著者
橋本 祐輔 橋田 光代 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.26, pp.43-50, 2009-02-28
参考文献数
13
被引用文献数
1

ビデオゲームのジャンルの1つとして音楽ゲームがある。1996年以降「リズムアクションゲーム」が音楽ゲームの代表的存在であったが,ここ1,2年の間で,作曲機能を持ったものや演奏時のアドリブを許容するものの発売が相次いでいる。その中で,簡単な操作で,テンポや音量の制御によって演奏表現を楽しむことを目指した拍打型演奏インタフェースが注目を集めている。拍打型演奏インタフェースにおいて制御の対象となる音楽信号は,MIDIベースのものと音響信号に大別される。音響信号を用いるものには,好きな任意の音源を用いて演奏表現を楽しむことができるというメリットがある一方で,テヌート時の音質の確保とアラインメントの実施という特有の課題がある。本稿では,音楽ゲームのサーベイランスを実施した上で,テヌート時の音質の確保とスケジューラに工夫を施した指揮演奏システムAiiMについて述べる。Music is one of the most significant targets of video games, and a genre called ``Rhythm action" has been a mainstream for this last decade. But in this couple of years, music games that enable users to compose or play music have been successfully released, and beat-oriented music performance interfaces have been drawing consumers' attention. Present beat-oriented music performance interfaces are divided into controllers of MIDI and acoustic signal. The latter has an advantage as it allows a user to play tunes that s/he often listens to. In this paper, we discuss ``entertainability'' of music video games and introduce our music conducting system for acoustic signal, called AiiM, to which we implemented an improvement regarding sound quality at the user's tenuto directions and a scheduler for ensuring naturalness to the user's tempo controls.
著者
エバンズベンジャミンルカ 棟方 渚 小野 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-4, 2014-05-30

作曲者は何か意図をもって作曲する.その前提のもと,我々はリスナーが楽曲に対して抱く印象と,楽曲の作曲者が持つ意図とを比較し,それらの印象について調査してきた.リスナーは一般に作曲者の意図と似た印象を抱くものの,音楽の知識や経験などのリスナーの特性に応じて,異なる思考を持って楽曲を聴いていると考えられる.そこで本稿では,リスナーの音楽経験が楽曲印象に与える影響に着目し,リスナー特性ごとに,その楽曲印象を作曲者意図と比較した.作曲者とリスナーそれぞれが楽曲を聴いている際の生体信号(皮膚温,皮膚電気抵抗)計測データや,アンケート調査の結果を比べ,考察を行った.Composers composer with specific intentions in mind. Based on this assumption, we have conducted research, comparing the impressions listeners feel towards music they listen to and the intentions composers have behind those songs. We have seen, in general, listeners have similar impressions to the intentions of composers. However, we believe listeners listen to music in different ways based on their characteristics (e.g. musical experience,) which would result in a difference of impression within listener groups. In this paper, we have focused on the difference of listener impressions caused by difference in musical experience, and have compared those impressions with composer intentions. We discuss different findings we have made from the physiological data (skin conductance response, skin conductance level and fingertip temperature) and survey data obtained from our experiment.
著者
森本 傑 橋田 朋子
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2016-EC-39, no.14, pp.1-5, 2016-03-09

カメラで自らを撮影する自撮りにおいて,写真を魅力的に見せるための 「盛る」 撮影・加工技術が急速に広まっている.主な盛り方としては,色味操作や美肌加工などが挙げられる.また SNS などに見られる大量の自撮りやコメントからは,盛り方の好みや盛った自撮りへの評価に性差がある可能性が示唆される.本研究は,魅力的な自撮り写真を自動生成する仕組みの開発を目指し,特に本研究では色味を操作した自撮りの魅力評価が,被写体と閲覧者の性別によって影響されるかどうかを明らかにした.実験の結果,二つの傾向が示唆された.被写体の性別によって自撮り写真を青味と赤味のどちらに加工するかが,次に,閲覧者の性別によって同じ色味でも好まれる変化量が異なることが明らかになった.また,その知見をもとにレンズフィルターを用いた自撮りシステムのプロトタイプを作成した.
著者
下田 亮介 横山 真男
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2013-EC-27, no.13, pp.1-5, 2013-03-08

