著者
松本 華歩 村上 真菜 栗原 一貴
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2017-EC-43, no.8, pp.1-8, 2017-03-03

お酒の割り方やコーヒーの甘さなどの味の好みは,人それぞれこだわりがある.しかし,自分の好みぴったりで割合を調節したり,気分や体調によって味を変えたりして飲むことは難しい.そこで本研究では,二つの液体の混合比を任意に調整して飲める水筒である ChanJar を提案する.ChanJar とは,change と jar を組み合わせた造語である.ここで,change は「変える」,jar は「瓶」という意味で用いている.ユーザ評価の結果,システムの有効性や改善点の必要性について確認した.また味覚と感情の関係性についての調査を行い,ChanJar を遠隔地から操作することで,操作者による,使用者への味覚による感情伝達の可能性を示すことができた.さらに,既存のウェアラブルシステムやセンサーを組み合わせることによる,健康管理システムやエンタテインメントシステムとしての可能性を論ずる.
著者
高田 憲一 北須賀 輝明 有次 正義
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.9, pp.1-7, 2012-07-07

本研究では,マーカーレスモーションキャプチャ装置として Kinect for Xbox360 を用いて,歩容によって家庭内で個人識別する方法を検討する.カメラに映る歩行の向きが変わると見え方が変わるが,モーションキャプチャ装置から 3 次元の骨格データが取得できるため,それを辞書データと同じ向きの歩容に変換することで,個人識別できると考え調査した.識別には機械学習 (サポートベクタマシン) を使用し,10 分割交差検定で評価する.ひとつの向きの歩容で識別したときには 10 人のデータで 82.4% の精度で識別できた.カメラの光軸に対して 45 度の歩容を 90 度の歩容に見えるように変換し識別したが,精度は低かった.そのため,様々な角度の組合せで同時に歩容を撮影したところ,90 度の歩容では骨格のずれが大きいことがわかった.In this work, we examine to recognize household members by gait using Kinect for Xbox360 as a markerless motion capture device. We thought and examined that could recognize members with gait of a various direction by converting to look like the gait of the same direction as the dictionary data, because we could acquire of skleton data as three dimensional data. We show 10 people identification accuracy of 82.4% with a support vector machine classifier in gaits of one direction. It was converted to look like the walking gait of 45 degrees to 90 degrees from the optical axis of camera, individual identification accuracy was low. Therefore, we compared the two gaits that were captured at the same time. And it was revealed that the gap of skeleton data was big by the gait of 90 degrees.
著者
堀 幸雄 西本 佳代 葛城 浩一 山本 珠美 今井 慈郎
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.16, pp.1-4, 2010-08-16
参考文献数
9

本研究は近年、注目を集めているご当地検定といわれる地域独自の文化や歴史などの知識を測る試験を大学紹介に応用した香川大学検定について述べる.香川大学検定は,学生が主体的に学習を進めるとともに,問題作成に関わることで学生同士が協調して検定問題を作成し,大学の文化や歴史を楽しみながら知ることのできるものである.本稿では香川大学検定の特徴を説明し,その効果について報告する.In recent years, a local quiz much attention as one of guide book in Japan. In this paper, we report a quiz system for kagawa university guide. We have conducted this system which can create quizzes collaboratively by students. We also describe the characteristic of this system and the effectiveness of this system as university guide.
著者
中川裕太 河野恭之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.8, pp.1-6, 2013-05-10

