著者
柳澤 大地 西成 活裕
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.570-573, 2017-06-15

本解説では,セルオートマトンを応用した群集運動モデルの一つであるフロアフィールドモデルについて解説する.セルオートマトンは時間・空間・状態量が離散で,ローカルルールによってアップデートが行われる数理モデルである.フロアフィールドモデルは,セルオートマトンの状態として人がいる・いないの2通りを考え,目的地までの距離と視野の効果を2つのフロアフィールドとして導入したもので,退出におけるクラスター形成や双方向流におけるレーン形成といった実際に観測される現象のシミュレーションを簡単に行うことができる.フロアフィールドモデルはシンプルであるがゆえの長所と短所があるが,本解説ではその議論も行う.
著者
簗瀬 洋平
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.134-141, 2018-01-15

Unityはもっともメジャーなゲームエンジンとして知られていますが,ゲームのみならず建築,医療,自動車,メディアアートなどさまざまな分野で使われており,研究でもバーチャルリアリティを始めとするインタラクティブ分野ではデモンストレーション作成などで数多く使われています.本稿ではUnityについての説明に加え,インストールから簡単なアプリケーション作成までを解説します.
著者
谷澤 俊弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.282-289, 2008-03-15
参考文献数
7
被引用文献数
2

2003年8月14日,アメリカ北東部で大規模な停電が発生し,ニューヨーク,クリーブランド,デトロイト,トロント,オタワなどの大都市を含む広範囲の約5,000万人が影響を受けた.この停電による損失金額は60億ドル(約7,000億円)と言われている.アメリカ北東部という現代文明の最先端地域の電力供給網がこのような脆弱性を持っていることに驚かれた読者もおられるかもしれない.この脆弱性は,この地域の電力供給網がスケール・フリー・ネットワーク構造を持つことに起因している.スケール・フリー・ネットワークはその構成要素についての個々の不慮の故障に対しては非常に頑強であり,その連結性を保持できる一方,ネットワーク内の重点個所に集中した攻撃にはきわめて弱く,わずか数%の重要個所を取り除いただけで,全体がバラバラになってしまうのである.実は,インターネットもスケール・フリー・ネットワークであり,同様の脆弱性を持っている.では,構成要素個々の故障と重点個所への集中攻撃の両方に対して強いネットワークを作り上げることはできるのだろうか.本稿では,統計物理学の手法を用いた理論解析から明らかになった,故障と攻撃の両方に強いネットワーク設計の指針について概説する.
著者
萩谷 昌己
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.210, 2003-02-15
著者
和田 勉 中野 由章
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.665-668, 2019-06-15

2019.3.16に本会全国大会において開催された,情報処理学会初等中等教育委員会主催の初めての「中高生ポスターセッション」には日本全体から37の発表があった.いままで中高生が参加することが稀であった全国大会の場においてたいへん新しいことである.そのうち優秀な発表8件を表彰した.これは,学問への誘い,さまざまな交流,研究・教育力の向上,学会のプレゼンスの向上など,多くの効果があった.今後は,運営の改善による効果の最大化と,若い世代の才能についての指導と環境の提供が期待される.
著者
大日向 大地
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.630-634, 2019-06-15

高専カンファレンスは,高専と高専生をテーマとした勉強会イベントなどの活動を行うコミュニティで,勉強会イベントとしては2008年に始まり2019年3月までに日本全国各地で通算118回開催している.毎回,20〜200人ほどが集まり,話者がスライドを使ったプレゼンベースでの発表をしており,発表の内容は,高専生らしいものづくりの話から,科学やキャリアに関する話など多岐に渡る.参加者,発表者は当初は高専生,OB,教職員を対象としてきたが,現在では高専とは直接関係がない方の参加,発表もある.またプレゼンテーション形式に拘らないスタイルも試みられている.本稿では,活動が始まってから11年近くが経過し,高専関者の活動の場の1つとして定着してきた,この高専カンファレンスについて解説する.
著者
加藤 智久
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.188-189, 2017-02-15

