの種類の発酵漬物で働く乳酸菌の種類と製造工程中での変遷には驚かされるが,微生物叢の変化は,清酒の生もと同様である。これらの乳酸菌は他の醸造物でも見られる菌ではあるが,更なる研究によって,日本人,さらには世界の人々の食生活にも寄与できることを願うものである。