著者
平野 剛 木下 博
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-107, no.46, pp.1, 2015-05-16

12 名のプロ奏者を対象に,フレンチホルン演奏時のマウスピースを唇に押し付ける力を計測した.演奏する音が高いほど,マウスピースを唇に押し付ける力は強くなった.特に高い音を演奏した時のマウスピースを唇に押し付ける力は,個人間で 20N 以上の差が生じていた.これらの結果からマウスピースを唇に押し付ける力は,音の高さの制御に重要であることが示唆された.
著者
鈴木 久晴
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2017-MUS-115, no.6, pp.1-2, 2017-06-10

初学者の方向けに,音圧,粒子速度とインテンシティについて定義に触れ,測定方法について解説を行う.
著者
寺島 凌 阿部 由吾
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2022-MUS-134, no.44, pp.1-8, 2022-06-10

深層学習技術の発展により,機械によって自動生成される音楽の品質は日々向上している.特にシンボリック音楽生成の領域では,Transformer を活用することで長期の依存関係を考慮したメロディの生成が可能になっている.一方で,これらの音楽生成モデルを現実の用途や創作に活用するためには,生成される音楽の操作可能性と多様性が両立される必要がある.本研究では,指定されたコード進行に沿ったメロディを生成できる深層学習モデルを提案する.具体的には,Transformer を利用したメロディの自己回帰タスクにおいて,コード進行の情報を条件づけるような定式化を行う.加えて,生成結果の多様性を向上させるために VAE を導入し,潜在空間での操作を行う.実験では,指定されたコード進行と生成されたメロディの親和度を評価する.
著者
佃 洸摂 石田 啓介 濱崎 雅弘 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-132, no.15, pp.1-10, 2021-09-09

本稿では,人々が Web 上で集まって同じ瞬間に同じ楽曲を聴きながら,リアルタイムにコミュニケーションが取れる音楽発掘カフェ「Kiite Cafe」を提案する.この Web サービスでユーザが楽曲を聴取する体験は,(i)各ユーザの楽曲に対する「好き」という反応が可視化される,(ii)Kiite Cafe で再生される楽曲はユーザの好みの楽曲から選択される,という 2 つのアーキテクチャによって特徴づけられる.これらのアーキテクチャによって,ユーザは対面で一緒に楽曲を聴いているかのように,他のユーザとの社会的繋がりを感じたり,自分の好きな楽曲を他者に紹介する喜びを感じたりできる.さらに,Kiite Cafe のアーキテクチャによって(1)再生中の楽曲に対して「好き」を伝えることの動機づけ,(2)多様な楽曲を好きになる機会の獲得,(3)キュレータとしての貢献,という 3 つの体験がユーザにもたらされる.1,760 名の Kiite Cafe ユーザによる約 5 ヶ月間の行動を分析することで,これらの体験を通して生まれる,ユーザにとってポジティブな影響を定量的に示す.
著者
大谷 真
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-111, no.14, pp.1-4, 2016-05-14

音場の支配方程式である波動方程式から導かれる積分方程式に基づいて,ある空間における音場を異なる空間内で再現する音場再現が可能となる.本稿では,音場再現の理論的基盤について,初学者向けに解説する.
著者
呉 益明 Tristan Carsault 中村 栄太 吉井 和佳
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-124, no.5, pp.1-6, 2019-08-20

本稿では,正解コードラベル付きの音楽音響信号 (教師ありデータ) に加えて,ラベルが付与されていない音響信号 (教師なしデータ) を同時に利用するための,深層ニューラルネットワーク (DNN) に基づくコード推定法について述べる.従来の DNN に基づく識別的アプローチは,大量の教師ありデータを用いることで優れた推定精度を達成できるが,コードラベルの付与には多大な労力が必要であり,精度向上には限界があった.一方,隠れマルコフモデルなどの確率モデルに基づく生成的アプローチは,原理的に半教師あり学習が可能であるものの,モデルの表現力の貧弱さから,推定精度の面で劣っていた.これらの問題を解決するため,本研究では,高い表現力を持つ DNN に基づく深層生成モデルと,償却型変分推論法に基づく半教師あり学習法を提案する.具体的には,まず,コードラベル系列と音響テクスチャ系列を潜在変数とし,音響的特徴量を観測変数とする生成モデルを定式化する.観測変数が与えられた際に,潜在変数の事後分布を推定するため,音響的特徴量からコードラベル系列を推定する識別モデルと,音響的特徴量とコードラベル系列から音響テクスチャ系列を抽出する推論モデルを導入する.与えられた音楽音響信号に対して,教師ラベルの有無に関わらず,変分自己符号化器の枠組みでこれら三つの深層モデルを同時最適化することができる.実験の結果,教師なしデータに対しても,コードラベル情報と音響テクスチャ情報が適切に分離された表現学習を行うことができること,半教師あり学習を行った識別モデルが,教師ありデータのみで学習した識別モデルよりも高い認識精度を実現できることを確認した.
著者
尾関 日向 酒向 慎司
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-132, no.23, pp.1-5, 2021-09-09

