著者
山縣 友紀 櫛田 達屋 大浪 修一 桝屋 啓志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.3H1GS3d01, 2021

<p>生命科学領域では知識共有を目指してオントロジーの開発が盛んである.しかし,知識の蓄積が浅いテーマについては,一貫性をもった知識の体系化が課題となりそのままでは知識の相互運用も困難となる.そこで,本研究では新知識を体系的に定義し,既存知識への積み上げを可能とする知識基盤の構築を目指す.そして,その実現に向けて生命活動の中心となる生命の恒常性とその破綻に注目し,ホメオスタシスインバランスプロセスオントロジー(HoIP)を開発する.本オントロジーは,上位オントロジーを参照し,恒常性破綻に関する概念まで特殊化することで,生命科学横断的な体系化を一貫的に行う.次に,COVID-19について現実社会の要請に応じた新たな知識の蓄積に取り組む.COVID-19機序解明には感染症学をはじめ,免疫学,分子生物学等幅広い専門領域から感染における一連のメカニズムを説明することが不可欠である.本研究ではCOVID-19におけるウイルス作用と生体防御作用との恒常性破綻による進行過程について粒度横断的に概念を組織化する.さらに,ワクチンをはじめ既存のオントロジーとの関連知識の知識統合による重症化リスク低減を目指す.</p>
著者
北田 俊輔 彌冨 仁 関 喜史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.1H3OS12a02, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では,広告クリエイティブの停止予測に対して生存時間予測を利用した枠組みを提案する.広告クリエイティブの停止は配信効果の高いクリエイティブを選択するために重要なプロセスであるが支援する研究は未だ少ない.そこで深層学習を元にした広告クリエイティブを構成するさまざまな特徴量を考慮した生存時間予測の枠組みを提案する.この枠組みは ``売上を元にした損失項の導入'' と,``長期と短期をそれぞれを分割する2期間推定法の導入'' という2つの大変効果の高い技術から構成される.提案する枠組みは株式会社Gunosyから提供された1,000,000件の実世界における広告クリエイティブデータセットを用いて評価した.提案するマルチモーダルなDNNを元にした枠組みは従来手法よりも高い予測精度を実現した.2期間推定法では短期モデルおよび長期モデル共に20pt程度の大幅な予測精度の改善を確認した.売上を元にした損失項を導入することで,さらに3pt程度の予測精度の向上を確認した.
著者
後藤 匡史 長木 悠太 鈴木 英之進
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.193-201, 2001-11-01
参考文献数
13

This paper presents a novel decision-tree induction for a multi-objective data set, i.e. a data set with a multi-dimensional class. Inductive decision-tree learning is one of the frequently-used methods for a single-objective data set, i.e. a data set with a single-dimensional class. However, in a real data analysis, we usually have multiple objectives, and a classifier which explains them simultaneously would be useful. A conventional decision-tree inducer requires transformation of a multi-dimensional class into a singledimensional class, but such a transformation can considerably worsen both accuracy and readability. In order to circumvent this problem we propose a bloomy decision tree which deals with a multi-dimensional class without such transformations. A bloomy decision tree consists of a set of decision nodes each of which splits examples according to their attribute values, and a set of .ower nodes each of which decidesa dimension of the class for examples. A flower node appears not only at the fringe of a tree but also inside a tree. Our pruning is executed during tree construction, and evaluates each dimension of the class based on Cram&eacute;r&rsquo;s V. The proposed method has been implemented as D3-B (Decision tree in Bloom), and tested with eleven benchmark data sets in the machine learning community. The experiments showed that D3-B has higher accuracies in nine data sets than C4.5 and tied with it in the other two data sets. In terms of readability, D3-B has a smaller number of decision nodes in all data sets, and thus outperforms C4.5. Moreover, experts in agriculture evaluated bloomy decision trees, each of which is induced from an agricultural data set, and found them appropriate and interesting.
著者
船木 洋晃 佐々木 彬 岡崎 直観 乾 健太郎 深田 陽介 竹下 隆一郎 田森 秀明 野澤 博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1K32, 2014

<p>本研究では2013年の参議院議員選挙より解禁されたインターネット選挙を受け、 ツイッター上での選挙運動を分析し、実際の選挙結果との相関を考察する。さら に,特定の候補者に対する当選・落選を期待する言語表現から当選運動・落選運 動を予測する分類器を生成し、各候補者に関する運動の盛り上がりを分析する。</p>
著者
佐藤 浩史 笠原 要 金杉 友子 天野 成昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.502-510, 2004 (Released:2004-09-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1 3

