著者
中村 栄治 小池 則満
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.24, pp.23-24002, 2023 (Released:2023-12-04)
参考文献数
9

大規模地震が発生した場合,名古屋駅周辺地区において,対向人流の交錯による人流交通の閉塞を防ぐための対策として,主要な徒歩による帰宅経路となるすべての歩道を一方通行化することの有効性を,シミュレーションにより量的に評価した.地震による停電により交通信号は無灯火となり,横断歩道では車両より歩行者が優先して通行する条件でシミュレーションを行った.当該地区の都市再生安全確保計画で記された徒歩帰宅者数を基準値とした場合,基準値の 6 倍までの徒歩帰宅者数であれば,一方通行化した避難経路においては人流交通の閉塞を防ぐことができることが明らかになった.この上限値は,歩道上の花壇や建築物による歩道の狭窄,および人流の合流により決まることがわかった.
著者
竹田 京子 佐藤 靖彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.23-00078, 2023 (Released:2023-12-20)
参考文献数
42

本研究では,繰返し移動輪荷重を受ける道路橋鉄筋コンクリート床版の破壊機構に基づいた疲労寿命予測法の構築を目的として,まず,破壊形式を整理して3つに分類し,破壊形式に応じた疲労寿命評価を行う必要性を示した.その後,実験的手法によりRC床版のはり状化部材の疲労破壊機構に基づく残存せん断耐力低下モデルの構築を行った.さらに,配力筋比,圧縮強度,支持条件の差異を考慮したせん断耐力式とS-N曲線式からなる疲労寿命予測法を提案し,輪荷重走行試験における一定荷重および階段状漸増荷重の評価,RCおよびPC床版の疲労寿命評価を可能とした.過去の輪荷重走行試験の実験データとの比較により,提案する疲労寿命予測法の適用性を確認した.
著者
田中 皓介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.22-00356, 2023 (Released:2023-12-20)
参考文献数
27

日本においては公共事業に否定的な世論の存在が指摘されている.多発する豪雨などの災害対策のみならず,より高度な社会的インフラストラクチャーの構築が求められるが,その際には世論の支持を得て公共事業を実施していく必要がある.一方で,諸外国に目を向けると,多くの先進国において公共事業費は増加傾向にある一方で,日本の減少傾向は特徴的なものである.本研究の目的は,米国および英国との比較から,日本における公共事業に対する世論の特徴を明らかにすることである.各国首都に在住の各310サンプルを対象としたアンケート調査を行った.分析の結果,日本の世論の特徴として,非効率さや事業のムダといった否定的論点の関連や,政府や建設企業に対する信頼の低さとの関連が明らかとなった.
著者
内堀 大輔 渡邊 一旭 櫻田 洋介 荒武 淳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.23-00129, 2023 (Released:2023-12-20)
参考文献数
22

地下構造物の長期的な保全のために,通信用マンホールの点検作業を効率的かつ安全に行うことができる自律飛行 UAV(Unmanned Aerial Vehicle)を開発した.地下空間でUAVを自律飛行させるために,レーザと超音波による距離計測センサおよびカメラを用いたUAVの自己位置の推定方法と,推定した自己位置情報を用いた飛行方法を構築した.また,マンホールのような狭小空間の飛行に適したUAVのガード構造を検討した.実寸大マンホールにおけるUAVの飛行検証の結果,地上からマンホールの内部への入孔,マンホール躯体部での移動と画像撮影,マンホールからの出孔,着陸までの一連の飛行動作を完全自動で実現し,点検用の画像が撮影できることを確認した.これにより,点検員はマンホールに入ることなくUAVの撮影画像を用いて点検を行うことができる.
著者
古川 全太郎 笠間 清伸 片山 遥平 秋本 哲平 上野 一彦 堤 彩人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.23-00105, 2023 (Released:2023-12-20)
参考文献数
29

本論文では,浸透固化処理した砂質土を対象に実施された非排水中空ねじりせん断試験結果をもとに,地震時の液状化による構造物被害予測プログラム(FLIP)を用いて地震応答解析を行う際に必要な液状化パラメータを,浸透固化処理土の一軸圧縮強さから適切に設定する方法を示した.加えて,浸透固化処理工法で背後地盤を液状化対策した岸壁を対象にモンテカルロシミュレーションを行い,浸透固化処理部の一軸圧縮強さの空間的ばらつきが岸壁の地震時残留変位に与える影響を確率統計的に分析した.さらに,解析結果を浸透固化処理後の地盤調査に活用することを目的として,調査数に依存して生じる統計的推定誤差を考慮し,岸壁の地震時残留水平変位について信頼性水準に従って要求性能を照査する手法を提案した.
著者
毛利 光男 馬場 直紀 青木 陽士 平澤 卓也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00045, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
19