ポピュラー音楽の制作では,マスタリングの際に曲の音量レベルを過剰に高めようとする傾向がみられる.しかし,このようにして作られたダイナミクスの小さな曲は,近年のリスニングスタイルに適していないことが多いと考えられる.そこで本研究では,ラウドなポピュラー楽曲のスペクトログラムからマスタリング前のラウドネスを推定することで,ダイナミクスの復元を目的とする.
著者
吉田 祥 香山 瑞恵 池田 京子 山下 泰樹 伊東 一典 浅沼 和志
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2017-MUS-114, no.12, pp.1-6, 2017-02-20

本研究では,歌声の響きに関連する周波数特性の強度や割合の定量化を検討し,歌声評価指標として提案することを目的としている.これまでの研究で,心理的印象に影響を与える音響特徴量が歌唱指導により変化することが確認されている.また,この音響特徴量を評価するための声楽初学者に特化した歌唱評価指標を検討してきた.本稿では,これらの成果をふまえ,既提案指標の妥当性を再度検討した上で,声楽を専門に学ぶ特定個人の長期間での歌声変化解析への適用を試みる.その結果と声楽指導者の主観的評価との相違を考察した結果,声楽指導者の主観的評価と定量化した指標との相関が確認されたことから,歌声の習熟を評価する指標としての可能性を見出した成果について述べる.
著者
森勢 将雅
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2022-MUS-134, no.6, pp.1-6, 2022-06-10

現在の音声合成研究者が論文に Vocoder と記載するとき,その多くは Deep neural network (DNN) を用いて何らかのパラメータから高品質な音声波形を生成する Neural vocoder を指すのではないだろうか.もしそうであれば,音声符号化という役割ではなく,高品質な音声を合成したいという高品質 Vocoder が持つ『黄金の精神』が,Neural vocoder 世代に受け継がれたことを意味する.本稿では,恐らく今後失われていくであろう伝統的な Vocoder の波形生成部のアルゴリズム,および一連の知識がまだ音声研究において役立つかという将来展望について紹介する.
著者
寺尾 健太郎 川勝 真喜
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2022-MUS-134, no.40, pp.1-4, 2022-06-10

高周波音が豊富に含まれる音源がヒトにポジティブな影響を与えるハイパーソニック・エフェクトの発現する機構を調べるために,耳元以外に到達する高周波音の音圧レベルを変化させた場合の生理的影響を脳波 (α波) の測定から検討した.また,可聴音を知覚できない状態で音源を呈示した際の生理的影響を脳波 (α波) の増加の有無によって検討した.その結果,耳元の音圧レベルは変えずに耳元以外の音圧レベルを変化させることでα波パワーに違いが有意に見られた.また,ノイズキャンセリングイヤホンと音のマスキング効果を用いて,音を知覚できない状態で実験を行ったところ,α波パワーの増加が見られた.
著者
竹村 響 石田 真子 米澤 朋子
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2022-MUS-134, no.56, pp.1-9, 2022-06-10

音楽要素の一つである和音には「明るい-暗い」,「安定-不安定」などの感覚を催させる効果があるとされる.本研究では,ユーザと一緒に音楽を聴くエージェントの表情やしぐさによる共感的表現により,音楽を聴く楽しみとして他者との音楽感情の共感やそれによる音楽自体への没入などの効果を狙う.具体的には,和音から推定される,明るさと興奮の 2 軸の感情強度に基づき,顔表情が変化するエージェントシステムを実装した.今回はユーザの音楽経験の有無により,エージェントの表情表出強度,エージェントの溜め息表現がもたらすユーザのエージェントに対する共感度や印象,音楽の印象にどのような影響がみられるかを検証した.その結果,音楽経験者の方が非経験者と比較してエージェントの表情に共感しエージェントの喜怒哀楽を知覚する傾向や,溜め息表現により音楽を豊かに感じる傾向があることが確認された.
著者
池田 友和 大脇 渉 高橋 弘太
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-109, no.2, pp.1-6, 2015-10-31

