著者
呉 健朗 宇野 広伸 本岡 宏將 樋口 恭佑 宮田 章裕
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.43-44, 2019-02-28

従来のVR車椅子シミュレータは,視覚と動きのフィードバックの両方を同時に提示することが難しかった.この問題を解決するために,我々は,HMD上のVection誘発映像と,電動車椅子の低自由度動作を組み合わせたバリアシミュレータを提案してきたが,対応しているのは坂の上り・下りのシミュレーションのみであった.本稿では,シミュレータを新たに凹凸バリアに対応させたことと,実装したシミュレータにより,ユーザが平地を走行した場合でも,凹凸道を通過したかのような感覚を得ることができるかどうか検証したことについて報告する.
著者
伊藤 波輝 中桐 斉之 内平 隆之
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.835-836, 2019-02-28

近年、全天球カメラなどの360度撮影が可能な機器や、ドローン(無人航空機)の普及により、観光PRにおいてパノラマVRや空撮映像が用いられることが多くなってきた。ドローンやパノラマVRについて、個別にはいくつか研究もされてきているが、両者のどちらがどの用途に向いているのかを解析した研究はない。そこで本研究では、ドローンによる空撮映像と全天球カメラによるパノラマVRを利用した観光PRの比較検討を、観光客と住民の認識という観点から解析を行う。また、地域のPRにおいてより効果的な手段はどちらか、観光PRの手法としてどちらが取り入れやすいかなどについても調査を行う。
著者
五十嵐 響 内田 君子 奥田 隆史
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.503-504, 2019-02-28

クラスの雰囲気は,クラスが編成され活動が続けられるうちに,構成員である児童・生徒の相互作用により,自然に生み出されていく風土のことである.クラスの雰囲気を良くすれば,いじめ・校内暴力・不登校など学校での問題が解決できることが知られている.クラスの雰囲気は,クラスに外部から適切なアクションを加えると良くなるが,どのようなアクションが有効であるかは明らかにされていない.本研究では,まず外部からのアクションとしてムードチェンジャー(特殊エージェント)をクラスに加入させることを提案する.次にクラスの雰囲気を良くする特殊エージェントの行動特性をマルチエージェントシミュレーションにより明らかにする.
著者
馬 寧 杜若 大樹 山田 泰己 柴田 史久 木村 朝子
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.93-94, 2019-02-28

本研究は仮想物体の色彩刺激が実物体の硬軟感に与える影響を分析することを目的とする.具体的には,仮想物体の明度,色相,彩度を変えることで,実物体の硬さ知覚にどのような錯覚が起きるかを実験,分析した.実験では,実物体の下部に感圧センサを設置し,体験者が実物体を押下することで,その圧力に応じてHead Mounted Display上に提示された仮想物体が変形する.既存研究では,赤色のような暖色は軟らかく,青色のような寒色は硬く知覚され,明度が高いほど軟らかく知覚するといわれていた.しかし,本実験を通して,人間が知覚する明るさが硬軟感に影響を与えていることが示唆された.
著者
藤代 康誠 長谷部 浩二
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.309-310, 2019-02-28

本研究の目的は、ゲーム理論におけるプレイヤーが経験を通して知識を獲得していく状況で、どのように意思決定を行うのかを分析することである。金子らによって提案された帰納的ゲーム理論では、プレイヤーはゲームの構造に関する知識をあらかじめ持たず、経験を通してそれらを獲得する。本研究では、帰納的ゲーム理論に基づいたゲームにおける意思決定過程を、認識論理を用いて定式化する。認識論理は、意思決定に伴うプレイヤーの知識に関する推論を形式的に扱うことを可能にする。これにより、プレイヤーのゲームの構造に関する知識が完全なものに近づいていくにつれて、どのような意思決定が可能になるのかを明らかにする。
著者
長沼 大樹 横田 理央
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.315-316, 2019-02-28

深層学習では極めて膨大な学習データを用いて学習することで他の機械学習手法を圧倒する高い性能を発揮している一方, その膨大な計算時間のため,大規模並列化によって学習時間を短縮するのが喫緊の課題である. 深層学習における問題は訓練データとの誤差を表す関数の最小化問題に帰結するが, 近年の研究によって,大規模並列化に伴うバッチサイズの増加により得られる学習モデルの汎化性能が劣化することが示されている. 本研究ではこの問題の解決方法として目的関数に対する平滑化に着目し, バッチサイズの増加を伴っても汎化性能を劣化させない目的関数の平滑化手法について検証を行う.
著者
タァンクァン ファン 山本 純一 西井 一輩 福井 知宏
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.285-286, 2019-02-28

