著者
北原 武 中村 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.420, pp.85-90, 2006-12-07
被引用文献数
2

マシン・トゥー・マシン通信(以下,M2M通信)では,マシンのバッテリライフ向上が最重要課題の一つとなっている.それに伴い,チップの消費電力を低減させるための低消費電力化技術や,各レイヤにおいて通信量を削減するためのプロトコル技術等が盛んに研究されており,消費電力を抑制することによるバッテリライフ向上が図られている.本稿では,小容量リチウムイオンバッテリの放電実験を行い,得られた放電特性を考慮したバッテリ容量を最大限に活用するためのトラヒック制御方式について提案する.
著者
小倉 孝夫 雨宮 宏一郎 千草 かおり 濱田 圭 黒川 康司 阿比留 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.134, pp.61-66, 2012-07-12

これまでマッシュアップ等のWebサービス間を連携する環境が普及しており,今後,クラウドサービス利用により,より増加していくことが予想される.サービス間において安全なデータ連携を実現するために,我々は,Webサービスの連携技術であるOAuthを拡張して,ユーザ環境に応じた秘匿制御により機密データの保護が可能となる,クラウド間データ・サービス連携方式を提案した.こうしたサービスでは,smallスタートで安価にシステムを構築する一方,複数企業によるユーザ数の増大(100万ID規模)やサービス増加による大規模化に対応できる必要がある.そこで,安価なL4ロードバランサ(LB)を用いてアクセスGWを並列化するアプローチとした.L4 LBでは,ユーザからのサービス要求をラウンドロビンに振り分けるため,ユーザのログインセッションを維持できないという問題が生じる.そのため,どのアクセスGWからでも,ユーザのセッション情報を一意に取得できるようにKVS(Key-Value Store)技術を適用した.さらに,実サービス(Googleカレンダ-,Facebook)の計測値を用いて,スケーラビリティ評価を行ったので報告する.その結果,安価なL4 LBと複数のGWを組み合わせ.KVSを適用したアーキテクチャで十分にスケールできることがわかった.
著者
松浦 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.303, pp.47-52, 2013-11-14

RPL(IPv6 routing protocol fbr low-power and lossy networks)はDODAG(destination-oriented directed acyclic graph)と呼ばれる複数センサーから構成されるツリーで,DODAGのルートノード(DODAG root)までデータを転送し,そのデータをベースステーションに送付することによってセンサー情報を収集する形態をとる.各センサーは電池稼働であることが想定されるので,各センサーの電力消費を抑えることは最も重要な課題である.ひとつのWSN(wireless sensor network)上で一つまたは複数のDODAGをどのように構成するかは,RPLのOF(objective function)に依存するが,いままでに提案されているOFでは必ずしもDODAG上のセンサーの電力消費の最適化がおこなわれているとは言えない.本稿では各DODAG上のセンサーの電力消費を大幅に削減することを可能とするルーティングフレームワークを提案するとともに,一つのWSN上での複数DODAG構成法についても議論する.
著者
竹内 彰次郎 山崎 浩輔 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.421, pp.29-34, 2003-11-07

アドホックネットワークにおいて,殆どの端末がバッテリー駆動であることから,バッテリーは大変重要な資源である. IEEE802.11ではパワーセーブメカニズム(PSM)を定めている.このPSMでは,ノードはATIM windownと呼ばれる定められた時間内はアウェイク状態となる.もし送るべきデータがない場合は,スリープ状態で無線の電源を落す.しかしPSMを使用したアドホックネットワークでは, PSMを用いないIEEE802.11に比べ,大きな遅延とスループットが低下するといった問題がある.そこで本稿では,遅延の軽減とスループットの向上を目的とした,新しいPSMを提案し,シミュレーションによりその効果を示す.
著者
澤岻 寛人 城間 政司 長田 智和 谷口 祐治 玉城 史朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.373, pp.143-146, 2011-01-13

近年注目を集めている仮想OS技術の一つであるOpenVZは,導入の容易性やコンテナの集積度高めることが容易な点等からレンタルサーバ業者等に急速に普及している.しかし.仮想OS技術は仮想マシン技術に対して,カーネルの影響が全コンテナに及ぶなど,安定したサービス運用を目的とした用途としては信頼性に欠ける.本発表では,仮想OS技術の一つであるOpenVZと仮想マシン技術である一つであるXenを比較し.それぞれのパフォーマンス特性について評価する.
著者
邑橋 一輝 川原 圭博 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.36, pp.71-76, 2013-05-09