通常の自撮り写真ではカメラのレンズと撮影者自身との距離が最長でも腕の長さに制限されるため背景を広く写しこむことが難しい.自撮り写真の背景を広く映し込むことは写真の情報量を多くするだけではなく,1 枚の写真で撮影者自身の様子と周囲の状況を見栄え良く伝えられるため,SNS への投稿など体験の記録や共有に効果的である本研究では自撮り動画像から人物領域を抽出し,背景のみを繋ぎ合わせた背景パノラマ画像と人物のみの画像を生成して重ね合わせることで従来では撮影しづらかった背景が広く写った自撮り写真を生成する手法を提案する.自撮り動画像はカメラを持った腕を前方に伸ばして撮影者が写り込むようにし,カメラは撮影者自身に向けたまま身体が中心軸になるように腰を回転させて撮影するものとする.この撮影方法で得られた動画像中の背景領域は横軸方向へ変動するのに対し人物領域はほぼ変動しない.この変動の差異を動画像中の特徴点移動量と分割ブロックごとの輝度の時間軸変動から検出して人物領域を推定し,残りの背景領域を背景の移動量に合わせて重ね合わせた背景パノラマ画像に貼り合わせることで自撮りパノラマ写真を生成する.
著者
柏原 剛 市川 衛 豊原 正智 松井 桂三
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.1-6, 2010-08-16

現在、ウェブでは CGM (コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア) [1] が登場したことにより、ユーザーからコンテンツの発信が盛んに行われるようになった。しかし、電子掲示板などで見られる、複数のユーザーから集められたデータが集まり、ひとつのコンテンツが生成されていくのは文字を手段としたものがほとんどである。そこで、本研究では文字以外の複数のデータが集まって一つのコンテンツが生成される CGM を構築した。Up to now web surfers who make use of CGM (Consumer Generated Media) have been actively generating media content. However, as is often seen in BBS, the content gradually amassed from data posted by multiple users is almost always conveyed in the form of script (or written characters). Therefore this study attempts to construct a CGM that does not depend on conventional script for multiple users to post data and generate content.
著者
秋山 弘貴 宮下 芳明
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.22, pp.1-6, 2010-03-05
被引用文献数
1

本稿では,「光速に近い速度で動くオブジェクト」 における CG 表現について検討し,CG の代表的なレンダリング技法であるレイトレーシングのアルゴリズムを拡張し,光線追跡時に描画対象となる仮想世界の時間を逆向きに進行させることによって光の速度を鑑みた CG 描画ができるシステムを実装した.そして,このシステムで光速を実世界より遅く設定すると,オブジェクトの動きを誇張する映像効果 「Light Brake Effect」 が発現することを確認した.この特殊な世界では,高速に移動するオブジェクトに対して伸縮や遅延が起こり,その影にも影響が及ぼされるため,動きを誇張するエフェクトとして効果的であると考えられる.In this paper we discuss CG expression of objects moving close to the speed of light. We expanded a ray trace program with the light speed in mind, and developed a rendering system that turns back the clock during tracing calculation. When we slow down the parameter of the light speed in the system, we observed special effects in the rendered images; we called it Light Brake Effect. There fast moving objects and their shadows stretch and get delayed apparently, so we consider the effect as overdramatizing expression.
著者
阿辺川武 間下亜紀子
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.19, pp.1-6, 2013-03-08

我々の開発している電子書籍閲覧システムは,本文中に出現する専門用語や固有名詞に対する百科事典の項目や,ページ内容と関連する各種リソースの項目をページの脚注部に表示する機能を有する.本稿では,システムの持つ機能を Wikipedia をリソースの例にして,書籍の本文テキストからキーワードの抽出,キーワードに複数の意味があるときにおこなう語義曖昧性解消についてそれぞれ説明する.次に,書籍の本文と関連する動画を検索し提示する機能について説明し,最後に正しく本文に関連した動画が検索できているかの評価実験をおこなった結果を報告する.
著者
篠田 美香子 酒田 信親 西田 正吾
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.20, pp.1-2, 2014-05-30

