著者
松本 淳太郎 大知 正直 山下 雄大 榊 剛史 森 純一郎 坂田 一郎
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2017-ICS-187, no.1, pp.1-4, 2017-03-22

本研究では,現在急速に成長しつつある C2C 事業,オンラインフリーマーケットサービスの 「メルカリ」 について,商品情報から消費者の購買行動が予測可能かどうかの検証を行う.Convolutional Neural Network および Random Forest を組み合わせることで,消費者の行動を予測する手法を提案する.また,評価実験より消費者の購買行動には画像情報が影響することを示す事ができた.本研究は急成長しているオンラインフリーマーケット事業の消費者行動について新たな知見を提供するものである.
著者
片岡 瞳 伊東 佑真 小中 祐希 大囿 忠親 新谷 虎松
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-200, no.11, pp.1-8, 2020-09-07

講義やプレゼンテーションなどのパフォーマンスにおいて,仮想エージェントとのインタラクションを含む演出は効果的な場合がある.しかし,そのようなコンテンツを作成するには,事前の準備・打ち合わせや,動画撮影後の編集作業といった手間がかかる.本研究では,この課題に取り組むため,ライブパフォーマンスのための AR パペットを実現する.AR パペットは,パフォーマンスを進行中のパフォーマー自身によって制御される拡張現実空間内の仮想エージェントである.本稿では,ライブパフォーマンスのための AR パペットについて検討し,これを制御するためのシステムについて述べる.
著者
増田 和宏
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2017-ICS-189, no.1, pp.1-8, 2017-07-29

人の記憶や感情などの知識推論を機械推論とは異なる,脳型知識構造で実現した新しい知識推論モデル 「ニューロンナレッジモデル」 を提言し,新知識モデル基盤を利用した感情推論システムについて説明する.ニューロンナレッジモデルはニューラルネットワークには無い高度な記憶の自由度を持ち,新しい知識推論モデルは機械推論の対岸の推論基盤として人工知能研究の礎になると考えられる.
著者
堺 雄之介 竹内 幹太 伊東 栄典
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2021-ICS-203, no.9, pp.1-5, 2021-06-25

近年,SNS での誹謗中傷やいじめ,それを原因とする自殺が問題になっている.動画サービスでも,視聴者が投稿するコメントが荒れ,誹謗合戦になることも発生している.本研究では,機械学習による動画サイトにおけるコメントが誹謗中傷状況にあることの検出を目指す.対象とする動画サイトは YouTube を想定している.コメントが荒れている動画を人力で見つけ,そのコメントデータを正例とする.また荒れていない一般動画のコメントを負例とする.これらのデータを機械学習に適用して炎上状態発見器を作る.機械学習を適用するには,対象のベクトル化と,判別アルゴリズムが重要である.本論文では,コメント収集手法,コメントの炎上判定,ベクトル化,アルゴリズムについて,検討内容を報告する.
著者
福士 雄太 臼井 英之
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2015-ICS-178, no.13, pp.1-7, 2015-02-23

本研究では,マルチエージェントを用いたインフルエンザの伝播シミュレーションプログラムを開発し,OpenMP を用いたスレッド並列,MPI を用いたプロセス並列,および両者を組み合わせたハイブリッド並列を実装することによりシミュレーションの高速化を行った.また,開発したプログラムを用いて,近畿圏を模倣した 800 万人が生活する仮想的な都市を対象にしたインフルエンザ伝播シミュレーションを行い,結果の妥当性の検討を行うとともに,実行時間の短縮化について検討した.
著者
長尾 確
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2010-ICS-161, no.5, pp.1-3, 2010-11-15