GNU Radioに代表されるソフトウェア無線により,無線の物理層の研究をハードウェア開発から解き放ち,ソフトウェアベースでアイデアを具現化できるようになった.本稿は,電磁波を対象にすることが多かったソフトウェア無線を水中音響通信に応用する際の構築方法について紹介する.水中音響通信に関する資料は少なく,水中音響トランスデューサ等高価であること,これまで専用のハードウェアで研究することが一般的であったことから,日本では,この分野の研究に対するハードルは高かった.本稿は消費者向けに販売されている水中マイクを送受信器両方に使用し,廉価かつ簡易な水中音響通信テストベットの構築法を示す.水中音響通信の中心周波数は数10kHzとマイクロ波に比べて千分の1から10万分1程度と低いため,ソフトウェアベースで複雑な信号処理を行うことができる.
著者
植田 悠司 岡田 力 山根 明典 和田 友孝 大月 一弘 岡田 博美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.511-515, 2009-02-24
被引用文献数
1

火災・地震などの災害発生時に、大型建造物内より迅速に避難できないため数多くの犠牲者を出す事件がしばしば生じている。筆者らはこの問題を解決するため、GPS付き携帯端末間のアドホック通信により建造物内の人々の位置情報を自動的に交換し、災害発生時の人の動きにより建造物内の状況を把握・共有し、リアルタイムに適切な避難路を検索し表示するシステムの開発を目指している。本稿では、このようなシステムの実現を目指し、避難路の通行許容性を表す交通流量Qを用いたボトルネック検出手法を提案し、災害避難時の有効性をシミュレーションにより検証する。
著者
今井 一雅 澤本 一哲 矢野 漣 菊地 時夫 菊池 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.592, pp.39-44, 2000-01-28
被引用文献数
4

高速無線LANシステムを用いた、City規模の大規模な地域情報化ネットワーク(KCAN:Kochi City-size Area Network)が高知市・南国市にまたがって構築され運用が行われている。使用している無線LANユニットは、スペクトル拡散通信方式の2.4GHz帯小電力無線通信システムのものである。無線LANユニットの基本的な通信速度は2Mbpsであるが、中継してもその高速性が失われないようなネットワーク構成とした。本稿では、その構築手法と運用技術について報告する。
著者
米川 あかり 長岡 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.389, pp.87-91, 2014-01-16

本研究では、代表的なソーシャルメディアのひとつであるTwitterを用いて、膨大なユーザーの意見を自動的に分類し、可視化することを目的とする。例えば、ある話題に対するユーザーの意見を肯定・否定等に分類し、その割合を可視化することで、世論調査などに利用できるのではないかと考えられる。本システムでは、まず無作為抽出したツイートから、ツイートに含まれる形態素それ自体と、形態素の直後の語との組み合わせである連続した形態素の、肯定・否定・その他のツイートへの出現確率を有する教師データベースを作成する。そしてその教師データベースを元に、ツイートに含まれる形態素及び連続した形態素が肯定・否定・その他である確率から、ツイート全体が肯定・否定・その他である確率を求めることで、ツイートを判定、分類する。一般的なツイートを自動判定した結果、特に肯定・否定の二つのみに分類した場合において、ある程度正確な判定が得られた。また、限定的な話題に関するツイートに対しての分類を行った結果、話題によっては、判定の難しい事例がみられた。
著者
高瀬 柔郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.69, pp.19-24, 2000-05-12
被引用文献数
10

近隣コミュニティにおけるボランティア活動をサポートするために, 既存のネットワークとの使い分けを前提とし, 使用料を必要としない超分散網の構築について考察する.この網は, 近隣コミュニティに潜在するネットワーク・リソースを活用する.そのリソースとして, 各家庭のパソコン, 大気, 壁, 上下水道の配管, および配電線などを想定する.それらを活用するために必要となる基本的な課題を提示する.
著者
宮本 亮祐 岡田 力 山根 明典 森 和也 早川 洋平 山田 祐輝 和田 友孝 大月 一弘 岡田 博美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.449, pp.253-258, 2010-02-25
被引用文献数
1

