著者
葛岡 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.130, pp.147-149, 2010-07-08

CSCWの研究では、実験・観察、分析・評価、そしてシステムの試作・開発を繰り返すことが重要であると言われている。しかし、システム開発を専門とする研究者が十分な分析・評価をおこなうことは難しい。筆者らは社会科学者と共同研究することによって、質的分析と量的分析を行いつつ、繰り返し手法を実践してきた。この経験から、両方の分析手法を複合的に利用することが有効であると考えている。
著者
増田 直紀 河村 洋史 郡 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.248, pp.77-78, 2009-10-15

世の中の複雑ネットワークの多くは、枝に方向をもつ有向グラフである。有向グラフに特化した中心性指標の代表例は、グーグルの検索エンジンの基幹をなすページランクというアルゴリズムである。本発表では、ネットワークが巨大であるなどの理由で各頂点のページランクが正確には求められないという状況のもとで、ページランクを近似する手法を紹介する。近似手法を開発するために、線形代数の行列=木定理を用いる。結果の実データへの応用例についても講演で触れる。
著者
繁田 脩 鏡 慎吾 橋本 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.43, pp.13-18, 2008-05-15

本研究では,カメラが得た運動情報と,加速度センサが得た情報との時間相関に基づいて,視野内の複数の運動物体の中から加速度センサを有する物体を識別するための技術を提案する.カメラと加速度センサの間には未知の時間遅れが存在するので,この時間遅れを考慮したうえで対応付けを求めるため,正規化相互相関を利用する.また,加速度センサの座標系が未知であるので,カメラから得られる運動情報に重力加速度の成分を加え,さらに座標系に依存しない値である加速度のノルムを用いて対応付けを行う.実験により,3人の歩行者の中からセンサを持つ人を識別できること,3人の手の動きの中からセンサを握った手を識別できることを示した.
著者
井上 真杉 大西 真晶 森野 博章 実藤 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.252, pp.99-104, 2008-10-15
被引用文献数
13

経路制御・接続管理機能を有する無線メッシュネットワークに基づいたセンサ情報によるサービス・アプリケーション提供プラットフォームに関して論じる。センサ情報を活用した、個人、家族、地域、コミュニティ向けの多彩な通信サービスとアプリケーションを実行可能なプラットフォームとし、センサ及びアプリケーションインタフェースをオープン化することで、インフラコストを相対的に低減し、地域ユビキタスサービスの実現を目指すものである。同プラットフォームは、物理無線メッシュネットワーク上に設定する多対多の論理経路を複数のサービスドメインがサービスに応じて選択できる環境を提供するとともに、ネットワークに接続されるセンサや端末の接続認証等を提供する。プラットフォーム化の意義、マネージド無線メッシュの概要、同プラットフォームを活用したセンサ情報アプリケーション提供モデルを示す。
著者
渡辺 敏雄 北崎 宏平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.131, pp.135-139, 2009-07-09

脚に装着した加速度センサの平易な統計的な特徴量(分単位の活動量評価と時間単位の活動頻度)を用いて,乳牛の発情検知を簡易に行う手法を報告する.発情検知は,酪農の生産性向上において最重要課題の一つである.加速度センサロガーを用いた数日間の観察を実施し,分析結果と,目視により確認した実際の状態を比較することにより,提案する発情検知アルゴリズムの有効性を示した.さらに,パラメータの自動設定方法などについても定量的な評価を行った.
著者
渡邊 賢治 達可 敏充 畠中 理英 尾上 孝雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.129-134, 2008-07-10

ホームネットワークなどにおける屋内位置推定システムによって,ユーザ位置に連動したサービス提供,トラッキングなど,さまざまなサービスが実現できる.これらのサービスを構築する際,位置推定結果をサービスプログラムと連動させるための間取り情報が必須である.しかしながら,一般に間取り情報は事前に手入力する必要があり,導入コストの面で問題となる.そこで本研究では,ホームネットワーク機器が位置する座標および部屋の番号から自動的に壁位置を推定し,間取り推定を行う手法を検討する.本手法ではドロネー三角形分割を利用することで部屋の隣接関係を導き,ドロネー辺の串刺し直線により間取り推定を行う.実在する家屋の間取りに対して本手法を適用した結果,推定結果が実際の間取りと一致した面積の割合が93.7%となった.
著者
門 洋一 張 兵 リム アズマン オスマン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.252, pp.13-16, 2008-10-15
被引用文献数
1

デジタルサイネージは、公共の場に置かれたディスプレイにおいて、その場にいる人に向けて適応的に提示する情報内容を更新することにより、より効果的に情報提供、宣伝広告、顧客誘導等を行おうとするものである。本稿では、デジタルサイネージの一つの実現方法として、携帯電話との連携性を高めることが有効であると考え、広く普及しているカメラ付き携帯電話を活用し、携帯電話でディスプレイ画面にタッチしてディスプレイ画面のブラウジングやディスプレイ画面に提示する情報の携帯電話への取り込みなどを実現する零次元コードシステムを提案する。
著者
石原 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.399, pp.59-62, 2009-01-15

ネットワークシミュレータに期待される処理内容は複雑さを増す一方であり,パラメータ空間も大きくなっている.こうしたシミュレーションを効率よく実行し,データ解析を行うためには,シミュレーションエンジンの高速化に加え,開発,シミュレーションのバッチ実行,データ解析に関する支援環境の整備が重要である.筆者は主に無線アドホックネットワークに関する研究のために,1998年頃よりns2,GloMoSim,Qualnet,OPNET,JiST/SWANSという複数のネットワークシミュレータを利用してきた.本稿では,大学研究室での学生とのネットワークシミュレータ利用の経験をもとに,ユーザの視点からシミュレータへの期待について述べる.
著者
紙谷 一啓 工藤 峰一 野中 秀俊 外山 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.152, pp.41-46, 2007-07-12

