著者
佐藤 幹哉 渡部 潤一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.4-4, 2007

2006年、オリオン座流星群の突発出現が観測された。この出現はZHRで50を超え、また極大がおよそ4日間に渡った。母天体である1P/Halley(ハレー彗星)からのダスト・トレイルを計算したところ、-1265年、-1197年、-910年のトレイルが起因していることが判明した。また、これらのダストは、木星と6:1の平均運動共鳴にあることがわかった。
著者
佐藤 幹哉 渡部 潤一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.4, 2007 (Released:2008-04-28)

2006年、オリオン座流星群の突発出現が観測された。この出現はZHRで50を超え、また極大がおよそ4日間に渡った。母天体である1P/Halley(ハレー彗星)からのダスト・トレイルを計算したところ、-1265年、-1197年、-910年のトレイルが起因していることが判明した。また、これらのダストは、木星と6:1の平均運動共鳴にあることがわかった。
著者
渡部 潤
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.342-349, 2019 (Released:2023-10-27)
参考文献数
35

醸造微生物のゲノム解析は,既視感もあるが,まだまだこれからの分野である。一般にゲノム解析は,専門的な内容になりやすく,門外漢には読みにくい面があるが,本報告は,世界的に見ても極めて高度な内容を,従来の形態的な報告と併せて,事例を丁寧にそして非常にわかりやすく解説していただいていた。醤油の研究開発のみならず,醸造微生物に関わっている関係者の皆様には是非ご一読をお勧めする。
著者
渡部 潤一 有松 亘
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

オールトの雲に属する天体が、背景の恒星を隠す掩蔽現象を検出するための観測技術を、既存のシステムをアップグレードすることによって確立する。これにより、大型望遠鏡でも直接観測が不可能であったオールト雲の天体を掩蔽の観測によって実現し、その空間分布特性およびサイズ分布特性に史上初めて観測的制約を得ようと試みるものである。
著者
荒井 朋子 川勝 康弘 中村 圭子 小松 睦美 千秋 博紀 和田 浩二 亀田 真吾 大野 宗佑 石橋 高 石丸 亮 中宮 賢樹 春日 敏測 大塚 勝仁 中村 智樹 中藤 亜衣子 中村 良介 伊藤 孝士 渡部 潤一 小林 正規
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.239-246, 2012
参考文献数
54

地球近傍小惑星(3200)Phaethonは,ふたご座流星群の母天体であるが,彗星活動は乏しく,彗星と小惑星の中間的特徴を持つ活動的小惑星(あるいは枯渇彗星)と考えられている.また,ふたご座流星群のスペクトル観測から報告されているナトリウムの枯渇及び不均質は,太陽加熱の影響よりも局所的部分溶融を経た母天体の組成不均質を反映している可能性が高い.部分溶融の痕跡を残す原始的分化隕石中に見られる薄片規模(mm-cmスケール)でのナトリウム不均質は,上記の可能性を支持する.従って, Phaethonでは局所的な加熱溶融・分別を経験した物質と,始原的な彗星物質が共存することが期待される. Phaethonは,太陽系固体天体形成の最初期プロセスを解明するための貴重な探査標的である.また,天文学,天体力学,小惑星・彗星科学,隕石学,実験岩石学などの惑星科学の多分野に横断的な本質的課題解明の鍵を握る理想的な天体である.本稿では,小惑星Phaethon及び関連小惑星の科学的意義と探査提案について述べる.
著者
阿部 新助 山本 真行 矢野 創 海老塚 昇 渡部 潤一 向井 正
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.107-107, 2006

流星や隕石が、地球大気突入によりどのような物理化学発光素過程を経ているのかは、未解明な点が多い。特に 炭素や水などのアブレーション過程を理解することは、生命起源物質の地球到来過程を解明する上でも重要である。2006年1月15日、NASAのスターダストは、直径80cmのカプセルを人工物では史上最速の12.9 km/sで地球大気に突入させた。我々は、この人工流星をNASA-DC8観測航空機から超高感度ハイビジョンカメラ(UV-II-HDTV)と500 grooves/mmの反射型対物分光器を用いて300-650nm波長領域の分光観測を行った。
著者
渡部 潤一 白石 麻貴 田内 秀樹 鴻上 繁
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.743-746, 2011 (Released:2012-02-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1

