著者
佐藤 健太
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.62-65, 2012 (Released:2015-11-25)
参考文献数
19

便秘は一般人口において10%以上の有病率1) であり, 女性や高齢者では20%以上と特に多い2) . 小児でも小児科受診者の3-5%3) と比較的多く, プライマリケア医であれば日常的に接するコモンな訴えである. また, 低収入者や僻地在住者で頻度が高いという報告4) もある.  本稿では, プライマリケア現場で危険な疾患を除外しながら効率良く診療を行うために必要な知識をまとめる. なお, 診断・治療法のエビデンスに関する詳細なデータは紙面の都合上割愛してあるため, 適宜引用・参考文献を参照していただきたい.
著者
徳田 安春
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.299-300, 2010

医師不足の解消には医師数の増加のみでは解決できません. 守備範囲の広い「イチロー型医師」である病院総合医の養成が必須です. 1発ホームランを狙う選手は, 野球でもスタメンのうち1~2人 (4番と5番打者) で十分です. 効率よく得点を重ねるためには, 「走ってよし, 打ってよし, 守ってよし」の三拍子揃った, フットワークの軽い「イチロー」が必要なのです. 地域医療では, トップバッターとしてのER医の診療のあと, 打順2~3番の病院総合医にまかせ, 必要 (適応) に応じて, 4番打者へ特殊な治療介入を依頼すればよいのです. 学会のならず, 行政やマスメディアも, 地域医療を実践できる病院総合医として活躍している「イチロー型医師」に十分なサポートを与えてくれることを期待します. <br>現在, 全国には約27万人もの医師がおります. その1人ひとりが, 僅かでも守備範囲を広げることによっても, 全体として大きな効果を期待することができます. 臓器専門医も, 守備範囲を広げるような生涯学習によって, 基本的な疾患に対する初期対応を行うことを期待します.
著者
永井 睦子
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.427-430, 2010 (Released:2015-05-30)
参考文献数
20

看護や看護教育の世界でも『省察的実践家 (reflective practitioner)』という考え方が注目を集めるようになってきている. D.ショーンはJ.デューイの探究理論を発展させ, 専門家像のパラダイム転換を示し, 専門職としての教師や看護師の実践を勇気づけることにも貢献した. 臨床経験を積んだ看護師や看護師としての臨床経験を基盤に看護教育に携わる看護教育者も『省察的実践家』であることはいうまでもない. 『省察的実践家』にとって自らの実践を省察していくことで, 自らに身体化されている「臨床の知」を自覚化し, 成長していくことはきわめて重要であるといえる. そういった視点から本稿では筆者らが看護教育において取り組んでいる授業の省察 (reflection) について紹介する.
著者
進藤 達哉 西岡 弘晶
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.138-141, 2020-12-20 (Released:2020-12-29)
参考文献数
15

目的:セレン欠乏症は筋痛や筋力低下などで発見される報告が多いが,大球性貧血をきたすこともある.しかしその症例報告は少ない.在宅中心静脈栄養を受けている高齢患者に生じたセレン欠乏症による大球性貧血の症例を報告する.方法/結果:20年来のパーキンソン病のため寝たきりの89歳女性で,6年間在宅中心静脈栄養を受けていた.発熱で入院時,Hb 7.5 g/dL,MCV 131 fLと大球性貧血を認め,全血セレン 3.2 μg/dLと低値だった.セレン製剤を院内調剤し,セレン 100 μg/日の補充を行ったところ3ヶ月後にHb 9.7 g/dL,MCV 104 fL,全血セレン 5.5 μg/dLに改善し,セレン欠乏症による大球性貧血と診断した.結論:寝たきり高齢患者や認知症患者では筋痛などの症状を訴えられないことがあり,医療者はセレン欠乏症のリスクと症状に注意し早期発見と治療に努めることが大切である.
著者
朝倉 健太郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.277-279, 2011 (Released:2015-05-30)
参考文献数
6

