著者
杉山 昌秀 青木 悠 篠原 佳祐 宮田 智陽 関口 展貴
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.512, 2018 (Released:2018-12-18)
参考文献数
4

潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの治療は,早期に高トラフ値に保つことの重要性が示唆されている。我々は添付文書より多い初期投与量で開始し,連日TDMによる用量調節を行なった2症例について検討を行なった。2症例とも10~15ng/mLの高トラフ域を維持されることで症状の改善が認められた。高トラフ域に入ったのが開始後9日目であり,添付文書の投与法と同程度の日数を要した。
著者
竹増 まゆみ 梶谷 真也 徳本 和哉 要田 芳代 川上 恵子 只佐 宣子 堀川 俊二 福原 和秀
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.904-908, 2013 (Released:2013-07-23)
参考文献数
6
被引用文献数
1

急性薬物中毒患者が搬入された際には,薬剤師が中毒原因物質に関する情報を迅速に収集し,個々の症例にあった適切な情報と治療方法を医師,看護師に提案する必要がある。 今回,ジフェンヒドラミン(以下,DPH)含有軟膏を大量に誤飲した99歳女性の救命治療に対して,胃洗浄を含めた治療方法と,患者の血中DPH濃度を経時的に測定することを提案した。その結果,血中DPH濃度の低下とともに臨床症状の改善が認められ,DPH含有軟膏誤飲例に対して胃洗浄を施行したこと,および血中濃度測定の臨床における有用性が示唆された。
著者
高松 道生 柳沢 素子 町田 輝子 松島 松翠 飯島 秀人 中沢 あけみ 池田 せつ子 宮入 健三 矢島 伸樹 佐々木 敏
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.595-602, 1999-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

こんにゃくのコレステロール低下作用について検討し, その健康食品としての意義を明らかにする研究を行った。こんにゃくの成分であるグルコマンナンをチップ化して煎餅状に加工 (以下, マンナン煎餅) し, 総コレステロール200mg/dl以上の当院職員と正常範囲内の当院附属看護専門学校寄宿学生を対象に, 脂質代謝への影響を調査した。毎食後に煎餅を摂取し, 試験期間前後に脂質を中心とする血液検査を行ってマンナン煎餅の脂質代謝への影響を評価した。その結果, マンナン煎餅を摂取する事によって総コレステロール値の低下が認められ, 試験前総コレステロール値の高い群ほどその低下の度合いが大きかった。HDLコレステロールや中性脂肪への影響は認められなかった事から, マンナン煎餅はLDLコレステロールを特異的に低下させる作用を有するものと考えられた。血算や生化学などの検査値には変化を認めず, 腹満や下痢などの消化器症状が一部に観察されたものの, 重症なものではなかった。一方, 試験前後の体重に差はないものの試験期間中の総摂取エネルギーや脂質摂取は減少しており, マンナン煎餅を摂取することが食習慣に影響を与えた事が示唆される。以上から, こんにゃく (グルコマンナン) は直接・間接の作用でコレステロール, 特にLDLコレステロールを低下させ, マンナン煎餅が健康食品として意義を有するものと考えられた。
著者
尾崎 米厚 福島 哲仁 阿部 顕治 中川 昭生 岡本 傳男 山根 洋右
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.937-941, 1987

島根県農村部における輸入赤痢アメーバ症の2例について報告した。2例とも中華人民共和国のツアー中に, 北京にてスイカを食べており, これが感染経路と考えられた。<BR>症例1は, 帰路上海にて発症し, 患者は, 悪心・嘔吐・下痢・意識消失を来し, 上海病院に緊急入院し, 脱水症状に対する治療を受けた。帰国後, 糞便検査にて<I>Entamoeba histolytica</I>の栄養型が認められ, 赤痢アメーバ症と診断された。メトロニダゾールにて治療を行なったが, 高令で激症アメーバ性大腸炎を呈した本例においては, 効果があまりなく, チニダゾールの方が効果を示した。<BR>症例2では, 自覚症状が認められなかったが, 糞便検査にて, <I>Entamoeba histolytica</I>の嚢子型が認められ, キャリアと診断され治療を受けた。<BR>近年は, 都市部のみならず農村部においても海外渡航者が増えており, 旅行者における輸入赤痢アメーバ症の多発, およびその集団発生に, 今後注意を払う必要があるものと考える。
著者
小谷 和彦
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.86-89, 1994-07-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5
被引用文献数
1