〔目的〕健常者において,片麻痺姿勢を擬似的に作り,前方リーチ距離,座位から立位への動作の後,立位バランスにどう影響を及ぼすのか検証した.〔対象〕健常者な男女28名である.〔方法〕座位姿勢は自然条件と脳卒塞条件の2種類実施し,前方リーチ距離と閉眼片脚立位時間を比較検討した.〔結果〕前方リーチ距離,閉眼片脚立位時間ともに自然条件において有意に高値を示していた(p<0.01).〔結語〕片麻痺姿勢をシミュレーションすることで座位バランス,動作後の立位バランスが自然条件より低下するということが示唆された.すなわち,理学療法実施時に姿勢を修正して座位練習を行う重要性が伺われ,立ち上がりや移乗動作を行うにあたり良肢位に誘導することで,より良い動作を獲得できる可能性があることが示唆された.
著者
小平 桂一/渡辺 鉄哉/山口 朝三/中桐 正夫/渡部 潤一/田中 済/尾中 敬
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.2-15, 1988-09

乙女座銀河団の中心領域の遠紫外撮像観測を絶対較正された2機の望遠鏡と紫外域二次元検出器を用いて行ない, 今までに遠紫外(波長1500A)輻射量の測られていなかった9個を含む15個の銀河の絶対測光を行なった。また観測中に視野に入った紫外天体の同定と測光を行なった。
著者
松本 和夫 近泉 惣次郎 許 仁玉 渡部 潤一郎
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.171-178, 1972
被引用文献数
6

温州ミカンの可溶性固形物と遊離酸含量に影響する樹令および立地要因の寄与度を, 現象数量化の手法を用いて推定した。果汁の糖度計示度と滴定酸度のいずれに対しても, 地域を表わす要因の寄与度が最大であつた。また, 糖度については, 傾斜方位の寄与度が2位, 樹令の寄与度が3位であつた。一般に, 樹令が増すほど少しずつではあるが着実に糖度が高まつている。標高と海岸からの距離が糖度に及ぼす影響は, 他の要因に比べてかなり低かつた。<br>いつぱう, 果汁の滴定酸度のほうは, 海岸からの距離が遠くなるにつれてかなり増加した。標高と酸度の関係は, 海抜200m以上のところで酸度の増加が著しく, それ以下のところでは標高差の影響をほとんど受けていない。傾斜方位の影響については, 糖度, 酸度のいずれに対しても, 部分的に常識と一致しない傾向が認められた。
著者
秋澤 宏樹 菅原 賢 渡部 潤一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.100, 2007

SWAN彗星は2006年10月末~11月初旬に6等級程度の予報を2等級上回って明るくなった。姫路市宿泊型児童館『星の子館』の15cm屈折望遠鏡(f.l.1800mm)直焦点に冷却CCDカメラSTL-1001Eを用い、2006年10月31.41-31.47日(UT)に5バンド(B,V,Rc,Ic及びノーフィルター)の彗星追尾撮像で2種類の尾を捉えた。各画像の比較から、通常は青いイオンの尾に赤の成分が含まれておりH<SUB>2</SUB>O<SUP>+</SUP>の尾と思われる。またダストの尾の形状をベッセル・ブレデキン法で計算した結果、ダストは近日点通過頃に放出されたことが解った。
著者
大谷 栄治 倉本 圭 今村 剛 寺田 直樹 渡部 重十 荒川 政彦 伊藤 孝士 圦本 尚義 渡部 潤一 木村 淳 高橋 幸弘 中島 健介 中本 泰史 三好 由純 小林 憲正 山岸 明彦 並木 則行 小林 直樹 出村 裕英 大槻 圭史
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.349-365, 2011-12-25
被引用文献数
1

「月惑星探査の来たる10年」検討では第一段階で5つのパネルの各分野に於ける第一級の科学について議論した.そのとりまとめを報告する.地球型惑星固体探査パネルでは,月惑星内部構造の解明,年代学・物質科学の展開による月惑星進化の解明,固体部分と結合した表層環境の変動性の解明,が挙げられた.地球型惑星大気・磁気圏探査パネルは複数学会に跨がる学際性を考慮して,提案内容に学会間で齟齬が生じないように現在も摺り合わせを進めている.本稿では主たる対象天体を火星にしぼって第一級の科学を論じる.小天体パネルでは始原的・より未分化な天体への段階的な探査と,発見段階から理解段階へ進むための同一小天体の再探査が提案された.木星型惑星・氷衛星・系外惑星パネルは広範な科学テーマの中から,木星の大気と磁気圏探査,氷衛星でのハビタブル環境の探査,系外惑星でも生命存在可能環境と生命兆候の発見について具体的な議論を行った.アストロバイオロジーパネルでは現実的な近未来の目標として火星生命探査を,長期的な目標として氷衛星・小天体生命探査を目指した観測装置開発が検討された.これらのまとめを元に「月惑星探査の来たる10年」検討は2011年7月より第二段階に移行し,ミッション提案・観測機器提案の応募を受け付けた.
著者
布施 哲治 渡部 潤一 関口 朋彦
出版者
日本天文学会
雑誌
天文月報 (ISSN:03742466)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.203-209, 1998-05
被引用文献数
1
著者
古荘 玲子 渡部 潤一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.5, 2007 (Released:2008-04-28)

