著者
門間 義之 入江 一成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.98, no.427, pp.29-34, 1998-11-20
参考文献数
9

筆者等は、地域内の一般家庭あるいは中小ビジネスユーザに新たなコンピュータ通信サービスを経済的に提供する地域情報ネットワークシステムの開発を行っている。これまでユーザ宅にLANと同じイーサネット・インタフェースを提供し、予め登録されてユーザ間でお互いにPCを利用したコネクションレス通信を行える環境を実現するグループ通信サービスを提案すると共に大規模ユーザを効率的に収容可能とするための多重化ブルータを開発した。本稿は、多数ユーザが同時にアクセスしたときの多重化ブルータの特性を評価するために試作した多重アクセスシミュレータについて報告する。多重アクセスシミュレータは、ユーザ宅に設置されるローエンドカードの一部機能と複数のユーザ端末からのパケットを擬似的に発生させる機能を有している。これを用いた多重化ブルータの特性評価結果を明らかにする。
著者
上山 憲昭 森 達哉 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.165-170, 2006-02-23
参考文献数
17
被引用文献数
3

近年,ワーム,ウィルス,DDoS等が引き起こす異常トラヒックが,ネットワークに深刻な被害をもたらすことが問題となっている.DDoSの踏み台にされたホストや,ワームやウィルスに感染したホストは,個々のフローサイズは小さいものの短時間に大量のフローを生成するという特徴がある.そのため,短時間に大量のフローを生成するホスト(フローHog)を早急に特定し,ネットワークから切り離すといった対処をとることが重要となる.本稿では,フローサンプリングによって得られた情報からフローHogを高精度に特定する方式を提案する.
著者
小熊 崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.289, pp.89-93, 2010-11-11
参考文献数
1

近年、世界的に進展するNGN化に伴い、放送用映像素材伝送ネットワーク(コントリビューションネットワーク)のIP化も進められている。たとえば、オリンピックやサッカーW杯といった、世界的に重要なビッグスポーツイベントをライブ放送するためのリアルタイム映像伝送インフラは、その多くがすでにIPネットワークで運用されてきた。また国内においてはフジテレビジョンの局内映像伝送ネットワークはIP化が完了しており、今後テープレス化/ファイルベース化の進展に伴ってその重要性を増してくる。ここでは、弊社の携わった具体的な事例を通して、映像伝送インフラがIP化することによるメリットや今後の課題について述べる。
著者
Abeysekera B. A. Hirantha Sithira 松田 崇弘 滝根 哲哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.91-96, 2006-02-23
被引用文献数
1

IEEE 802.11規格の無線LAN環境では,アクセスポイント(AP)が下りフローを多重化しているにもかかわらず無線端末と同等のアクセス権しか割り当てられていないことから,複数の下りフローがAPで多重化されている場合,上下フロー間にスループットに関する不公平が生じることが知られている.本稿では,APにおけるMACプロトコルを改良することにより公平性を改善する方式を提案する.提案方式はMACプロトコルのパラメタであるコンテンションウインドを変更することによりAPに優位性を与える方式であり,APのMACプロトコルのみの改良で実現できる.また,パラメタの最適値は一般には上りフローと下りフローの数で決まるが,提案方式はAPを通過する下りフロー数のみに基づいた簡易な制御となっている.TCPおよびUDPトラヒックに対する提案方式の有効性をシミュレーションにより検討する.
著者
國近 洋平 甲藤 二郎 大久保 榮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.691, pp.7-12, 2004-02-26
被引用文献数
3

本稿では単一ソースノードからツリー状に構成されるアプリケーションレベルマルチキャストにおいて、各ノードが親ノードの離脱に備えて効率よく予備親を探索するアルゴリズムを提案する。従来の手法ではマノkチキャストツリーから離脱するノードがそのノード以下のサブツリーに対してメツセージを送信し、新たな親の探索を促すことになる。これに対して、各ノードがあらかじめ親の候補となるノード情報を保持しておくことにより、効率的なツリー再構築を行うことを目標とする。
著者
増田 修士 萩谷 展之 松尾 太一 後藤 康宏 阪田 史郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.61-66, 2007-03-01
被引用文献数
5

