著者
宮崎 刀史紀
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.s1, pp.s47-s48, 2022-06-01 (Released:2022-05-28)
参考文献数
1
著者
佐藤 翔輔
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.222-226, 2021-10-01 (Released:2021-11-15)
参考文献数
16

災害研究・災害科学の領域では、「災害を語る」ことの意味や効果について、真に検証されていなかった。本稿では、これまで筆者が「災害対応経験を語ること」の意味や効果について実証的に検証してきた内容を紹介する。1つめは、宮城県庁職員における東日本大震災発生以前の災害対応経験の継承事例をもとに、語り合いの効果を定性的に検証した事例を示す。2つめは、震災語り部の語りを受けた聞き手におよぼす生理反応・心理反応・記憶量の変化を実証した実験研究の事例を示す。最後に、これらのエビデンスにもとづいて実践されている東日本大震災発生後の宮城県庁職員における継承の実装事例を紹介する。
著者
宮本 聖二
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.25-31, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
7

新型コロナウィルスによって社会は混乱し、私たちは大きく行動を変容させた。それは日々触れるメディアが発するニュースや様々な情報がきっかけになっているはずだ。では、その内容は正しいものだったのか、その伝え方はどうだったであろうか。感染者や集団感染を出した医療施設などが誹謗中傷を受けるようになり、さらに真偽不明の情報がマスメディアで伝えられたことでトイレットペーパーの買いだめに走る人々も出た。メディアがコロナ禍にどう向き合ったのかを振り返ることで、今後起こりうるエピデミックの際の情報の伝え方の最適解を探ることはできるのではないか。そのためにメディアの記録を収集、蓄積して分析ができる環境を整え、その答えを探る仕組みを社会実装することを考えたい。
著者
水島 久光 椋本 輔 上松 大輝
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s27-s30, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
3

東海大学水島研究室は10年以上に亘り、コミュニティアーカイブの構築と連携をテーマに草の根の活動情報を収集し、時には実践者と共同で上映や研究会、ワークショップ、フィールドワークなどを行ってきた(原田・水島,2018)。こうした研究を通じて入手・蓄積または寄託された資料群の保全・管理という課題には、権利、物性、その他活動に即した困難さがある。しかしそれらにはオリジナル資料の喪失あるいは損傷をうけたときのバックアップ機能(ダークアーカイブ)や、アクセスの道を開くための目録的側面もあり、コミュニティアーカイブ構築と連携のボトムアップ的性格を定義づける積極的意味が見出せる。今回、研究室の環境整備の機会を捉え、その課題を基礎づけるメタデータスキーマの策定を行った。それはダブリン・コア15項目中のContributor(寄与者)の概念の振舞いに注目した体系化の試みであり、メタデータスキーマを巡る議論を再考し、データマネジメントの実践課題に対しても新たな提案となるものと考える。
著者
木戸 崇之
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.63-67, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
1

朝日放送グループは阪神淡路大震災の取材映像、約38時間分1980クリップを公開して1年が経過した。公開直後からSNS等で大きな反響があった一方、心配された肖像権者からのオプトアウトを求める申し出は、2020年10月1日現在で1件も寄せられていない。「放送局がビジネスを直接的には考慮せず、社会課題に取り組んだ」ことが評価され、デジタルアーカイブ推進コンソーシアムの『2020デジタルアーカイブ産業賞 貢献賞』を受賞した。改めて、アーカイブの概要、公開した映像の一例を紹介し、長期にわたって継続するために着手している今後の展開を報告する。
著者
宮本 聖二
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.9-14, 2019-01-07 (Released:2019-02-18)
参考文献数
5

米軍が撮影した沖縄戦、米政府の沖縄の出先機関「米国民政府」が記録した占領期の沖縄の姿、これらの映像や写真が沖縄県内の公文書館やメディアに大量にアーカイブされている。その映像資料から私たちは沖縄の歩んできた現代史を辿った上で、今の沖縄について深く知ることができる。さらに、どういう未来を構築すべきなのかを考える基盤にもなるだろう。筆者は、沖縄県公文書館の映像収集と公開の取り組み、沖縄のテレビ局が60年に渡ってアーカイブしてきた映像や番組を地域貢献や新たなコンテンツ制作のためにどう公開・活用しているのかを調査した。その結果、アーカイブの持つ、新たな知を生み出し人々と地域を結びつける力をあらためて確認できた。
著者
岡本 真
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.45-47, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
7

COVID-19を受け、その多くが施設としての休閉館に追い込まれた図書館の実情を整理するとともに、その結果、露になった図書館の課題を説明する。それらを受けて、これから図書館に求められる役割を論じる。特に課題として日本の図書館は来館利用型のサービスに偏してきた点を、脆弱性と片面性としてとらえ、従来からすでに存在した潜在的な課題が顕在化したことを指摘する。こうした課題に対する対処として、saveMLAKや、「図書館」(仮称)リ・デザイン会議の活動を紹介したうえで、さらに図書館として取り組むべき活動としてCOVID-19のアーカイブ活動への貢献を挙げる。
著者
真鍋 陸太郎 水越 伸 宮田 雅子 田中 克明 溝尻 真也 栗原 大介
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.113-116, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
4

本研究は,コミュニティ情報を持続可能な地域・コミュニティに必要不可欠なものと位置付け,コミュニティ情報の収集・蓄積・活用とその有機的な相互作用も含む一連のプロセスを「参加型コミュニティ・アーカイブ」とし,地域・コミュニティの持続可能性に寄与できる「参加型コミュニティ・アーカイブのデザイン」のあり方について,文京区で展開されてきた「文京あなたの名所ものがたり」や,「ことしの一文字」や「ことしかるた」および「ショートムービーコンテスト」などの大田区大森山王商店街で実践されている「商店街を街の情報拠点とするため」の一連の手法,さらに,それらの実践で活用される簡易デジタル・ストーリーテリング手法である「テレフォノスコープ」や,市民参加のためのデジタルサイネージ「まちまど」という具体的な手法・実践・技術の分析を通じて考察する.
著者
小山田 智寛 二神 葉子 逢坂 裕紀子 安岡 みのり
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.154-157, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
4

近年、デジタルコンテンツの公開がますます盛んになり、オープンデータによるデジタルデータの活用も進んでいる。一方、フロッピーディスクやMOなどの記録メディアの問題は言うまでもなく、2019年12月のYahoo! ブログのサービス終了など、プラットフォームの変容に追随できず公開が持続できないデジタルコンテンツも増えている。東京文化財研究所では、2018年、幕末から明治大正期にかけての書画家の番付のデータベースを公開したが、これは2004年に作成され、技術的な問題で公開が停止していたデータベースのリニューアルである。このリニューアル作業を例として、デジタルコンテンツを持続させるための課題を検討したい。