著者
梁 順子 雨木 若慶 樋口 春三
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.1170-1177, 1999-11-15
被引用文献数
1 2

カランコエのin vitro開花の実験系の確立を目的として7品種を供試し, 品種間差異および温度, 日長, PPFDおよび換気回数について検討した.さらに, in vitroとin vivo下における花芽の分化および発達過程を比較した.1. in vitroにおいては, 短日下で供試した7品種中5品種が発蕾し, 晩生系の'Sensation', 'Rose Crown'の2品種は発蕾しなかった.発蕾した5品種については発蕾日数には差が見られ, 20℃では早生系の'Singapore', 'Adagio'が早く, 中生系の'王冠', '宝冠', 'Fortyniner'が遅れて発蕾した.また, 開花反応に対する好適培養温度には品種間差が見られ, 20℃では前述の5品種, 25℃では'王冠'1品種のみが発蕾した.2. 'Singapore'を用いてin vitroにおける日長, 温度とPPFDの影響を検討したところ, 20℃, 短日下のみで発蕾した.また, 10, 30μmol・m^<-2>・s^<-1>PPFD下では発蕾がみられず, 40μmol・m^<-2>・s^<-1>PPFDで発蕾した.3. in vitroにおける花成反応は, 換気回数の小さいアルミ栓区では発蕾が見られず, 通気フィルター栓区とシリコン栓区で発蕾が見られた.4. in vitroとin vivoの双方とも花芽分化開始から発蕾までは約35日を要し, 花芽発達の進行速度は同じであった.
著者
奥田 均 野田 勝二 平林 利郎 米本 仁己
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.342-344, 2005-07-15

成熟期の異なる13品種のウンシュウミカン(Citrus unshiu M.)を対象に芽の休眠(paradormancy)の深さを枝挿し法により比較した.ウンシュウミカンの芽の休眠は9月下旬を中心に9月から10月にかけて深かった.そこで, 9月下旬にDTB(萌芽所要日数)を指標にして休眠の深さを比較したところ, 11月中旬までに果実が成熟する早生・極早生種および'久能温州'は21日以内に萌芽することはなかった.それ以降に成熟する品種は21日以内に萌芽し, DTBは成熟期が遅い品種ほど短かった.これらのことによりウンシュウミカンの芽の休眠には品種間差が存在し, それは果実の成熟期と関連することが示唆された.
著者
奥田 均 野田 勝二 平林 利郎 米本 仁己
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.342-344, 2005-07-15
参考文献数
5
被引用文献数
4

成熟期の異なる13品種のウンシュウミカン (<i>Citrus unshiu</i> M.) を対象に芽の休眠 (paradormancy) の深さを枝挿し法により比較した. ウンシュウミカンの芽の休眠は9月下旬を中心に9月から10月にかけて深かった. そこで, 9月下旬にDTB (萌芽所要日数) を指標にして休眠の深さを比較したところ, 11月中旬までに果実が成熟する早生・極早生種および&lsquo;久能温州&rsquo;は21日以内に萌芽することはなかった. それ以降に成熟する品種は21日以内に萌芽し, DTBは成熟期が遅い品種ほど短かった. これらのことによりウンシュウミカンの芽の休眠には品種間差が存在し, それは果実の成熟期と関連することが示唆された.
著者
桝田 正治 古市 朋子 武田 恭明
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.93-98, 1998-01-15
被引用文献数
2 1