Web における高度な情報共有や知能ロボットなど、人工知能研究の成果に対する人々の期待は少なくないにも関わらず、知能の原理がどこまで解明され、どのような問題が未解決なのか、あまり明確にはなっていない。そこで、知能システムは、知能の原理に関する仮説検証の手段である、という考えをより徹底することを提案する。それによって、検証された (あるいは検証されつつある) 仮説集ができる。知能システムの実現の仕方はさまざまでも、それが前提としている原理がシンプルで、それに関する仮説が検証されていることで、知能システムの設計思想やそれが実装する知能の妥当性が説明できるだろう。本稿では、知能システムを構築する上で、今後重要になると思われる、リアル (実世界性)、ソーシャル (社会性)、マテリアル (物質性・道具性) の 3 つの観点について述べ、知能システムの展望について述べる。
著者
谷口 慶一郎 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2015-ICS-179, no.21, pp.1-7, 2015-03-13

不完全情報ゲームにおいては,ナッシュ均衡に基づく戦略を取ることは有効な手段であるが,ゲーム木のサイズが膨大であることから,厳密なナッシュ均衡を求めることは困難である.そこで,ゲーム木の抽象化を用いることで,ゲーム木を縮小し,抽象化されたゲーム木に対して近似ナッシュ均衡を求める研究が行われている.近似ナッシュ均衡の精度は,どの程度元のゲーム木の情報を落とすことなく抽象化するかに大きく依存する.そこで本研究では,不完全情報ゲームとしてポーカーの種目の一つである 2 player Limit Texas Hold'em を題材として,従来の抽象化手法の改良手法を提案する.k-means 法による抽象化を行う際に,ゲーム木の偶然手番を表す特徴量として,Hand Strength Distribution (HSD) と Opponent Cluster Hand Strength(OCHS) が用いられている.しかし,OCHS は,HSD と比較して偶然手番を表す情報量が極端に少ないという問題点がある.そこで,OCHS のクラスタ数を変更することで改良を行い,OCHS のクラスタ数を変更したエージェント間で対戦する実験を行い,OCHS のクラスタ数を変更することで,良い抽象化が行うことができるかを検証した.
著者
大澤 博隆 佐藤 健
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-184, no.6, pp.1-4, 2016-07-29

本研究では,不完全情報ゲームであり,正体隠匿型ゲームに分類されるコミュニケーションゲーム人狼を用い,人狼ゲームの最小系である 3 人人狼を考え,どのような戦略がありうるか検討した.検討のため,各プレイヤーの発言を可能世界の合成として記述するとともに,各プレイヤーのルールを記述するための言語を開発し,総当りで戦略の検討を行った.検討の結果,直感に反し,占い師が積極的に嘘をついた場合でも,村が勝利する場合のあることが判明した.
著者
小川 祐樹 野田 五十樹 山本 仁志 後藤 真太郎 和崎 宏 五味 壮平 鳥海 不二夫
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-5, 2013-03-03

Twitter や SNS といったソーシャルメディアを実現するメディアは,災害時の被災者において非常に有効なツールになると考えられるが,デマ拡散の問題や,現場との情報の共有・調整の困難さなど解決すべき課題は多い.災害時において利用者はどのようなメディアをどのように活用したらよいのだろうか.このためには,各メディアの特性を理解し,その特性に合った情報発信・共有の方法について検討していく必要があるだろう.本研究では,震災時におけるソーシャルメディア違いによる話題の違いを明らかにするために,Twitter と地域 SNS に投稿される記事をクラスタリングすることで話題を抽出し,各メディアでの話題の違いや,その時系列推移を分析する.さらに,記事投稿者の地域をみることで,地域による利用メディアの違いや投稿されるトピックの違いを明らかにする.分析結果より,Twitter と地域 SNS のそれぞれのメディアにおいて,情報共有意図のある投稿について違いがあることがわかった.In this study, in order to clarify differences in topics between social media at the time of earthquake, we conduct a cluster analysis of articles posted on Twitter and local SNS to extract topics and analyze differences in topics between media and their time-series transition. Also, by seeing the regions of the people who posted the articles, we clarify the differences in media used and topics posted among regions. As the result of analysis, as for the differences in topics between media, main topics on Twitter were about worry, anxiety, and false rumors, and main topics on local SNS were about safe confirmation, lifeline, support, and shelters. Also, as for the differences in topics among regions, we found that main topics in afflicted areas were about worry, support, and lifeline and main topics in non-afflicted areas were about anxiety and radioactivity. Also, as the result of time-series analysis of topics, we found differences that soon after the earthquake, various topics were seen promptly on Twitter, and after the earthquake, topics continuously seen on Twitter were about false rumors and fund-raise, and topics continuously seen on local SNS were about support and lifeline.
著者
立浪 紀彦 吉岡 真治
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2018-ICS-192, no.6, pp.1-4, 2018-06-29