本研究は,実機による枯葉剤ダイオキシン汚染土壌の実証試験において土壌洗浄の浄化性能を定量的に評価したものである.サイクロンによるダイオキシン除去率は67~87%(平均79.2%)であったが,後段のフローテーションによって除去率は91~97%(平均94.0%)へ大きく向上した.土壌洗浄によって16,000pg-TEQ/gまでの汚染土壌から住宅地(300),緑地・公園(600),商業地・工業地(1,200)のいずれかの基準を満足する浄化土を実際に産出できることを実証した.回収される浄化産物(浄化土+粗粒分)の割合は元土壌の59~74%(平均65%),濃縮残渣の割合は26~41%(平均35%)であり十分な減容化効果が認められた.濃縮残渣の濃縮倍率は1.3~3.8の範囲にあり平均は2.4であった.
著者
保田 敬一 井口 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.22-00300, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
15

インフラシステム海外展開を推進していく上で本邦企業受注額を確保・増加させていくことは目標達成のためにも重要である.近年の国際協力に関するインフラ輸出競合国の援助状況を鑑みると,STEPや質の高いインフラ整備をはじめとする日本の円借款の方針も周辺の環境変化にうまく対応しているとは言い難いのが現状である.本研究では,円借款事業の本邦企業受注状況を整理する.そして橋梁を対象にプロジェクトの内訳を調査した後,STEPの適用状況を整理し,インフラ輸出の実績を伸ばしていくための方策について考察する.
著者
丸山 記美雄 上野 千草
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00136, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
17

本研究の目的は,アスファルト混合物が水の存在や凍結融解が作用することで受ける影響を実験に基づいて定量的に評価することにある.室内試験によって,アスファルト混合物は水が浸透し凍結融解作用を受けることで,骨材飛散やひび割れに対する抵抗性が低下することを確認した.さらに,その影響程度を定量的に評価した結果,凍結融解作用が及ぼす影響は水分の含浸のみが及ぼす影響と比べても大きなものであると評価された.また,凍結融解作用はアスファルト混合物の空隙を増加させるが,アスファルトモルタル内部に元々存在する空隙を拡大させるだけでなく,骨材とアスファルトモルタルの境界面に沿って新たに空隙を形成しながら進行することや,混合物の骨材粒度や使用するアスファルトの種類によって凍結融解抵抗性が異なるなどの知見も得られた.
著者
大原 涼平 下村 匠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00062, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
36

シラン系表面含浸材を用いたひび割れ補修による水分浸透抑制効果を把握するため,シラン系表面含浸材を塗布したひび割れを有する供試体を屋外暴露し,質量の経時変化を測定した.その結果,ひび割れを有する供試体にシラン系表面含浸材を塗布した場合,ひび割れによる吸水の促進を抑制することが明らかとなった.また,温湿度の変動・降雨・ひび割れの影響を考慮したコンクリートの水分移動解析を用いた検討より,シラン系表面含浸材を用いたひび割れ補修による水分浸透抑制効果は含浸部の吸水の抑制と乾燥・吸湿時の水分移動の低減であることを明らかにした.
著者
瀬木 俊輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00140, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
25

本研究は,建設産業の役割を明示的に考慮した動学的確率的一般均衡モデルの定式化を行い,国土の災害リスクと,建設産業の最適な規模(資本ストックや雇用者数)の関係を分析する.分析の結果,以下の知見が得られる.長期にわたり災害に見舞われていない平常時において,災害リスクの存在が建設産業の最適規模を増やすかどうかは,家計のリスク回避性向に依存する.リスク回避性向が高い場合には,平常時の建設産業の最適規模は増え,リスク回避性向が低い場合には,最適規模は減る.日本においては,災害保険のリスクプレミアムの高さを考慮すると,災害リスクの存在は,平常時における建設産業の最適規模を増やすと考えられる.災害リスクの向上が顕在化したときには,可能な限り速やかに,建設産業の規模を最適な水準まで拡大すべきである.
著者
河野 達仁 嶌 万希音 祢津 知広 水谷 大二郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00030, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
32

