著者
清水 正樹
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-5, 2021 (Released:2021-04-15)
参考文献数
9

浮腫とは細胞外液が血管外の間質に生理的な代償能を超えて過剰に貯留した状態である.その原因は多岐にわたり,①毛細血管内の静水圧上昇に起因するもの,②毛細血管内の膠質浸透圧低下に起因するもの,③血管透過性の亢進に起因するもの,④リンパ系およびリンパ系が流入する静脈系の還流障害に起因するものが挙げられる.浮腫の診察に際しては,浮腫の性状と分布を知ることが重要であり,圧痕があるか,ないか,圧痕の回復時間の遅い slow edema か,早い fast edema か,全身性浮腫なのか,局所性浮腫なのかをしっかり評価する必要がある.浮腫の病態は個々の症例ごとに,また病期により変化する.したがって浮腫に対しては,診察,検査所見の評価に基づいた適切な対応が求められる.
著者
奈良 隆寛 浜野 晋一郎 野崎 秀次 田中 佳子 清水 正樹 野田 洋子 厚川 清美 有田 二郎 堀田 秀樹 前川 喜平
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.261-267, 2000-05-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2

例の急性脳炎 (60例)・脳症 (10例) のてんかんの発症について検討した.23例がてんかんに移行した.23例中18例は脳炎発症から平均7カ月間の期間をおいて (潜伏期あり) てんかんを発症した.また, 23例中5例は急性期からそのままてんかんに移行 (潜伏期なし) した症例がみられた.潜伏期を経ててんかんを発症した症例の中では, 髄液のneuron-specific enolase (NSE) 活性が高い症例はてんかんが難治で, てんかんを惹起する病理に神経組織の崩壊が関与することが示唆された.一方, 潜伏期なしでてんかんに移行した症例は急性期の発作の回数が多く, てんかんは難治性であったが, 髄液のNSE活性は正常であった.この一群は, 潜伏期を経ててんかんを発症する症例とは別の機序で, てんかん原性焦点の活動が増強されたものと考えられた.
著者
清水 正義
出版者
白鴎大学
雑誌
白鴎法學 (ISSN:13488473)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.133-155, 2003-05

5 0 0 0 OA 荘園志料

著者
清水正健 編
出版者
帝都出版社
巻号頁・発行日
vol.下卷, 1933
著者
田口 文広 陸 青 清水 正樹
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
日本化学療法学会雑誌 (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.583-585, 2003-09-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1

マウスコロナウイルス (マウス肝炎ウイルス, MHV) A-59株に対するポビドンヨード (PVP-1) を主成分とする各製剤のin vitro殺ウイルス効果を検討した。PVP-I消毒液, PVP-I含嗽夜, PVP-1手指消毒液, 速乾性PVP-I手指消毒液およびPVP-I喉用液 (0.1~5%PVP-1) の5秒間処理により, ウイルス感染値が1/104以下に減少した。このことは, PVP-1各製剤はマウスコロナウイルスに対して強い殺ウイルス効果をもつことを示している.

4 0 0 0 OA 荘園志料

著者
清水正健 編
出版者
帝都出版社
巻号頁・発行日
vol.上卷, 1933
著者
松原 聰 宮脇 律郎 横山 一己 清水 正明 今井 裕之
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.124, 2003 (Released:2004-07-26)

