- 著者
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郷間 英世
- 出版者
- 日本小児保健協会
- 雑誌
- 小児保健研究
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.2, pp.282-290, 2006-03
1980年公刊の「新版K式発達検査」と,2002年公刊の「新版K式発達検査2001」の標準化資料の項目別50%通過年齢を比較し,現代の子どもの発達的特徴を検討した。その結果,乳児期では50%通過年齢の小さくなった,すなわち20年前に比べ発達の促進している項目が62,8%,50%通過年齢の大きくなった,すなわち発達の遅延した項目が33.7%であったが,加齢とともに変化し,発達の遅延した項目は幼児期前半51.0%,幼児期後半89.7%と増加し,学齢期もこの傾向が持続してみられた。領域別にみると,言語・社会領域では幼児期前半に,認知・適応領域では幼児期後半から遅延する項目の増加が著明となった。これらの最近の子どもの発達の20年前に比べた変化は, 注目すべき,また緊急に検討,対応すべき課題と考えられた。