近年の情報機器や情報技術の発展に伴い,日常生活の様々な場面において生活の質を向上させる適切なサービスが望まれている.着席という動作は一日の活動に対して大きな割合を占めるととかち,着席時のユーザの振舞い情報をサービスに繋げることは有望である.そこで,椅子に圧力センサを設置し,着席中に座面にかかる圧力の分布から姿勢を識別する方法について検討する.
著者
藤田 迪 佐々木 威 河口 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.153-157, 2008-07-10
被引用文献数
1

近年,無線LANの急速な普及により,無線LANを用いた位置推定システムの実用性が高まりつつある.地下や屋内での利用が困難なGPSとは異なり,無線LANによる位置推定は,基地局情報のデータベースさえ存在すれば,屋内を含む任意の場所での利用が可能になる.いつでも自分の位置が推定できることにより,位置コンテキストを利用したさまざまな応用が期待できるが,実際には,公共の場所の屋内基地局情報のデータベースは存在しておらず,実用性の確認もなされていない.本研究では,無線LANを用いた屋内での位置推定の実用性の確認を目的として,地下鉄を対象とした位置推定手法を提案する.具体的には,名古屋市営地下鉄の全83駅の無線LAN基地局情報を収集し,これを学習データとした駅・フロア・エリアを推定する手法を提案する.
著者
今井 智大 岡田 崇 中田 潤也 丹 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.99-104, 2008-07-10

ホームネットワークの普及のためには、情報家電で構成されるホームネットワークに対してインターネットを通じてリモート管理を行なうサービスが重要である。このようなサービスでは、そのシステムを担う複数の要素がお互いにメッセージ送信を行なうためのインタフェースを定義することが必要となる。このような課題に対し、ホームネットワーク(以下HN)にサービスを提供するバックエンド事業者(以下BE)、管理サービスを仲介するサービスポータル(以下SP)、HN中の情報家電をとりまとめる宅内ゲートウェイ(以下CPE)とサービスを構成する要素を定義し、統一的なアクセスを行なえるようなインタフェースを提案する。提案システムはこれを構成するアーキテクチャの要素を定義した後、各要素のコンポーネントとそれが含む機能を定義した。またこのシステムが担うべき処理がどの程度実行可能かを検討した。
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.87-92, 2008-07-10

本稿では,単眼視線推定手法と広視野・高解像度カメラの組み合わせによる多人数視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その適用範囲は実験室内のような限られた空間や特定の被験者に限られていた.提案手法では眼球モデルの自動キャリブレーションが可能で,ユーザはキャリブレーション動作を意識する必要がない。また広視野・高解像度カメラにより,広い範囲でユーザの視線を推定できる.提案手法によって,例えば視線連動型の広告(看板)のように「公共の場」での利用を狙った視線インタラクティブシステムが実現できる。本稿では,「公共の場」での利用を想定した視線インタラクティブシステムの例として,ユーザの見たエリアに関する付加的な情報を,音声とぬいぐるみロボットの動作により提示する,インタラクティブロボット看板システムについて紹介し,その実証実験の様子についても報告する.
著者
相澤 清晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.59-65, 2008-07-10

何らかの電子的な手段で日常生活の有り様,活動をライフログとして取得することで,体験のデジタル化とアーカイブ化の道が開ける.そのようなデジタル体験ログを残すことで,日常生活の中で,今まで何気なく過ごし,見落としたり,忘れたりしてきた情報を活用することが可能になる.本稿では,ライフログに関してその概要を述べるとともに,我々が進めてきた以下の研究に関して,"住"と"食"という身近な視点でのライフログの試みに関して述べる.住のライフログは,ユビキタスホームによるライフログはマルチメディア記録とそのインタラクティブな検索を行う汎用指向のライフログであり,食のライフログは,食事支援という限定した応用を指向している.
著者
岩井 将行 Thepvilojanapong Niwat 石塚 宏紀 中村 陽一 金井 圭介 白石 陽 戸辺 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.13-18, 2008-07-10

近年,センサディバイスの小型化により,実世界の環境情報を安価なディバイスで取得できるようになってきている.特に,都市空間におけるヒートアイランド現状や人や車の流れを検知する必要が強まり,短期間で準備を行い,広範囲のエリアで情報を計測する要望が高まりつつある.しかし,センサは広域に分散して配置しなければならず,全てのセンサデータを一極に収集すると爆発的にトラフィックが増大する問題が発生する.我々は,都市空間の通信網でDB間をオーバレイネットワークによって接続し効率よくデータの収集と検索を行うTmuDBを開発した.
著者
川島 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.53, pp.9-12, 2007-05-17
被引用文献数
2

ユビキタス・センサネットワークにおけるアプリケーションは,自然環境,都市環境,あるいは人間を監視するものまで幅広く存在する.これらのアプリケーションを支援するデータベース技術は,網内データ処理とデータストリーム処理に大きく分けられる.網内データ処理はセンサネットワークの内部で演算を実行することで,電力消費量を削減しながら性能と品質を向上させる技術である.データストリーム処理は,センサネットワークから得られた膨大なデータを効率的にフィルタリングする技術である.同技術は性能を向上させるためにディスクには触れず,従来のDBMSとは全く異なるアーキテクチャを持つ.本論文ではこれらの技術の最新動向について述べる.