東京都奥多摩町にあった白丸鉱山跡は,マンガン鉱物を含む露頭の一部が残存している.この露頭からは,過去にもいろいろな種類の鉱物,特にバリウムやストロンチウムを主成分とするケイ酸塩,炭酸塩鉱物が産出した.また,ガノフィル石のカルシウム置換体,多摩石(Matsubara et al., 2000)は前回の放流の際(1998年)に発見された.露頭は,黒色のブラウン鉱が縞状ないしパッチ状に入った全体的には赤褐色の壁で,周囲は砂岩である.通常このようなマンガン鉱体は石英に富む母岩(チャート)に伴われるが,現在見られる部分には,石英は存在しない.ケイ質放散虫もすべて曹長石化している.今回は,ブラウン鉱がパッチ状に入った部分を重点的に調査した.このような部分にも白色~淡黄褐色脈が無数に貫いている.白色脈は主に,ハイアロフェン,曹長石,方解石からできている.その他には,重晶石もふつうに見られる.やや少ないが,重土長石の場合もあり,稀にはストロンチアン石やキュムリ石の微細結晶集合も含まれる.淡黄褐色脈は,マースチュー石,多摩石,ネオトス石などからできている.やや濃い赤色の細脈や小さなパッチ状の部分はストロンチウム紅簾石である.ブラウン鉱は,ひじょうに細かい結晶の集合体で,結晶粒間には,ハイアロフェン,曹長石,マースチュー石,多摩石,ネオトス石などの極めて微細な鉱物が埋めている.薄片で観察すると,ブラウン鉱密集部の小さな空間を,屈折率が高く,多色性の明瞭な濃赤褐色の粒が満たしていることがわかる.これは,似たような色のストロンチウム紅簾石や赤鉄鉱とは明らかに異なる.薄片から一部を切り出し,ガンドルフィーカメラによってX線粉末回折値をとったところ,既知のガマガラ石(gamagarite)によく類似したパターンであることがわかった.そこで,EDSおよびWDSで化学分析をおこない,その結果からガマガラ石のFeをMnで置換したものに相当することが明らかになった.ガマガラ石は,南アフリカのGamagara Ridgeから1943年に記載されたひじょうに稀な鉱物で,理想化学組成式はBa2 (Fe3+,Mn3+)(VO4)2 (OH),単斜晶系の鉱物である.1987年にイタリアのMolinello mineから二番目の産地が発見されている.いずれもマンガン鉱床から発見されているのだが,MnよりFeの方が卓越している.白丸鉱山産のものは,実験式が(Ba1.92Na0.02Sr0.01Ca0.01)Σ1.96(Mn3+0.81Fe3+0.17Al0.01)Σ0.99[(V1.99Si0.01)O7.92](OH) 1.00(6ヶ所の平均値,水分は計算,V + Si = 2)で,明らかにMnが卓越している.格子定数は,a = 9.10(4) Å, b = 6.13(2) Å, c = 7.89(5) Å, β = 112.2(5)℃である.なお,今のところ見つかっている結晶粒は最大でも15μmであるので,単結晶解析は行っていない.このような組成のものは未知である.
著者
加藤 泰史 小松 香織 前川 健一 松田 純 宇佐美 公生 石川 健治 竹下 悦子 上原 麻有子 清水 正之 齋藤 純一 松井 佳子 後藤 玲子 小倉 紀蔵 村上 祐子 中村 元哉 小島 毅 品川 哲彦 水野 邦彦 林 香里
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2018-06-11

平成30年度の研究計画にもとづき、8月に一橋大学で分担者および協力者(国内)と研究打ち合わせを行い、平成30年度の計画を確認すると同時に、分担者の村上祐子氏が研究発表を行った。また、分担者および協力者の何人かに、『思想』2019年3月号および4月号の特集で研究成果の一部を発表してもらうように再度依頼して確認した。なお、代表者の加藤は8月にWCP北京大会に参加してプレゼンテーションを行った。10月に代表者が渡独してシェーンリッヒ教授(ドレスデン工科大学)らと論文集の編集およびそれに関連した国際ワークショップ企画に関して打ち合わせを行うとともに、11月に一橋大学で網谷壮介氏(立教大学)らを招聘して概念史的研究の一環である「第7回スピノザ・コネクション」を開催した。12月に東京大学で、非欧米圏担当の分担者および協力者と研究打ち合わせを行うと同時に、金光来研究員(東京大学)の講演会を行った。平成31年1月に代表者が、10月に一橋大学で開催予定の国際ワークショップの企画および論文集編集の件で再度渡独し、クヴァンテ教授(ミュンスター大学)・ポルマン教授(ベルリン・AS大学)らと研究打ち合わせを行うと同時に、シェーンリッヒ教授の主催する研究会に参加した。3月に京都大学で、科研費のワークショップを開催し、代表者の加藤と分担者の小島・小倉両氏が研究発表を行い、またニーゼン教授(ハンブルク大学)・マリクス准教授(オスロ大学)・バーデン教授(イリノイ大学)・デルジオルジ教授(エセックス大学)を招聘して一橋大学で国際ワークショップと、さらに手代木陽教授(神戸高専)らを招聘して「第8回スピノザ・コネクション」を開催すると同時に、『ドイツ応用倫理学研究』第8号を刊行するとともに、科研費のHPも完成させた(http://www.soc.hit-u.ac.jp/~kato_yasushi/)。
著者
清水 正義
出版者
東京女学館短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