トマト固定品種'ファースト'の乾燥種子に総線量100, 200および400Gyのガンマー線(^<60>Co)を照射して突然変異の誘発を試みた.照射時間はいずれも5時間とした.1. 照射種子(M_1)はいずれも発芽するが, 線量が高くなるほど実生の生育が劣り400Gy区では子葉展開後に枯死した.100Gy区では照射種子の約80%, 200Gy区では38%の株でM_2種子が採種できた.M_1株の花粉稔性は照射区で劣り, 100Gy区より200Gy区で顕著であったが, 全不稔の花は存在しなかった.また, 花粉稔性と種子数の間には相関は見られなかった.2. M_2世代において, 100Gy区の188系統では3種類の突然変異が出現した.つまり, 葉幅の狭い系統, 10%以下の可稔花粉系統, オリジナルと同じ雄ずい型の雄性不稔系統である.200Gy区の88系統では9種類の突然変異が出現した.つまり, 葉緑素突然変異としてアルビノ, ビリデイス, キサンタおよび部分欠損の4系統, 10%以下の可稔花粉系統, オリジナルと同じ雄ずい型の雄性不稔系統, 葯が萎縮して褐色となり柱頭が突出する雄性不1稔系統, 葯は正常に発育するが, その葯の先端に柱頭が突出する雄性不稔系統および発芽不能系統であった.以上の結果より, トマト種子から突然変異を誘発する場合のガンマー線の好適照射線量は200Gy付近にあると考えられた.3. 葉緑素部分欠損形質は, ヘテロ自家受粉種子における分離比が正常 : 欠損=3 : 1に適合したことから, 1劣性遺伝子によって支配されているものと推察された.葉緑素欠損葉において生育中に線状や点状に緑色を発現する個体があり, その発現部分が拡大すると個体の生存は可能となった.
著者
橋本 文雄 田中 見佳 前田 寛子 清水 圭一 坂田 祐介
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.428-434, 2000-07-15
被引用文献数
9 36

デルフィニウム栽培品種におけるがく片の色(21個体)について検討した.明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)について, CIELAB表色系座標上非常に淡いものから鮮明なものに分布し, 一次回帰式において有意な相関が認められた.また, 色度(aおよびb)について, その相関関係から白色系(ピンク色系), 紫色系(淡紫色系)および青色系(淡青色系)の3群に分類された.主アントシアニン色素の分析により総アントシアニン含量が花色に重要であり, 中でも3種類のアントシアニン(アシル基が結合していないデルフィニジン配糖体, 二基のパラーヒドロキシ安息香酸をアシル基として有するビオルデルフィン並びに四基のパラーヒドロキシ安息香酸をアシル基として有するシアノデルフィン)の含量が3群の花色表現型に直接反映した.これら3種のアントシアニン類は, 色相による3群の花色分類における含有アントシアニンに概ね対応しており, 従って, パラーヒドロキシ安息香酸によるアシル化アントシアニンの蓄積は, デルフィニウム花色の青色化を引き起こす要因であることが明らかとなった.
著者
卓 小能 塩崎 修志 尾形 凡生 堀内 昭作
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.664-669, 2002-09-15
被引用文献数
1

当年生の野生種のエビヅルと栽培品種の'キャンベル・アーリー'および'巨峰'実生を用いて, 巻きひげの着生と葉の形態的変化の関係を調査した.用いた全てのブドウにおいて, 巻きひげ着生前の葉の葉序は144°の螺旋状を呈し, 巻きひげ着生後は180°の互生であった.Galetの指標による巻きひげ着生前後の葉の形態的差異は, いずれのブドウにおいても認められなかった.巻きひげ着生前の葉縁鋸歯数は発育に伴って増加し, 巻きひげ着生節位の葉の葉縁鋸歯数はエビヅル, 'キャンベル・アーリー'および'巨峰'実生でそれぞれ26.1, 27.5, 28.8であった.巻きひげ着生後の葉縁鋸歯数は, 'キャンベル・アーリー'と'巨峰'では漸増したのに対し, エビヅルの増加は非常に緩慢であった.また, 実生の発育に伴って鋸歯角度が小さくなり, 鋸歯間裂刻が深くなった.葉脈間の裂刻の深さは'キャンベル・アーリー'と'巨峰'では巻きひげの着生前後で差が認められなかったが, エビヅルでは巻きひげの着生後に深くなった.
著者
山崎 篤 田中 和夫 吉田 澪 三浦 周行
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.40-46, 2000-01-15
被引用文献数
4 18