浣腸・排便に伴う心血管系の偶発症症例をまとめた。(1) 小児例も少数ながらみられ, また浣腸に関係しない排便例では比較的若年者に発生しており, 高齢者はもとより広い年齢層に留意が必要と思われた。(2) 心血管系や自律神経系を中心とする基礎疾患を有した者に発生する傾向があった。(3) 従って年齢と基礎疾患とは別個の要因と考えられた。(4) 時間の判明した例では排便直後~10分後に発生していた。これらを基に, 血圧の変動の様子, 自律神経系に関係する発生機序, 対処法などについて文献的考察を行なった。
著者
小林 静香 黒澤 友美
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.61-69, 2014 (Released:2014-07-24)
参考文献数
2

2011年3月11日の東日本大震災時, A病院の手術室は4件の手術中で, 一時中断はしたがその後予定通り終了することができた。今回, 地震を体験した手術室看護師が実際どのような行動をしたのか, またその時の心情の実態を明らかにし, 今後の災害時の行動指針作成の参考にする。 〔方法〕手術室看護師に対し, 地震発生時・発生後の行動や心情, 手術室防災マニュアルの理解度と行動, 今後の対策について質問紙法で調査した。 〔結果・考察〕地震発生時は, 多くの看護師が不安や恐怖を感じていたが, その状況下でも患者の安全確保, 不安の軽減を図る行動を優先して行っていた。一方, 術野の清潔保持に対する注意などマニュアル記載事項の実施が不充分な事も明らかになった。災害時は速やかに, 患者の安全確保・不安を軽減させる対応が重要である。今後, フローチャートの掲示, 定期的な訓練の実施など災害対策を検討する必要がある。
著者
小泉 武夫
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.835-839, 2013 (Released:2013-07-23)
被引用文献数
1
著者
吉留 厚子 吉岡 香織
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.29-34, 2010

〔目的〕昭和20年代の加計呂麻島 (かけろまじま) での妊娠・自宅出産体験について明らかにし,現在の出産環境について再考する。<br>〔方法〕中林ミエ子氏に戦時中・戦後の加計呂麻での暮らし,妊娠・出産・子育て,「とりあげ婆さん」としての体験について聞き取り調査をした。<br>〔結果〕中林氏は調査日当日88歳であり,21歳で結婚し,7人出産した。妊娠中は,出産間際まで田植え・畑仕事・薪拾いなどの農作業を毎日した。出産に向けて準備するものなどは義母に話を聞き,本を見て勉強していた。当時,産科医や産婆はいないので,出産の介助は出産経験のある「とりあげ婆さん」であった。一度出産を経験した女性は伝統的な「とりあげ婆さん」として,出産介助を行なっていたので,同氏も「自分も出産に立ち会う」と自覚し,8人の赤子を取り上げた。<br>〔考察〕結びつきの強い地域でのお産は,世代間での知識・技術の伝承や共有なども行なわれ,母親は「次の世代に伝えなければいけない」という使命感や責任感をもっていたと考えられる。妊娠から育児までの経験は,その後の女性が主体性をもって物事に向き合う生き方に繋がっていたのではないかと思われる。
著者
小長谷 好江 村井 京子 笠井 倫世 岸山 眞理 高羽 ゆかり 豊永 真穂 吉井 理恵子 諸星 浩美 玉内 登志雄
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.114-120, 2016
被引用文献数
1

当院看護職の離職率は全国平均と比べ高い。看護師確保・離職率の低下を目指し,2012年度日本看護協会主催WLB(ワークライフバランス)推進の取り組みに参加した。当院ではスタディを加えWLSB(ワークライフスタディバランス)として取り組んだ2年間の活動を評価した。WLSB推進委員は①業務改善チーム,②PNS(パートナーシップ看護体制)チーム,③労務管理チームで活動に取り組み,各チームの進捗管理,インデックス調査・満足度調査を実施して不満層の変化を調査した。またリーダー格スタッフを対象に,「WLSB研修コース」を企画運営した。 2か月周期のPDCAサイクルをまわした結果,業務改善目標を達成でき,「ノー残業デイ」の実施率は0%から70~80%へ大幅に改善した。またバースデイ休暇・長期休暇の計画的取得,半日有給の導入で有給休暇取得率も向上した。「WLSB研修コース」の研修生からは,研修を通してやりがいや変革に取り組む面白さを実感できたとの意見もあった。PNSも導入できた。これらの成果は成功体験としてスタッフに認知され,変革に積極的に取り組む風土ができた事を示唆している。WLSB推進活動は,不満要因の減少と満足度の向上により,看護職にとって働きやすい職場環境の構築につながり,ひいては看護職定着の促進に寄与する可能性があると思われる。
著者
中崎 美峰子 西野 治身 大浦 栄次
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.142-145, 2000-07-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