多様な配信元によるインターネット上のニュース記事について,それぞれの記事が,取り上げているトピックに対してどのような姿勢 (スタンス) で報道されているのかについて分析するために,統計的有意かつ比較対象とする記事群での支持度 (アイテムの出現頻度 / 全データ数) の比が大きなパターンに注目した Statistical Emerging Pattern Mining を用いた分析手法を提案する.また,予備的な実験をおこない,その考察を行い,提案手法がトピックに特徴的な語を見つけるという性質を持つことを確認したが,ニュースサイトの分析という意味では,まだ不十分であることを確認した.今後は,ニュースサイトの特徴を,より,抽出しやすくするための比較対象とする記事群の設定方法などについて,考察を進めていくことが必要であることが分かった.
著者
川口将吾 金森亮 伊藤孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.1-9, 2013-03-11

本論文ではコミュニティに基づくマルチエージェント電力マネージメントモデルを提案する.提案したモデルではコミュニティを複数の家庭で形成し,コミュニティの単位で大型蓄電池を運用する.また、本論文では,家庭の太陽光発電や蓄電池について,エージェントに基づく電力マネジメントモデルを提案する.本論文で提案した家庭の電力マネジメントモデルの特徴は,日本の現実的な電力消費データ及び気象データ用い,再生可能エネルギーである太陽光発電の不安定さを考慮したマネジメントを行う点である.そして本論文では,マルチエージェントによる電力売買シミュレーションを行い,太陽光発電や蓄電池の導入とエージェントによるマネジメントの影響,コミュニティに基づく電力マネージメントモデルによる影響及びコミュニティの戦略による影響を評価する.評価実験では,提案手法であるコミュニティに基づくマルチエージェント電力マネージメントモデルの導入によるピークカット,停電時のバックアップ対策及び社会全体のコストに関して評価を行う.
著者
宮森 勇作 川村 秀憲
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-184, no.5, pp.1-2, 2016-07-29

人物姿勢推定の研究では,多層の畳み込みニューラルネットワークを用いることで最高水準の姿勢推定を実現している.畳み込みニューラルネットワークの学習には,ラベル付けされた膨大な数のデータセットが必要である.しかし,現実世界で膨大な数のシチュエーションの人物画像を用意するのは難しい.より多くのシチュエーションの人物画像と姿勢情報を同時に自動生成する仕組みを作り,生成されたデータセットを教師データとして機械学習を行うことでより正確な人物姿勢推定が可能であると考えられる.本研究では,学習に十分な数のデータセットを用意するために,3DCG を用いて人物画像と姿勢情報を自動生成した.生成したデータセットを教師データとして深層学習を行った.また,現実の人物画像に則した姿勢推定モデルとなるか否かを検証する前段階として 3DCG の人物姿勢の推定を行い,精度検証を行った.
著者
福島 大地 伊藤 孝紀 西田 智裕 深町 駿平 松岡 弘樹 仙石 晃久 大塚 孝信 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.8, pp.1-8, 2016-12-06