今日,仕事をする上で英語は避けて通れないものになりつつある.英語運用能力の有無が年収にも影響を及ぼす現状で,日本に住みながら英語を話せるようになるのは簡単ではない.しかしオンライン英会話は,英語上達の現実的な手段になることから,ニーズが高まっている.本稿では,レアジョブ英会話のサービスを例に,オンライン英会話の仕組み,そのサービスを成立させる機能,オンライン英会話特有の強みを生み出す技術について説明する.また,レアジョブ英会話が目指す,将来のオンライン英会話の青写真を紹介する.自動車教習所に行けば運転免許が取れるように,オンライン会話を使えば英語が話せるようになることがレアジョブの目標である.
著者
袖 美樹子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.586-587, 2019-06-15

社会の変化に伴い学校教育も改革が進んでいる.高等専門学校では質保証による質の高い工学教育を基礎とし,社会で必要とされる新しいアイディアやものを作り上げる能力の育成を目指している.たとえば,プログラミングコンテストやロボットコンテストなどの各種コンテストや地域連携による教育プログラム,グルーバル人材育成に向けた英語を基本とした教育への取り組みが行われている.そこで,教育の質保証の考え方やその教育の仕組み,コンテストへの取り組み事例などを紹介する.
著者
秋山 浩一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.140-146, 2008-02-15

本稿は,ソフトウェアテストの動向の中で「組み合わせテストの設計」に焦点をあてたものである.はじめに,要因間の性質に着目した3つのタイプの「組み合わせテスト技法」について紹介する.続いて大規模ソフトウェア製品へ適用する際の「組み合わせテスト設計」の実際について述べる.
著者
秋葉 拓哉 稲葉 一浩
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1198-1201, 2015-11-15

20年の歴史を持ち「なんでもあり」で有名な ICFPプログラミングコンテストにて,今年,日本チームが優勝と準優勝を達成しました.ICFPプログラミングコンテストの魅力や各チームの戦術を紹介します.
著者
川合 慧
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.659, 2019-06-15

「あんこはジャムか」と題した研究の実例などを題材として,中学生・高校生といった大学以前における研究能力の早期育成の可能性に言及する.
著者
北野 宏明
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.270-271, 2017-03-15
著者
中村 武弘
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.546-551, 2019-05-15

小学校で野情報活用能力の育成は,指導者が意識をして学びをデザインしない育てることが難しいと考えます.それは,各教科の内容や活動の中に埋め込まれているからです.ここでは「情報を読み解く目を育てる」ことを主にして,教える側が意識すること,学習のデザインについての小学校5年生の算数科と社会科の合科での実践例を示します.この題材の目標は「」既習内容を活用してグラフや表を考察し,問題解決能力や情報処理能力を高めることです.ここで大切にしていることは,グラフの読み取り方などを視覚的にわかりやすく段階的に教えること,子どもとの対話を重視した授業の組み立てを図るための教える側のポイントをです.子どもたちがわかって楽しい授業をめざしたいと授業設計をしています.
著者
白井 詩沙香
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.427, 2019-04-15

近年,STEM教育や数理・データサイエンス教育の重要性が増し,その土台となる数学基礎力の養成が求められているなか,リメディアル教育や事前事後学習において,eラーニングの活用が期待されている.本稿では,近年注目を集めている数式自動採点システムを利用した数学eラーニングの概要と国内外の動向について紹介する.
著者
稲葉 利江子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.428-431, 2019-04-15

本稿は,大学ICT推進協議会(AXIES)が2017年度に実施した日本の高等教育機関等におけるICT活用教育の推進に関する悉皆調査の結果を基に,大学においてICT環境の導入状況を紹介したものである.特に,LMSとeポートフォリオの導入状況について概要を述べたあと,前回調査から2年間でどのような変化が見られたのかについて説明を行った.具体的には,前回調査と比較し,「入学手続きシステム」と「機関が提供している公式SNS」の導入率が増加している傾向にあることが明らかとなった.これは,入試方式の変化や大学広報のSNS利用などの社会的な変化に伴い増加していることが推察される.その他の悉皆調査の詳細結果については,AXIESのWebサイトを参照いただきたい.
著者
井上 仁
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.432-435, 2019-04-15

SNSはスマートフォンの普及に伴い,幅広い年齢層でコミュニケーションの手段の1つとして利用されている.本稿では,まず高校生のスマートフォンとSNSの利用状況を概観する.また,大学におけるSNSの利用状況に関する調査結果を報告する.次に,日常生活におけるコミュニケーションツールと学習システムとの乖離について述べ,それを解決するための一手段として筆者らが開発し提供しているSNSを利用した医学英語と学習環境を説明する.最後にSNSを利用した学習環境の将来構想を述べる.