- 著者
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立石 慎治
丸山 和昭
猪股 歳之
- 出版者
- 日本高等教育学会
- 雑誌
- 高等教育研究 (ISSN:24342343)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, pp.263-282, 2013-05-30 (Released:2019-05-13)
- 参考文献数
- 28
本稿の目的は,日本の大学教員のキャリア形成と能力開発上の課題について,東北地域23機関の専任教員を対象とした質問紙調査の分析から明らかにすることである.具体的には,教員キャリアと能力観,及び諸経験との関連を概観した上で,総合的能力の自己評価を規定する要因を解明すべく,ロジスティック回帰分析を行った.その結果,総合的能力の自己評価における第一の基盤となるのは研究能力であること,また教育能力が研究能力に次ぐ影響を有していることが明らかとなった.次に,教科書の執筆,学内FDへの参加,学内研究経費の獲得が,総合的能力の自己評価に正の影響を及ぼす経験として抽出された.最後に,これらの諸要因の影響を統制した上でも,総合的能力の自己評価には,専任教員経験年数がプラスに,また任期付き雇用がマイナスに作用することが明らかとなった.