チェロという楽器には、普段見かける一般的なアコースティックチェロと骨組みだけで音が静かなサイレントチェロがある。この 2 種類のチェロは、構造や音の大きさなど様々な違いがある。本研究では、この異なる 2 種類のチェロの音に着目し、それぞれの音の周波数を比較することで検証した。それぞれのチェロの各弦と音階を弾き、得られた周波数スペクトルを比較しその特徴について述べる。
著者
牧 成一 竹川 佳成 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.26, pp.53-58, 2009-02-28
被引用文献数
2

近年,ダンスと映像効果を組み合わせた新たなパフォーマンスが注目を集めている。しかし,既存の映像効果生成ツールは,キーボードなどのPC 操作用入力インタフェースによって操作しており,パフォーマンス中にパフォーマ自身で操作することが困難である。また,他者が操作する場合,パフォーマの意図を忠実に反映したり,思いつきでパフォーマンスを変更することが困難となる。そこで本研究では,パフォーマの動作によって映像効果を制御するシステムを提案する。提案システムは,パフォーマがLEDを取り付けた服を身にまとい,カメラによってLED を検出することで身体の動作を認識する。また,スクリプト記述を採用することでユーザが映像効果と身体動作とのマッピングを容易に記述でき,ユーザの自由な発想を反映できるようにする。提案システムを2008 年神戸ルミナリエのイベントにて実際に試用し,その有効性を確認した。In recent years, a new performance that combines dance with visual effects attracts a lot of attention. However, it is difficult to operate the existing visual effect generation tools during performance because they were operated by PC interfaces such as a keyboard. On the other hand, if another person operates it, it is difficult to reflect the intention of performer correctly. Therefore, in this study, we propose a visual effects controlling system by performer's movement. In the system, a performer wear a cloth equipped with multiple LEDs, and the system recognizes physical movement by detecting LEDs using a camera, and changes visual effects according to predescribed scripts. We have actually used our prototype system on an event stage of Kobe Luminarie in 2008.
著者
松井 雪治 水野 慎士
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-34, no.10, pp.1-6, 2014-12-12

筆者らは麻雀初心者のための自動得点計算アプリケーション “得点なにそれ” の開発を行ってきた.このアプリケーションは麻雀のあがり時の手牌を撮影することで,自動で手牌を認識して得点計算を行うことができる.しかし,スマートフォンへの実装を考えた場合に特に鳴きを含む手牌の認識精度と処理速度が実用化には不十分であった.また,特定の麻雀を使用する必要があり,アプリケーションの配布に際して問題となった.そこで,手牌の認識に用いる画像の生成やテンプレートマッチングに関する改良を行った.また,テンプレート生成機能を実装した.以上の改良により,開発してきた麻雀自動得点計算アプリケーションの配布が可能となる.
著者
中津留 義樹 平松 良介 星野 准一
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.11, pp.1-6, 2011-05-06

本稿では,エンタテインメントで用いられるコントローラを軟体物質で構成された柔軟性を持つものにすることで,より多くの感覚を使え,より多くのモーションを許容する体感型コントローラを実現できると考える.従来研究として曲げセンサを使用した軟体コントローラにより,その有用性が確認されている.しかし,従来の曲げセンサによる方式では耐久性に問題があった.そこで,本稿では曲げセンサに替わる大気圧センサを使用したボール型軟体コントローラを提案する.展示を通して提案した新方式の耐久性と操作性の検証を行う.In this paper, we propose a ball-shape controller for entertainment with soft material which user can use more senses and more motions. The utility is being confirmed as a conventional research by the soft body controller using the flex sensor. However, there was a problem in durability in the method with a flex sensor. Then,in this text,it proposes the ball type soft body controller using the air pressure sensor that replaces a flex sensor. the operativeness and the durability of the new method is verified through the exhibition.
著者
神野 将一 風井 浩志 片寄 晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.23, pp.1-6, 2010-05-07