住民参加によるまちづくりにおいて,公聴会や説明会などに加えてワークショップ (以下 WS) が増えている.まちづくり WS の手法として,従来からの対面式 WS と,我々が提案してきた大規模合意形成支援システムを用いた非対面式 WS がある.対面式 WS は,情報入手や理解を支援するが,時間 ・ 場所の制約という課題がある.非対面式 WS は,時間 ・ 場所の制約を解決できるが,情報入手や理解に課題がある.そこで本研究では,まちづくり WS において,対面式 WS と非対面式 WS の組み合わせた手法を提案する.提案手法による合意形成への有効性を検証することを目的とする.提案手法の有効性は,社会実験により検証する.社会実験では,地権者,住民などに加え学生も参加して,対面式 WS の後に非対面式 WS を行う.それぞれの WS における議論データの分析および参加者へのアンケート調査を行い,提案手法の有効性および課題点を把握する.
著者
西田 智裕 伊藤 孝紀 福島 大地 深町 駿平 松岡 弘樹 仙石 晃久 大塚 孝信 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.9, pp.1-7, 2016-12-06

住民参加によるまちづくりの法制化に伴い,まちづくりワークショップが増えている.まちづくりワークショップは,毎週 ・ 毎月など期間を空け,連続して実施すること (連続ワークショップ) がある.一方,ワークショップの間での日常生活において,議論に対する意見が出てくることがある.この意見をワークショップの議論へ反映することは難しい.そこで本研究では,対面式のまちづくり連続ワークショップの間に,合意形成支援システムを用いた非対面式ワークショップを行う手法を提案する.提案手法による合意形成への効果や課題を検証することを目的とする.提案手法の効果は,社会実験により検証する.社会実験では,地権者,住民などに加え学生も参加した連続ワークショップを行う.まちづくり連続ワークショップの間に,合意形成支援システムによる議論を行う.まちづくり連続ワークショップと合意形成支援システムにおける議論データの分析および参加者へのアンケート調査を行い,提案手法の効果および課題点を把握する.
著者
塩治 龍三朗 川村 秀憲 鈴木 恵二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.1-8, 2015-02-23

ゴルフに関する研究は,ゴルフショットの飛距離や正確性に関係した研究が多くされている.しかし,ゴルフでのスコアアップを目指す際にゴルフショットの練習をするだけでなく,より高いスコアが出せていない原因を正確に把握し,それらの改善を行うことも重要であると考えられ,こういった研究はあまりされていない.そこで本稿は,ゴルフシミュレーションと 「稼いだ打数」 というゴルファーの 1 打 1 打のショットを評価することができる指標を用いてゴルファーのプレーデータを分析し,スキル向上の方法について検討した.There are many researches about golf shot relating with distance and accuracy concerning golf. However when aiming to have a better score at golf, it is important not only to practice golf shots but also to correctly know the cause of not being able to get a better score and improving them. Furthermore, there are not many researches about this theme. In this paper, we studied a method to analyze golfers play data to improve skill by using golf simulation and a index called Strokes Gained Stats which evaluate golfers every shot.
著者
白松 俊 池田 雄斗 後藤 誉昌 成瀬 雅人 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.12, pp.1-7, 2016-12-06

大規模な合意形成やオープンガバメントを実現する上で,Web 上での議論は大きな可能性を秘めている.しかし,多数の参加者による議論内容を把握することは困難であり,未だ技術的な課題は多い.本研究では特に,多数の参加者が Web 上で議論する際,混乱することなく合意形成に至るために必要なファシリテーション機構の自動化を目指す.具体的には,(1) Web 議論システム COLLAGREE を用いた社会実験により収集した議論コーパスを分析し,ファシリテータエージェントの発話生成機構が満たすべき要件を検討する.また,(2) 共創的に市民が協働するプロジェクトを想定し,プロジェクトファシリテーションの観点から満たすべき要件を検討する.さらに,(3) 議会の議事録等を Web 議論の材料として用いる上で,満たすべき要件を検討する.
著者
仲野 良佑 打矢 隆弘 西村 良太 山本 大介 内匠 逸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.1-8, 2015-03-13