スマートミキサーは,複数の入力信号を時間周波数平面に展開し,平面上の局所領域において非線形な混合処理を行うことで,使用者の優先させたい音を目立たせた混合出力を得ることのできる新しい音信号混合法である.従来のスマートミキサーは,音声と BGM の混合を対象とした局所的な処理であり,楽音同士の混合については検討されていなかった.本研究では,楽音同士の混合を対象として,スペクトルの全体構造に基づいた処理を行い,協和性理論を規範とし,調和の取れた混合出力を得るミキシング手法を提案する.提案手法でのミキシング結果を聴取実験と不協和度によって評価し,楽音同士の混合における,スペクトルの全体構造に基づいた処理の不協和感の緩和への有効性を確認した.その結果,440Hz 以下の半音音程の不協和な定常音について,不協和感の緩和効果があることが確認できた.
著者
平原 達也
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2018-MUS-121, no.29, pp.1-6, 2018-11-14

音響実験機器の諸特性は,使用期間が長くなると変化する.かつて,新しい機器はエージング (慣らし運転) を行い,使いこんだ機器も電源投入時にはエージング (暖機運転) を行うことが普通であった.ところが,今日では,電源投入とともに受聴実験や音響測定を始めることが少なくないように思う.ディジタル音響機器のエージングはもはや不要なのだろうか? 耳の諸特性も,使用期間が長くなると変化する.高齢者の耳は,そのフロントエンドの感度が低下するだけでなく,バックエンドのさまざまな機能が低下する.これは高齢者だけの問題なのだろうか? 本稿では,このような音響実験機器と耳のエージングについていくつかの事例を紹介する.
著者
中村 栄太 齋藤 康之 吉井 和佳
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-124, no.12, pp.1-16, 2019-08-20

ピアノ運指の自動推定は,音楽演奏過程を情報学的に理解するために重要であり,演奏支援や演奏学習支援技術へ応用可能である.運指の良さを定義する自然な方法は演奏の制約やコストのモデルを構成することであるが,一般的にこれらのモデルでは適切なパラメータの値を見つけるのは難しい.本稿では,統計モデルに基づくデータ駆動型のアプローチを考え,与えられた運指の自然さを確率に基づいて記述する方法について調べる.具体的には,2種類の HMM (隠れマルコフモデル) とその高次の拡張を構成する.比較手法として,DNN (深層ニューラルネットワーク) に基づく方法も調べる.新しく公開したピアノ運指のデータセットを用いて,これらの手法の学習と評価を行い,制約に基づく代表な手法との比較評価も行う.評価に関しては,運指の個人的差異を考慮して,複数の正解運指データがある場合に使える新たな評価指標を考案した.評価の結果,高次 HMM に基づく手法がその他の手法よりも推定精度が高いことが明らかになった.運指モデルに基づく演奏難易度の定式化およびピアノ用編曲への応用についても議論する.
著者
田中 敏文 於久 光輔 永原 正章 山本 裕
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2017-MUS-114, no.5, pp.1-5, 2017-02-20

日本音楽 (伝統音楽) では,西洋音楽に比べ,和音の意識が希薄でその代わりに音色を重視する.西洋音楽が “クリスタルボイス” として透明感のある声を好むのみ対して,日本音楽は “渋い声” として太い声,かすれた声,こもった声を好む.このことに注目して謡 (うたい) の声のスペクトルを解析した結果,西洋音楽の声に比べて,非整数倍音が多いことを確認し,さらに非整数倍音の発生要因を考察した.
著者
山本 雄也 叢 悠悠 島村 龍太郎 菅野 幸夫 北原 鉄朗 糸山 克寿
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2022-MUS-133, no.7, pp.1, 2022-01-18

本稿では第 133 回音楽情報科学研究会における既発表の国際会議・萌芽・デモ・議論セッションの発表内容について述べる.本セッションでは, 査読付きジャーナルもしくは国際会議にて既発表の研究成果や,これからの発展が期待される萌芽的な研究まで,幅広くポスター発表・デモ・議論できる場である.今回のセッションでは,合計 4 件の発表が行われる.
著者
松村 昂輝 大谷 紀子 木村 司 福井 健一 沼尾 正行
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-125, no.5, pp.1-4, 2019-11-12