有機リン系農薬の代謝物として, 尿中のジメチルリン酸とジメチルチオリン酸の濃度を, 農薬散布作業を行わない人について分析した。その結果, 尿中代謝物は農繁期, 農閑期を問わずほぼ一年中検出され, 散発的な濃度の上昇が観察されたことから, 農薬散布にかかわらない者でも年間を通して有機リン系化合物の暴露を受ける機会があり, それらが体内にとどまっている可能性も考えられた。
著者
デッカー 清美 丸山 昭子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.718-724, 2015-11-30 (Released:2016-01-06)
参考文献数
25
被引用文献数
1 2

近年, 日本では父親の育児参加が叫ばれるようになり, 父親自身も役割行動を担おうとする動きがみられる。しかし, 多くの父親はその役割に戸惑い, 育児に関われないストレスを感じているといわれている。その背景には, 父親としての認識が大きく関与していると考えられる。そこで本研究では, 父親認識に関する国内外の文献を検索し, その動向や内容から父親認識を育む上で大切な要因について検討した。「父親 (father)」を固定とし,「認識 (recognition)」,「意識 (consciousness)」,「親役割 (paternity)」,「育児行動 (childcare)」,「育児満足度 (childcare satisfaction)」をキーワードとして, 国内では医学中央雑誌, 諸外国ではSCOPUS, CHINALを用いて, 2001年以降の文献を検索した。最終的に, 和文献 (専門書3冊含む) 27件, 英語文献34件を対象文献とし, 内容ごとに分類した。その結果, 対象文献の内容は, 1) 父親像, 2) 父親の育児参加, 3) 夫の関わりにおける夫婦の認識, 4) 父親の役割, 5) 父親意識の形成の五つのカテゴリーに分類され, サブカテゴリーとして20項目が抽出された。父親認識を育むには, 夫婦間の親密度を高め, 子育てへの教育支援, 子育てしやすい社会・職場環境を整えていくことが大切であることが示唆された。
著者
前原 和平
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.853-858, 2014
被引用文献数
1

東日本大震災ならびに福島第一原子力発電所事故から2年8か月が経とうとする現在,30km圏内をはじめとする避難区域はもとより,その周辺の地域コミュニテイの復旧・復興の見通しは杳として立っていない。昨年の学会では,東日本大震災とそれに引き続く東京電力福島第一原子力発電所事故によりその日現場で何が起きたのか,そして福島県下病院の被災状況について報告をさせていただいた。大震災より2年8か月が経過した本学会開催時には福島県の復興の確かな足取りをお話しするつもりであった。しかし,住民の帰還どころか,仮の町計画すら具体化せず,最大16万6,000人に上った避難住民は8月現在,未だおよそ15万人(県内に約9万6,000人,県外へ約5万4,000人)が避難生活を送っている。第一原発から20km以内の旧警戒区域にある双葉郡4町(浪江,双葉,大熊,富岡)は5年間帰還しないことを決めた。避難生活が6年以上に渡る人は5万4,000人に上ると推定されている。また,旧緊急時避難準備区域は解除されて1年5か月が経過したが帰還したのは避難した住民の1~2割に止まり復旧は進んでいない。 震災二周年の3月11日に報道されたNHK特集では避難区域から8万5,000人,区域外から7万人の避難生活者のなかで,転居を4~5回以上した人が76.7%,もといた家族と暮らせていない人が59.6%に上ると報道された。避難住民は,生活基盤を根こそぎ奪われ,地域コミュニティから隔絶された中で,経済的にも精神的にも困難な状況に置かれている。さらに,この状況が次第に見えづらくなってきつつあることが憂慮される。福島第一原発事故も本年8月に入って汚染地下水の海への流出や貯蔵タンクからの汚染水漏れが明らかとなり収束にはほど遠い状況にある。病院を含む双葉郡地域社会の復興・再生はようやくとば口に立ったに過ぎない。 地域コミュニテイの復旧なしには病院の復旧・復興も進まない。旧警戒区域の7病院は未だ休止中であり再開の目処は立っていない。また,診療を再開した旧緊急時避難準備区域の6病院は病院スタッフの減少により厳しい医業経営を強いられている。放射線低線量被爆への不安から避難している住民のなかには,子供のいる若い世代の医療スタッフも多く含まれ,県下病院において医療スタッフの不足が深刻化している。これからの福島県医療の復興・再生には遠い道のりが待ち構えている。
著者
桂 敏樹 古俣 理子 小倉 真衣 石川 信仁 星野 明子 志澤 美保 臼井 香苗
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.457, 2018 (Released:2018-12-18)
参考文献数
32