本研究では、複数人数プレイのテレビゲームにおいて,ゲーム上での相手プレイヤの態度の違いが対人認知 (親密度評定) ・ゲームの主観的評定 ("楽しさ") ・大脳皮質前頭前野の活動 (NIRS による計測) に与える影響を検討した.ゲームタイトルとしてマリオブラザーズ (任天堂) を用いた.被験者には協力的な相手と妨害的な相手それぞれと対戦してもらった後,特性形容詞尺度を用いて相手プレイヤーを評価してもらった.実験の結果,協力プレイの方が妨害プレイよりも 「親密度が高くなる」 という傾向が認められた.協力条件・妨害条件において 「ゲーム楽しさ」 の間に違いは無かった.前頭前野の活動には条件による差は認められなかった.In this study, we investigated if multiplayer games promote interaction among the players. Participants, who played Mario Bros. (Nintendo) with a partner (one of the experimenter), assessed the partner's personality and rated the pleasantness of the game. Brain activity of the frontal area during the game was recorded by near infrared spectroscopy (NIRS). As a result, the partner was assessed more intimate if that partner played in a cooperative manner, than those played in an uncooperative manner. The pleasantness of the game did not depend on the partner's manner. The brain activity also did not depend on the partner's manner.
著者
山田太雅 棟方渚 小野哲雄
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-32, no.6, pp.1-6, 2014-05-30

近年,gimp に代表されるようなペイントソフトウェアの開発が盛んに行われている.その一方で,作画技術の向上や,ユーザのモチベーション維持を目的とした支援システムについては,あまり研究が進められていない.そこで,ユーザの模写技術向上を目的とした支援システムに着目した.支援システムを作成するにあたり,必要となる特徴量の抽出方法を 2 つ提案する.2 つの抽出法についてそれぞれ精度実験を行い,アルゴリズムの利点や欠点を見つけることができた.
著者
中村 彰宏 大林 千尋 柴田 智広
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-6, 2011-05-06

我々は,自動掃除機 TMRoomba とのダンスを通じて部屋を掃除する社交ダンスシステムを提案する.本システムは,実時間で深度情報を得られるマイクロソフト社の TMKinect とオープンソースライブラリ OpenNI を用いて人間の動作を認識し,それに応じて Roomba の動作を制御する.制御に必要な Roomba の位置・姿勢は ARToolkit のマーカーを用いて計測する.動作として社交ダンスを採用することで,Roomba での掃除にエンターテイメント性を付加する.社交ダンスの振付は,パートナとの位置関係と男性の動作で示されるリードによって決定されるため,ユーザーがリードに関する知識を持つことで,Roomba をパートナーとしたダンスによる掃除が可能となる.本稿では,まずシステム構成及びダンス認識による掃除制御アルゴリズムを述べ,次に予備的な実験結果によりシステムの有効性を示す.This paper proposes a novel and entertaining room cleaning system using TMRoomba. In this system, a Roomba is controlled by its user through a ballroom dance, Rumba. The user's motion is captured by Microsoft's TMKinect, analyzed by OpenNI, and recognized as a dance partner's motion which leads the Roomba's motion, as a lady's motion. The position and the posture of the Roomba is measured by ARToolkit using a marker attached on the Roomba. This paper first presents the system overview, and then describes the algorithms for dance recognition and Roomba control. We demonstrate the feasibility of the proposed system with a preliminary result, and finally perspectives on this study are mentioned
著者
河合彬弘 酒向慎司 北村正
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2013-EC-27, no.14, pp.1-6, 2013-03-08

本研究では,合唱を構成する複数の歌声パートを対象とした多重音高推定を扱う.合唱には歌声パートが調和を保ちながら進行していく特有の性質があり,その性質を利用した手法を提案する.本研究では,調和の要素として歌声パート間の音高の調和と,拍位置における音高変化の有無の同期の 2 つを考える.提案法は,フレームごとのピッチ候補からパート別音高軌跡候補を構成するステップと,候補から考えられる組み合わせの中から歌声パート間の調和を考慮した最良なものを選出するステップに分けられる.実験結果から,比較的推定の困難な部分では,パート間の調和を考慮することで若干の推定精度改善が見られた.
著者
松井 雪治 水野 慎士
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.10, pp.1-6, 2014-12-12