火災・地震などの災害発生時に,大型建造物内より迅速に避難できないため数多くの犠牲者を出す事態がしばしば生じている.本研究は,情報通信技術を用いてこのような問題を解決あるいは軽減することを目的としている.すなわち,GPS付き携帯端末間のアドホック通信により建造物内の人々の位置情報を自動的に交換し,災害発生時の人の動きにより周囲の状況を把握・共有し,リアルタイムな災害発生検知および適切な避難路検索・表示を実現する非常時緊急通信(ERUC)システムの開発を目指す.本稿ではERUCの実現を目指し,災害時に周囲の人々と同じ行動を取ろうとする心理的な同調偏向によるパニック行動の伝搬性を考慮した、正確かつ迅速な災害発生位置推定法を提案する.災害発生検知の正確性や迅速性および災害避難時の有効性をシミュレーションにより検証する.
著者
川原崎 雅敏 澁谷 充俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.602, pp.31-36, 2006-02-09
被引用文献数
1

ユビキタスネットワークは、ユーザが置かれた状況をコンピュータが理解して、サービスをそれに適合させるコンテキストアウェアサービスを目標としているが、状況理解の方法論は明確になっていない。本稿では、IETFのプレゼンス情報やMPEG-21の利用環境メタデータなど国際機関が規定しているコンテキストに関するメタデータと、RDFやオントロジーといったセマンティックWebや知識表現の技術を組み合わせ、スキーマの異なるメタデータ相互間の意味的関係を記述することにより、高度な検索や推論を可能とする「コンテキスト理解プラットフォーム」の提案と実装について述べる。
著者
曽田 圭一 横谷 哲也 市橋 立機
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.96, no.313, pp.41-46, 1996-10-18
被引用文献数
5

ATMネットワークにおいて, 端末は, 一度パケットの先頭セルを受信すると, そのパケットの最後尾セルを受信するまで, ATMセルからパケットを組み立てるためのバッファを解放しない. 最大パケット長が長くなるに従い, この先頭セルと最後尾セルの到着間隔の平均が増し, 端末において, 同時に組み立てるパケット数が多くなる. その結果, 端末は, 多量のバッファを必要とする. このバッファ量を削減するために, 本稿はATM交換機に適用するセルスケジューリング方式を提案する. 提案方式に従う交換機は, 1つのパケット内のセルをできるだけ連続して送信する, 本稿は, 提案方式の性能を評価し, その効果を示す.
著者
小田 哲 中山 心太 上西 康太 木下 真吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.409, pp.35-40, 2012-01-19
被引用文献数
1

Hadoopの登場により、安価なハードウェアを用いて大規模なデータに対する高度な分析手段が普及しつつあり、その分析の精度および速度がビジネスの成否を分けるようになってきた。すなわち、大規模かつ高度な分析をリアルタイム化することが重要となる。そこで我々は大規模かつ高度なリアルタイム分析のための分散機械学習フレームワークJubatusをPFI社と共同開発した。Jubatusのゴールは、(a)オンライン機械学習アルゴリズムなどの分析処理をスケールアウトするように分散処理できること、(b)これらの分散処理をアルゴリズム間で共通化すること、(c)これらの分析処理を容易に試行錯誤しながら利用できるようにすること、の3点である。我々は(a)に関してJubatusに高度な分析をスケールアウトさせるための仕組みとして一貫性要件を緩和したmixというデータの同期機構を組み込み、そのスケールアウト性を確認した。本稿ではmixの特徴について解説し、一貫性要件の緩和の程度について検証する。
著者
クレイセル ベルネル 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.564, pp.13-18, 2005-01-13

ユーザが保持する端末群によって自律分散的に構築される無線マルチホップネットワーク(モバイルアドホックネットワーク)では, 各端末の移動によりネットワークトポロジの変化が頻繁に発生する. そのため, 各端末が自律分散的に経路制御を行うことが困難となり, 現在まで経路制御手法に関して多くの研究が行われている. そのような背景の下, 近年, 各端末及びその隣接端末の位置情報に基づいてパケットの転送先を決定する, いわゆる地理情報を用いた経路制御手法に注目が集まっている. 従来提案されている多くの地理情報を用いた経路制御手法では各隣接端末の現在地情報を用いるが, 本稿では新たに隣接端末の将来位置を用いた経路制御手法を提案する. 移動軌跡の実データに基づいた予測アルゴリズムによって算出された将来位置を経路制御に利用することにより, 従来に比してさらに信頼性の高い経路制御手法が可能となる. 本稿では, さらに計算機シミュレーションによって, これらの優位性について検証を行う.
著者
津川 知朗 長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.658, pp.1-6, 2005-02-10
被引用文献数
2