アドホックネットワークにおけるルーティングにおいては,通信経路の確立後に経路上の中継ノードにかかる負荷のことは考えられていない.本稿では経路を構成している中継ノードを動的に切り替えることで,初めに経路に選ばれたノードに負荷が集中してしまうことを避け,その中継ノードの周りに存在するノードに負荷を分散させる方式を提案する.提案方式は,AODVで用いられている定期的にブロードキャストされる制御メッセージを利用し,切り替えのために必要な情報をそのメッセージに付加することで動的な切り替えを可能とする.また,シミュレーション評価によって提案方式の有効性を示す.
著者
都築 伸二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.572, pp.51-56, 2004-01-15
被引用文献数
7

本稿では、電力線通信(PLCと呼ぶ)を3つのアプリケーションに分類している。つまり、インターネットアクセス、ホームネットワーク、および家屋間通信である。それらのなかでも特に、電力会社によるインターネットアクセスサービスの実験結果、およびホームネットワーク応用を目的としたHomePlug Powerline Alliance の状況が述べられている。なお、後者は短波帯(2M〜30MHz)を用いた高速PLCであり、米国で使用できる。日本では、電波法の規制を緩和する必要があり、そのためには既存無線局に対する電磁干渉を軽減しなければならない。
著者
藤川 知樹 甲藤 二郎 泉川 晴紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.525, pp.241-246, 2008-02-28
被引用文献数
1

近年リアルタイム系サービスの普及に伴い,TFRCやVTPといった,リアルタイム性を必要とするIP通信の輻輳制御手法が新たに提案されている.それらの輻輳制御方式は,TCP-RenoのAIMDアルゴリズムや平衡状態のレート式に基づいて設計されている.しかしRenoでは,単位時間あたりの輻輳ウィンドウの増加量がRTTによって異なるので,RTTの異なるフローが競合する場合,帯域が不公平に分配されてしまうという問題がある.コンピュータシミュレーションの結果,Renoを元にしたこれらの方式でも同様の問題を抱えていることが分かった.そこで本稿では,特にVTPに着目し,増加係数をRTTに比例するパラメータに設定することで,RTTの異なるフロー間での公平性を実現する輻輳制御方式を提案する.また,コンピュータシミュレーションによって評価を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
弓場 英明 貝山 明 藪崎 正実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.185, pp.39-46, 2001-07-09

NTTドコモによるIMT-2000の試験サービスが2001年5月30日、世界に先駆けて開始された。IMT-2000では、W-CDMAとATMの組み合わせにより、最大2Mbpsまでの回線交換・パケット交換サービスが提供される。これにより様々なマルチメディアサービスの提供が可能となる。また、インテリジェントネットワーク技術の利用により、グローバルローミングが実現される。
著者
中村 友則 牟田 高信 中村 信孝 照沼 和明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.561, pp.37-40, 2003-01-10

現在,移動体通信業界でもB2Cサービスの需要が高まっており,コンテンツ提供者(CP)はパーソナライズされたコンテンツ提供のために接続ユーザの情報を必要としている.我々はユーザから通信要求を受ける度に,CPにユーザ情報を送信する方式の検討を進めている.本検討では,CPから依頼を受けたエンドユーザを管理し,ユーザ情報に対応させた特定情報をCPに提供することで,ユーザに対し利便性の高い形でパーソナライズドコンテンツを提供できる方法を提案し,その実現性を示す.
著者
木又 洸佑 小林 孝史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.245, pp.49-52, 2011-10-13