ネギの花芽分化に及ぼす温度条件を明らかにすることを目的として, 中生品種の'金長'と'浅黄九条', 晩生品種の'長悦'を用いて, 昼温と夜温の影響を調べた.昼温を20℃として夜温を3&acd;15℃と変えて20&acd;60日間の低温処理を行った結果, いずれの品種においても花芽分化は7℃で最も促進され, 次いで3℃で促進された.また, 15℃という比較的高い夜温下でも処理期間を60日まで延長すると, '金長'と'浅黄九条'では50%以上の個体で花芽分化したが, '長悦'では10%の個体でしか分化しなかった.夜温を7.0℃として昼温を7.0&acd;26.5℃と変えて20&acd;75日間の低温処理を行った結果, '金長'と'浅黄九条'において, 抽台率は昼温13.5℃と20℃で高く, 昼温7.0℃と26.5℃でわずかに低かった.'長悦'の抽台率はいずれの昼温と処理日数においても'金長'と'浅黄九条'に比べ低かった.それでも, '長悦'の抽台率は昼温7.0℃と13.5℃では75日後に60%以上に達したが, 昼温20.0℃と26.5℃では著しく低く, 特に昼温26.5℃ではほとんど抽台しなかった.したがって, '長悦'では20℃前後で脱春化が起きていると考えられた.以上の結果, ネギの花芽分化最適夜温は, 昼温20℃の場合7℃であること, また'長悦'では20℃前後で脱春化が起こるが, '金長'と'浅黄九条'では26.5℃以下の温度ではほとんど脱春化は起こらないことが明らかとなった.
著者
徐 忠傳 兵藤 宏 生駒 吉識 矢野 昌充 小川 一紀
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.192-194, 2000-03-15
被引用文献数
6

キウイフルーツ'魁密'(Actinidia chinensis)と'ヘイワード'(Acitinidia deliciosa)では果実の部位によって1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)合成酵素遺伝子の発現, ACC含量およびACC合成酵素活性に大きい差が認められた.エチレン生成能の低い'ヘイワード'においてはACC合成酵素mRNAのレベルは外果皮で一番高く, 部位の違いが明確であった.一方エチレン生成能の高い'魁密'においては外果皮, 内果皮, 果芯のすべてで高かった.ACC合成酵素mRNAの発現, ACC含量およびACC合成酵素活性は'魁密'の方が'ヘイワード'より高かった.これらの結果より, キウイフルーツのエチレン生成能の品種間差に関与する要因は主にACC合成酵素遺伝子の発現とACC合成酵素の活性であることが示された.
著者
佐藤 茂 和気 慶介
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.173-177, 2006-03-15
参考文献数
17
被引用文献数
8

カーネーションの ACC 合成酵素遺伝子 <i>DC-ACS1</i> は,花の老化時に雌ずいで少量発現し,花弁で大量に発現する.カーネーションの花の老化時には,雌ずいで生成したエチレンが花弁に作用して <i>DC-ACS1</i> と <i>DC-ACO1</i>(ACC 酸化酵素遺伝子)の発現を誘導し,花弁から大量のエチレンが生成する.<i>DC-ACS1</i> cDNA を導入した遺伝子組換えカーネーション(16-0-66系統)では,エチレン処理によって <i>DC-ACO1</i> 転写産物が雌ずいと花弁の両方で増加したが,<i>DC-ACS1</i> 転写産物は検出されず導入遺伝子による内生 <i>DC-ACS1</i> 遺伝子の発現抑制(コサプレッション)が推測された.他方,16-0-66 系統では花の老化時にエチレンが生成せず,同時に,雌ずいと花弁で <i>DC-ACS1</i> 転写産物が検出されなかった.また,<i>DC-ACO1</i> 転写産物は,雌ずいで検出されたが花弁では検出されなかった.これらの知見から,カーネーション花弁の老化時のエチレン生成において,雌ずいにおける <i>DC-ACS1</i> の発現が重要な役割を果たしていることが推測された.<br>