本研究は,要介護状態でない地域在住高齢者を対象に,閉じこもり及び非閉じこもり高齢者におけるソーシャルキャピタル(SC)とフレイルとの関連を検証することを目的とした。 閉じこもり高齢者47名と,性別と年齢でマッチングした非閉じこもり高齢者47名を対象に,2016年7月~10月の期間で訪問調査測定を実施した。調査項目は身体的フレイル,精神的フレイル,社会的フレイル,ソーシャルキャピタルである。閉じこもり群におけるフレイルとソーシャルキャピタルの関連はχ2検定により分析した。 地域閉じこもり高齢者ではSCは精神的フレイルと有意な関連が認められた。一方地域非閉じこもり高齢者においてSCは全てのフレイルと有意な関連が認められた。 地域在住高齢者においてSCは包括的なフレイルと精神的フレイル出現の予防と関連している。一方地域閉じこもり高齢者では地域における抽出方法と精神的フレイル予防の介入方法開発が必要である。
著者
白井 悦子 森内 尋子 佐伯 久子 坪野 由美 金森 朱美
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.29-34, 2002-05-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5

喫煙者に節煙または禁煙をサポートするために, 喫煙者と禁煙者の実態を知る目的で, 日帰りドックを受診し, 喫煙している人及び禁煙した男女500人に「NHKきょうの健康」5日間の禁煙法を参考にして独自のアンケート調査を行った。その結果を喫煙群 (284人) と禁煙群 (216人) に分類した。対象者の平均年齢は男性58.4歳, 女性49.8歳, 全体では57.8歳だった。喫煙群の喫煙指数 (肺がんの危険度) 400以上は208人 (73.2%) であった。また禁煙希望者は120人 (42.2%) であった。禁煙群で禁煙による自覚的効果があった人は165人 (76.4%) であった。たばこの有害物質は主流煙よりも副流煙に2~3倍も多く含まれていると言われており, 私達はこれらのことを喫煙者自身に知識として知らせる責務があると考えた。2001年4月から私達は, アンケート結果と喫煙の健康影響 (喫煙者自身, 受動喫煙) をパネルに展示した。そして日帰りドック待ち時間中にミニ講演として, 喫煙の健康影響についての知識を普及している。
著者
黒田 正宏 外村 紀知也 黒田 迪子 寺田 清
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.84-89, 1971-07-01 (Released:2011-02-17)
参考文献数
11

A 51 years old farmer was in unconscious state when he was brought into our hospital. Four days before admission he handled “Nissol” and low toxic organophshor “Smithion” about 9 hours at his farm of apples.Three days before he noted nausea, vomiting, headache, dizzines, sweatiness and light fever. In the midnight convulsion of limbs occured. Two days before symptoms became progressively worse.Examinations on admission revealed depression of blood pressure (100-70), incipient rise of body temperature, low blood sugar level (45 mg/dl), concussion of eye-ball and Babinski's sign.Then as an intoxication of Nissol we treated the patient with glucose solution (5 or 50%), acetamide, antibiotics, phenobalbital, cardiac stimulants and atropin. Fourteen hours after admission he recovered consciousness.Low blood sugar level and depression of blood pressure continued while about 7 days.He was out of hospital on the 20 th day.
著者
尾臺 珠美 市川 麻以子 宮坂 尚幸 高木 香織 西田 慈子 塗師 由紀子 中村 玲子 服部 早苗 遠藤 誠一 坂本 雅恵 島袋 剛二
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.215-221, 2016-07-31 (Released:2016-09-24)
参考文献数
9

2009年から2014年の6年間に当院で妊娠22週以降に分娩した6,236件のうち,死産であった35症例(0.56%)を対象とし,周産期背景と子宮内胎児死亡(IUFD ; intra uterine fetal death)の原因について後方視的に検討した。35例の年齢中央値は34歳で,高年妊娠は17例(48.6%),初産婦18例,経産婦17例,高年初産は7例(20%),不妊治療後は5例(14.3%)であった。IUFD診断時の妊娠週数の中央値は30週で,飛び込み受診のため週数不明例が4例あった。6,236件のうち高年分娩は1,790例で,35歳未満のIUFDの割合0.40%に比し,0.95%と有意に高かった(p<0.05)。また,全飛び込み分娩例は109例あり,IUFDの割合は3.7%と有意に高かった(p<0.05)。受診契機はIUFDのため他院からの紹介6例,母体搬送3例,救急搬送5例,自己来院15例,入院中6例であった。IUFDの原因は臍帯因子10例,胎盤因子9例,胎児因子4例,外傷1例,原因不明11例であった。飛び込み受診例・高年妊娠でのIUFDの割合は高く,妊婦健診受診への啓発活動とより慎重な妊娠管理が求められる。約30%は原因不明であり,死因究明に対して積極的な姿勢が望ましい。