ユーザ周囲の映像を体験記録として自動で記録するウェアラブルカメラが注目されている.しかし,これらの自動撮影は,一度設定した角度や姿勢で撮り続けることが多いために,ユーザの注目位置や意図の強弱が反映された体験記録として保存することが困難であった.そこで本研究では,ボデイウォーンカメラと手持ちカメラの連携による撮影支援を提案する.具体的には,ポディウォーンとそれに取り付けられたセンサ情報から,ユーザにとって重要な場面であるかを推定し,手持ちカメラでの撮影を促すようなシステムを提案する.本システムの目的は,新たに撮影行為の機会を創造することであり,撮影支援から他の様々な行動推薦へと適用することを研究の最終目標とする.Body worn camera which automatically records the scenes of daily lives around the user has been widely spread. However the user's viewpoint or intention are hardly reflected in the photos because we cannot change the angle or the posture when installed. We propose the collaboration system of body worn camera and hand held camera for enhancing experience. We suppose to estimate the situations from body worn camera's pictures and other sensor information. It suggests to take photos by hand held camera. We will motivate the user to take photos and aim to apply this system to action recommendation.
著者
水口充 岡本芙之
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-31, no.61, pp.1-6, 2014-03-06

電子書籍は,紙媒体のように紙面が固定的でなく,動的に表示を変化させられるという利点がある.我々はこの利点を活かしたスクロール表示によるビューアを実装している.読者はページによって文章を分断されることなく読み進めることができ,また,自動スクロールによりページめくり操作も不要となる.本稿では,このビューアについて,可読性を向上させるための分かち書きやズーム表示および前後のコンテキスト表示を中心に報告する.
著者
山岡 潤一 筧 康明
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-32, no.5, pp.1-6, 2014-05-30

dePENd2.0 は振動アクチュエータによる牽引力を用いたスケッチ支援のためのペン型デバイスである.リニア方向に振動するアクチュエータの加速度を非対称にすることで,任意の方向に仮想的な牽引力を発生させることができる.本研究では振動アクチュエータを 4 台配置したペングリップ型デバイスを用いることで,ペンを任意の方向に牽引したり回転させる.場所の制限なく使用できるので,予めコンピュータに入力した絵を,壁などの広い場所や手に持った物に描画することができる.また筆やクレヨン,スタイラスなど様々な筆記用具に装着できるので,それぞれの書き方や表現方法に応じた触覚的なガイドを提示できる.本稿ではシステム設計,評価実験,アプリケーションと今後の展望について述べる.
著者
安田 光孝 前田 真人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.12, pp.1-6, 2014-05-30

北海道情報大学では 2014 年度より,新 1・2 年生の全学生を対象に 900 台の iPad を貸与した.これにより中・大教室での座学講義でも全受講生が iPad を利用できるようになる.この状況を受けて,2011 年に開発したクローズド型の教室内リアルタイムコミュニケーションツール 「Kaiwa」 をこの 3 年間のデータをもとに再度分析した.評価の結果,講義で Kaiwa を利用することは,講義の面白さや講義への参加意識向上に有効であることがわかった.今後,iPad と Kaiwa の活用によって,中・大教室においても学生同士の知識や意見の共有がリアルタイムに行われ,教員・学生間での縦横のコミュニケーションが活性化する可能性がある.In 2014, Hokkaido Information University (HIU) starts lending 900 iPad to all the student of freshmen and sophomores. This will enable all of them to use iPad especially in the large class room lectures. For this situation, we re-evaluated "Kaiwa", a closed micro-blog system developed by ourselves in 2011. The evaluation based on questionnaires and morphological analysis of "Kaiwa" indicated reasonable effectiveness for activating in-class communication. By utilizing iPad and "Kaiwa", the communication between teacher and students would be activated in the large class room.
著者
真野洋平 高田敏弘 齋藤洋典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.70, pp.1-6, 2014-03-06