本稿では, データ転送のためのパケット以外に計測用パケットを必要としないインラインネットワーク計測によって得られる計測結果を用いて, 従来のTCPよりも優先度の低いデータ転送を実現する新たなバックグラウンド転送方式を提案する.具体的には, 送信ホストと受信ホスト間のネットワークパスの利用可能帯域に関する情報をインライン計測によって取得し, その計測結果を基に送信側TCPが持つ輻輳ウィンドウサイズの上限値を動的に設定する.ネットワーク状態を高い精度で推測して輻輳制御を行うことによって, 従来提案されてきたラウンドトリップ時間を指標として早期にネットワーク輻輳を検知する方式とは異なり, 輻輳を発生させることなくバックグラウンド転送を行うことができる.シミュレーションによる性能評価を通して, 提案方式がフォアグラウンドトラヒックへの影響度や帯域の利用率に関して従来のバックグラウンド転送方式よりも優れた性質を持つことを示す.
著者
横井 公紀 青山 幹雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.449, pp.347-352, 2011-02-24

現在,個人の情報発信,個人間のコミュニティ形成のツールとしてSNS (Social Network Service)の利用が拡大している.しかし,各SNSが基礎とするソーシャルグラフの構造は異なる.SNS間でソーシャルグラフの相互運用性が保証されないため,異なるSNSにまたがるユーザ間の関係構築,ソーシャルアプリケーション開発が困難である.本稿では,Web上の人物とその間の関係を表現するモデルである FOAF (Friend Of A Friend)に基づき,複数のソーシャルグラフの構造の差異を吸収するための統一ソーシャルグラフモデルGSGM(General Social Graph Model)を提案する.GSGMでは,FOAFの人物間の関係構造モデルをSNSのユーザ間のモデル化に適用し,異なるSNSのユーザとその間の関係を統一的に表現する.GSGMにより,異なる構造のソーシャルグラフを持つSNS間で相互運用可能なソーシャルグラフを実現する.Facebook, TwitterなどのSNSに適用し,GSGMの有効性を評価する.
著者
泉川 晴紀 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.440, pp.43-48, 2002-11-07
被引用文献数
1

インターネットの普及に伴い、移動しながらインターネットへ接続することへの要求が高まってきており、現在Mobile IPがモバイルユーザをサポートするプロトコルとして提案されている。本稿では、地理的位置情報を用いることで地理的に最適なローカルドメインを形成し、ハンドオーバ遅延によるデータ損失やインターネットへのシグナリングを減少させるとともに、Fast Handoverに必要な、ARが隣接AR群の情報を保持することのできる提案を行う。さらに計算機シミュレーションによる性能評価を行い、提案手法の有効性を定量的に評価する。
著者
グェン ホアイソン 牧野 義樹 リム アズマン オスマン 丹 康雄 篠田 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.31-36, 2012-04-05

空調システムは快適な環境を作り出す一方、住宅エネルギー消費の大きな部分を占めている。住宅における省エネルギーを実現するために温熱環境を含んだ空調システムの挙動をサイバーフィジカルシステムとして総合的に理解することが重要である。我々は住宅における温熱環境のシミュレータの開発をすると共にシミュレーションの精度向上のためのパラメータ同定を行い、実験結果の妥当性を実環境の計測データを比較することで検証してきた。本稿では開発したシミュレータの詳細を述べた上でシミュレーション結果と実験結果との比較を行う。
著者
森野 博章 ホアイソン グエン 相田 仁 齊藤 忠夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.289, pp.37-42, 2001-09-07

1〜10テラビット/秒の容量をもつ将来の大容量ルータのためのスイッチファブリックの実現方法として、多段接続網により数千ポートの入出力ポート対を扱う手法が考えられる。しかし従来の多段接続網方式の多くは固定長パケットスイッチングを対象として提案されており、回路設計を含めたIPパケットスイッチングへの最適化の検討はほとんど行われていない。筆者らは、IPパケットのための多段接続スイッチとして再ルーティングと最短経路ルーティングの原理に基づくリングシャッフルパターンスイッチを提案しているが、本稿では、本方式の回路構成方式の検討を行う。提案方式についてシミュレーションによる評価および回路設計を行い、この結果をもとに、64×64のサイズのスイッチをLSIに納めLSIを多段接続して4000ポート程度を扱うスイッチファブリックを実現する見通しについて示す。