各自治体には財政制約があり,社会基盤維持補修費が高くなると,他の支出を圧迫する影響や追加的財政収入により生じる死荷重といった公的資金の限界費用(MCF)を考慮する必要がある.本研究では,内生的に変化するMCFを考慮して橋梁の補修施策の動学的最適化を行う.数値分析の結果,1)MCFが低い状況では予防保全の割合が高く,MCFが大きいと事後保全のみの施策が最適となる.2)時間割引率が高いと事後保全のみが最適であり,時間割引率が低いとMCFが低いと予防保全と事後保全の組合せが最適である.3)劣化した橋梁が多い場合,早期補修を行う必要があり,将来世代の効用が現世代よりも高くなる.4)ライフサイクルコスト最小化施策はMCF>1の状況の施策と異なり厚生損失を生むことを示す.
著者
宮﨑 友裕 森田 哲夫 木之下 僚太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.22-00166, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
10

本研究では,DMOによる観光満足度調査の際,来訪前の期待度を合わせて収集・分析することで,DMOが自地域の代表的な観光施設の評価・改善点の把握につなげることを試行した.調査では道の駅の各機能について,来訪者の事前の期待度と来訪時の満足度,総合満足度を各5段階で収集した.集計・分析の結果から,「道の駅」来訪者の期待度の強い項目として駐車場・トイレ・物産品販売を得た.道の駅総合満足度を目的変数とした重回帰分析による満足度モデルでは,駐車場の満足度と期待度の差分を有意な説明変数として得た.来訪者は駐車場に関して事前に道の駅の他の機能に比べ強く意識している可能性が示された.期待度が大きい項目では,事前の情報提供の改良等により総合満足度を向上できると考える.
著者
松野 正見 利根川 太郎 奥井 義昭
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.22-00332, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
15

橋梁の伸縮装置は,道路利用者に直接影響を及ぼす重要な部材であるにも関わらず,橋梁の付属物としての位置づけであったためか,これまで構造の見直しがあまり行われていない.本研究は,鋼製フィンガージョイントの合理化構造を提案し,提案した構造のFEM解析を行うことで妥当性の確認を行った.次に,実物大の疲労試験を実施し,必要な疲労耐久性が確保できているか確認を行い,本構造における累積損傷を基にした疲労強度の一考察を行った.最後に,本伸縮装置の設計法を確立するために,応力の伝達機構の解明を行った.
著者
田村 洋 Aleena SALEEM
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.22-00261, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
22

繰返し塑性変形が発生した鋼材(母材)の表面では,複数の小さな表面亀裂が縞状に並んだ表面亀裂群がしばしば見受けられる.この表面亀裂群は,鋼材表面を起点とする極低サイクル疲労亀裂の発生源となり鋼部材の終局挙動に大きな影響を与えていると考えられる.本論文は,極低サイクル疲労亀裂の発生過程で現れる表面亀裂群の基本的な形成メカニズムを,分岐理論的な見地から考察するものである.具体的には,大振幅ひずみを付与する繰返し載荷実験と弾塑性解析の結果に基づき,載荷の過程で形成される微視的な表面高さ分布に関する空間的周期性の変化によってとらえ,表面不安定モードとしての塑性じわが表面亀裂群の形成に関与している可能性を検討している.
著者
鳥居 大和 菊 雅美 水谷 法美 中村 友昭
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.17, pp.23-17098, 2023 (Released:2023-11-01)
参考文献数
2