3D キャラクタとのリアルタイムでの音声対話が可能な音声対話システムとして MMDAgent が提案されている.この動作環境を拡大し,利便性を向上させるために MMDAgent を Android スマートフォン上へ移植したスマートメイちゃんが提案されている.これらのツールキットにおいて採用されているシナリオ定義手法では,複雑な対話シナリオの作成や,端末間通信による連携を必要とするシナリオの構築が困難である.本研究では,これらの問題点を解決するため,スマートメイちゃんをソフトウェアエージェントにより拡張する機構を提案,実装し,有効性を確認するための評価実験を行った.エージェントを用いてスマートメイちゃんの拡張を行うことで,複雑な応答文や条件分岐を持つシナリオの開発がより容易となり,また,ネットワークと連携する必要があるシナリオの開発も,エージェント間通信の延長線上と捉えることで格段に容易となる.評価実験の結果,提案機構によって問題点を解決できたことを確認したが,実用的な機構とするためにはいくつかの課題点も存在することが確認された.
著者
南 賢一 古川 正志 山本 雅人
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2013-ICS-170, no.10, pp.1-6, 2013-03-03

物流センター内の作業の中で,注文された商品を保管場所から取り出してくるピッキング作業に最もコストを要している.ピッキング作業を効率化する方法の一つに商品の配置の改善が挙げられる.本研究では,注文される商品同士の依存関係を共起ネットワークで表し,生成された共起ネットワークを自己組織化マップにより棚の位置に写像することによる商品配置の方法を提案する.
著者
杉山 亮弘 丹羽 佑輔 白松 俊 大囿 忠親 新谷 虎松
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2015-ICS-179, no.7, pp.1-8, 2015-03-13

既存のアプリケーションの多くは,特定の作業に特化したものが多い.ユーザはアプリケーションを利用するとき,Web 上で使い方を使うなど,複数のアプリケーションを同時に使うことが多い.それに伴い,他のアプリケーションの情報と連携して,ユーザの作業を支援しようとする研究が多く行われている.本研究では,多重透明レイヤーをデスクトップ上に重畳表示することが可能な WebKit ベースの Web ブラウザであるシルエット Web ブラウザを提案し,その応用例を述べる.シルエット Web ブラウザの特筆すべき点は,マウスイベントおよび背景が透過可能なコンテンツを表示可能な点である.さらに,コンテンツを複数ユーザ間で共有することが可能である.シルエット Web ブラウザにより,新たな協調作業支援が可能になる.シルエット Web ブラウザの応用例として,デスクトップ PC とタブレット端末を利用した添削システムを示す.
著者
阿部 秀尚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.11, pp.1-5, 2015-02-23

Twitter をはじめとする SNS では,ユーザの日々の興味や関心がテキストやその発話行動として可視化されている.そのなかで,企業をはじめとして,興味・関心のあるユーザを特定する要求が高まりつつある.しかしながら,単に発信情報を受信するユーザが真に興味・関心を持っているかどうかを的確に判断することは困難が伴う.本研究では,Twitter 上でリツイートと呼ばれるユーザが受信した情報を再発信する行動に着目し,過去の発話履歴の内容に基づいて再発信行動の予測を行うモデル構築手法の開発を目指す.本稿では,インターネット上で大規模な通信販売を行うサイトの発信したテキストとそのテキストを受信するフォロワーについて,再発信されたテキストとフォロワーの日々の発話テキストから得られた特徴語の比較を行う.さらに,行動予測モデル構築のため,フォロワーの発話テキストから得られた特徴語の使用頻度に基づく評価指標の時系列パターン抽出の可能性について検討する.According to popularization of many SNS such as Twitter, enterprise users and some other people want to reach interested users more efficiently. However, it is difficult to detect more deep interests of the users without considering the users' behavior. In this study, I focus on a characteristic behavior of the users on Twitter, called retweet by followers. By taking followers' tweet history, a method constructing analytic models based on temporal patterns of term evaluation indices is described in this paper. The method combines ordinary used characteristic term extraction and a temporal pattern extraction of the terms usages. In the experiment, both of the characteristic terms in the retweeted text and the followers' tweet history is shown on the three major e-commerce accounts in Japan. Based on the results, some temporal patterns of the term importance indices are also shown to discuss the feasibility for predicting the retweet behavior of the followers.