本論文は、複数のユーザによって楽曲に付与された時間区間アノテーション (コメントや評価) の集約によって得られる楽曲のダイジェストを用いた、楽曲推薦システムを提案する。本システムは、ユーザが楽曲内の気に入ったフレーズを検索クエリとして選択すると、そのクエリと各楽曲のダイジェストとの類似度を計算し、クエリによく似たダイジェストを持つ楽曲を推薦する。本手法は、時間区間アノテーションに基づいたダイジェストに着目することで、部分的フレーズに対する楽曲推薦を可能にする。このダイジェストは、計算機による構造抽出とは異なり人の音楽に対する感性を反映しているため、よりユーザの嗜好に適した推薦を行うことができると考えられる。楽曲推薦実験を通じて、提案手法が正解率とセレンディピティ (思いがけず価値のあるものを発見する能力) に関して優れた推薦能力を持つことを示す。
著者
大西 克彦 田中 悠策 足立 尚寛 山路 敦司
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-32, no.10, pp.1-2, 2014-05-30

民族楽器を展示している博物館では,来場者に展示物の背景知識をさらに知ってもらうために展示楽器に触れ実際に音を鳴らすことができる展示をしている.しかし,それらの楽器が奏でるリズムを来場者が再現して実際のリズム演奏を体験することは難しい.そこで本研究では,これらの民族楽器が奏でる音楽の多様性を来場者に容易に体験させることを目的として,マーカとタブレット端末を用いたリズム演奏システムについて検討している.具体的には,様々な楽器のリズムに対応したマーカをタブレット端末上で表示させることで,容易に民族楽器を組み合わせたリズム演奏できるシステムについて検討する.本稿では,システムの試作と実際にワークショップを行った結果について報告する.
著者
馬場 哲晃 笠松 慶子 土井 幸輝 串山 久美子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.11, pp.1-6, 2010-08-16

著者らはこれまでペルチェ素子を用いた温冷呈示インタラクションに関する研究を継続しており,本稿ではその知見をビデオゲームインタラクションに応用する.これまでビデオゲームにおける皮膚感覚呈示では振動モータを利用したものが主であり,温冷呈示のインタラクション手法に関する検討が少ない.そこで本研究では実際にペルチェ素子を配したゲームコントローラとシステムを自作し,ペルチェ素子の各出力条件 (100,80,60%) におけるユーザの反応時間を測定・検証した.結果としてユーザの反応時間と温度変化速度は冷却試行においては関連があることや,ゲームシステムに利用するための反応時間に関する知見を得ることができた.上記を応用し,実際にビデオゲームシステムを制作し,ユーザからの意見やその様子をまとめた.We have been continuing a study about thermal sensation interaction with peltier modules. In this paper we shall apply the techniques of interaction to a video game. It is major to use a vibration motor for tactile sensation in video game interactions. But there are few studies for applying thermal sensation to a video game. Then we experimented with response time of users under the condition 100,80,60 % output of our prototype controller device. As a result, we found there is a relation of response time and temperature change speed, and a concrete numerical parameter of a peltier element for a video game interaction. Based on above result of the experiment, we made video games that offer thermal sensation to users, and describe user's reactions.
著者
北村 喜文
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.11, pp.1-1, 2012-07-07

現在,アジア太平洋地区でHuman-Computer Interaction (HCI)分野の新しい学会を作ろうという動きがあります. この地域の格差やさまざまなユニークな特徴を理解した上で,相互理解と協力を通して,教育や研究レベルの活性化と底上げ,さらにこの地域らしい新産業創出の流れを作り出すことによって,一般の人の生活の質(Quality of Life)を向上させたいというのがその基本的な理念です.2011年3月以来,各国の代表者と5回の会合を重ね,少しずつ構想を具体化してきました.また,より多くの方々のご意見を聞くために,2012年5月に米国Austinで開催されたACM SIGCHI の中でTown hall Meeting も行いました.その内容を踏まえ,これまでの経緯や現状,そして今後の予定等について報告し,情報共有させていただくとともに,よりよい学会とするための意見を皆さんと交換をしたいと思います.
著者
藤田一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-1, 2013-05-10