河口閉塞は流域の氾濫の危険性を高めるため,対策が必要である.河口閉塞対策として,大規模河川では導流提や防潮堤が建設されているものの,中小河川を対象とした対策工の検討はほとんどされていない.そこで,本研究では,礫浜に接続する中小規模河川の河口閉塞対策工として沿岸方向に連杭を設置し,対策工が地形変化に及ぼす影響や,対策工の有効な配置形態について水理模型実験にて検討した.その結果,対策工を初期汀線近傍に千鳥状に配置することで,対策工がない場合に比べて,バームの形成や汀線位置,砕波地点を沖に移動させることがわかった.さらに,千鳥状に配置した対策工は,陸上への礫の堆積を抑制し,地形の平衡化を遅延させる効果が認められた.
著者
石川 靖晃 西尾 浩志 八木 洋介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00003, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文では,3次元的に任意形状を有するコンクリート構造にPC鋼材によりプレストレスを導入する際に,摩擦によって生じる緊張力減少,PC鋼材の任意の形状配置による腹圧力などを精度よく考慮可能な緊張解析手法を開発した.本提案手法の開発により,コンクリートの変形を考慮した緊張端でのPC鋼材の抜け出し量の計算が可能となり,セット量による緊張力緩和の影響が合理的に考慮されることになった.実橋の張出架設のPC緊張事例やヘリカルな曲面を有するPC構造に対して提案方法による解析を行い,提案手法の妥当性および初期ひずみ法適用の問題点を論じた.さらに実際のPCコンポ桁の緊張管理事例を基に,本提案手法により緊張管理図を作成し,従来の緊張管理図の作成方法の改善を検討した.
著者
北川 尚男 内田 賢一 池田 博司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.22-00330, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
17

亜熱帯の激しい波浪海域で海洋鋼構造物を防食するには,電気防食の効果および炭素鋼や耐海水性ステンレス鋼に流入するカソード電流密度を把握する必要がある.本研究では海水中から飛沫帯にかけて炭素鋼および耐海水性ステンレス鋼を用いた電気防食試験を行った.海水中の炭素鋼に対して電気防食は有効であった.しかし,海水中の炭素鋼試験片に流入する平均カソード電流密度は,試験片の間で約10倍の差があった.また,海水中から朔望平均干潮位の耐海水性ステンレス鋼に流入する平均カソード電流密度は,一般的な防食電流密度とほぼ同じであった.
著者
村上 麻紀 森 俊勝 溝上 章志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00056, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
27

本研究では,熊本県荒尾市において2020年10月から運行を開始したリアルタイムオンデマンド配車による区域運行型乗合タクシー「おもやいタクシー」について,その導入経緯とサービス概要を紹介する.また,その利用と運行についての1年間に渡る継続的な実態分析,利用者アンケートの分析,既存公共交通機関との競合関係,従来のタクシーサービスとの運行効率性比較について,分析を行った.その結果,利便性の周知により利用者は倍増していること,公共交通不便地域におけるバスの補完的サービスとなっていること,高頻度利用者の約半数は目的地や時間帯が決まった利用をしていること,通常のタクシーより総運行距離が短縮するためCO2排出量や燃料費を削減できることを明らかにした.
著者
田中 尚人 坂井 華海
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.22-00350, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
19

高齢社会を迎え,国際的な気候変動や頻発する災禍のなか,持続可能な地域運営のため地域風土に根差した知恵や技を継承することは有用である.本研究では,クロスロードゲームのアーカイブ機能に着目し,対話を重視し,日常と非日常とを繋ぐ追体験を可能とする記憶の継承について考察した.本研究の目的は,クロスロードゲームの作問における語り継ぎの場の構造とその内容の諸相を明らかにすることである.研究対象地は,近年様々な災禍を経験してきた熊本県熊本市,菊池市,あさぎり町の3市町とした.クロスロードの作問内容を分析した結果,自分⇔他者,能動⇔受動の2軸をもって,語り継がれた場を理解することできた.また作問された内容と場は,他者の経験も含め誰もが追体験可能なジレンマとして語り継ぎの場において継承される可能性が示された.
著者
山崎 諒介 竹嶋 夏海 岡田 誠司 宮下 剛 宮嵜 靖大 小野 潔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00093, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
33

SBHSの中で最も遅くJIS化されたSBHS400および未だ道路橋示方書に規定のないSBHS700の機械的性質や耐荷力に関する情報は,従来鋼やSBHS500に比べ不足している.本研究では,SBHS400とSBHS700の引張試験を実施し,機械的性質に関する情報を収集するとともに,従来鋼やSBHS500との比較をおこなった.続いて幅厚比パラメータの互いに異なる短柱軸圧縮試験を実施し,両縁支持板としての耐荷力特性を詳細に検討した.その後,鋼材の応力-ひずみ関係や残留応力分布の違いが軸力-軸方向変位関係に与える影響を解析的に検討した.最後に,実験結果と解析結果を基に,SBHS400およびSBHS700製両縁支持板の軸圧縮耐荷力評価式を提案した.