彗星スペクトルには親分子から光解離した準安定状態酸素O(1S)やO(1D)が遷移する際の禁制線[O I]が観測される。彗星が太陽から1AU付近にある場合、O(1S)やO(1D)の主な親分子はH2Oであるとして、[OI]はH2OのトレーサとしてH2O生成量の推定などに用いられてきた。しかしO(1S)やO(1D)の親分子はH2O以外にもCO2などが考えられ、光解離でO(1S)やO(1D)を生じる分岐比は親分子毎に異なる。これに着目し、地上では観測困難なCO2をH2Oに対する量比として推定する手法を開発した。
著者
井田 茂 佐藤 文衛 渡部 潤一 河合 誠之 玄田 英典
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

太陽系外の惑星(系外惑星)の発見数は750個以上、ケプラー衛星望遠鏡による候補天体も2300個以上となり、惑星および惑星系の性質についての統計的議論が始まっている。本研究では主星の組成(重元素比)によって惑星系がどう変わるのかを調べた。惑星軌道進化のN体シミュレーションおよび惑星の衝突流体シミュレーションを行う一方で、その結果を組み合わせたモンテカルロ計算を行なった。重元素比が高い主星のまわりでは重元素が多いので、巨大ガス惑星が複数形成され、軌道不安定をおこして、軌道離心率が跳ね上げられることがわかった。また、視線速度法サーベイ観測を推進する一方で、アマチュアや学生を巻き込んだトランジット・フォローアップ観測ネットワークを組織し、理論・観測の両面から追及した。
著者
渡部 潤一
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

流星群を生み出す母天体である彗星あるいは小惑星の活動史を、流星群の活動から推定する新しい方法を確立し、いくつかの実例について研究を行った。また、枯渇彗星の可能性のある近地球小惑星の中から、既知の流星群と軌道が一致する天体を抽出し研究した。特に2003WY25とほうおう座流星群について研究し、この小惑星が枯渇彗星であることを明らかにし、その上で19世紀には彗星活動が少なくなった活動史を、実際の観測を踏まえて明らかにした。
著者
渡部 潤一 青木 和光 河北 秀世
出版者
国立天文台
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

太陽系天体の中でも、低温で凍ったまま46億年間経過している彗星は原始太陽系の化石である。太陽に近づくと熱によりその成分を蒸発させることから、その成分分析によりどの程度の温度で氷結したかが推定できるが、一般に上限値に限られ、また揮発成分を失った短周期彗星には使えない。本研究では、低温領域で温度と明確な相関がある水素原子の核スピン状態の差:オルソ・パラ比によって彗星氷結温度を求めようとしたものである。水分子でこの方法を適用しようとすると、地球大気の水蒸気が邪魔となる欠点があったため、水素原子が三つあって彗星に含まれるアンモニアに注目した。アンモニアは蒸発後、光解離により、NH2という分子となって、母分子のアンモニアの情報を保ちながら、オルソ、パラそれぞれの輝線を発する。高分散分光で輝線分離ができれば、オルソ・パラ比を知ることができ、さらにはアンモニアのオルソ・パラ比を推定できる。平成16年度は、国立天文台ハワイ観測所の口径8mすばる望遠鏡の高分散分光器HDSを用いた観測結果をもとに、ヨーロッパのデータも用いながら、本研究のまとめを行った。これによって、7つの彗星についてのスピン温度がすべて30K前後に集中していることがはっきりした。この解釈としては、彗星が誕生した場所の温度を示しているという可能性の他に、元々アンモニア分子が誕生した原始太陽系星雲のもととなった分子雲の温度を示している可能性もある。これらの可能性のどちらが正しいかを検証するためには、アンモニア分子以外の観測を行う必要がある。そこでわれわれは急遽メタン分子のオルソ・パラ比を考慮に入れ、すばる望遠鏡などによる観測を行ったところ、これについてもアンモニア同様30Kの温度を示すことが判明した。現在、これらのデータを慎重に検討しているところであり、本研究によって、当初の目的よりも先に進んでしまったことは、望外の喜ばしい結果である。