著者
澤田 大明 宮村 連理 和田 一郎 森本 信也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.27-30, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
9

本研究では,近年の理科教育における重要課題の一つである,子どもの自律的な学習を通じた科学的な思考力・表現力を育成する理科授業の成立に関して,その過程を子どもの認知的な側面から精査することを目的とした。具体的には,和田らが開発した,科学概念構築を可視化する表象ネットワークモデルに着目し,これと表象の相互移行に関わる鍵概念として Gilbert,J.K が提起する視覚化との関連について分析した。さらに,Nelson,T.O らのメタ認知理論を援用し,これと表象の視覚化との関連性を見極めることによって,子どもが自律的に表象の視覚化を図っていくための視点の導出を志向した。この際,Justi,R.らが概念化している,視覚化に関わるメタ認知(=メタ視覚化)に着眼し,科学概念構築の観点からその内実を詳細に検討することを試みた。
著者
甲斐 初美
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.1-4, 2013 (Released:2018-04-07)
参考文献数
11

本研究では,各単元内容の系統性を整理するとともに,理科の一連の指導内容の最適化や構造化を図ることを目的としたこれまでの研究成果から明らかとなった,モデルやアナロジーの取り扱いについて,概念の体制化(organization)と精緻化(elaboration)の観点から考察することを目的とした。特に,温度による体積変化の学習において用いられるアナロジーの教科書における問題点を指摘し,モデルやアナロジーの使用の際の制約の必要性について検証したものである。それらのことから,教科書や教師の説明手段として使用されるモデルやアナロジーのベースとなる領域が,子どもにとってどの程度のなじみがあるのかを検証することや,子どもが理科授業内に持ち込むモデルやアナロジーの起源を整理することで,子どもにモデルやアナロジーを用いて説明させることが可能であるかどうかを検討することの重要性について提言していった。
著者
上松 英介 大村 詠一 岸木 敬太
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.89-94, 2010 (Released:2018-04-07)
参考文献数
7

学習指導要領の改訂により,先端科学技術への認識を深めることがこれまでに比べ重視されるようになった。そこで先端科学である超伝導現象におけるゼロ抵抗の観測を学校の理科室程度の環境でもできるような実験方法の開発に取り組んだ。実験にはこれまでよく使用されてきたセラミックのイットリウム系超伝導体ではなく,線材化されたビスマス系超伝導体を用いた。また簡易な温度調節器を作成することで超伝導体の温度調節を容易にした。これらによって,障害となっていた超伝導体の強度の弱さと実験操作の難しさを解消することに成功した。その結果,定性的ではあるが,ゼロ抵抗や超伝導状態から金属の性質を示す状態への転移の様子をはっきりと観測することができた。 加えて,線材化されたビスマス系超伝導体をリング状にすることでマイスナー効果を観測できることも確認し,セラミックのイットリウム系円形超伝導体を用いるよりも単価を安くして観測できることがわかった。
著者
野口 大介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.47-52, 2019-12-21 (Released:2019-12-18)
参考文献数
81

Copper dendrites exposed to a magnetic field of rare earth magnets in an electrolyzing aqueous solution of CuSO4 resulted in two things. Firstly, a precipitation around the cathode with swirling, and secondly, a growth while spinning around the cathode during the electrolyzing process if a vibration by hand was gently added to the cathode. If these phenomena become inquiring learning materials, it seems to be of significant value in secondary educational practice. In this report, it is shown that the different concentrations of solution change the form of copper dendrites. The lower one needs waiting for enough changing the form, on the other hand, the higher one causes collapse with too strong flow by the Lorentz force acting ions in the solution.
著者
野口 大介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.33-38, 2020-05-16 (Released:2020-05-13)
参考文献数
32