ニュルンベルク国際軍事裁判の管轄とされた「人道に対する罪」概念の形成過程を研究文献を通じて明らかにすること、「人道に対する罪」が包含する罪の内容を判決その他の資料を通じて具体的に検証すること、ニュルンベルク裁判と東京裁判における「人道に対する罪」の適用の相違の意義について明らかにすること、以上三点を今年度研究の重点目標とした。その結論は以下の通りである。1.「人道に対する罪」はすでに第一次世界大戦後のヴェルサイユ講和会議の際に用語として用いられているが、「民間人に対する非人道的迫害行為」という意味でこの罪が成立したのは、第二次世界大戦中の連合国間の合意、とくに中東欧の諸小国間の合意に発するものであり、その際、この罪概念が射程とした犯罪行為はナチス・ドイツによる連合国国民及びドイツ国民に対する迫害行為であった。2.「人道に対する罪」は、本来、戦時国際法規違反の範疇を越える人類普遍の原理に対する侵害として成立したものであったが、国際軍事法延の管轄の限界から、戦争犯罪に類似した罪と概念されてきた。しかし、この罪の本来の概念は戦争犯罪にとどまるものではなく、従って戦後、国際社会の合意により、ジェノサイド条約などの形で普遍的法規範のひとつに高められたのであり、また西ドイツにおいて「人道に対する罪」が刑法殺人罪の一種として認定され、断罪される余地が残されたのである。3.以上のような状況と比較して、東京裁判においては「人道に対する罪」に該当する犯罪行為が存在したと見做されていたかどうかきわめて不分明であり、結果的にこの罪の適用は回避されている。このことが、戦後、戦争犯罪について日本で法的断罪が行われなかった根拠であると考えることができる。
著者
清水 正嗣 水城 春美 福山 義邦 松本 有史 河村 哲夫 柳沢 繁孝
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.1380-1384, 1991-07-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
10

A case with fresh gunshot wound penetrating from the left lateral neck to the mouth angle, which was caused by pistol shooting during a conflict between gangs, was reported and discussed by us.The patient, a 41-year-old male, was shot probably with a 38-caliber revolver from behind. Its entrance was on the left rear of the neck, and the exit hole at the left mouth angle. The route through the body: the bullet passed inside of the mandible, where it caused a crashing fracture of the body in the molar region while breaking the lower prosthesis. But, he was very lucky that the important blood vessels and nerve bundles were not injured, although the route was very close to them. He was transported to our Dept. that same day and operated on under general anesthesia for removing foreign bodies, uniting and fixing the jaw fracture, and also for reconstructing the mouth angle, while we sanitized the wound and sutured the soft tissues at each place. At last, a tracheotomy was performed, to prevent suffocation from postoperative swelling. The progress after the operation was good, and he was discharged three weeks later. After 3 years he is now healthy and in prison.
著者
清水 正明
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.2, pp.257-274, 2022-04-25 (Released:2022-05-13)
参考文献数
68
被引用文献数
2 2

Both the history of resource development and the progress of studies of mining and ore deposits in Japan are summarized. Researchers and engineers promoting in studies on ore deposits and resource geology are also reviewed, focusing on Professors Takeo Kato, Takeo Watanabe, Tatsuo Tatsumi, and J. Toshimichi Iiyama as well as other staffs of the Third Professorship, Department of Geology, Faculty of Science, University of Tokyo. Mineralogy, geology and geochemistry are essential for an understanding of resource geology. It is revealed that mineralogy plays an important role in studies on ore deposits and resource geology. Future directions of studies on ore deposits and resource geology are proposed.