Reflective Practitionerとしての姿勢はとりわけ困難事例において発揮される. 困難事例の問題解決に定石はなく、そこに携わるメンバーにとって多大な精神的ストレスを受けることがある. とはいえ、目の前の困難事例に何らかの方針を立てながらよりよいケアを模索するためには、困難事例に対する「チームとしての問題解決能力」を高めることが欠かせない. そこには、日常的なケアとは異なる視点でのアプローチが求められ、安定化させることを目標とする、布石を打つ、見捨てない、援助者としてのバランス、全体を俯瞰する、の5つのポイントが有用となる. また、振り返りを行い、「チームとしての学び」の定着を有効にしていくためにはチームマネジメントの視点が重要であり、No Blame Cultureの醸成が欠かせない.
著者
小田井 剛 牛腸 直樹 丸 智美 和氣 花奈美 日比野 壮功 小林 俊幸 田所 浩
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.234-237, 2016

症例は31歳男性で, 過去に脱力発作や特記すべき既往なし.入院当日, 咽頭痛を訴え近医耳鼻科を受診し, ヒドロコルチゾン静脈投与を受け帰宅した.帰宅後, 自宅にて米飯3杯, イカ・豚の生姜焼き, 漬物を摂食した.摂食3時間後, 四肢脱力・起立困難, 動悸を認め救急要請し当院搬送となった.来院時, 血清カリウム2.1mEq/L, 血清インスリン201.9&micro;U/mLであった.カリウム製剤, スピロノラクトン投与にて, 第2病日には血清カリウム値や四肢脱力は改善した.75g糖負荷試験において, 120分に頂値を示すインスリン過剰分泌反応, 180分に反応性低血糖を呈し, またHOMA-R:2.69であった.周期性四肢麻痺の家族歴を有さず, インスリン抵抗性を背景にもちステロイド投与や糖質過剰摂取がインスリン過剰分泌反応を惹起し続発性低カリウム性周期性四肢麻痺を発症した一例を経験した.インスリン抵抗性や糖尿病を有する患者は数多くおり教訓的で示唆に富んだ症例と考えられ報告する.
著者
子吉 知恵美
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.62-69, 2020-06-20 (Released:2020-06-23)
参考文献数
15

目的:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者の療養生活上の課題と支援の現状を明らかにする.方法:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者を支援した経験のある訪問看護師3人に半構成的面接法を行い質的帰納的分類法でカテゴリを抽出した.結果:課題では《支援体制が不足している》《病気の進行が早く療養者と家族の両方のニーズを満たすための時間が限られる》が抽出された.また,支援の現状では《時間と使えるサービスがない中で在宅療養を可能にするような支援をする》《子育て期にある療養者の状況の理解と意思決定支援》《子育て期にある療養者の苦痛を緩和できるよう支援する》《子どもも含めた家族の理解の確認と思いの表出を支える家族支援をする》が示された.結論:支援制度の不足など子育て期特有の課題が示されたが,訪問看護師は子育て期であることを理解した上で支援を行っていたことが明らかとなった.
著者
孫 大輔 密山 要用 守本 陽一
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.136-139, 2018

<p>地域志向性ケアの一つのあり方として「モバイル屋台de健康カフェ」プロジェクトを紹介する.家庭医・医学生である筆者らは,東京の「谷根千」地域と,兵庫県豊岡市でモバイル屋台による健康生成的なダイアローグを実践した.モバイル屋台は健康無関心層へのアプローチや多世代がつながる場として,「小規模多機能」な機能を発揮する可能性がある.</p>
著者
横林 賢一
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.268-272, 2011 (Released:2015-05-30)
参考文献数
6

・わが国における65歳以上の認知症の有病率は約8%と高く, 今後も増加すると推定されている・プライマリケアセッティングにおいて, 通常の病歴聴取と身体診察のみでは50%以上の認知症患者が見逃されていると報告されている・認知症を評価する際には, 中核症状・BPSDの評価に加え, ADL・IADL・AADLやサポート状況等も確認する必要がある・認知症の診断では, 認知症と鑑別すべき病態の除外, 治療可能な認知症の診断と, 認知症を呈する頻度の高い疾患 (アルツハイマー病, 脳血管性認知症, Lewy小体型認知症) の特徴について知っておくことが大切である・治療の際, 薬物療法を開始する前に, 患者の「その人らしさpersonhood」を維持するケアやリハビリテーションの介入を考慮しなければならない・患者のみならず, 家族などの介護者のケア・サポートも並行して行なう必要がある
著者
黒田 格 黒田 萌 清水 洋介 小川 太志 大浦 誠 小林 直子 山城 清二
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.29-31, 2020-03-20 (Released:2020-03-25)
参考文献数
7