私たちの脳の重さはおよそ 1.3kg.体重のほんの 2-5%に過ぎない.この小さな臓器が,精神を含めた私たち人間の活動のすべてをコントロールしている.遊びも喜びも科学探求も経済判断も.「見る」 こともその一つである.世界を見ているのは目と脳の共同作業であり,私たちが見る世界は,脳が作り出したものである.本講演では,様々な不思議な画像や動画を見て 「脳が見ている」 ことを実感しながら,その背景で起きている情報処理過程について考える.脳は無地ではない.まるで現代アートのような美しい模様が脳の中にある.その模様と情報処理の関係についても述べよう.
著者
浜崎淳 繁内宏治 坂本寛和
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2013-EC-28, no.13, pp.1-3, 2013-05-10

本校では 5 年の教育課程のうちの 4 年次前期において,「ものづくり実習」 という実習時間がある.この実習では担当教員に複数の学生が配属され,設定課題 (または自由課題) にしたがってものづくりをおこなう.本研究室では倒立振子ロボットを作製する課題を設定し,学生が主体的に 2 輪型および慣性ロータ型のロボットを作製した.2 輪型および慣性ロータ型の 2 台のロボットはともに平面上での倒立は 10 分以上可能であった.本報告では実践的にものづくりのできる専門教育課程,ロボットの制御方法および作製したロボットついて述べる.
著者
磯山直也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.1-6, 2012-07-07

近年,インターネットの普及等により情報過多が問題視されており,適した情報をすぐに取得することや重要な情報を見落とさないことが困難になっている.一方,ウェアラブルコンピューティングシステムへの注目とともに,ユーザの行動や状況を認識し,状況に合わせて適切に情報を提示する手法が数多く提案されている.このようにユーザはいつでもどこでも情報を閲覧することが可能となってきているが,提示情報以外の情報取得を補助することや,実世界上の偶然的な出来事に気付くことのできるようなシステムはこれまでに存在していなかった.本研究では,先行する事柄が後の事柄に影響を与えるというプライミング効果を利用し,ユーザの関心事に関連する視覚情報を常時閲覧させることにより,無意識的に特定の情報に気付きを与えるシステムを提案する.本稿ではまず,聴覚情報を取得することに対する視覚情報の補助的効果について予備調査を行なった.予備調査の結果から視覚情報を与えることによって,聴覚情報取得において影響があるユーザがいることを確認した.また,ユーザが関心事に関する視覚情報が得られるよう,画像や動画を提示するシステムを実装した.
著者
卯田 駿介 馬場 哲晃 串山 久美子
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2013-EC-27, no.26, pp.1-4, 2013-03-08

近年光学画像認識技術の発展により,実物体と画像認識を組み合わせた “AR” によるアプリケーションが多く報告されている.AR に利用されるマーカには,オブジェク卜の形,色の他,光学マーカと呼ばれる特殊な 2 次元マーカなどが利用されるが,これらは実物体の物理特徴や印刷パターンであるため,ユーザによって作りだすことはできない.そこで著者らは,ユーザによって手軽に AR マーカを作ることができれば,より多くのユーザにとって AR システムにおけるユーザビリティの向上につながると考えた.具体的な手法としては,光学文字認識を利用して,手書き文字を AR マーカのように扱うことを検討している.本稿ではそれらの実験段階として,実物体に印刷された文字を利用したシーケンス型電子楽器 「Alphabet Sequencer」 を制作した.本稿では,「Alphabet Sequencer」 のシステムとその体験結果を報告する.
著者
長谷川晶一
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012-EC-26, no.6, pp.1-4, 2012-12-08

本稿では、遊びの場の表現について、表現のリアリティや美しさと、表現内容の人生における意味の重要性を指摘し、これらが人が遊びの場への入りやすさと留まりやすさに影響するという視点を提示し、この視点から既存の遊びや研究を説明する。提示する視点が遊びの場の設計に役立つことを期待しているが、検証はしていない。