2 0 0 0 OA 富山県の鉱物

著者
清水 正明
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨 平成30年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
巻号頁・発行日
pp.4-5, 2018 (Released:2018-06-24)

富山県に産出する代表的な鉱物及びその産地について,産状別にまとめ,報告する。合わせて,「越中七金山」について,紹介する。I. 産状別にまとめた富山県の代表的鉱物産地(1) スカルン鉱床(1-1) Pb-Zn-Cu 型1. 富山市池ノ山 神岡鉱山清五郎谷坑,播磨谷,銅平谷アダム鉱,異極鉱,灰鉄輝石,灰礬ざくろ石,孔雀石,珪灰鉄鉱,青鉛鉱,チタン石,デクルワゾー石,透輝石,バーネス鉱,白鉛鉱,ブロシャン鉱,硫カドミウム鉱,緑鉛鉱,緑閃石,緑簾石など2. 富山市亀谷(かめがい) 亀谷鉱山 アダム鉱,霰石,異極鉱,灰鉄輝石,水亜鉛鉱,水亜鉛銅鉱,透輝石, 菱亜鉛鉱,ロードン石など3. 富山市長棟(ながと) 長棟鉱山 黄鉄鉱,黄銅鉱,絹雲母,閃亜鉛鉱,白鉛鉱,方鉛鉱など(1-2) Fe 型4. 富山市水晶岳 黒岳鉱山 磁鉄鉱,灰鉄ざくろ石,水晶,鉄バスタム石など5. 上新川郡加賀沢村 加賀沢鉱山 磁鉄鉱,磁硫鉄鉱,珪灰石,ざくろ石など(2) 鉱脈鉱床(2-1) Au-Ag-Cu 型6. 魚津市松倉(虎谷) 松倉鉱山 黄銅鉱,輝銅鉱,エレクトラム,石英,閃亜鉛鉱,方鉛鉱,7. 魚津市鉢金山(かなやま) 鉢鉱山 輝銅鉱,石英,閃亜鉛鉱,方鉛鉱,エレクトラム8. 魚津市河原波(かわらなみ) 河原波金山 輝銅鉱,石英,閃亜鉛鉱,方鉛鉱,エレクトラム9. 中新川郡上市町下田(げた) 下田鉱山(白萩鉱山) 黄鉄鉱,黄銅鉱,エレクトラム,石英,閃亜鉛鉱,方鉛鉱10. 富山市庵谷 庵谷鉱山,片掛鉱山, 吉野鉱山 黄鉄鉱,含銀四面鉄鉱,輝銀鉱,閃亜鉛鉱,磁硫鉄鉱(2-2) Mo 型11. 黒部市宇奈月町池の平山東斜面 小黒部鉱山 輝水鉛鉱,水鉛華,石英,ポウエル石12. 富山市岩苔小谷 大東鉱山 輝水鉛鉱,鉄水鉛華(2-3) その他13. 南砺市福光刀利下小屋(とうりしもごや) 刀利鉱山 黄鉄鉱,輝銀鉱,石英,方鉛鉱,硫砒鉄鉱14. 黒部市宇奈月町餓鬼谷 大黒鉱山 銅鉱(3) その他15. 富山市小原(おはら) 千野谷鉱山 石墨,絹雲母,ぶどう石,方解石,緑泥石16. 富山市蟹寺 蟹寺鉱山 石墨17. 中新川郡立山町室堂 地獄谷鍛冶屋地獄(かじやじごく) 硫黄18. 下新川郡朝日町宮崎—境 ひすい海岸 ひすい輝石,オンファス輝石,コランダム,透閃石19. 黒部市宇奈月町明日(あけび)谷,深谷(ふかたん), イシワ谷など 十字石20. 南砺市利賀村高沼(たかぬま) コランダム, 珪線石,石墨21. 南砺市祖山(そやま) 祖山珪石 褐簾石,サマルスキー石,ジルコン,石英,正長石,微斜長石,ポリクレース,ユークセン石22. 中新川郡立山町 新湯温泉 魚卵状珪石,貴蛋白石(珪華、蛋白石)23. 南砺市福光 玉随,碧玉,めのう24. 中新川郡上市町白萩村 鉄隕石(白萩 1 号:明治 23.4. 発見,白萩 2 号)II. 「越中七金山(ななつかねやま)」越中は,かつてエル・ドラード(黄金郷)であった。富山藩分藩の際,加賀藩が手放さなかった(富山藩領地内に加賀藩の飛び地があった。)。一時期佐渡金山より産金量が多かったという記録があり, 17 世紀後半まで加賀藩の財政の要を担ったドル箱的存在であった。ゴールドラッシュに沸き返ったこれら「加袮山」は,戦国時代から江戸時代初期を中心に,「越中七加袮山」と呼ばれ,松倉,河原波,下田,虎谷,吉野,亀谷,長棟の 7 つの鉱山のことであった。