筆者らは2019年6月,トロント国際家庭医療研修プログラム(Toronto International Program to Strengthen Family Medicine and Primary Care)に参加し,家庭医療の重要なエッセンスを学んだ.長い歴史を持つカナダの家庭医療を土台に,患者レベル・地域レベル・国際レベルで各層において日本の家庭医療の課題を考察する事ができた.
著者
若林 崇雄 宮田 靖志 山上 実紀 山本 和利
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 = An official journal of the Japan Primary Care Association (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.360-367, 2010-12-15
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

【目的】<br> 内科医撤退を経験した基幹病院を利用する患者・住民が, 医師・医療についてどのような想いを抱いているのかを明らかにする. <br>【方法】<br> 一時内科医が撤退し, 現在は診療を再開しているA市の基幹病院を利用する患者・住民を対象とした. <br>1. 質問紙作成<br>2回のフォーカス・グループ・インタビューをもとにテーマとサブテーマを抽出する質的な手法により質問項目を作成した. <br>2. 質問紙調査<br> A市基幹病院を利用する患者を対象とした. <br>【結果】<br> 有効回答は399名. 内科医師撤退の原因として, 81%の患者が大学, 79%が国の制度, また72%が病院と回答した. 内科医師が撤退したことは医師の身勝手かどうかについては50%ずつに意見が分かれた. また74%の患者は内科医師撤退が患者に不信感を与えたと回答した. 88%の患者は医師が患者に尽くしていると回答し, 88%が勤務条件で病院を移ることは仕方ないと回答したが, 96%の患者は医師に患者のために尽くすことを求めていた. 85%の患者は医師を信頼できると考えていた. <br>【結論】<br> 医師撤退を経験した患者は撤退により現実的に困っており, これは患者の利便性が損なわれるため当然と考えた. また撤退の原因として医療に関する組織に対し不信感を持っていることが示唆された一方で, 医師個人に対しての感情は複雑であった. 多数の患者は医師を聖職と考え, 医師撤退を経て尚, 医師の人間性やコミュニケーションへ期待し信頼していると考えられたが, 医師をサービス業と捉える患者も見られ, 信頼の構造に変化がある可能性も示唆された.
著者
川原 弘明 樋野 里子 佐藤 雄一
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.109-111, 2017-06-20 (Released:2017-06-21)
参考文献数
3

吸入練習せずにラニナミビル使用した場合に吸入力不足で失敗する危険性について,吸入確認用の笛を用いて検証した.音が鳴るまでの吸入回数を評価し,56例のうち10歳未満は7/11=63.6%,10歳代は4/33=12.1%,20歳以上は2/12=16.7%で吸入力不足が判定された.吸入練習しないと,10歳未満の患者で6割以上,10歳以上の1割以上が吸入力不足で失敗する危険性がある.また,5回程度の練習でも鳴らなければ他剤に切り替えることを検討すべきである.
著者
河内 明夫 冨重 恵利紗 柴田 由香里 鳴海 恵子 園田 純一郎 武田 泰生 本屋 敏郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.99-105, 2013 (Released:2013-07-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

要 旨目的 : 地域住民を対象とした調剤報酬講義により保険薬局における医療費の内容について理解を促し, それが受講者の保険薬局の選択に影響を及ぼすか否かについて検討した. 方法 : 受講者34名に対し, 講義前後アンケートを実施した. 解析対象はアンケートに記入不備のなかった29名とした. 結果 : 保険点数付き領収証を見たことがないと回答した受講者は34.5%であり, 保険点数を理解した上で支払っていたとの回答は25.0%であった. 講義後, 保険薬局の業務内容において服薬指導は55.2%の上昇, 調剤, 薬歴管理及び疑義照会はそれぞれ27.6%, 27.6%及び20.7%の上昇を示した. 講義後, 薬局選択の理由は病院近くの薬局で37.9%の減少, 薬の説明指導がしっかりしている薬局や相談対応の良い薬局ではそれぞれ72.5%, 20.7%の上昇となった. 結論 : 調剤報酬を学ぶことによって地域住民が保険薬剤師の職能を理解することは保険薬局の選択に好影響を与える可能性が示唆された.
著者
西岡 大輔 富田 詩織 高岡 沙知 田中 雅之
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.220-223, 2019-12-20 (Released:2019-12-27)
参考文献数
16