昨年のGallup社の従業員エンゲージメント調査レポートの発表以降、産業界では従業員エンゲージメントへ注目が高まっている。我々の先行調査では、感謝が従業員エンゲージメントを向上させる要因であることが示唆された。本研究では、感謝と従業員エンゲージメントの関係を分析するための実験を行った。実験では、企業にて感謝を送受信できるアプリを3か月間利用してもらい、その前後で独自の調査票(働きがい・上司関係・同僚関係・組織文化の4因子)でエンゲージメントを測定した。結果として、感謝の送受信データと従業員エンゲージメントの上司関係の変化に相関が見られた。
著者
渡邉 俊綱 向井 智彦 熱田 清明
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.113-114, 2019-02-28

本研究ではアクションモーションの簡易的な自動品質判定システムを実現することで,CGアニメーション制作現場におけるデザイナーとディレクターのチェックに関わる負荷の削減を目指している.これまでの研究では身体特徴量を元に機械学習を行うことで識別する手法を提案してきたが,その際完成版データのみを正例をとしていたため完成間近の高品質なデータも不例として扱う問題があった.そのため本報告では,編集履歴データ内の試行錯誤途中のデータに対し,動的時間伸縮法を用いて定義される類似度を元にラベル付けを行う.その上でサポートベクターマシーンによる判定を行う手法について報告する.
著者
木戸 優奈 佐藤 直行
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.401-402, 2019-02-28

インスタ映えする写真を投稿するユーザーはセンスや行動力などに優れている可能性が高いが,表立って評価されることは少なく「承認欲求が強い」と批判されることが多い.本研究では,ユーザーの優れている面を明らかにするため,27名の投稿写真のカテゴリ(SURF特徴量を用いたクラスタリング,計5556枚)の比率と性格因子(自意識・ゆとり感)の関連を調べた.その結果,投稿頻度の高いユーザーは低いユーザーに比べ,公的自意識が低く遊楽性が高いことがわかった.また,Fashionカテゴリの比率と公的自意識・挑戦性の有意な相関を示した.以上の結果は,投稿頻度が高いユーザーは承認欲求というより,遊楽性や挑戦性をもとに活動していることを意味する.
著者
堀井 翼 櫻井 義尚 櫻井 恵里子 鶴田 節夫
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.771-772, 2019-02-28

近年、人々は様々な苦悩を抱えている。それに対してカウンセラーは少ない。そのため人々は苦悩をぬぐい切れずにいる。そこで、私たちはヴァーチャルカウンセリングエージェント(VCA)を開発した。本稿では、VCAと既存の対話システム(ELIZA, CRECA)の比較実験を行った。その結果、VCAの有用性が証明された。
著者
有馬 遼 大谷 紀子
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.337-338, 2019-02-28

衆議院議員総選挙において一票の格差が問題となっている.一票の格差は小選挙区の画定が大きく影響している.法律では,有権者が投じる票の重みが5年間で2倍未満になるように小選挙区を画定しなければならないと定められている.しかし,現在の統計的手法による小選挙区の画定では,人口変動などが原因となり達成できていない.本研究では一票の格差を小さくすることを目的とし,GA(genetic algorithm)を用いて小選挙区を画定する手法を提案する.2008年から2017年の人口データを使用して5年分の小選挙区を作成し,提案手法の有用性を示す.
著者
中田 光 大沢 和樹 横田 理央
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.461-462, 2019-02-28

深層学習は与えられた膨大なデータに対し柔軟な学習を可能にする一方、学習を汎化させ未知のデータに対しても精度を保つことが一つの大きな課題となる。近年では、ベイズ推定を深層学習に適用し、学習によって得られたニューラルネットワークの重みの不確かさを推定することにより学習を汎化させる試みが注目されつつある。Zhangらによって提案されたNoisy K-FACは、自然勾配法に基づく一種の変分推論を行うことによりベイズ推定を行う手法であり、学習が汎化することが示されている。本研究ではNoisy K-FACに着目し、重みの更新時に複数のサンプルを用いた場合の学習の変化ついて比較検証を行った。
著者
小川 健
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.399-400, 2019-02-28

本報告はFIT2018報告の改訂版となる。2018年5月のMONA騒動に始まる各種Proof of Work(PoW)型ブロックチェーン・分散型台帳技術へのBlock Withholding Attack攻撃を受けて、PoW型は時代遅れとされ、各種他の認証方法へ移行しつつある。しかし、Nakamoto(2009)自身が提唱しているこのPoW型は分散型・非中央集権型の仕組みづくりの鍵であり、現在提唱されているProof of Stakeを始め各種代替認証方法の仕組みは、少なくとも事後的には中央集権的となる仕組みを基にした認証方法となっていて、非中央集権的な仕組みとは程遠い。そこで、本報告では仮想通貨の非中央集権化のために、PoW型のブロックチェーンの長寿命化に関する提言を行う。
著者
水沢 直暉 関 優也 Jian Tao 山口 実靖
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.45-46, 2019-02-28