キーストロークダイナミクスは,キーを押してから離すまでの時間等,キー入力に要する時間を,個人を特定する特徴として用いている.しかし,キーストロークダイナミクスは行動的特徴であり,試行毎の入力される値は一定ではない.この問題がある為,個人認証システムにこの手法を用いる場合,個人の特定に適切な特徴抽出を行い,より高い認証精度を実現することが重要になる.そこで,本研究では,キーストロークダイナミクスの中でもキー入力が未熟な人でもばらつきが生じにくいとされる,一つのキーを押してから離すまでの時間に注目し,この特徴をニューラルネットワークに学習させ,特徴抽出を行う認証手法を提案し,実験による評価結果を示す.
著者
小林 正裕 亀井 聡 斎藤 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.373, pp.25-30, 2011-01-13
被引用文献数
1

ビデオトラヒックの増加により,通信事業者では設備コスト削減に向け,キャッシュ技術に再び注目が集まっている.しかし,動画共有サイトにおけるUGC(User Generated Contents)の増加により,現在のビデオコンテンツは,大容量化に加え,人気度がロングテール化し,さらに短期的に人気コンテンツが変動するため,キャッシュ効果が得難い.本稿では,動画共有サイトにおけるコンテンツアクセス傾向情報を利用し,上記の特性を持つビデオコンテンツに対するキャッシュ連携方式の有効性評価を行う.そして,評価結果を基に,効率的なビデオコンテンツキャッシュシステムについて考察する.
著者
桑原 健史 三好 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.692, pp.303-306, 2005-02-25
被引用文献数
1

P2Pでは, ピア間に論理的なネットワークを構成することで情報の検索を行っている.しかし, 現状のP2Pネットワークでは, 検索効率の悪さや, 一部のピアに負荷が集中するなどの問題が指摘されている.本稿では, 人間の行動や社会の性質を表す論理トポロジーであるスモールワールドに着目し, スモールワールドを用いたP2Pネットワークの構成法を提案する.また, シミュレーションによる評価を行い, 提案手法の有意性を示す.
著者
本林 良太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.98, no.50, pp.9-16, 1998-05-15
参考文献数
13
被引用文献数
1

PNNIは, ATM網で用いられる, ATMスイッチ間のルーティングおよびシグナリングのためのプロトコルである.とくに網が「階層化」構造を取ったときに拡張性を得られ, PNNIという単一のプロトコルによって, LANおよびWANを通じたATM通信を提供できる.またQoSや, 動的なルーティングにも対応している.こうしたPNNIの特長の中で, 本報告は, とくに以下の内容について紹介する:1)ATMのアドレシングを中心とした網の階層化の方法, 2)DTLスタックルーティング, 3)クランクバック.
著者
高野 知佐 会田 雅樹 村田 正幸 今瀬 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.449, pp.301-306, 2010-02-25
参考文献数
19

ネットワークの局所的な状態情報しか分からない環境において,ネットワーク全体を適切に動作させるネットワーク制御技術を設計するために,我々は近接作用の考え方に基づく偏微分方程式を利用した自律分散制御のフレームワークを提案し,それに基づく具体的な制御方式を検討してきた.これまで,ネットワークの自律的な負荷分散のような平滑化効果を実現する為に,拡散方程式に基づく制御を考え,フロー制御への応用による輻輳回避の効果などを確認してきた.本稿では,拡散現象のくりこみ変換と逆拡散によるドリフトを考えることで,平滑化効果を実現する従来の自律分散制御に加え,有限の空間的広がりを維持するように動作する新しいタイプの自律分散制御の実現可能性を議論する.更に,アドホックネットワークの自律分散クラスタリング技術を対象にシステム構成要素が自律分散的に周囲の局所的状況に適応しつつ,システム全体として有限サイズの構造を生み出す技術の実現法について考察し,アドホックネットワークの自律分散クラスタリング技術に応用する方式を提案する.
著者
伊達 拓紀 安川 健太 馬場 健一 山岡 克式 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.255-260, 2006-02-23
参考文献数
9
被引用文献数
1