筆者らは麻雀初心者のための自動得点計算アプリケーション "得点なにそれ" の開発を行ってきた.このアプリケーションは麻雀のあがり時の手牌を撮影することで,自動で手牌を認識して得点計算を行うことができる.しかし,スマートフォンへの実装を考えた場合に特に鳴きを含む手牌の認識精度と処理速度が実用化には不十分であった.また,特定の麻雀を使用する必要があり,アプリケーションの配布に際して問題となった.そこで,手牌の認識に用いる画像の生成やテンプレートマッチングに関する改良を行った.また,テンプレート生成機能を実装した.以上の改良により,開発してきた麻雀自動得点計算アプリケーションの配布が可能となる.
著者
岡崎 辰彦 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.21, pp.1-6, 2011-05-06

現在,着ぐるみは様々なイベントで数多く利用されている.しかし,多くの着ぐるみは体の大きさや形が人間と異なっており,着ぐるみ装着者が自分の姿勢を認識することが難しい.また,着ぐるみ装着者の視界は制限されており,周囲の人々の存在を感知しづらく,人々とスムーズにコミュニケーションを行うことが難しい.そのため,着ぐるみ装着者がそのキャラクタらしく振る舞うためには高度な技術や十分な修練が必要となる.そこで本研究では,着ぐるみ装着者がそのキャラクタらしく振る舞うための支援を行う着ぐるみ装着者支援システムを提案する.評価実験の結果から,提案システムを用いることでスムーズなコミュニケーションが行えることを確認した.Recently, stuffed suits are widely used in various events. However, performances with stuffed suits have several difficulties; performers cannot recognize their posture because of the difference in shape and size between stuffed suits and physical human body, and it is difficult to communicate with other people smoothly because of limited visibility. These problems lead the performers to train too hard to acquire high skill of performances. The goal of our study is to construct a system for supporting performers in stuffed suits, which enables performers to act like the character of stuffed suits. From the evaluation results of our prototype system, we confirmed that our method is effective for supporting performers in stuffed suits.
著者
三井健史 伊藤智也 中西勇人 濱川礼
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-6, 2014-05-30

本論文では,SNS の投稿に含まれた感情を記録するライフログシステム 「Emote」 について述べる.近年,様々なライフログシステムが流行している.ライフログのために画像情報,音声情報,位置情報,感情情報などを記録している.画像情報,音声情報,位置情報はデバイス機器の発達により自動化が発達した.だが,感情取得の自動化は中々進んでいない.そこで Twitter,Facebook の投稿文の感情を分析し,分析結果を自動的に記録していくライフログシステム 「Emote」 を開発した.「Emote」 では Twitter,Facebook 各投稿から感情分析を行い,各感情を可視化し手軽に利用できるライフログシステムの提供を目的とする.事前に SNS(Twitter) の投稿データ,約 3 万件を収集し,これらの投稿から自然言語処理とナイーブベイズ分類器を用いて単語ごとの感情を学習させた.「Emote」 では,その学習データを用いて Twitter,Facebook に投稿されている各文章の感情を決定している.それらを用いて,各投稿を自動的に 6 つの感情に当てはめ感情をカレンダーとともに色で表現している.
著者
深谷 昭宏 浦 正広 山田 雅之 遠藤 守 宮崎 慎也 安田 孝美
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.12, pp.1-2, 2011-05-06

位置情報が付加されたつぶやきをマイニングして生成したお出かけ情報と地図から,お出かけマップを生成する手法をこれまでに提案している.本研究では,お出かけ情報の体系化,画像や動画などのテキスト以外の情報の抽出,情報のレイアウトを行うことにより,生成された情報をお出かけガイドとして提供する手法を提案する.We have proposed a generation method of Going Out Map from Going Out Information and Maps generated by mining tweets. In this study, we propose a generation method of Going Out Guide by extracting information other than text like images and movies, systematizing Going Out Information, and designing information layouts.
著者
松﨑 衆
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-31, no.64, pp.1-7, 2014-03-06