筆者らは,2018年10月,第5回日英プライマリ・ケア交換留学プログラムに参加した.本報告書では「家庭医の労働環境」と「家庭医療指導医の要件」に注目し,一部日英比較を交え紹介する.それにより,日本プライマリ・ケア連合学会が参考にできる点をまとめる.提案として,学会内の多職種による意見交換の機会を持つことや,指導医養成のプログラムの充実,指導医が備えるべきコンピテンシー項目の作成を提案する.
著者
菅家 智史 森 冬人 坪井 聡 若山 隆 葛西 龍樹
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.191-197, 2019-12-20 (Released:2019-12-27)
参考文献数
21

目的:時間外受診の適正化は医療システムにおける大きな問題である.全年齢層を対象に時間外受診の目安を示したハンドブックを自治体全戸へ配布したことが住民の時間外受診件数に与えた影響を検討する.方法:2011年7月福島県只見町は住民全戸へ時間外受診の目安を記載したハンドブックを作成し配布した.町唯一の医療機関である国民健康保険朝日診療所の2010年1月から2012年12月における1ヶ月あたり時間外受診件数を中断時系列分析を用いて解析した.結果:ハンドブック配布前の傾きは0.0071 (95%信頼区間 -0.011,0.025)であったが,ハンドブック配布に伴う傾きの変化は -0.0061 (-0.034,0.022)であった.結論:医療機関受診の目安を解説したハンドブックを住民全年齢層を対象に配布した施策では,時間外受診件数の有意な変化は認めなかった.
著者
佐仲 雅樹 瓜田 純久 中西 員茂 中嶋 均
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.299-305, 2012 (Released:2013-01-11)
参考文献数
46

要 旨 経験豊富な医師や看護師は, 一見軽症と映る患者に対して直感的に「重症感」を抱くことがある. このような直感的判断の重要性は広く認識されているが, いまだ経験則と言わざるを得ない. そこで我々は本稿において, 「重症感」の具体的意味を考察し, 1つの病態生理学的/症候学的モデルを提唱した. このモデルに基づいて言語化すれば, 重症感とは, 病態生理学的には「生体のホメオスタシスが破綻する前兆」であり, 症候学的には「急性に発症する全身性自律神経反応とacute sickness behavior」である. 重症感という直感を言語化し, 研修医や新人看護師に伝えることは, 「危険な患者」の見逃し防止につながると考えられる.
著者
澤 憲明 田中 啓広 菅家 智史 武田 仁 鵜飼 友彦 若山 隆 葛西 龍樹
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.308-316, 2011 (Released:2015-05-30)
参考文献数
20

目的 : 英国家庭医学会の新しい後期研修プログラム・専門医認定制度 (以下nMRCGPと略す) を紹介する. そのnMRCGPと日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療後期研修プログラム・専門医認定制度を比較検討し, 日本の家庭医療専門医教育発展に向けた課題を抽出する. 方法 : nMRCGPの研修資料, 及びその参考文献をレビューし, そのレビューをもとに東北地方の家庭医療後期研修医・指導医でディスカッションを行った. 結果 : 英国と日本の家庭医療後期研修プログラム・専門医認定制度の比較から日本の家庭医療専門医教育の発展に向け3つの課題が抽出された. 1) 日本における新しい「家庭医」の定義の必要性, 2) 形成的評価としてのポートフォリオの重要性, 3) ポートフォリオ審査における明確な評価項目と基準の必要性. 結語 : nMRCGPの背景・概要の説明, 及び日本の家庭医療専門医教育の発展に向けた課題の抽出とその考察を行った.