本研究では,深層学習の手法を用いた新しい音楽生成方法を提案する.音楽理論の観点から,コードとメロディは互いに調和する必要がある.つまり,音楽を作る際には,コードを考慮した上でメロディを作る事が望ましい.本研究では,コードを考慮したメロディ生成を行う深層学習モデルを対象とする.既存研究において,音楽の重要な要素であるリズムが考慮されたモデルは存在しない.本研究では,リズム ・コード ・メロディを一括に考慮して音楽を生成する新しい手法を提案する.本手法では,以下の三段階の手順に従い,複数の深層学習モデルを用いて音楽を生成する.①RhythmGenerator,RhythmTransformer により,大量の音楽データから学習した,コード及びメロディのリズムを生成する.②生成されたリズムを入力とし,RhythmToChordGenerator がコードを生成する.③生成されたリズムとコードから,ChordToMelodyGenerator によりメロディを生成する.提案手法を用いた実験では,リズム ・コード ・メロディが調和した音楽を生成することができた.
著者
田原 花蓮 植村 あい子 北原 鉄朗
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-130, no.9, pp.1-8, 2021-03-09

本研究は既存のポピュラー音楽をファミコン風の音楽に自動編曲することを目的としたものである.ファミコン音楽は最大同時発音数が 4 音までという制約が決められているため,音を削除しなければならない.そこで各パートに対して適切な音削除が行えるよう,各パートに対して音を簡略化する「変換ルール」を複数設計し,遺伝的アルゴリズム (genetic algorithm:GA) を用いて最も相応しい変換ルールをパートごとに決定していく手法を用いてファミコン風音楽の生成を行った.MIDI ファイルを用いてファミコン風アレンジを行い,主観評価と客観評価に分けて評価実験を行った.主観評価では,プロの作曲家に評価(1 から 7 の 7 段階)してもらったところ,リズムの自然さについては,変換ルールありで小節ごとに GA を行ったアレンジ 1 では平均 5.8 が得られた.一方,主旋律とベース以外のパートの選び方の妥当性については,ランダムよりも低い結果になるなど,課題が残った.客観評価では,変換ルールありで小節ごとに GA を行ったアレンジ 1,続いて変換ルールなしで小節ごと GA を行ったアレンジ 4 が総合的に高い評価が確認できた.
著者
平井 辰典 澤田 隼
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-132, no.13, pp.1-10, 2021-09-09

本稿では,メロディ素片間の接続コストに基づいて後続メロディ候補を提示することによって,メロディの打ち込みを支援するインタフェースを提案する.著者らが提案した BiLSTM に基づくメロディ素片間の接続コスト [1] を活用して,実際にメロディの打ち込みを行う際に必要に応じて後続メロディや後続音符の候補を提示するインタフェースを開発した.具体的には,ピアノロール上にメロディを打ち込んでいくようなメロディ制作のシチュエーションを想定し,ユーザが入力済みのメロディを基に,後続のメロディや音符の候補を,既存のメロディによって構成されるデータベース内から探索し,ユーザに提示するようなインタフェースである.開発したインタフェースを使って実際にメロディの打ち込みを行うユーザスタディを実施し,本提案インタフェースの有効性についての評価を行った結果,その有効性が確認できた.さらに,本提案インタフェースを使った音楽制作の可能性についても議論する.
著者
栗脇 隆宏 西野 隆典 成瀬 央
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-107, no.48, pp.1-4, 2015-05-16

本研究では,様々な楽器音が混在した音楽信号を対象としてスネアドラムとバスドラムの自動採譜に取り組む.提案手法では,対象楽曲に使用されているスネアドラムとバスドラムの特徴を表す周波数成分をそれぞれ 1 箇所ずつ検出し,検出したピーク周辺の周波数帯域におけるスペクトログラムのパワーの立ち上がりに着目した認識対象楽器のスペクトルのモデルを作成する.その後各時刻においてモデルとスペクトルとの距離を計算し,閾値処理を行うことでドラムスの発音時刻検出を行う.RWC 音楽データベース中のポピュラー音楽 5 曲を対象とした評価実験より,F 値の平均がスネアドラムでは 0.95,バスドラムでは 0.93 という結果が得られた.