近年になり、より目にする機会が増えたプロジェクションマッピングは、制作に必要なツールやハードウェアの進歩に伴い、より大型で複雑な表現が可能になってきた.裏を返せば、それは同じ規模のものや更に小規模なものの制作がより容易になったとも捉えられる。より手軽にプロジェクションマッピングを行うことが可能になることにより、一般的な街頭広告などへの活用もできるようになる.その一例としてウィンドウディスプレイをテーマに、本稿では小規模向け、更には広告としてのプロジェクションマッピングが従来のものと大きく違う点を取り上げ、要求される視聴体験を与えられるシステムを提案する.実験結果により、視聴位置の分布と視聴者の取る動きによって異なる処理が適していることが分かった.分散し、各々が自由な動きを取るほど、分布の重心に最も近く、かつ動きの緩急が少ない視聴者の視点を追従することが最適であることが分かった.
著者
五木 宏 竹内 飛鳥 藤田 篤 松原 仁
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2010-EC-17, no.12, pp.1-6, 2010-08-16

我々は,安全なオンラインゲームを確立するための技術開発の一環として,多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム (MMORPG) における現実世界の貨幣による取引 (RMT) の問題の解決に取り組んでいる.本稿では,RMT 実施者の検出の効率の向上を目的として,MMORPG のプレイログデータおよびチャットログデータに基づく統計的な属性情報について述べる.我々は実際の商用 MMORPG のログデータおよび,ゲーム運営者によって発見済みの RMT 実施者のリストに基づいて,実際の RMT 実施者の行動の特徴を同定した.そして,ユーザ集合から,RMT 被疑者を抽出するクローズドテストによって,各特徴の有効性を確認した.今回の調査により,RMT 実施者の役割ごとに,行動やチャットの量に大きな違いがあることが明らかになった.
著者
橋田 朋子 筧 康明 苗村 健
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.5, pp.1-6, 2011-05-06

筆者らは,太陽光に含まれる紫外光・可視光の両方とフォトクロミック材料を活用して,発色により空間を演出する仕組み "ソラ・カラ" の開発に取り組んできた.ソラ・カラでは日照部分が発色し,日影部分が透明に梢色する.この仕組みによって,太陽の動きに応じて光の透過・遮断パターンを変化させ,床面を動的に彩ることができる.また,人やものがその場に入って紫外光を遮ることで,そのシルエットを床面に描きだし,その場に一定時間残すことが可能となる.このような,発光ではなく発色によって空間を演出する仕組みは,電源を必要とせず,太陽のあるさまざまな場面に導入できる.本稿はコンセプトの提案,光学設計,ミニチュアサイズで実装した結果を詳細に報告する.SolaColor is a scheme for creating a place whose color is varied in response to sunlight. By means of SolarColor, areas in sunlight are colored, while shaded areas are colorless. When this scheme is practically applied, in accordance with the movement of the sun, information is written on a floor space periodically in response to previously designed transmittance or blocking patterns of light. When a physical object enters that space, it blocks the light, and the silhouette formed by the blocking object remains as a pattern "painted" on the floor space. This scheme can be introduced in any location under sunlight without the need for an electrical-power supply. This paper describes the concept of the SolarColor scheme and presents some results obtained with the scheme implemented in miniature.
著者
池谷 駿弥 佐藤 正章 井村 誠孝
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2020-EC-56, no.6, pp.1-8, 2020-05-25

AR (Augmented Reality,拡張現実感) においてバーチャル物体を写実的に表現するには,光学的整合性の問題を解決する必要がある.本研究では実物体から光源情報等の推定を行わず,ディープラーニングを用いた生成モデルである GAN (Generative Adversarial Networks,敵対的生成ネットワーク) により,光学的整合性が保たれていない AR 画像を,光学的整合性が保たれた AR 画像に変換する End-to-End な手法を提案する.GAN による画像生成結果から,ドロップシャドウやバーチャル物体への周辺現実物体の映り込みなどの表現が付加され,GAN による実世界と整合した光学的整合性の表現を行うことが可能であると分かった.
著者
田所 拓人 山西 良典
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2023-EC-69, no.8, pp.1-6, 2023-10-19

歌詞にはテーマごとに特徴的な単語やコロケーションが用いられる.作詞支援には,歌詞のテーマ特有の単語やコロケーションの慣習や用例を把握することが重要であると考えた.本稿では,歌詞のテーマごとに用いられる単語やコロケーションを共起語に基づいて構成されたネットワーク図によって可視化する.ネットワークの構造を分析することで異なるテーマで同一単語に共起する単語の差集合を提示する.異なるテーマの歌詞間での同一単語に対するコロケーションを明らかにした.