This paper proposes a new method for selecting fundamental vocabulary. We are presently constructing the Fundamental Vocabulary Knowledge-base of Japanese that contains integrated information on syntax, semantics and pragmatics, for the purposes of advanced natural language processing. This database mainly consists of a lexicon and a treebank: Lexeed (a Japanese Semantic Lexicon) and the Hinoki Treebank. Fundamental vocabulary selection is the first step in the construction of Lexeed. The vocabulary should include sufficient words to describe general concepts for self-expandability, and should not be prohibitively large to construct and maintain. There are two conventional methods for selecting fundamental vocabulary. The first is intuition-based selection by experts. This is the traditional method for making dictionaries. A weak point of this method is that the selection strongly depends on personal intuition. The second is corpus-based selection. This method is superior in objectivity to intuition-based selection, however, it is difficult to compile a sufficiently balanced corpora. We propose a psychologically-motivated selection method that adopts word familiarity as the selection criterion. Word familiarity is a rating that represents the familiarity of a word as a real number ranging from 1 (least familiar) to 7 (most familiar). We determined the word familiarity ratings statistically based on psychological experiments over 32 subjects. We selected about 30,000 words as the fundamental vocabulary, based on a minimum word familiarity threshold of 5. We also evaluated the vocabulary by comparing its word coverage with conventional intuition-based and corpus-based selection over dictionary definition sentences and novels, and demonstrated the superior coverage of our lexicon. Based on this, we conclude that the proposed method is superior to conventional methods for fundamental vocabulary selection.
著者
佐々木 淳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3P1OS16a02, 2020

<p> 筆者が行っている TVCM の解析プロジェクト「 Creative Genome Project 」では、日本の TVCM における代表作品群を解析し、視聴者の読後感を基に TVCM における「体験」を 16 に分類している . ( この「体験」を本解析モデルにおいては CCT( コミュニケーション・コンセプト・タグ ) と呼称している . ) これら CCT を簡易に再現可能にするため , 今回は 11 種類の CCT に対して以下の研究を行った . ① まず 11 の CCT それぞれを特徴付けるため , 各 CCT に属する代表的な CM コンテンツの持つ深層構造(物語の骨格・フレーム)を解析し , 11 の各体験パターンそれぞれに対して , この構造を反映した典型文章を作成した . ② これらの典型文章に対し ,16 業種の商品やサービスを代入し , 意味的な練度を保つ文章を作成した . その上でこれら文章においても ,CCT や読後感がずれていないかを検証した . 結論として ,11 の CCT について概ね再現が良好であった . 以上について , 主に方法論と結果 , 今後の課題について報告する . </p>
著者
永田 大貴 篠田 夏映 沼田 知里 磯川 雄大 濱中 杏香
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.2G5J1302, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では、秘密共有の状況における人工知能システムの信頼への影響を検討した。 従来の人間関係構築に関する研究において、秘密の共有は信頼関係の構築に影響を及ぼすことが明らかにされており、 また、ロボットやコンピュータに対する人間の態度に関する研究では、人間はロボットやコンピュータに対して人間と同様の反応を示すことがわかっている。 したがって、我々は秘密共有が人工知能の信頼に影響を与えるかどうかに焦点を当てた。 信頼ゲームを組み込んだサーベイ実験を行い、その結果、秘密共有が人工知能との信頼関係の構築に良い影響を与えることがわかった。
著者
渡辺 哲朗 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.4M11, 2015

<p>政治資金の不適切な収支は社会的注目度の高い問題であり、不適切な政治活動実態は見逃されるべきではない。本研究では、Web上の情報を用いることによって政治資金収支報告書を分析し、不適切な政治資金の収支を自動検出するための手法の提案を目指す。政治資金収支報告書に記載のある収支相手の名称・住所などを用いて、関連情報をWeb上から効果的に抽出し、これを外部情報として利用することにより、適正性の判定を試みる。</p>
著者
山内 拓真 根本 さくら 長野 恭介 中村 祥吾 斉藤 勇璃 宇田 朗子 村井 源 迎山 和司 田柳 恵美子 平田 圭二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1304, 2020 (Released:2020-06-19)