Some spiders were easily observed on the campus of Nagasaki University from autumn to winter such as Argiope bruennichi, Thomisus labefactus, Cyclosa confuse, Hasarius adansoni, Argyrodes bonadea, and Leucauge blanda. The spiders that could be found in the field even in winter, outside of the period in which adults are expected to appear by literature, had white, silver, and golden parts of the body surface. The case that the crab spider T. labefactus preyed A. bruennichi in its center of the web is considered to be unique. UV-vis spectrum of L. blanda was measured and shown that the body had gold and yellow parts.
著者
野口 大介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.23-28, 2020-06-20 (Released:2020-06-17)
参考文献数
15

高等学校化学においてよく取り上げられるナトリウムフェノキシド(NaOPh)の結晶構造データを取得し,その単分子および結晶中三次元構造を調査した。NaOPhのみからなる純結晶はNa2O2四角形単位を含む(Na2O2)nラダー型ポリマー構造を有しており,ユニークな三次元構造を形成している.一方,水和物結晶であるNaOPh・H2Oでは対イオンであるナトリウムイオンとともに水和されている様子が,さらにNaOPh・3H2Oでは結晶水によりナトリウムイオン対が解離して水に溶解したかのような状態が,それぞれ確認できる.その他の溶媒和結晶の構造からも,溶媒和に伴う(Na2O2)n構造の解離の様子が見られた.これら一連の流れを授業で効果的に展開することで,化学物質の構造や溶解現象を分子間相互作用と結び付けて生徒に理解させることが期待できる.
著者
森 拓哉 鈴木 栄幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.33-36, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
4

本研究ではTwitterとNAVERまとめを用いたノートテイキング手法を提案し、評価実験を行った。評価実験では大学生の2グループに紙ノート使用(以降、紙群)とTwitter・NAVERまとめ使用(以降、Twitter群)の2条件で講義ノートを作成させ、授業後、確認テストを実施した。その結果、講師の印象的な発言を挙げる問題と講義で紹介された5つの事例(理論)を挙げる問題においてTwitter群が紙群よりも得点が高いことが確認できた。被験者が構成したノート内容を比較したところ、Twitter群のノートは紙群と比較して①情報量が多いこと、②自身の理解プロセスの再構成になっていること、が確認された。
著者
野口 大介
出版者
日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 = JSSE Research Report (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.47-52, 2019-12-21

Copper dendrites exposed to a magnetic field of rare earth magnets in an electrolyzing aqueous solution of CuSO4 resulted in two things. Firstly, a precipitation around the cathode with swirling, and secondly, a growth while spinning around the cathode during the electrolyzing process if a vibration by hand was gently added to the cathode. If these phenomena become inquiring learning materials, it seems to be of significant value in secondary educational practice. In this report, it is shown that the different concentrations of solution change the form of copper dendrites. The lower one needs waiting for enough changing the form, on the other hand, the higher one causes collapse with too strong flow by the Lorentz force acting ions in the solution.
著者
野口 大介
出版者
日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 = JSSE Research Report (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.23-28, 2020-06-20

高等学校化学においてよく取り上げられるナトリウムフェノキシド(NaOPh)の結晶構造データを取得し,その単分子および結晶中三次元構造を調査した。NaOPhのみからなる純結晶はNa2O2四角形単位を含む(Na2O2)nラダー型ポリマー構造を有しており,ユニークな三次元構造を形成している.一方,水和物結晶であるNaOPh・H2Oでは対イオンであるナトリウムイオンとともに水和されている様子が,さらにNaOPh・3H2Oでは結晶水によりナトリウムイオン対が解離して水に溶解したかのような状態が,それぞれ確認できる.その他の溶媒和結晶の構造からも,溶媒和に伴う(Na2O2)n構造の解離の様子が見られた.これら一連の流れを授業で効果的に展開することで,化学物質の構造や溶解現象を分子間相互作用と結び付けて生徒に理解させることが期待できる.
著者
星野 沙織 益田 裕充 半田 良廣
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.39-42, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
12