近年,ストリーム型通信の普及に伴い,IP網においても受付制御の必要性が高まっている.筆者らはこれまでに,新規到着フローを一時収容し,一定期間後に輻輳の有無を確認することにより受付制御を行う,パケット交換網ならではの受付制御方式,TACCS (Tentative Accommodating and Congestion Confirming Strategy)を提案している.TACCSでは,CDA (Congestion Detection Agent)から広告されるパケット損失情報を基にフロー収容可否決定を行うため,網内のボトルネックとなり得る箇所にCDAを配置する必要がある.しかし,コアノードへの機能追加なしで同等の性能が実現できれば,その導入コストを低く抑えられる上,TACCSのスケーラビリティの向上を実現することが可能である.そこで本稿では,CDAを配置せずに,エッジノードの連携のみで網内の輻輳に対する受付制御を実現する,Edge-based TACCSを提案する.計算機シミュレーションによる評価結果から,Edge-based TACCSは,コアノードの機能追加を必要としないにも関わらず,従来のTACCSに対して遜色ない性能を実現可能であることを示した.
著者
相馬 浩之 田中 博樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.11, pp.7-12, 1999-04-19
参考文献数
7

インクーネットの急速な発展やパーソナルコンピュータの高機能化に伴い、ニュース配信、音楽配信などの情報配信サービスが注目されている。これらのサービスの利用時に、思想、嗜好、心身に関わることなどのサービス利用者 (以下、利用者) のプライベートな情報を他者に知られないようにすることは重要であり、また、利用者はこの情報を他者に対して隠蔽できるサービスをより好んで利用すると考えられる。本稿では、利用者の嗜好を反映するために利用者が配送コンテンツの希望投票を行うサービスにおいて、開票者に対して利用者の投票内容を隠蔽することで利用者のプライバシー保護を実現する機構を明らかにする。
著者
永井 克幸 北形 元 菅沼 拓夫 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.275, pp.113-117, 2004-08-27

災害時において,携帯電話やインターネットを用いて知人の安否確認を行うシステムが提案されている.しかし,大規模災害時には有線インフラを用いた通信に結核などの支障が生じ,これらのシステムを用いて知人の安否確認をすることが困難になる.本稿では,被災地で被災者が無線アドホックネットワーク(MANET)を構築することによって有線インフラを使用せず,迅速に知人の安否確認を行うシステムを提案する.
著者
今井 哲郎 荒木 壮一郎 菅原 智義 藤田 範人 末村 則彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.691, pp.199-202, 2004-02-26

大規模停電などの地域全体に累が及ぶような災害が発生した際にも,データセンタで行われている真に重要な業務は,それを引き続き継続させる必要がある.本報告では,セッションマイグレーション方式による障害回避方式の提案およびその動作実証を行った.セッションマイグレーション方式は,プロセスマイグレーション技術と,ユーザ収容VLAN切換技術と,GMPLSなどの動的帯域確保技術とを連携制御して,ユーザとのセッションを維持したまま,遠距離でのサブネット越しプロセスマイグレーションを行う技術である.この技術により,災害発生時にもサービスを停止することなく遠隔地のデータセンタヘ業務を移行させることができる.
著者
会田 雅樹 石橋 圭介 巳波 弘佳 栗林 伸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.56, pp.25-30, 2003-05-09
被引用文献数
1

NTT DoCoMoのi-modeサービス(携帯電話端末を用いたIPデータ通信サービス)は急激にユーザ数を増やし,サービス開始から約4年後の2003年2月16日現在で契約者数が約36,773,000に達している.このような爆発的に広まった希有な通信サーービスの普及過程は,ヒット商品に対するユーザの挙動を知る上で興味深いサンプルである.人間関係の構造は,エンジニアリングによる設計や形成が行なわれる対象ではなく,多くの人々が個々に活動することよって形成される.他の社会的現象やインターネットでも同様な過程で形成されるネットワークが存在し,それらはしばしばスケールフリーネットワークとなることが知られている.本報告は,i-modeのユーザ数とトラヒック量の関係に関する非常に簡単な分析から,i-modeのpotential customerである非常に大きな人間の集合に対して,人間関係のネットワーク構造がスケールフリーとなることを示す.また,ユーザの振舞いに関する傾向についても考察する.