近年の情報サービスの普及に伴い,サーバーの設置スペースや消費電力の増加などの問題が生じており,この解決策として仮想化技術というものがある.仮想化手法の一つであるコンテナは,VMを用いる他の仮想化手法と比べ,ゲストOSが存在しない分,高い性能が期待できる.本稿では,著名なコンテナ手法であるDockerを用いてI/O性能の向上について考察をする.
著者
木戸 剛生 大川 猛 大津 金光 横田 隆史
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.53-54, 2019-02-28

Publish/Subscribe通信プロトコルであるDDS(Data Distribution Service)の暗号処理のハードウェア化について検討を行った。Publish/Subscribe通信における暗号処理をハードウェアで高速化し、低消費電力かつセキュアで、応答性の高い通信機能のずつ元を提案する。Raspberry PiとノートPCを用いて、DDS実装であるFast RTPSの暗号処理時間について計測を行った。本研究においては通信フレームワークの暗号処理をハードウェア化することで、セキュアな通信機能を容易にシステムに追加することを可能とすることを目的とする
著者
三木 祐二 芝 公仁
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.33-34, 2019-02-28

アプリケーションはシステムコールを発行することでカーネルが提供する機能を使用する.システムコールの発行はユーザモードとカーネルモード間でのモードの遷移を伴い,発行から結果を受け取るまでの間アプリケーションはブロックされる.本稿では,システムコール並列処理機構を提案し,本機構がモード間の遷移回数を削減し,また,システムコールでアプリケーションをブロックしない非同期な処理を実現することを示す.また,本機構をシステムコールが集中的に発行されるアプリケーションに適用し,システムコールを並列に処理させることによって,マルチコア環境においてアプリケーションのスループットが向上することを示す.
著者
住田 宏己 吉本 安男
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.27-28, 2019-02-28

我々は仮想化されたプライベートクラウド環境の運用現場において仮想マシンの稼働状態を識別して資源の無駄遣いを削減する運用方法を開発し実践してきた。特にメモリ資源の有効活用を阻害するアイドルVMを識別することで資源を有効に活用できることが判っている。ただしアイドルVMを識別するためには熟練者の技術が必要であり、そのことがアイドルVM識別技術を多くの環境に適用拡大する際の足かせとなっていた。本稿では機械学習の手法を適用することで熟練者不在の環境でもアイドルVMを適切に識別し資源を有効に活用できることを実環境での運用事例として報告する。
著者
飯國 隆志 富永 浩之
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.41-42, 2019-02-28

クラウドサービスなどで、コンテナ環境を提供するサービスが増加している。これらのクラウド基盤には、1つのホストマシン内に複数のユーザのコンテナが動作している。そのため、セキュリティの問題から、同一ホストでもコンテナへのアクセスを制限する機構が必要である。本研究では、ロールごとのアクセスを制御する機構として、ホストのグループIDを用いたファイル権限によるアクセス制御を用いる。この機構には、Linuxにおけるケーパビリティとユーザ名前空間を用いて実現する。
著者
松重 直起 藤橋 卓也 遠藤 慶一 小林 真也
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.95-96, 2019-02-28

エクスターナルグリッドの安全性の問題を解決するセキュアプロセッシングでは、処理結果の改竄の対策として,処理の多重化がある.しかし,多数決で処理結果を採用するため,悪意のある複数のノードが共謀すると,不正な処理結果の採用を招く恐れがある.共謀は,悪意のあるノードの所有者同士の交友関係により行われる.人間の交友関係には,スモールワールド性とスケールフリー性があることが広く知られている.先行研究では,交友関係にスモールワールド性を持つ場合とスケールフリー性を持つ場合のそれぞれに対して,共謀関係による改竄の発生を定量的に評価している.本稿では,スモールワールド性とスケールフリー性の両方を兼ね備えた場合の評価結果を示す.
著者
冨塚 美歩 岩野 公司
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.341-342, 2019-02-28

楽曲の検索を行う際に,歌手の声質の類似性に基づいて楽曲推薦を行う手法が検討されている.本研究では,検索インタフェースへの利用を想定して,声質の類似性に基づく歌手の分布マップの作成手法を提案する.提案手法では,それぞれの歌手の歌声から音響モデルを学習し,カルバック・ライブラー情報量を用いてモデル間の距離を計算することで,歌手間の声質の距離を求める.可視化手法としては,多次元尺度構成法や自己組織化マップを用いる.複数被験者による主観評価実験により,作成された歌手マップの表現の適切さを評価した結果,その有用性が確認された.