本研究では、現代の子どもたちに求められる資質・能力としての「主体的な問題解決能力」に着目した。理科授業における子どもの「主体的な問題解決」を支える能力には、モニタリングやコントロールといったメタ認知的活動がある。メタ認知的活動はメタ認知的知識に基づいて行われる。そこで、理科授業におけるメタ認知的知識である「問題解決の過程」に対する教師の支援について着目した。そして、実際の支援として教師による理科授業の「構造化」を位置づけ、検証した。検証の結果、理科授業の実態として「構造化」が出来ている教師は少数であることが明らかになった。また、考察の局面を対話分析したところ、理科授業の「構造化」によって、考察の局面における子どものメタ認知的活動を促進していることが明らかになった。
著者
大倉 史也 益田 裕充 半田 良廣
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.47-50, 2016 (Released:2018-04-07)
参考文献数
10

本研究は、理科学習指導案をもとに、高等学校理科授業における探究の過程がいかに構築されているのかという観点から、高等学校理科授業の実態を考察したものである。調査の結果、問いを解決するストーリーの構造性の観点から課題が明らかとなった。
著者
飯島 康之
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.21-26, 2007 (Released:2018-04-07)
参考文献数
3

本研究は豊富な事実が観察・解釈多様性によって, 数学的探究の多様性を生み出すこと注目した。そして, その多様性が生まれる分岐点等に注目したり, それを意識的に利用することによって, 教授方略の明確化と意思決定の明確化につながると考えた。そのため, 本稿では, 連続する自然数の和の問題という事例に関するケーススタディを行い, 具体例において上記を例証することができた。
著者
神山 真一 俣野 源晃 山本 智一
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.45-50, 2017-12-16 (Released:2018-07-01)
参考文献数
10

本研究の目的は,アーギュメント構成能力を育成するうえでの現職教師の信念(Beliefs)を事例的に分析し,教師教育プログラム(神山ら,2017)が教師のBeliefs に与える影響を明らかにすることである.対象は,アーギュメントを授業に導入した経験が無い,国立大学附属小学校の理科専科教員M(小学校教員歴12 年),1 名であった.教師教育プログラムは,神山ら(2017)に基づいて行い,受講後,対象教員M に対して,質問紙調査と聞き取り調査を実施した.その結果,1) プログラムによって実感したアーギュメントの論理的であるという特質が,教師のBelief に影響を及ぼしている,2) プログラムで検討した授業実践において,問題解決の能力と結びついてアーギュメントのBelief が影響を受けている,3) プログラム中の実際に授業を構想・実施するという活動が,アーギュメント指導の自信や環境に対するBelief に影響を及ぼしていることが明らかになった.
著者
織田 一輝 甲斐 初美 森藤 義孝
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.57-60, 2016 (Released:2018-04-07)
参考文献数
1

学習者は,1 つの学習状況で複数の概念を保持することが可能である。したがって,学習者の学習過程を適切に捉えるためには,学習者が保持している複数の概念やそれらによって構築される概念生態系の変化をモニタリングする必要がある。そこで,本研究では,これまでに我々が行ってきた「溶解概念」の構成に関する授業実践から得た示唆をもとに,より学習効果が高まると思われる授業を構想・実践し,授業の中での学習者の概念や概念生態系の変化をモニタリングするように試みた。そして,その結果を基礎として,新たに構想・実践した授業の適切性を明らかにした。
著者
森藤 義孝 杉本 洋輔
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.123-128, 2012 (Released:2018-04-07)
参考文献数
7

本研究においては,小学校理科の学習内容に関する命題分析を通した検討の一環として,電気分野で取り扱う諸概念について,意味内容とイメージの観点からの分析を行った。その結果,現行の学習指導要領,及びそれに基づいて作成された小学校理科教科書における科学用語の取り扱いには改善の余地があることが明らかにされた。そこで,本研究では,見いだされた科学用語の取り扱いに関わる問題点を解消するための方策として,Asoko らの提案を踏まえつつ,小学校で構築すべき電気分野の諸概念にかかわる効果的なイメージの提案を行った。
著者
井山 弘幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-4, 2001-09-23 (Released:2017-11-17)
参考文献数
4
被引用文献数
1