本論文では,与えられたゲームシーンに対し自動的にBGMを選曲するシステムについて述べる.本システムは,RPG自動生成システムの一部として機能することが想定されており,自動生成されたゲームシナリオが入力されると,各ゲームシーンの感情状態に合致したBGMをデータベースから選択する.まず,既存RPGにおける各シーンにユーザが感情状態をタグ付けして訓練データを作成する.各シーンに付与されているBGMの音響特徴量を算出し,ニューラルネットワークを用いて,その音響特徴量と各シーンの感情状態の対応関係を学習する.シーンの感情状態を表す指標にはHevnerが定義した音楽心理カテゴリを用いた.予めBGM候補となる楽曲群データベースを用意し,それらの音響特徴量を算出しておく.ゲームシナリオで指定されたシーンの感情状態がニューラルネットワークに入力されると,対応する音響特徴量が得られ,音響特徴量の類似した楽曲がBGM候補群の中から選択される.現在,RPG自動生成システムに組み込んで全体動作を確認しており,被験者実験の準備を進めている.
著者
塩見 昌裕 中田 彩 神原 誠之 萩田 紀博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2N22, 2017 (Released:2018-07-30)

自己開示は,人が他者との関係性を構築するために重要な意味を持つ.本研究では,人とロボットが身体的な接触を行うことで,人々がロボットに行う自己開示をより促すことができるかどうかを明らかにすることを目的とし,半遠隔操作型のロボットが人との身体的接触を行いながら自己開示を促す実験を行った.実験の結果,ロボットからの身体的接触が人々の自己開示をより促す傾向が見られた.
著者
後藤 成晶 土屋 英滋 水野 祥宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.3J4GS6c04, 2021 (Released:2021-06-14)

Software as a Serviceに代表されるX as a Serviceは、開発と運用を一体化したDevOps方式を採用する事が多い。DevOpsを採用する目的は、システム運用時におけるユーザー要求の獲得と、システム開発時におけるユーザー要求の反映との繰り返しにより、システムをユーザーが求める姿へ育て上げる事である。本研究では、DevOpsをより高速に実施できるよう、SNS投稿文のような自然言語文章からユーザー要求に関する記述を抽出し、システム開発に反映しやすいSysMLに準拠した表現形式に自動変換する自然言語処理アルゴリズムを検討する。本稿では、自然言語処理タスクの定義、およびBERTによる固有表現抽出タスクを応用した実装、F値69.3%を確認した試行結果について報告する。
著者
竹中 幹 浦野 昌一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1G4GS2c05, 2021

<p>近年、不規則に経済情勢が変化し、 多くの企業の情報がインターネットに飛び交う中、投資家はリスク回避のため様々な情報を元に企業を評価し、株の売買の意思決定をすることが必要となってきている。しかし、投資家がそれら全ての情報を評価することは困難である。そのため、現在、莫大な情報を正しく評価することが求められている。そこで本稿では、投資家の意思決定を手助けするために、ネットニュースなどの株価に関する企業の情報に自然言語処理を用いることで新たな入力変数を導入し、株価の「始値」「終値」「高値」「安値」とともに予測モデルに適用することを提案する。予測手法としては、重回帰モデルとニューラルネットワークを用いる。複数の個別企業銘柄の株価予測に提案法を適用し、シミュレーションにより提案法の有効性を比較検証することで高度な株価予測を目指す。</p>
著者
岩垣 守彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回 (2017)
巻号頁・発行日
pp.1D2OS29a1, 2017 (Released:2018-07-30)

散文は基本的には「理由・原因(動作・状態)+随伴主動作+結果(動作・状態)」という三つの要素を揃えて「論理的納得」を与えようとする.和歌・短歌・俳句なども「論理的納得」を基礎とするが,様々な詩的技巧をこらして「感覚的共感」を与えようとする.和歌・短歌・俳句の論理的な言い換え散文を参考にして,韻文による共感喚起の手法を探ってみる.
著者
今田 隆人 瓜生 紗希 甲斐田 裕清 北村 花梨 中川 聖加
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.3H4GS11a01, 2021

<p> 本研究の目的は、検索エンジンによるアルゴリズムによってユーザーが好みの情報に囲い込まれるという弊害があるフィルターバブルに対して、多様な情報に触れることができる環境の形成手段について調査することである。先行研究では、フィルターバブルのもたらす効率性や合理性について肯定的な主張が成されている一方、イデオロギーの極性化や、それに伴う社会の分断の可能性といったフィルターバブルの危険性についても言及されている。 本稿では、多様な情報に触れるナッジを検討し、導入した場合と導入しなかった場合で対照実験を行った。本研究から得られる知見によって、フェイクニュースやヘイトといった社会の分断にも繋がりかねない問題の解決の一助となることを示唆する。</p>

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著者
市川 伸一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.523-524, 1993-07-01 (Released:2020-09-29)