著者
濃辺 正平
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.861-869, 1987-12-15 (Released:2011-11-04)

ギリシャにおけるワイン釀造は, ブドウとワインの神“ディオニソス (バッカス)”に守られて, 有史以前から現代にかけて営々と続いている。しかしながら, その現状については今までほとんど日本に紹介されていないだけに, 本稿はきわめて貴重な資料といえよう。
著者
藤井 宏志
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.881-888, 1987-12-15 (Released:2011-11-04)

山口県は日本海・瀬戸内海のふたつの海に接し, 地形上平野・盆地が分散していることから, 都市や産業もまた分散構造であるという。その山口県における酒造リの歴史を, 地理的要因・時代の背景を基に詳細に解説していただいた。遠く藩政時代から今日に至るまでの酒造場数・造石高の推移あるいは山口杜氏の起源と変遷が詳述されておりまことに興味深い。
著者
河野 秀克
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.352-353, 1979-06-15 (Released:2011-11-04)

コップ酒はガラの悪いものと定評があった。「日本酒用にもっと品の良いグラスを造っては?」。「そんなことをすればそれでワインやウイスキーを飲まれてしまう」。カンカンガクガクの議論の末にやっと産まれた『清酒グラス』。手にすればおのずとお酒が呑みたくなるという方もあり, おおむね好評のグラス。その難産物語。

2 0 0 0 OA アイヌの酒 (1)

著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.285-291, 1968-03-15 (Released:2011-11-04)

本号より5回にわたリアイヌの酒の貴重な資料を著者にお願いしました。著者は北海道大学卒, 前札幌国税局鑑定官室長として北海道の実情にくわしいことはよく知られていますが, 本稿の資料の集成には多大の御苦心があったことと思います。
著者
荒木 計雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.182-185, 1987-03-15 (Released:2011-11-04)

500年前に讃岐の国の一村に麹の組合があったという。本稿ではこの室本麹座を中心として当時の社会, 政治, 経済の動きを解説して頂いた。筆者が御当地の出身で習俗参考館を設立開館されるなど, 民俗研究家, 郷土史家として活躍されているだけに, 古文書等による裏付けも豊かで, 往時を彷彿させる古い資料が消失してゆく現代においての貴重な資料であり, 讃岐という思いがけない地方からの興味あるレポートである。
著者
橋本 直樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.508-511, 1982-08-15 (Released:2011-11-04)

昨年, 筆者らは「ビール5000年の旅」の映画製作を機に, 古代エジプトのビールづくりを再現した。本稿ではその際の資料の収集, 体験をもとに, 古代と現代のビールづくりの手法を比較, 対比しながら, 5,000年にわたるビールづくり発展の歴史を平易, かつ興味深く解説していただいた。
著者
岡 智
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.631-635, 1977-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12
被引用文献数
1

エチルα-D-グルコシド (α-EG) は清酒にのみ特異的に多量に含まれている成分で, その清酒中における存在が明らかにされたのはつい数年前のことである。α-EGが清酒の香味構成の上で果す役割と, その生成機構を知ることは, 麹に替えて酵素剤が多く用いられる傾向にある時, 意義あることといえよう。
著者
吉田 重厚
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.505-510, 1976-07-15 (Released:2011-11-29)
参考文献数
33

ビールの醸造成分について, 業界の専門各氏が, それぞれ分担して本誌に連載, 解説することになった。個々の成分に関する各論に立ち入る前に, ビールの一般的な成分や, その特微を, 総論的に明らかにしておくことが, 以後連載予定の各章をより良く理解して頂くために, 役立つのではないかと考えたのが, 本章執筆の意図である。
著者
檜作 進
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.1005-1010, 1972-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
59
被引用文献数
1 1

酒造の重要な課題は, 米のでん粉をいかに巧みに処理するかということであろう。しかし, 酒造の工程がでん粉の状態変化の面から明らかにされ, 管理されているだろうか。酒造を例にあげたが, でん粉を主原料とする他の工業においても大同小異である。この原因は, 老化の評価の方法にあるように思われる。ここに老化の評価に用いられる種々の方法を紹介していただいたので, 問題点などを考えてみたい。
著者
永谷 正治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.424-428, 1982-07-15 (Released:2011-11-04)

プロセス設計というのは製造工程を開発する仕事のことである。プロセスにもいろいろあって, 石油コンビナートを構成する巨大かつ複合したプロセスもある一方, 洗濯物を乾かすというシンプルなものも含まれる・本稿は, 醸造を構成するプロセスの中から適当な題材を選び, それを叩き台にして “多種多様な考え方” を次々と演出して見せる, という趣向と見受けられる。専門書の定義によるとプロセスとは “物理操作の集合” である。したがって著者は醸造を応用物理の一種だと考えるのであろう。そこでは何がどう語られるのか, 他人の目を通して自分を見るのに似たいろんな発見がありそうである。