科学や科学者についてわれわれが抱くイメージは、メディアや教育によって媒介されて形成されるものだが、近年これらのサイエンス・イメージが現実から乖離していることを指摘する者が増えてきた。歪められたイメージは、科学という人類の貴重な知的遺産について誤った理解を民衆に与え、時には過大な期待を促したり、過度の嫌悪を催させたりしている。サイエンス・イメージが形成されてきた歴史を振り返りながら、個々の類型の摘出を行いつつ、その生成原因を特定し、実際の歴史と対照しながら、科学教育の問題として捉え直す作業を行う。
著者
下村 勝平
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.39-42, 2020-12-13 (Released:2020-12-09)
参考文献数
3

本稿では,中学校数学での「証明」学習の困難を背景に,その改善の一方略として算数科における「説明」に着目した.研究目的を算数科において行われる「説明」の内容を対象とし,子どもがどのように「説明」を捉え,「説明」に関する概念を獲得していくかについて明らかにすることと定めた.そこで,「説明」の内容を検討できるような実験授業を計画・実施した.そこから,抽出児を選定し,分析を加えることによって「説明」に関する概念形成の様相を捉えた.
著者
小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.41-46, 2017-11-11 (Released:2018-07-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1

「大学教育の国際化」という文脈で,大学の授業を英語で行うことが求められるようになってきているが,「教授学習言語を英語化する」とはいったい「具体的にはどのようなことなのか」を問う研究は多くない.本稿では,「英語と日本語との関係性」という視点から,大学教育の教授学習言語問題を見直す第一歩として,日本の理学系高等教育の創成期での「関係性」を探ることを試みる.具体的には,先駆けの一つであった札幌農学校を事例として取り上げ,そこでの教授学習言語の実情(創設期の外国人教師による英語の講義が,卒業生を中心とした日本人教師になって,講義が日本語化する状況)を受講ノートという史料に基づいて解読し,「英語と日本語との関係性」について,問題点を整理する.
著者
金児 正史
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.21-24, 2020-03-07 (Released:2020-03-04)
参考文献数
5

理科と数学を総合する学習に関する筆者の研究の1つとして,物理の単振り子の等時性に関する公式を導出する過程に着目し,これを,数学と物理を総合する題材に位置づけようとした。高校物理の等時性の公式の導出にあたっては,単振り子の糸の振れの角θが微小の時,sinθ≒θとなることを活用している。これでは単振り子の実験そのものが成り立たない状況である。しかし実際には振れの角θが1rad程度であれば,等時性が保たれる。そこで筆者は,振れの角θがかならずしも微小でない場合の公式の導出について,学び直した。その結果,テイラー展開の数学的知識の活用は必要だが,大方は数学Ⅲの学習内容を活用できることが分かり,理数探究への活用の可能性が見えてきた。
著者
大村 優華 猪本 修
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.17-20, 2019-06-01 (Released:2019-05-29)
被引用文献数
1

中学校理科における音の単元で,音色を授業で扱うための実験教材の開発について検討をおこなった.現行の学習指導要領では,中学校1年次において音による現象という単元を学習する.そこでは音の伝わり方や,音の3要素である音の大きさ,高さ,音色があることを学習する.音の3要素のうち大きさと,高さについては実験活動を通して理解ができるような授業が展開されることが多いが,音色に着目した授業はあまりなされていない.音色を波形から読み取ることが難しいなどの理由から音色に関する実験活動が乏しいのが現状である.そこで,音色について分かりやすく効果的に授業で扱えるような,複数の音叉を用いた実験教材の開発をすることにした.純音からなる音叉の音を複数個同時に鳴らすことによって,音色を形成する要因である倍音列を人工的に作り出すことが可能となる.これにより段階的に響きと波形の変化を学ぶことができるため,音色の理解が深まることが考えられる.また,本手法により単純な構成の波形をとる楽器の音色を再現することができる.